突発ネタ作品   作:マーシィー

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久しぶりの投稿

作者も覚えていないあやふや設定&時間軸&人物設定

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傍観少女は“視”てるだけ IF4

 失敗した 失敗した 失敗した

 

 

 私は失敗してしまった。

 

 

 魔法大戦を引き起こす原因になったネギスプリングフィールドに、その師匠となるエヴァンジェリンに私は干渉した。

 

 

 だがそれがいけなかった。

 

 

 私が干渉した結果 ネギスプリングフィールドは本来たどるはずだった道筋をそれまったくちがう結果を引き起こしてしまった。

 

 

 本来ならば仮契約を神楽坂明日菜と行ってから戦うはずであった、 エヴァンジェリンとの戦いをたった一人で挑みさらに負けてしまったのだ。

 

 

 この戦いの末に二人は師弟の関係になるはずがそうはならず、呪いをかけた血縁者の血という登校地獄を解除するための触媒を手に入れるために、彼女は彼の血を干からびる手前まで吸ってしまった。ゆえに彼は心が折れてしまった。

 

 

 英雄の息子、魔法の天才などといわれてもまだ10歳にもならない子供だ。

 

 

 本物の実戦を経験した直後に死を実感するほどまでに血を吸われればたとえ天才とうたわれ様とも耐えれるようなことではない。

 

 

 ましてやこの学園に来るまで彼は失敗らしい失敗を経験していない。それが拍車をかけた。

 

 

 この事件に学園側の魔法使いたちは当然のように怒り学園所属の魔法使い総出で彼女を討伐に赴くこととなった。学園長や彼の父親と知り合いであったタカミチ先生は止めようとしたようだが正義という言葉に染まった、いや狂ったといっていい魔法使いたちは止まらなかった。

 

 

 だが相手は600年以上を生きた吸血鬼で高額の賞金首でもあった彼女である。学園で戦いを経験しているとはいえ彼女から見れば一山いくらの雑魚といっていい存在だ。さらに長年彼女を苦しめていた登校地獄を解除した直後で鬱憤を晴らすように魔法使いたちを蹴散らしていった。

 

 

 これには学園長も隠蔽できることではなく、さらにこの出来事が外部に漏れ麻帆良学園に多くの侵入者や襲撃者が襲来しそれらから学園を守るはずの魔法使いたちが軒並み戦闘不能になっていたため麻帆良学園は襲撃者の手により陥落した。

 

 

 学園長は彼女に学園を守るように頼んだようだがそれを彼女が聞き入れるよりも前に襲撃者が来てしまい混乱の中で彼女も戦ったようだが守りきれなかった。

 

 

 そしてその戦闘で学園で生活している一般の生徒や職員たちの住民に魔法という存在がばれてしまった。

 

 

 そこからは私がかつて視たログの結末をたどるように世界は進んでいく。

 

 

 魔法という空想で未知の技術が世界中に拡散されそこから始まる魔女狩り、魔法使いたちの迫害、それらを止める為という名目で魔法世界から侵略してくる魔法使いたちや亜人たち。

 

 

 そして私たちが居る世界と魔法使いたちが居る世界と世界の戦争、魔法大戦の勃発。

 

 

 私はそれらを彼女のそばで視続けた。私が干渉してしまった結果が魔法大戦を早めてしまったのだ。

 

 

 彼女は私のせいではないと言ってくれたがそうとは思わない。

 

 

 少なくとも私があの時に干渉をしなければ、魔法使いである彼や彼女に関わらなければこんな結末には成らなかったはずだ。少なくともここまで早くに魔法大戦が始まりはしなかったはずだ。

 

 

 だから私はこの記憶と感情を、彼女と過ごした時間で得た技術や経験を()()()()に送る。

 

 

 この世界での私は失敗してしまった。だけどこのログを過去の私に伝えれば、この失敗はしないはず。

 

 

 過去の私。傍観していただけの少女。このログを視て何を思うかは分からない。でも今の私は自分自身の意思で魔法とかかわりを持った。

 

 

 傍観していただけの少女ではもう居られない。たとえこのログを無視したとしても待っているのは戦争という結末だけ。

 

 

 どうか私と同じ結末を迎えないように。私とはちがう結末を迎えれますように……

 

 

 

 

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「……覚悟は決まったのか?」

 

 

 過去に麻帆良学園と呼ばれ、現在は魔法世界から来た魔法使いたちの前線基地となった場所から少し離れた森の中。警戒網ギリギリの場所に彼女たちは居た。

 

 

「はい……ここまでありがとうございました。マスター」

 

「考え直すことは出来ないんだな」

 

「……はい。これはやらなくてはいけない事なんです」

 

 

 無表情でうなずく女性。魔法大戦の中マスターであるエヴァと共に死線を潜り抜けた少女は大人となっていた。その身には服では隠しきれないほどの大小さまざまな傷が無数に存在し傷が無ければ美女といって間違いは無かったであろう。

 

 

 能力を使えば傷跡など残ることは無かったのに女性はそれをしなかった。未熟で、無知で、魔法を、戦いを、戦争を、表面でしか知らなかった自分自身への戒めとして残したのだ。

 

 

「この数年、お前には私が教えれることはすべて教えた。その能力も合わせれば一流といわれる魔法使いと戦ったとしても勝てるだろう。だがそれだけだ。この先にある前線基地、その最深部にある世界樹にたどり着けるかは分からないぞ」

 

 

 怒りを隠すような声で女性に話すのはかつて闇の祝福といわれた吸血鬼()()()エヴァンジェリンその人。だがその姿は成人女性の姿である。女性の能力により吸血鬼のスペックはそのままに人間に戻ったのだ。

 

 

「それでもです。それでも私は向かわないといけない。今回の世界樹の発光を逃せば次がいつになるかは分かりません。だからいかなければいけないのです。過去の私のために」

 

「過去の自分の為に今の自分が死んでもいいというのか!!」

 

 

 胸倉を掴み怒鳴るエヴァ。

 

 

「お前は私をあの牢獄から解放し、吸血鬼という呪いからも解き放ってくれた……恩人なんだ。それを、それなのにお前は私を残して死ににいくというのか!!」

 

 

 怒りながら、怒鳴りながらもその声には悲しみしかない。そんなエヴァを抱きしめる。

 

 

「私は恩人なんかじゃありません。私のせいでマスターが本来たどるべき道筋を歪めて「本来の道筋なんて関係ない!!今、ここに居る私が、お前を恩人だといっているんだ!!」……」

 

 

「ごめんなさいマスター……いいえエヴァンジェリン。そう言ってくれて救われました」

 

 

 泣いているエヴァにぎこちないながらも笑顔でそう伝えゆっくりとエヴァを離す。

 

 

「……茶々丸さん。エヴァをお願いしますね」

 

 

「……はい」

 

 

 離れた場所で隠れながら見守っていた茶々丸にエヴァを任せ彼女は一人世界樹に向かっていく。

 

 

「  」

 

 

 エヴァが彼女の名前を呼ぶ。

 

 

「過去のお前に伝えておけ!!必ず私を頼れと!!私はどんな時でもお前の味方になると!!」

 

 

 女性は一度だけ振り向き頷く。それと同時にエヴァの思考が()()()()()()()

 

 

(ありがとうエヴァ。たった一人の私のマスター)

 

 

「……ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、一時間と立たない内に前線基地で警報音と爆音が鳴り響きそれと同じくして世界樹が過去類を見ないほどの発光現象を起こし、それと同時にエヴァの持つ彼女の仮契約のカードが消滅。エヴァはそれを見届けるとその場から立ち去った。

 

 

 この先の未来は彼女のログには存在しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ____________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               「受け取ったよ、私」

 

 

 


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