私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!   作:みかづき

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第2回学級裁判 前編③

あ、ありのままの出来事を話すぜ・・・!

史上最凶の連続殺人鬼が現れたと思ったら、

突如、無実を主張し始めた。

何を言ってるのかわからねーと思うが、

私も何が起こっているのかわからない。

本当に頭がどうにかなりそうだった。

 

ジェノサイダー翔の登場により、

クライマックスを迎えたかに見えた学級裁判は、

そのジェノサイダー本人により、真逆に向かって再び動き始めた。

 

何なのだ、これは・・・?

一体、私は何度同じセリフを言えばいいのだ!?

 

「根暗の日記を読んで、びっくりしちゃったじゃないの!

アタシが不二咲とかゆう”女子”を殺したなんて。

根暗のヤツも私が殺ったと思い込んでるし、失礼しちゃうわ!

一体、誰なのよ、アタシを嵌めようーて野郎は!」

 

軽快ながら、だが怒りを込めて殺人鬼は語る。

模倣犯の存在を。

そして、自分が利用されたことを。

 

「ジェ、ジェノサイダーがクロじゃないの・・・?」

 

私は小さくそう呟いた。

それは、この状況に対する当然の反応。

あまりにも自然な心情の吐露だった。

 

「ん?」

 

(あ・・・!)

 

だが、場所がいけなかった。

私の席は不運にも腐川冬子の隣。

 

つまり、今、私の隣にいるのは・・・

 

「おや?おやおやおや~~?」

 

殺人鬼は、首だけ傾けて私を見つめる。

その瞳に恐怖で青ざめる私が映る。

 

「なんでかな~?チビッ子から魂の共鳴を感じるぞ~」

 

「!?――――」

 

わけのわからないことを言った次の瞬間、ジェノサイダーは私の視界から消えた。

 

「ドント・ム~ブ・・・!」

 

一瞬で背後に回り込まれた。

私の喉に殺人鬼の指先が優しく触れる。

 

「・・・暴れるとどうなっちゃうか、わかるわよねぇ?」

 

耳元で囁かれる悪魔の言葉に私は震えながら小さく頷いた。

ハッタリなどではない。

その言葉に逆らった瞬間、私の命が終わることを本能が告げている。

 

「では、ちょっと失礼しますよ~~っと」

 

(ちょ―――ッ!?)

 

突如、ジェノサイダーは、私の胸元に腕を突っ込み、服の内側をまさぐり始めた。

 

もし、人気漫画でこの状況が描かれるならば、

ああ・・・イ、イヤ~~~と

恥ずかしそうに真っ赤になった私が百合百合しく描写され、

その場面をネタに大量の薄い本が出回るに違いない。

だが、現実はあまりにも違う。

私はまるで漬物石にでもなったかのように、ピクリとも動けず、

その内心では、

 

(や、やめろォオオオオオオオオ~~~~~~~~ウォォオオオオオオオオ~~~)

 

とまるで恐竜に追われる原始人並の悲鳴を上げていた。

 

「お、おお~!やっぱりあったわ!」

 

私の内ポケットから”ソレ”を取り出した殺人鬼は歓声を上げた。

 

「私の”相方”をアンタが持ってるって、はっきりわかったんだよね!

だってぇ、アタシのことを呼んでるんですもの~~!」

 

ジェノサイダーの手の中で鈍く光る”ソレ”を見て、私は絶句した。

なんということだ・・・!

私が、いざという時のために準備していた”ハサミ”が殺人鬼の手に渡ってしまった。

というか・・・あのハサミってジェノの・・・

 

「ねぇ~チビッ子。私の相方、どこで手に入れたのかなぁ~」

「ヒッ・・・!」

 

鋭利なハサミが鈍く光る。

凶器に使えそうだとは思っていたけど、

まさか、実際に凶器として使われていたなんて想像もできなかった。

 

「こ、購買部にモノモノマシーンというガチャガチャがありまして、それを」

 

嘘をついても仕方がなかった。

私は当時の状況を必死で思い出しながら、早口で説明を始めた。

 

「あ、ふ~ん。別に興味ないからもうどうでもいいや」

 

あーぶん殴りたい。

クラスメイト相手なら、頭にチョップの1つくらいしていただろう。

だが、この殺人鬼にそんなことしようものなら、即あの世行きだ。

この一貫性のなさこそ、サイコパスたる所以なのだろう。

コイツの行動がまるで読めない。

前言を撤回して、いつ襲い掛かってくるか、わかったものではない。

 

私がそう危惧している時だった。

 

「相方が戻ってきて、ようやく本調子に戻ったわ!じゃあ・・・さっそく―――」

 

悪い予感は早くも的中した!

さっそく、快楽殺人を始めようというのか!?早く逃げな―――

 

 

「アタシの無実を証明してあげようじゃないの!」

 

 

凶器を高々と掲げ、ジェノサイダー翔は、そう宣言した。

 

「へ・・・?」

 

半ば逃げる体勢に入っていた私は、恐る恐る振り返った。

無実を・・・証明する・・・?

確かにこの殺人鬼はそう言った。

人殺しのコイツがその真逆となる無実を証明するというの?

一体、どうや・・・

 

「ここで突然の、ジェノサイダークイ~ズ!」

 

チャカチャカチャカ♪と謎のBGMを笑顔で口ずさみながら、

ジェノサイダーは軽快に腰を振り始めた。

私だけでなく、周りのみんなもあっけにとられてそれを見ている。

何が起こっているのか、何が起きようとしてるのかわからない。

というか、怖えよ・・・!え、何がしたいのコイツ!?

 

「恒例のジェノサイダークイズ!さっそく第一問目を逝ってみましょう!」

 

私達のことなどお構いなしに殺人鬼はクイズ?を進行させる。

いつの間にか恒例になってるし・・・そもそもどこに逝くというのか。

 

「アタシが凶器として使用し、

磔の際に使うものは何でしょうか!?ハイ!チビッ子!」

「ヒッ!!」

 

お題が出たと思った瞬間、私の鼻先に凶器が突きつけられた。

 

「ハ・・・ハサミ!」

「はい!チビッ子、正解入りました!」

 

「ちょ、ちょっと待・・・あッ・・・!」

 

 

それはもはやクイズの回答などではなく、

ただ目の前にある凶器の名前を反射的に呼ばせただけだった。

だが、そのおかげで私は思い出す。

ちーちゃんと一緒に図書室で震えながら見た恐ろしい殺害写真の数々を。

被害者は全員、”ハサミ”で手足を刺されて、磔にされていた。

 

「そう!アタシはね信念と情熱をもって殺人をやってるの!

だから、アタシの殺しには一流ならではの拘りってのがあるの!

一流ラーメン店がスープや麺に拘るのと一緒!

アタシの殺人芸術にも、超一流ならではの拘りがあるのよ!

それがこの自作のMyハサミ!

殺しも磔も使い慣れたハサミは絶対に外さねーんですけど~~!!」

 

これみよがしにジェノサイダーはハサミを見せびらかす。

その回答に場がざわつき始めた。

みんなも気づいたのだ。

ちーちゃんは、”ダンベル”で殴打され、”コード”で磔にされていたのだ。

だが、それはジェノサイダーの”拘り”とは明らかにかけ離れていた。

 

「やっと気づいたみたいね、お馬鹿ちゃんたち!

さらに大サービス!アタシの殺しにはまだ隠された”法則”があるのよ~~!

それがわかれば、アタシがあの”ロリコン”を殺すわけねーのがわかるはずよ!

さぁ~わかる人はいるかしら?」

 

ジェノサイダーはダンスを舞うように回転した後で、キメ顔で私達にハサミを向ける。

この場は完全にヤツに主導権を握られてしまっている。

だが、気になる・・・!

隠された法則って一体・・・

 

「事件の被害者は全員、男性・・・そうだよね?」

 

その声の主に私は何度、助けられたことだろう。

ジェノサイダーの質問に答えたのは、苗木君だった。

 

「はい!まー君、大正解!」

 

妙に馴れ馴れしいあだ名で苗木君を呼んだのはとりあえず置いておくとして、

苗木君の回答は正解だったようだ。

嫌な気持ちを抑えながら、あの殺害現場の写真を思い出す。

確かに被害者に女性の姿はなかった。

被害者の写真はどれも男性、しかも若い男の人だった。

 

「そう!アタシのターゲットは萌える男性!

何故て・・・?だって、アタシ、腐女子ですもの~!

根暗が大ッ嫌いな腐女子ですもの~貴腐人一直線の腐女子ですもの~!」

 

顔を赤らめながら、殺人鬼は自分の性癖を連呼する。

それが殺人の動機であるならば、被害者は浮かばれないと同情を禁じえない。

まあ、イカレた殺人鬼に道理・道徳を求めても仕方のないことだけど・・・。

 

「そうゆーわけよ!アタシがあの”ロリコン”殺すはずねーってこと、わかってくれたかしら?」

 

ジェノサイダーは、私達に同意を求めてる。

だが、私達はどうリアクションをとればいいのかわからなかった。

 

「フン、キサマの趣向などどうでもいい」

「アン・・・?」

 

そんな中、十神がジェノサイダーに冷笑を向ける。

己が趣向を否定されたことに、ジェノサイダーはピクリと反応する。

 

「今回の殺人は自分の正体を隠蔽するために行う必要があった。

つまりは、自分の命がかかっていたわけだ。

ならば、隠蔽のために、趣向を変えるのは当然だろ?」

 

確かに・・・十神の言うことは一理ある。

今回は快楽のための殺人ではない。

ならば、例外としてその趣向を変えてもおかしくはな・・・。

 

私が十神の意見に同意しようとした時だった―――

 

ガッツ――――

 

「ヒッ・・・!」

 

 

私はそれを見て、小さな悲鳴を上げた。

私の机に、ハサミが突き立てられていたのだ。

 

「誰が・・・命を惜しむって・・・?」

 

ジェノサイダーからあの”殺気”が迸る!

 

 

「ちょっとイケメンだからって、調子に乗ってんじゃねーぞ、この”ド雑魚”がァ~~!!」

 

 

超高校級の”御曹司”・・・あの十神白夜に向かって、ジェノサイダーはそう言い放った。

 

「アタシは殺人を行う時は、いつも死を覚悟してんのよ!

被害者に反撃されて死ぬかもしれない・・・

警察に追われて射殺されるかもしれない・・・

なにより、アタシの快楽のために死んでくれる萌える男子諸君に報いるため、

私はいつも死ぬ覚悟で殺人を行ってるの!

だからこそ、アタシの殺人は芸術に昇華するのよ!」

 

ハサミをグリグリと動かしながら、ジェノサイダーは語る。その狂気の信念を。

 

「そのアタシが命を惜しさに信念を曲げる・・・馬鹿じゃねーの!

周りの状況に流されるのは、二流、三流。

アタシは超一流なの!

自分の信念をいつでもどこでも貫けるから!

だからこそ、私は超高校級の”殺人鬼”!

テメーも同じ超高校級なのに、そんなこともわからねーのか!この負け犬がぁ!!」

 

ジェノサイダーはハサミを引き抜き、十神に向けて叫んだ。

それはメチャクチャな論理だった。

殺人鬼は自分の拘りと信念を語っただけだった。

だが、それに反論する者はいなかった。

 

ここは希望ヶ峰学園。

才能―――

それがこの学園において、唯一にして絶対の価値。

ここに集う者は、己が信念を貫き続け、そのジャンルの頂点に立った高校生。

 

だから・・・だからこそ、誰もジェノサイダーのその言葉に反論するものはいなかった。

その言葉が己が超高校級のプライドを刺激したから。

殺人鬼の言葉は、超高校級の本質を突いていたから。

 

「き・・・キサマッ!!」

 

それがわかっているからこそ、十神は激昂するも、反論することができなかった。

 

 

「百歩譲って、アタシが正体がバレのを防ぐため、渋々殺人を行ったとして、

磔にして”チミドロフィーバー”なんて描くわけねーだろ!

アタシが殺ったてバレちゃうじゃない!このスカタンども!」

 

(あ・・・!)

 

凡人たる私にはこちらの方が説得力を感じる。

確かに、ジェノサイダーの言う通りだ。

 

じゃ、じゃあ、本当にジェサイダーがクロじゃない・・・?

 

「ジェノサイダーがクロじゃないなら・・・でも、この方法はジェノサイダーしか知らないって・・・」

 

朝日奈さんに言葉に場がざわつき始める。

クロ候補が消えたことで、裁判は再びスタートラインに戻ったのだ。

より大きな謎を残して。

 

「君なら・・・可能なんじゃないかな?十神君」

「何・・・?」

 

そんな中、苗木君が十神に言葉を投げる。

 

 

「ジェノサイダーに関する情報は、全て君から始まっているのだから」

 

 

―――――ッ!

 

場に衝撃が奔る。

私は思い出していた。

ジェノサイダーに関する情報・・・その出所は全て十神からだった。

ジェノ犯人説の根拠となる、殺人後の磔にする・・・という情報も・・・。

それが警視庁の捜査関係者しか知りえない極秘事項だというのも・・・。

全て情報は・・・十神白夜から起因する。

 

「それに・・・あの時、君は明らかに怪しい行動を取っていたんだ」

「なんのことだ?いいだろう、聞いてやる。言ってみろ」

 

一瞬、苗木君から”太陽の光”のようなオーラが迸ったように見えた。

こういうのを”才気”とでも表現した方がいいのだろうか?

本来は見えるはずのないそれも、この異常な空間によって、

ほんの一瞬、垣間見ることができても不思議ではないかもしれない。

もちろん、誰にも言うつもりはないのだけど。

あれが見えるということは、今の苗木君はあの時の・・・

クロを論破したあの第1回学級裁判の時の苗木君だということ。

その苗木君を前に、十神は不敵な笑みを崩すことはなかった。

 

「君は、不二咲さんが殺された時になぜ、女子更衣室に向かったの?」

「何を言い出すかと思えば・・・不二咲は女子だ。女子更衣室に向かうのは当然だろう」

 

 

「それは違うよ!」

 

 

”言弾”が十神の頬をかすめる。

 

「あの時、すでに君は、殺されたのが不二咲さんだと知っていたんだ!

だから、男子更衣室を調べず、女子の生徒手帳がなければ開くことができない

女子更衣室にまっすぐに向かうことができたんだ」

 

「ああ・・・ッ!」

 

私は思わず声を上げてしまった。

あの時のことを思い出す。

男子更衣室に向かわずに、女子更衣室に進む十神。

私は、慌てて生徒手帳を出そうとした。

このままでは、十神が不法侵入でマシンガンに撃たれてしまう・・・!

そう思ったから。

その直後に、モノクマの放送が入り、

十神はそれを予想していたかのように笑っていた。

アイツは・・・ちーちゃんが殺されているのを知っていたんだ・・・!

 

「ククク、なるほどな」

 

十神は肩を揺らし笑う。

皆の疑惑の疑惑の視線を一身に受けながら。

容疑は再び、”本命”十神白夜に戻ってきた。

 

「だが、怪しいのは俺だけではないはずだ」

 

十神はその直後、私を指差し、”言弾”を放った。

 

「ジェノサイダーの情報は、そこのイモ虫も知っていたぞ。

気まぐれから図書室でジェノサイダーについて、

コイツと不二咲に話したことがあった。

女子であり、不二咲の友人であるソイツの方が、

俺より、遥かにこの犯行を行うことが容易だろう?」

 

「え・・・!」

 

容疑はまた、私に向かって戻ってきた。

悔しいが確かにそれは事実だった。

私は、自分に向かってくる”言弾”を防ぐ術がなかった。

 

「黒木さんは、腐川さんとジェノサイダーの秘密を知らなかった。

この犯行を発想できるのは、その関係を知っているあなたしかいないわ」

 

十神の”言弾”が私に当たる直前、霧切さんの”言弾”がそれを相殺した。

 

「男子である俺は女子更衣室に入ることはできない。俺に犯行は不可能だ」

 

 

「それは違うよ!」

 

 

今度の”言弾”は十神の右肩を撃ち抜いた。

 

「玄関ホールに、舞園さんと江ノ島さんの電子生徒手帳がある。

君はそれを使って女子更衣室に入ったんだ!」

 

苗霧コンビの華麗な連携。

それは、まるで西部劇を見ているかのような錯覚に陥る。

 

 

ここは悪党が支配する街・サウスタウン。

街の保安官である苗木君と霧切さんは、

ティガロンハットを被り、互いに背を合わせながら、悪党どもを弾丸で打ち抜く。

 

「ククク」

 

その眼前には、この街の市長にして、

悪党どもの元締めである十神が不敵な笑みを浮かべる。

追い詰められたのに、ヤツはまだその余裕を崩さないでいる。

 

 

”クロ”の影の中から、不敵な笑みを浮かべる十神白夜が現れた。

 

 

やはり・・・やはりコイツが―――

 

「テメーが”クロ”だったのか!コラァアアアアアアーーーーッ!!」

 

激昂した大和田君が机に拳を叩きつけた。

その瞬間・・・私の憎悪に火がついた。

 

「やっぱり、お前がちーちゃんを殺したんだな!十神白夜!」

 

私は十神を指差し、叫んだ。

やはり、予想通り、十神白夜がクロだったのだ。

腐川とジェノサイダーの秘密を知った十神は、

己が罪を腐川達に被せるための殺人計画を練り上げた。

被害者は誰でもよかった。

ちーちゃんが選ばれたのも、恐らくは殺しやすかったからに違いない。

どんな手を使ったかは知らないが、

ちーちゃんを深夜、女子更衣室前に呼び出した十神は、

彼女をむりやり、男子更衣室に連れ込んだ。そして、そこでちーちゃんを殺害。

今度は、ちーちゃんの電子生徒手帳を・・・

いや、念のために、

苗木君が言ったように舞園さんか、江ノ島さんの電子生徒手帳を使って、

女子更衣室に入り、ジェノサイダーの犯行に偽装したのだ。

ハサミの代わりに、ヤツが出入りしている図書室の延長コードを使って。

 

「ゆ、許せない・・・!よくも、よくもちーちゃんを!」

「十神君!君はなんてことをしたのだ!」

 

私と石丸君は剥き出しの怒りを十神に向ける。

 

「この犯行ができるのは、コイツだけだよ!

クロは十神だよ!だ、だから、みんな!投票しよう!」

 

私はみんなに向かって、投票を呼びかける。

 

「おう!チビ女!」

「黒木君!僕も君の意見に賛同するぞ!」

 

大和田君と石丸君が即座に賛成してくれた。

嬉しい。

ちーちゃんを思う気持ちは私と一緒だ。

やっと・・・やっとちーちゃんのカタキが討てる。

もうすぐ、私の復讐は成就するのだ。

想定通り、十神がクロだったことに私は”安心”した。

憎悪と安心という相容れぬ感情が複雑に交じり合う中、

私は復讐の成就を確信した。

 

「フン、所詮、愚民はどこまでも愚民。俺の”敵”にはなり得ぬというわけだ」

 

だが、クロである十神はこの状況においても、その冷笑を崩すことはなかった。

その人を心の底から見下す笑みは、私をイラつかせた。

 

「何を・・・笑っているんだ?十神」

「ん・・・?」

 

私と十神の視線がぶつかる。

 

「お、お前が今、取るべき態度は処刑を前に震えることだ。

自分の罪に懺悔することだ。笑うことじゃ・・・ないんだ!」

「・・・ククク」

「処刑される前に・・・謝れ!せめて・・・ちーちゃんに手をついて謝れ、十神!」

「ククク、クハハハ――」

 

十神は私の言葉を笑った。腹を抱えて嗤い出した。

 

「十神、お前~~~~~ッ!!」

 

炎のような憎悪に駆られ、私は叫んだ。

 

「・・・気安く俺の名を呼ぶな!

イモ虫風情が!キサマなどではない。俺の”敵”はキサマなどでないんだ!」

 

「殺す!殺してやる~~~~十神白夜ーーーーーーッ!!」

 

この後に及んでもまだ、皇帝の如き視線で私を威圧する十神白夜。

”憎しみの鎧”はより重さを増していく。

もう1秒たりとも私はコイツが生きていることを許すことはできなかった。

殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!絶対に殺す!

チーちゃんのカタキ!殺す!殺す!私達を裏切ったくせに!殺す!殺す!

殺す!殺す!自分だけ助かろうと・・・!殺す!殺す!モノクマに処刑・・・!

殺す!殺す!この悪党!殺す!殺す!桑田のよう絶望しろ!残酷に死ね!

 

「みんな!投票しよう!もうこれ以上、議論することはないよ!」

 

私は再度、投票を呼びかけた。

山田に、葉隠、そして朝日奈さんと大神さんが、迷いながらも頷いた。

 

「フン、ゴミどもが!その程度か。

キサマらも同じなのか?キサマらもその程度なのか?苗木誠!霧切響子!」

 

十神はまだそのような挑発の言葉を苗木君達に投げる。

勝手にするがいい!キサマはもう終わりだ!

 

「投票しよう!苗木君!」

 

十神を論破したのは、今回も苗木君だった。

ここまでこれたのは、苗木君のおかげだった。

後は、君が投票に賛成してくれれば・・・

 

(え・・・!)

 

その光景に私は動揺した。

苗木君は、下を見つめ、何か考えていた。

それは、投票に賛同しない・・・ということ。

 

「霧切さん!投票しよう!」

 

焦りを覚えながらも私は霧切さんに賛同を求める。

霧切さんも十神を追い詰めたのだ。

きっと私に賛同してくれる。

 

「え・・・!?」

 

今度の驚きは声に出てしまった。

彼女は私を見つめていた。

その瞳は、明確に”待て”・・・とそう言っていたのだ。

何故なのだ!?これ以上何があるというのだ!

 

「十神君、1つ聞いていいかしら」

「・・・なんだ?」

 

霧切さんは視線を十神に移す。

今さら何を問おうというのだろう?

 

「あなたは、不二咲さんは女子更衣室で殺された・・・そう考えているのね?」

「当然だろう。不二咲は女子更衣室で死んでいたのだからな」

 

(え・・・?)

 

私の中に、小波のような違和感が生まれた。

コイツ・・・いまさら何を言っているのだ?

なぜ、いまさら殺害現場入れ替えトリックについて隠すのだ・・・?

コイツの余裕の根拠があのトリックだった・・・?

いや、私でも解いたあのトリックがコイツの切り札のはずがない。

十神は前回の裁判を解いた3人の内の1人だ。そんなはずはない。

それに、もはやこの状況では、あのトリックに何の意味もないはずなのに。

 

 

「それは違うよ!」

 

その最中、苗木君が”言弾”を放つ。

 

「不二咲さんが殺されたのは女子更衣室じゃない。男子更衣室だ!」

 

「な、なんだと~~~~~~~~~~ッ!!」

 

”言弾”が十神の心臓を貫いた直後、十神の不敵な笑みが驚愕に変わった。

 

(え・・・?)

 

ヤツのその顔を見て、私の中に不安が渦を巻く。

なぜ、そんなに驚いている?

クロであるはずのコイツがなぜそんな顔をするの?

まるでそのことを知らなかったように・・・。

 

「馬鹿な・・・!不二咲は男子更衣室で殺されただと。ならばどうやって男子更衣室に入った?」

 

十神は数秒間、考え込むような仕草をした後、裁判長席のモノクマを睨む。

 

「モノクマ。桑田の壊れた電子手帳で、男子更衣室に入れるのか?」

「・・・無理だね。だって壊れてるんでしょ?」

「女子が男子と便乗して入室した場合はどうなる?」

「女子更衣室だと、マシンガンで蜂の巣だけど、男子の場合、特に罰則は設けてないけど。

うん、そうだね・・・ボクが注意しに現れるかな」

「不二咲千尋はどうだったのかと聞いているのだ!」

「プププ、それを教えちゃったら裁判が面白くなくなるじゃん」

「き、キサマ~」

 

ヤツらの会話から、桑田君の電子手帳は壊れているから使えない。

そして、女子も男子に便乗して入ることができないことがわかった。

それは、私の推理を根底から覆す情報だった。

私は、罰則がないことをいいことに

クロが無理矢理、ちーちゃんを男子更衣室に引き込んだ・・・そう思っていた。

だが、それはできないらしい。

 

ならば、ちーちゃんはどうやって男子更衣室に入ったのだ・・・!?

 

「この施設を管理する学園長としてのあなたに”校則違反”の報告を要求するわ。

昨日、女子が男子更衣室に入室するという校則違反は発生したのかしら?」

 

霧切さんはモノクマに問いかける。

上手い!

ヤツは希望ヶ峰学園の学園長という肩書きにやたら拘っている。

彼女はそのプライドを突いたのだ。

 

「プププ、なるほどね~そう聞かれたら、答えるしかないね。だって僕は学園長だし。

十神君、君は、もっとよく考えて聞いた方がいいかもね」

「クッ・・・!」

 

ある意味予想通り、モノクマは学園長の肩書きに執着を見せる。

挑発の言葉に、十神は血管を浮かべて怒る。

 

「昨日、校則違反を行った人物は、もこっちだけです。

女子が男子更衣室に不法入室した校則違反はございません」

 

場がざわつく。

ちーちゃんの姿が脳裏を過ぎる。

私はちーちゃんのことならなんでも知ってると思っていた。

 

でも、ちーちゃん、君は一体・・・

 

「簡単なことよ」

 

その声の主に視線が一斉に集まる。

霧切さんは、皆の顔をゆっくりと見つめた後、その言葉を放つ。

 

「不二咲君は、”自分”の電子手帳で入ったのよ」

 

この裁判を根底から揺るがす一言を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        "不二咲君は・・・彼は・・・男子よ”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ええええ~~~~~~~~~ッ!!!?

 

その衝撃の一言に皆は一斉に驚きの声を上げる。

 

「霧切と一緒に死体の検死に同席した我が保証する。不二咲千尋は間違いなく男子だ!」

 

大神さんがそう言って、顔を赤らめる。

 

「僕も霧切さんからそのことを聞いた時には本当に驚いたよ」

 

苗木君が困ったような感じで頭を掻く。

 

「ほ、本当でござるか!?あの不二咲千尋殿が男の娘!?」

「驚きだべ!」

「ほえ~信じられないよ!あんなのカワイイのに!」

「まさか殿方でしたとは・・・」

「な、なんということだ!不二咲君が男だったとは!」

 

皆、口々のその衝撃を語る。

 

(・・・。)

 

私はその光景をまるで別な世界のことのように眺めていた。

彼らの言っていることがまるで理解できない。

それは、まるで、サッカーのゴールキーバーがその役割を忘れ、

ボールがゴールネットに突き刺さるのをボケ~と眺めているような・・・

まるで他人事のような感覚だった。

 

もはや、私は完全に何がなにやらわからなくなっていた。

 

「なぜ、不二咲君が女装していたのか・・・その真実は親友である黒木さんが知っているわ」

 

みんなの視線が一斉に私に向かう。

 

「さあ、黒木さん」

「え・・・?」

「さあ!」

「え、ええ・・・」

 

 

 

 

 

え、ええええええええええエエエエエエエエエエエエエエエエエエ

エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ

エエエエエエエエエエエエ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!?

 

 

 

「な、何を驚いているの?黒木さん」

 

私の絶叫に霧切さんの表情が変わる。

 

「あなた、私に言ったわよね。不二咲君のことは何でも知ってるって」

「い、言いました!言いました・・・けど。で、でも!でも~~~~ッ!!」

 

それはちーちゃんの親友として誰よりもわかっている・・・という意味で。

まさか男だったなんて・・・

ちーちゃんがいろいろ悩んでいたことは知っていたけど・・・

 

 

"ボク、モノクマが秘密を暴露する前に、自分で秘密を話すよ"

 

(あ・・・!)

 

あの最後に会った時、ちーちゃんが言おうとした秘密とはこのことだったのか!

事情はわかってきたけど、まだ頭の中がグルグルする。

冷静になどなれるわけがなかった。

同性の友達だと思ってイチャイチャラブラブ接してきた相手が実は男だった。

それも、超高校級の中でも3本の指に入るほどの可愛らしさを持っている男子。

じゃあ、アレか?私は、皆の前で男子に抱きついたり、頬をすり寄せて・・・

その瞬間、顔が真っ赤になり、直後、青くなる。

うおォン 今の私ははまるで人間信号だ。

高校生にして、私はなんて性に爛れた生活を。

超高校級の”喪女”から一気に、高校生恋愛カーストの頂点に!

 

「そう!不二咲千尋は”男の娘”だったのです!」

 

モノクマが正解!と書いたプラカードを掲げる。

 

「もこっち、君は男子である不二咲君と公衆の面前でイチャイチャラブラブと。

ボクは学園長として風紀が乱れるのを目にして悲しかったよ~」

「あ、あわわわわわ~~~~ッ」

 

ニヤニヤ嗤うモノクマの言葉に私は顔を真っ赤にして慌てる。

 

「それに満足せず、君は隙を見て、不二咲君のおしりを・・・」

「キュシャァアアアアボボボボボボボビギャァ~~~~~ッ!!」

「あーうるさいな!わかったよ!言わねーよ」

 

本物の黒歴史の暴露を奇声を発し、阻止しようとする私に対して、

モノクマはめんどくさそうに頭を掻いた。

ダメだ。まだ衝撃が収まらない。

 

「運んだ際に、肌の触感が女のそれとは少し違うと思っていたが、そういうことだったのか」

 

十神白夜が何かエロいことをブツブツ言っている。

 

「・・・十神君、やはりあなたはクロではないのね。

不二咲さんの死体を発見したあなたは、偽装工作を思いつき、

ジェノサイダー翔の犯行に見せかけた・・・なぜ、そんなことをしたの?」

 

話題を事件に戻すべく十神に問いかける。

 

「ククク、その通りだ」

 

十神の顔にあの乾いた笑みが戻る。

 

「不二咲の死体を発見した俺は、舞園の電子手帳を使い、

女子更衣室に入り、偽装工作を行った。クロを動揺させるために、そして俺の目的のために」

 

クロを動揺させるため・・・。

たとえ、それが理由だったとしても・・・それに効果があったとしても・・・

 

「お、お前は・・・そんな理由でちーちゃんの遺体を辱めたのか・・・!?」

 

私はそう聞かずにはいられなかった。

 

「・・・不二咲の才能は貴重だった。だが、ヤツは死んだ。

その死体を俺が有効利用してやっただけだ。むしろ光栄に思え」

「お、お前・・・!」

 

あまりのクズさに絶句した。

コイツはどこまで腐っているのだ。

そもそも苗木君と霧切さんがいなかったら、どうするつもりだったのだ?

無実を主張しても、誰がお前なんかを信じるだ?

お前、どこか抜けてるんだよ!

 

「プププ、イイね~十神君」

 

私達の言い合いをニヤニヤながめていたモノクマが口を挟む。

 

「その目的のためには、手段を選ばない傲慢さ・・・君とは気が合いそうな予感がするぞ~」

「フ、言っておくが、俺がここから出た暁には、必ずお前を殺す・・・!

勝利を宿命づけられた十神の名に懸けてな!」

「プププ、いいね~雑魚キャラにしておくにはもったいないな」

「ク・・・キサマ~」

 

モノクマの嘲りに十神は激昂する。

それを見ている私達の視線に気づくと、ヤツは私達は言葉を放った。

 

「何を見ている!さっさと推理を再開しろ!」

 

どこまでも傲慢なヤツめ・・・!

瞳に火が灯ったと錯覚するほどの憎悪の視線を十神に向ける。

だが、憎悪と共に私の心の大きな不安が渦巻き始めていた。

 

クロは十神ではなかった――――

 

ここにきて、その事実はあまりにも重いものだった。

 

「再開しろ・・・と言われましても」

 

山田がシドロモドロになりながら、額に大粒の浮かべる。

そうなのだ。

どう再開していいのか、わからないのだ。

 

「この状況はまずくねーか?第1回の時と同じだべ」

「いいえですわ。あの時は、

まだ舞園さんのダイイングメッセージがありましたが、今回は・・・」

「ほえ~どうしよう!手掛かりがなにもないよ!」

「うぬぬ、もはや犯人の挙手に期待するしかないのか・・・!」

 

そう容疑者候補がいないのだ。

そして、前回とは違い、今回はもはや手掛かりが残っていない・・・。

 

「・・・。」

「プププ」

 

裁判所は水を打ったような静けさとなった。

それはモノクマの嘲りが響き渡るほどに。

負けた方には残虐な処刑が待っている・・・

地獄のようなプレッシャーが再び戻ってきた。

 

「・・・黒木さん、あなたに聞きたいことがあるのだけれども、いいかしら」

「え、あ、わ、私ですか!?は、はい!」

 

静寂の中、霧切さんが動いた。

彼女の問いに私は、慌てて返答する。

だが、それは全て演技。

 

(ここで仕掛けるのか―――)

 

心臓が高鳴る。

確かに仕掛けるなら、容疑者候補が消えた今をおいて他にない。

 

「あなたが最後に不二咲君に会った時のことをもう一度聞かせて」

「は、はィいいい~~~わ、わかりましたぁああ!」

 

演技のアドバイスを霧切さんに求めた時のことを思い出す。

 

「出来る限り慌てなさい。出来る限りどもりなさい。それが黒木さんよ」

 

正直、ムカッとしたが、確かにこの方法は自然でやり易かった。

 

「不二咲君と話した時、何かいつもと変わったことはなかった」

「と、特には、だ、誰かと待ち合わせしてるみたいだったけど、誰かは教えてくれなくて・・・」

「その時、彼は何か持っていなかった?」

「な、何か・・・あ、そ、そうだ。バック!倉庫室にあるバックを持ってました!」

「それだけ?」

「ほ、他には・・・え、えーと、じゃ、ジャージがバックから見えました。

それを見たら、ちーちゃんは慌ててそれをバックにしまって・・・そして・・・あ!」

 

私は考え込むように頭を抱える。

心臓の音が聞こえる。

ドクン、ドクンと大きな音が聞こえる。

私の次の一言に全てが懸かっているのだ。

 

「その時・・・確かにちーちゃんはこう呟きました」

 

私はゆっくり顔を上げ、全員の顔を見渡した後、その一言を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     "お揃いなんだ”・・・て

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーそうか!」

 

直後、苗木君が大きな声を上げ、手を叩いた。

 

「ということは、不二咲さんとクロは同じジャージなんだ!」

「な、なに~~不二咲君と犯人はオソロ!?」

 

苗木君の結論に石丸君が驚きの声を上げる。

 

「僕のジャージの色は青だよ!」

「ああ、なんてことなの。私も青よ」

「ぼ、僕のジャージの色はこの制服と同じ白だ!」

 

苗木君と霧切さんが自分のジャージの色を明かした。

石丸君も慌てて自分のジャージの色を叫ぶ。

場は騒然とする。

 

 

クロ、もしくはクロ候補は不二咲千尋と同じジャージを持つ人物。

 

 

その流れの中、皆は口々に自分のジャージの色を叫び始めた。

 

そう・・・これは、”蜘蛛の糸”。

 

地獄のようなプレッシャーの中で舞い降りた蜘蛛の糸。

クロのみが見える天国への蜘蛛の糸。

 

私は目を閉じる。

全神経を”耳”に集中するために。

 

ちーちゃんを殺し、私達を裏切ったクロの姿を・・・

蜘蛛の糸を昇る悪人の姿を”観る”のは、目ではない。この耳だ!

 

 

 

” ぼ、僕のジャージの色はこの制服と同じ白だ!”

             ”そもそも僕が着れるジャージのサイズがありませんぞ~”

 

”フン、くだらん。俺がジャージなど庶民の服など着るか!”

    ” 私のトレードカラーは黒。だから私は黒のジャージを持っていますわ”

 

”あ、赤いジャージは私の普段着だし、え、どうなるのこの場合!?”

             ”俺は黒のジャージだ。アイツとは違う色だな”

 

”俺は白だべ!聞いてくれ!俺の占いではラッキーカラーは・・・”

 

         ”殺人鬼がジャージなんて着るわけないじゃない~!根暗は知らねーけど!”

 

”我はトレーニングの時は、ジャージではなく、道着を着る”

 

 

 

 

 

―――――――見つけた・・・・!!

 

 




裁判もついにクライマックスへ!


【あとがき】

お久しぶりです。今回は13000字ほどになりました。
ようやく前編を終えることができました。
いよいよ次話は中編になります。
この話は2章の集約となりますので、
字数を無視して、書き上げたいと思います。
かなり気合を入れます。
納得の出来になるまで投稿しないと思います。
というのも、
「中編」~「イマワノキワ」までの絶望と希望の戦いにこそ
この作品自体の集約があると考えているからです。
「ダンガンロンパ3」において、圧倒的な絶望の中、
それでも七海は最後まで希望を抱き、それが、カムクラの中に消えたはずの
日向に届いた奇跡を希望の勝利とするならば、
この2章においても、表面においては絶望の圧勝劇の中、
その実は、希望の勝利であったことがわかります。

特に中編においては、

・もこっちと不二咲の友情の答えが出る。
・原作/アニメが描くことができなかったクロのけじめをつける。
・学級裁判に波乱が起きる(捏造/改変)

上記のものを中心に描くことで、
この作品を読んで下さった読者様達に”希望と絶望の狭間”を魅せたいと思っています。

次話に期待してください!

では


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