私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!   作:みかづき

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第1章・イキキル 中編③

痛い…。

 

痛い。

 

痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。

 

頭が割れるように痛い―――

 

目の前の光景が“グニャリ”と歪み、

“ブッチ”と音がしたと思ったら、全てが闇に呑まれた。

 

「う…ッ!?」

 

突如、フラッシュライトのような閃光が放たれた。

眩しくなかったのは、それが私の頭の中で起こっているからなのだろう。

光と闇。

それが、交互に繰り返される。

 

ああ、でも、そんなことはどうでもいい。

 

「い、痛い…痛いよ」

 

頭が割れるように痛い。

何か超能力が覚醒しそうなほど痛い。

いつもの私なら、そんなことを考えるだろうが、冗談ではない。

 

痛い…

 

本当に…割れそう…。

 

 

…………

 

・……………

 

・……………………・……………

 

ん…?

 

頭痛が治まった…?

 

一体、何が…?

 

まだ、意識がはっきりしないな…。

 

あ、視界が…

 

え!?何、何なのこれ!?

 

 

頭が爆発するかと思うほどの頭痛はそれをピークに突然治まった。

その余波だろう、意識が朦朧とする。

光と闇の連続は終わり、視界がぼんやりと開けてきた。

 

そこで見た光景に私は声を失った。

 

「ど、どこなのここは…?」

 

私は、体育館にいたはずだ。

舞園さんが殺され、モノクマに呼び出されて、体育館に集まったはずだ。

そこで、奴から“学級裁判”という名の追加ルールを聞き、

舞園さんを殺した犯人を捜すために、まさに捜査が開始されるところだったはずだ。

そこからは記憶にない。

誰かが、それを止めようとしたような気がするのだが…。

 

とにかくだ。

それが直前までの私のいた世界だ。

こんな夕日に照らされた教室などでは断じてない!

 

どこだ、ここは?私は一体どうなったのだ!?

 

(とりあえず、教室から出よう)

 

そう思い、行動に移った次の瞬間、私は絶句した。

 

(う、動けない…!?)

 

足が動かない…のではない。足がない!?腕も、手も!?

驚いたことに、私が所有しているのは、視界のみのようだ。

ここでは、私は幽霊のように、意識のみの存在…ということか?

この異常な状況において、私がパニックを起こさなかったのは、

私の意識が朦朧とした状態にあったのもあるが、

 

こういうことは、大概、夢である。

 

という、私の切り替えの早さが大きな比率を占めているように思う。

どこからが、夢だったのだろうか。

できれば、希望ヶ峰学園関連は全て、夢であって欲しいけど…。

 

そんなことを考えていると、教室の端に一人の生徒を発見した。

 

(ああ…)

 

その姿を見るなり、私は落胆の声を上げた。

 

 

そこにいたのは…私だった。

 

 

何故、落胆の声を上げたのかは、状況を推察してほしい。

 

夕日に照らされた教室。

机にうつ伏せになる私。

 

そう、つまりこれは、最後の授業で居眠りをしたために、下校の時間になっても

そのまま誰にも起こされることなく眠り続けている…ということだ。

 

(ああ…)

 

他に言葉が出なかった。

残酷だ。あまりにも残酷だ。

何故、夢の中まで、このような辱めを受けねばならないのか。

意識が朦朧とした状態で本当に助かった。

もし正常な状態であれば、悔し涙で枕を濡らしていただろう。

 

(ん?でも、あの制服…?)

 

私が着ている服…あれは何だろう。

中学時代の服でもない。高校の制服でもない。でも、どこかで見たことが…。

そんなことを考えていると、さらに視界が広がっていく。

 

それで、私はその存在に気づいた。

 

(え、誰…!?)

 

寝ている私の前に誰かが立っていた。

私と同じ制服。スカート、身長は私より高く、スマートな体型。

女の子だ…!

その子は、ずっと私を見ていた。

時折、覗き込むように私を観察している。

 

「うひひひ…」

 

そんな含み笑いをしながら、楽しそうに。

髪は黒髪でショートだ。

顔は…ダメだ、夕日の逆光で見えない。

 

(しかし…コイツ…)

 

一体、何を考えているのだ!?何故、起こさない!?

 

私は、彼女の行動に困惑した。

黒髪の彼女は、寝ている私を楽しそうに見るばかりで、起こそうとはしない。

夕日の位置を考えると、かなり長い時間、それを続けていたことになる。

寝ている私、見下ろす彼女、二人きりの教室、そして夕暮れ。

 

シュールだ、あまりにもシュール過ぎる。

 

「起こせ、コラァアアーーー!!」

 

「うわぁ!?びっくりした!!」

 

ここで動きがあった。

夢の中の私が、突如起き上がりツッコミを入れたのだ。

黒髪の彼女は、格闘技みたいな構えをとりながら、驚いた。

さすが私。

夢の世界の私といえども、やはり同じことを考えていたか。

 

「ちょっと、なんで起こしてくれないの!?うわぁ、こんなに日が落ちて…」

 

夢の中の私は、立ち上がり、外を見ると、ガックリと肩を落とす。

 

「いや…もこっちが“起こして”と言わなかったので…」

 

「寝てる私が言うわけねーだろ!?」

 

天然か悪意か定かでない彼女の返答に夢の中での私は即座にツッコミを入れる。

どうやら、彼女とは知り合いらしい。

というか、同じクラスメートではないだろうか?

 

「ゴメン。でも…みんなに忘れられて置き去りにされたもこっちを見ているのが、

あまりにも楽しくて、つい…」

 

「少しは、悪意隠せや、オラァアアーーー!!」

 

何故か、恥ずかしそうにする黒髪の彼女。

夢の私は、今の私の気持ちを代弁するかのようにツッコミを入れる。

そのツッコミの早さに躊躇が見られない。

それなりに親しいということなのか?

 

「だいたい、いつまで起こさないつもりだったのさ?結構、長く観察してたよね?」

 

椅子に座りなおして、頬杖をする夢の中の私。

 

「う~ん、起きなければ、次の日まで…かな?私がソマリアにいた時は作戦で3日ほど寝ないで行動するのが当たり前だったし、それくらい余裕で…」

 

「そんなに寝てるわけねーだろ!?確実に具合悪いよね、私!?救急車呼べや!!」

 

だが、黒髪の彼女にツッコミを入れるために再び立ち上がる。

 

「そういえば、君は“軍人”だったね…そんなこと言ってるから未だにクラスに上手く馴染めていないのだよ」

 

「え!?ディスられてる!?この状況のもこっちに…私、ディスられてるの!?」

 

お、ここで反撃があった。

どうやら、彼女もクラスに上手く馴染めていないようだ。

なんだろう、それを知った時の、この嬉しい気持ちは。

え、でも“軍人”って…?何かの中二設定かな?

 

「まあ、でもとりあえず、起こしてくれてありがとね。私は、帰ることにするわ」

 

夢の中の私は、鞄に教科書を入れて、帰宅しようとする。

 

「あ…ま、待って、もこっち!」

 

「ん…?」

 

すると、黒髪の彼女が夢の中の私を呼び止める。

なにやら、恥ずかしそうに、モジモジしながら。

 

「何?私、忙しいのだけれども…」

 

「え、まだそんなこと言うの!?この状況でまだ、そんなこと言っちゃうの!?

暇だよね?たぶん、この高校において、今一番暇な人だよね…!?」

 

「え、何?別れ際に喧嘩売るの?べ、別に買ってもいいけど」

 

半切れしながら振り返る夢の中の私に対して、黒髪の彼女は手を前に出して、

ブンブンと首を振る。

 

「ち、違うの…。もこっちが暇なら…そ、その…一緒に“マックド”行けたらな…と」

 

「ハア?“マックド”?どこそれ?」

 

私は、夢の中の私とほぼ同時にリアクションをとる。

 

“マックド”って何ですか、それ?

 

「はあ~本当に田舎者なんだよねぇ、もこっちは…」

 

ふう、とため息をつきながら、黒髪の彼女は夢の中の私を見下ろす。

相変わらず、逆光で顔が見えないが、その言葉に優越感が感じられ、

なんだかムカついてくる。

 

「いや、マジで何なの“マックド”って…?」

 

真剣な表情で問いかける夢の中の私。

やはり、夢の中の私もその言葉に心当たりがないらしい。

 

「本当にしょうがないな、世界展開しているバーガーショップのことも知らないなんて。

マクドビルドってお店知らないかな?

ほら、ピエロの化け物がCMで子供達を洗脳している、あのバーガーショップの。

いや~日本だと地域で呼び名が違うみたいじゃない…?

関東では“マック”関西では“マクド”

だから、私はもこっちが確実にわかるように、2つを合わせて“マックド”と…」

 

「余計にわかんねーだろ、それ!?逆に完全にわかんなくなったじゃねーか!!」

 

夢の中の私は、ジェスチャーまでしながら、盛大にリアクションをとる。

 

確かにマクドビルドは、関東と関西で略称が別れている。

これは、私の推測だが、

関西の方は、そのまま略して“マクド”が定着し、

関東の方は、マクドビルドが自称している“マック”を採用してあげた結果ではないか。

まあ、地域の気質の違いということか。

 

だがしかし、それを合体させて“マックド”って…わかるわけねーだろ!

どんだけ残念な奴なんだ、コイツは!?

 

「…でも、何で改まってマックなんかに行きたいのさ、君は」

 

夢の中の私は、問いかける。

しかし、さすがは関東在住。やはり、“マック”を選んだか。

 

「う、うん…」

 

黒髪の彼女は恥ずかしそうに俯く。

 

「ベネズエラの酒場でのことなんだけどさ…」

 

「南米かよ!?」

 

突如、南米ベネズエラの話題に移り、夢の中の私も驚く。

 

「作戦が終わって、疲れて果て、テレビを眺めていた時に、

日本の女子高生の特集をしていたの。

彼女達は、学校帰りに、カフェやマクドビルドに寄って、いろいろな話をしていたな。

好きな男子のこととか、将来の夢とか、何気ない日常のこととか…」

 

だが、彼女が話しているのは、女子高生の何気ない日常風景だった。

 

「ああ、いいな…素直にそう思ったんだ。

だから、、もし、私が日本に帰って、学校に通うことになったら、

いつか行ってみたい…そう思っていたの。

その…ほ、放課後に、あ、あの…と、とととともももももだだだちと、い、一緒に…」

 

黒髪の彼女は信じられないくらい身体を震わしながら、その言葉を放った。

どもりが酷すぎるが、何を言いたいのかはわかった。

それを言うのは、意外に勇気のいることも知っている。

聞いているこっちが恥ずかしくなり、背中に汗が流れるくらいに。

 

「…仕方のない奴だな、君は。さっき言ったよね、私は忙しいのだよ」

 

「あ…」

 

夢の中の私は、鞄を持ち直し、歩き始める。

どうやら、教室から出る気のようだ。

黒髪の彼女は、その後ろ姿を呼び止めようとするも、言葉を止める。

 

「…もう2学期も終わりか。君との付き合いも結構、長くなってきたね」

 

「え…」

 

出口の前で夢の中の私は立ち止まり、そう問いかける。

俯いていた黒髪の彼女は、不思議そうに、顔を上げる。

 

「うん、いいよ!マックくらい、いつでも付き合うよ!

嫌だな、こんなことで、真剣な顔して…こっちが恥ずかしくなっちゃったじゃん」

 

「もこっち…!」

 

振り返り、“グッ”と親指を向ける夢の中の私。

それをみた黒髪の彼女の声に明るさが戻る。

 

やだ…夢の中の私…ちょっと、カッコいい。

 

冷たく断るフリをして、去り際でひっくり返す。

一歩間違えれば、痛すぎる演出だが、上手く決まったので結果オーライだ。

 

「この時期は、“グラタン野郎バーガー”の頃かな。

あれを食べると2学期も終わりと感じることが出来るしね。

駅前のマックでいいよね?あ、マックドだったけ?」

 

「ちょっと、やだ、やめてよ、その言い方。今さらながら、恥ずかしくなってきた…」

 

「うひひひ、いいじゃん、別に。かわいいよ、マックド」

 

「いや、やめて、お願い、お願いしますから…」

 

「うーん、どうしようかな?そうだ、アップルパイ奢ってくれたら考える」

 

「えー私の奢り!?あ、私、もこっちのことを起こしてあげたよね?それでチャラ…」

 

「いや、あれ起こしてないじゃん!?笑ってただけじゃん!?」

 

 

そんなことを笑い合いながら、夢の中の私と彼女は教室を出て行った。

まるで、青春の1ページ。

見ているだけで、胸が暖かくなってくる。

たとえ、これが現実ではないとわかっていても。

ただの夢だとわかっていても。

 

でも…なんだろう、この気持ちは?

締めつけられるようなこの懐かしい気持ちは、何なのだろうか。

 

ああ…

 

次の瞬間、世界が再び“グニャリ”と曲がる。

グルグルと混ざり合い、溶けていく。

 

また…

 

あの時のように。

 

うう…

 

希望ヶ峰学園の入学日のように。

 

・……………………・……………

 

・……………

 

…………

 

 

「…い、痛い」

 

再び、“ズキ”という頭痛と共に、私は意識を戻す。

 

(な、何だったのだろうか、今の出来事は…?)

 

視界にはあの忌まわしい体育館が映る。

どうやら、私は立ちながら、短い夢を見ていたようだ。

こんなことは今まであったことはない。

どうやら、現実世界において、時間は数秒しか経っていないようだ。

だが、私はずいぶんと長い夢を見ていたようだ。

 

あの夕日の教室。

黒髪の彼女。

そして、マックド。

 

どれも記憶にはないものだった。

だがら、きっとあれは夢なのだろう。

なぜ、今このような夢をみたのか…それは私にはわからない。

だが、夢から覚める瞬間、あのグニャグニャと溶けて回る世界は、

この希望ヶ峰学園の入学式前に、玄関で私を襲った感覚と同じだった。

 

一体、何なのだろうか…?

 

私はまだ痛む頭を押さえ、前を見る。

そして、その光景を見て、さらに頭を抱えた。

 

 

「アンタの言ってる事って…無茶苦茶じゃないッ!

何が…学級裁判よッ!あたし、そんなのに参加するの絶対嫌だからねッ!!」

 

 

ピンク色の頭がトレードマーク。

女子高生なら誰もが知る超高校級の“ギャル”

最近、私に絡んでくる非常に厚かましいあの女の子が、

江ノ島盾子が、モノクマの前に立ちはだかっていたのだ。

 

盾子ちゃんは、一歩進み出ると、腰に手を当て、モノクマを威圧する。

 

「はあ?どうして?」

 

その態度にモノクマも語気を荒げながら問いかける。

 

「どうして…じゃねーよ!なんであたし達が犯人当てなんてしなきゃなねーんだよ!」

 

それに対して盾子ちゃんもさらに言葉を強める。

 

 

(な、何をやってるんだ、あのバカは―――ッ!?)

 

 

その光景に私は頭を痛める。

盾子ちゃんは、あのモノクマに、あのサイコ野郎に真っ向から刃向かってしまったのだ。

なんで、なんでそんな無謀なことを!?

 

「なんと!学級裁判に参加しないですとっ!そんな事を言う人に罰が下るよ!!」

 

「は、罰…?」

 

「暗くてコワーイ牢屋に閉じ込めちゃったりしちゃうかもね…」

 

「くッ…」

 

案の定、モノクマは嫌らしい笑みを浮かべ、罰について語り出す。

“牢屋”その言葉を聞き、盾子ちゃんの顔に焦りの色が浮かぶ。

 

「う、うるせーんだよッ!!なんて言われても、あたしは絶対に参加しないからねッ!!」

 

それでも盾子ちゃんは、恐怖を振り払うかのようにモノクマへの反逆を続ける。

 

(盾子ちゃん…どうして?あ、ま、まさか…)

 

彼女の行動を理解できずにいた私は、一つの可能性を思い出し、後ろを振り向いた。

そこには、モノクマと盾子ちゃんとのやり取りを心配そうに見つめる苗木の姿があった。

 

(盾子ちゃん、まさか君は…)

 

考えられる限り、そうとしか思えなかった。

 

このまま捜査が始まり、学級裁判が行われたのなら、犯人は苗木しかありえない。

 

だから、盾子ちゃんは…苗木を…自分の好きな人を守るために、

学級裁判そのものをぶち壊そうとしているのではないのか…?

 

 

「学級裁判なんてお前一人で勝手にやってろ!あたしは関係ないからッ!!」

 

 

モノクマを指差した盾子ちゃんは、そう言い放つ。

その瞳には、剥き出しの闘志が宿っていた。その姿は圧倒的な力で溢れていた。

これが超高校級の“ギャル”のなせる技なのかはわからない。

だが、ここにいる誰もがその迫力に呑まれ、声一つ出せずにいる。

 

「め、目の前の圧倒的な悪の迫力に…正直ブルってるぜ」

 

それは、あのクマ野郎すらも例外ではなかった。

 

しかし――――

 

「だ、だけどなぁ…ボクは悪に屈する気はない…。最後まで戦い抜くのがモノクマ流よ…」

 

モノクマはそう言って、拳から爪のような刃物を突き出した。

 

「どうしても通りたければ…ボクを倒してからにしろーーー」

 

“ガオー”と叫びながら、モノクマは壇上から降り、盾子ちゃんに向かっていく。

あの爪のようなもので、盾子ちゃんを攻撃する気か――!?

 

「…上等」

 

盾子ちゃんが、そう呟いた瞬間、場の空気が凍りつく。

セレスさんと大神さんの表情が変わる。

 

これは…盾子ちゃんの「怖いモード」だッ!!

 

この状態の盾子ちゃんの相手になれるのは、セレスさんか大神さん。

そして、潜在能力を解放した私くらいだ。

でも、相手はあのクマ野郎…しかも、刃物を持っているし…。

 

モノクマはまさに盾子ちゃんの目の前に迫り、爪を振りかざす―――

 

「じゅ、盾子ちゃん―――え!?」

 

彼女の名前を叫んだ瞬間、私は絶句した。

 

「ぐぴぴぇええ!?」

 

一瞬、盾子ちゃんの身体が消えた瞬間、モノクマが変な叫び声を上げて上空に浮き上がる。

盾子ちゃんの姿勢が変わっている。空飛ぶモノクマの短い足が歪な形に曲がっていた。

 

 

足払い…いや、あれは“ローキック”!?

 

 

盾子ちゃんは、ショック療法と称して私に行ったローキックを、

まさに“神速”とも言えるスピードで行ったのだ。

私に対しては、本当に手加減してくれていたのか。

アイツ…本当に、某格闘技トーナメントに出場できるんじゃねーのか!?

私が大企業の社長だったら、出場させてあげたいくらいだ。

 

「ツゥァアアアーーーーーー」

 

盾子ちゃんは、雄たけびを上げながら、その場で高速回転をして足を最大限に上げる。

その姿勢は、まるで“踵落とし”

盾子ちゃんは、落ちてくるモノクマの顔面に向けてその凶器を振り下ろす―――

 

 

 

        “グシャッ”

 

 

 

そんな擬音が体育館に響き渡る。

 

 

「あ、ヤバイ…やっちゃった…」

 

 

シーン、と静まる体育館の中で、モノクマの顔を踏みつけながら、盾子ちゃんは慌てる。

私達の誰もがその光景に息を呑み沈黙する。

 

 

それはきっと、血に飢えたコロシアムの観客すら、黙らせるような圧殺劇。

 

 

うん…。

 

そうだね…。

 

 

 

 

            殺っちゃったね…。

 

 

 

 




15000字近くになったので分けて投稿することにしました。
ギャグとシリアスがはっきり別れました。
シリアスの部分を書いてますが、すごく切ない気持ちになります。
しかし、ギャグとはいえ、残姉を強くし過ぎたかもしれませんw
某、絶命トーナメントに出られるレベルですw
個人的には、もこっちに51億の借金を背負わせて、出場させてみたいですw
軍人繋がりで、ムテバと因縁がある設定で、
1回戦は、ユリウス相手に「かかってこいよ、ハゲ」と言って欲しいw

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