ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
彼は嘘などついていないのです。世界地図をみて確認していただければわかりますよ?
さてさて。どこから仕掛けたものか。
邪龍が術式で無力化されたと思ったら、いきなりザムジオが登場したせいで状況は結構苦戦気味だな。
なにせザムジオの持つルレアベが厄介だ。
あれは特殊能力を持ってないデッドコピーを大量生産するという能力を持っている。加えてザムジオ自身が魔力で山羊型獣人風の分身を大量に生産できる。
おかげで数の差がだいぶ縮まってしまった。
「やるとするならまずザムジオからなんだがな」
「さすがにいきなり出てきたりはしませんね」
戦術の基本を習得したか。こりゃ探すのが面倒だぞ?
しかもスクンサがいるというのが厄介だ。油断したら確実にハメ殺しされる・・・。
「さあみんなー♪」
「「「「「「「「「「「さあみんなー♪」」」」」」」」」」
・・・・・・・・・なんかコーラス始まってるんだけど。
声がする方をよく見ると、歌って踊りながらバルーンアートをしている男どもの姿が。
無視したい。すっごく無視したい。できることなら絶対に無視したい!!
だけどできるわけがない!! だって強敵だもん!!
「黒いバルーンいっぱい持って♪」
「バルーンアートを始めましょ♪」
あれ? なんかからだが反応しない。
は、これはまさか禁手か! あの神器を至らせたのならそれぐらいできる!?
「ぐーねぐーね、ぐねぐねぐねー♪」
「「「「「「「「「「ぐねぐねぐねぐね、ぐーねぐねー♪」」」」」」」」」」
そして見る見るうちにバルーンはぐねぐね曲がり―
「「「「「「「「「「はい♪」」」」」」」」」」
「アヴェンジャー♪」
おお、あれはアメリカ軍の対地攻撃機に使用されるガトリングガン、アヴェンジャーじゃないか。
って―
「にげろぉおおおおおおおおお!?」
「鉄の嵐をぶっ放せー♪」
「フォイヤ! フォイヤ! フォイヤ♪」
撃ってきたぁあああああ!!
あれ、全然当たらない。当たらないけど逃げずにはいられない!!
く、どういうことだ。完全に奴のノリに支配されている!!
いくら禁手でも限度があるだろう!? なんだ、この出力―。
「あ、業魔人か」
そういえばあったね、ドーピングアイテム。
・・・これ、やばくね!?
イッセーSide
「天神の力の前に跪きなさい!!」
「くそっ!」
黒い暴風をしのぎながら、俺はレイナーレと殴り合いを繰り広げる。
「ああ、イッセーくんの攻撃が私をなぶる! でも、これを乗り越えてあなたを殺してこそ私は新たなステージに到達するのよ!!」
「だから気持ち悪いんだよ!! なんでヤンデレに目覚めてるの!?」
「あら、なんなら死ぬ前に筆下ろししてあげましょうか? 今のあなたならいい思い出になりそうだわ」
「冗談! 童貞は部長かアーシアに・・・」
まてよ、不倫で捨てるというのも背徳感があっていいかもしれない。それとも幼馴染と結ばれるという王道展開?
いやいや、生徒会長(候補)といけない関係でスタートするのもありだろう。あ、でもそれなら教師との関係ってのもありかも?
「ねえ、私があなたの心を読んでるって忘れてない?」
「・・・あ」
「悪魔祓いの皆さ~ん! この人戦闘中にハーレムの誰で童貞捨てるか妄想してましたよー!」
ぎゃあああああああああ!!! 何しやがるんだこの女ぁあああああああ!!!
「何それサイテー」
「まじめにやれ、まじめに!!」
「なあ、後ろから撃っていいか?」
「いや待て、童貞でハーレム作ったら一度は考えるだろ、やっぱ」
「いや、教義的にやはりハーレムはいかんと思うんだが」
「そこはスルーしてくれよ悪魔的に」
なんか外野が談義までしてるし!! あのすいません、助けてくれない!?
「くっそぉおおおおお!!! 許さねえ、許さねえぞぉおおおお!!!」
俺は許さない! こんな恥ずかしい真似をしでかしてくれたレイナーレを許さない!
「お前を倒して、心残りなく童貞を卒業してやるぁあああああ!!!」
攻撃をぶつけ合う中、俺はついにレイナーレに接触することに成功した。
「あらあら。でも洋服破壊対策のための術式は張ってるのよ? フィフスが懸賞金を数百万ドルだして募集したから」
「あいつどんだけ俺のこと敵視してんの!?」
なんで男なのに洋服崩壊対策万全にしてんの!? お前は俺のことどんだけ恐れてんだよ!!
だが、そんなものはもう通用しない。
なぜなら俺には透過があるのだ。だからそんなものは無効化できる!!
「さあ、あっさり粉砕するぜ!!」
そして、一撃でレイナーレの衣服ははじけ飛んだ。
まるで風船が破裂するかのようにちぎれ飛び、そして時間が巻き戻るかのように戻っていき・・・え?
「も、戻った!?」
なんだと!? 馬鹿な、どういうことだ!!
修復魔術でもそんな簡単にできることではないぞ! なんだこの圧倒的な再生力は!
「残念。実は私、学園都市型の能力も確保してるのよ」
そういいながら、レイナーレは服のデザインを変更していく。
・・・見れば、いつもレイナーレが来ていたボンテージとはデザインが変わっている。
な、なんだと!?
「
ど、どこまでも洋服崩壊に有利な能力を!?
「さあ、楽しみましょう、イッセーくん?」
祐斗Side
宮白くんやイッセーくんが苦戦しているころ、ぼくたちもまた苦戦していた。
「ふっふっふっふっふ♪ ふーははーははぁあああああ♪」
圧倒的有利な立場にいる者だけが浮かべる笑みを浮かべながら、キャスターが僕たちの戦いを眺めている。
今回の戦闘において、彼が用意した手ごまはホムンクルスだった。
だが、その能力が問題だった。
「まさか、全員セイバーを憑依させるとは・・・っ!」
全員がエクスカリバーやグラムを憑依させて来る悪夢のような光景に、僕たちは追い込まれているといってもいい。
不幸中の幸いが技量の完全再現こそできていないものの、それでも高水準で再現されている技量の前には苦戦は必須。すでに戦闘不能になっている者もおり、このままでは全滅の恐れもある。
幸いジョーカーが全体攻撃で何とか抑えてくれているものの、それに対しては聖魔剣を用意することでダメージを抑え込むという離れ業を使ってくる。
くっ! これではこちらが非常に危険だ!!
「うわー。容赦ないねー」
「一対一で挑むな! ため込んだものを放ったというのに、ここで死んでは意味がないぞ!!」
桜花さんとクリスタリディ猊下は一体多数でもさばけているが、しかしこれは二人がとびぬけているだけだ。
「どうする? ぶっちゃけ剣の性能が違いすぎて逃げたいんやけど・・・」
「負傷者の後退支援をお願いしてもらえますか?」
「まじめに返すなや」
ムラマサと連携を取りながらなんとか数を減らしていくが、いかんせん武器の性能を引き出されているのが厄介だ。
量産型にすら剣の性能で負けるとは、もう笑うしかないが仕方がない。
剣の性能を引き出せないなら、切り捨てる技量で勝負するのみ。少なくとも桜花さんはそうしている!!
そう、ここにいる者たちに、心が折れているものは一人としていない!!
その光景をみて、キャスターは不敵な笑みを浮かべると指を鳴らした。
「では、そろそろ第二弾と行こうか! ・・・いくよ、カテレア」
なんだと!?
和平会談で襲撃を行って以来、姿を見せなかった旧魔王派のカテレアがここにきているのというのか!
ドーピングがない状況下ですらアザゼル先生と勝負になったあの女がいては、形勢が一気に傾く可能性すらあり得る・・・
だが、ぼくたちの前に現れたのはもっと驚愕の事態だった。