ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ファニーエンジェル編ラストバトルスタート!!


裸王、倒します!!

 その攻撃は、桁違いだった。

 

 いや、冗談抜きでロキの方がましだと思うぐらいの火力と数。

 

 そして―

 

「私は負けない。私は死なない。私はやられない。この天界を救うまでは!!」

 

 何より強い決意を込め、リアスの奥の手である消滅の魔星すら莫大な魔力で削りきった。

 

「そ、そんな・・・! これが、イッセーが私たちを救ってきた力の本質だとでもいうの!?」

 

 愕然とするリアスを前に、エルトリアは(全裸で)強い意志を示す目を向ける。

 

「色欲を失った哀れなこの世界を、私は必ずエロに染め上げて見せるのぉん! この救済を邪魔するのなら、殺すわよぉん」

 

 なんて、なんてことだ。

 

 こんな強大な力を前にして、俺は立ち向かうことができるのか?

 

 あ、圧倒的じゃないか!!

 

 これが俺が敵を倒してきたエロの力!

 

 敵に回すとこんなに怖くて頭が痛いだなんて!!

 

 シャルバとか本当にごめんね! そりゃショックで冥界滅ぼそうとかヤケ起こすよね!?

 

 なんか本当に申し訳ありません、冥界の皆様!! あの騒ぎはなんていうか、俺の責任がとても大きいことがよくわかってしまいました!!

 

 これが終わったら謝ろう!! っていうか冥界のメディアはもっとディスってもいいと思うよ!?

 

「・・・まだよ!! こんなところで私たちは終われない!!」

 

 思わず膝を屈してしまいそうな状況に、しかしリアスはくじけない。

 

「ようやく和平が結ばれ、そして争いが消えようというときに、貴方たちは勝手な理屈で世界を荒そうとしている!」

 

 リアスは心の底から怒りを浮かべ、そしてエルトリアをにらみつける。

 

「貴女もそうよ!! クリフォトの目的は知っているでしょう!?」

 

 そうだ! あいつらはグレートレッドを抹殺して異世界に侵略しようとしているんだ!!

 

 そんなことになったら世界はエロに包まれるどころの騒ぎじゃないぞ!?

 

 だが、エルトリアは何を言ってるんだお前らはといいたいような顔を浮かべると首を傾げた。

 

「あらぁん? まさか、上手くいくと思ってるのかし・・・あ、これは言っちゃだめだったわねぇん」

 

 な、なんだ?

 

 なにか隠しているぞ、こいつ?

 

「イッセー! とにかく彼女を倒すわよ!! こうなったら・・・」

 

「あ、はい!!」

 

 そうだ。リアスの魔星が突破されたのなら、もはや活路はただ一つ!!

 

「行くわよ!!」

 

「はい!!」

 

 リアスが俺の背中に抱き着いて、そして閃光が光り輝く!!

 

 そう、これはリアスのおっぱいの力。魔量の急速回復だ

 

「これは・・・っ!!」

 

 エルトリアは気づいて砲撃を放つが、こっちも全力の砲撃をお見舞いする。

 

 こうなったら奴の大量の砲撃を、それ以上の砲撃で塗りつぶす!!

 

 行くぜ、エルトリアぁあああああ!!!

 

「「「ぁあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」」」

 

 全力の砲撃の群れがぶつかり合い、天界を大きく揺らしていく。

 

 もしかしたらこれで天界が崩壊するかもしれないけど、その心配は後でしよう。

 

 今はここでエルトリアを何とかしなければ、天界がエロで包まれてしまう。

 

「それはそれでいいかもしれないけど、ぜったいだめだぁあああああああ!!!」

 

「ぬ、ぬぁああああああん!?」

 

 行ける! 少しずつだけど押してきてる!!

 

 これなら・・・!

 

「み、みとめるわぁん。あなたたちの方が今の私より上よぉん」

 

 そういいながら、しかしエルトリアは不敵な笑みを見せた。

 

「だけど、勝つのは()()()よぉん」

 

 なんだと!?

 

 その瞬間、天界中から莫大な光がエルトリアに注ぎ込む。

 

 思わず視線を逸らせば、周りにいるエルトリアの一派のおっぱいや股間から光が放たれ、エルトリアに集まっていく。

 

「・・・これが、私たちの究極奥義!!」

 

 エルトリアの声が響き、そして彼女の躰に莫大な光が放たれる。

 

「すーぱーエロス!! モード、裸王!!」

 

 そこにいたのは、光り輝く全裸となったエルトリアの姿だった。

 

 な、なんだあの神々しさは!?

 

 しかも俺の砲撃が全然効いてない。こ、これはどういうことだ!?

 

「おっぱいを力に変えられるのはあなただけじゃない。いいえ、おっぱいしか力に変えられないあなたは、しょせんその程度」

 

 見れば、エルトリアの派閥はほとんどが消えうせ、そしてエルトリアの声にはわずかながらにエコーがかかっている。

 

「おっぱい、うなじ、お尻、ふともも、〇〇〇に〇〇〇、髪、瞳、つま先、指先。人の性癖は千差万別。そしてすべてに価値がある!!」

 

 気が付いた時には、砲撃を押しとおって俺の目の前にエルトリアが!

 

 そして、さらに気が付いた時は鎧にひびが入って天高く殴り飛ばされていた。

 

 な・・・強い!?

 

「おっぱいに対する愛にのまれて、それだけに固執したなたと、すべての性癖を愛し、そして一体化した私達」

 

 とっさに騎士に形態変化して距離を取ろうとするが、しかし一瞬で追いつかれるとそのままつかまれる。

 

「ましてや文字通り一つになることもできない貴方に―」

 

 まずい、何とか戦車に―

 

「―私達が負けるはずがない!!」

 

 がっ!? せ、戦車の防御すら貫通した!?

 

 こ、これが、エルトリアの本気。

 

 すべての性癖を受け入れ、そして文字通り合一したエロの本領、裸王。

 

 か、勝てない。

 

 今のままじゃ、俺一人じゃ、勝てない・・・!

 

「終わりよ」

 

 エルトリアは今まで以上に収束された魔力を固め、俺に砲撃を―

 

「いや、そこまでだ」

 

 放つ前に、その腕に光の剣が絡みついた。

 

「よく持ちこたえた、イッセー。ちょっと休んでろ」

 

 あ、ああ、ああ・・・。

 

 馬鹿野郎。遅かったじゃねえか!!

 

「み、宮白ぉ!!」

 

「しかしぼろぼろだな。・・・とりあえずこの変態しばけばいいんだなぁ!?」

 

 ま、待ってたぜ、宮白!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふ、マジで心臓が止まるかと思った。

 

 なんて女だこいつは。まさかスケベ根性をイッセーより極めた存在が出てくるとは思わなかった。

 

 そしてイッセーをエロでボコボコにするとは、ああ、認めてやろうエルトリア。

 

 お前は、すごい。

 

 すごい変態だ。

 

「だから今すぐ死んでくれ。あらゆる意味で世界の敵だお前はぁあああああああ!!!」

 

「いいえぇん!! 世界を救うのよぉン!!」

 

 次の瞬間、俺たちは全力で激突した。

 

 恐ろしい出力だといわざるを得ないだろう。単純計算でヴァーリの極覇龍にも追随できる。

 

 何より恐ろしいのは持久力だ。この出力を平然と維持できるのは圧倒的なアドバンテージ。冗談抜きでハーデス達準最強級と同等のステージにまで登っている。

 

 イッセーやファーブニルでつくづく思い知らされたが、まさか敵までもエロの力で限界突破するとは!!

 

 だが、この蒼穹剣はそのハーデスすらコンボ決めて瞬殺した能力!!

 

 ワンハンドシェイクデスマッチであることもあり、この距離なら俺の方が有利!!

 

「お前の敗因はただ一つ」

 

 そして空中戦可能であるがゆえに、ケリすら使用可能!!

 

「慣れていない格闘戦をぶちかましたことだ!!」

 

「いいえ! まだまだなのよぉん!!」

 

 しかしエルトリアはかなり粘る。

 

 ああ、わかっているさ。

 

 圧倒的な偏差値をしかし乗り越え、進学校に入学するという奇跡を、俺のサポートがあったとはいえ教師の予想を超えて成功させる奇跡の力。それがスケベ根性。

 

 だから、持ちこたえることは予想できていた。

 

 だからこそ・・・。

 

「やっちまえ、イッセー!!」

 

「・・・おうともよ!!!」

 

 俺の親友だってまだまだやるぜ!!

 

 そう、俺のイッセーのエロパワーだって捨てたものじゃないんだよ!!

 

 さぁて、今回のびっくりどっきりおっぱいパワー。本日の担当者は?

 

「「イッセーくん!!」」

 

 無理やり突入してきた紫藤イリナさんと、みんな大好きお姉さまの姫島朱乃さんです!!

 

「それがどうしたのぉん!!」

 

 なめるなよエルトリア!! 今回の特性は―

 

「モードおっぱい!! フォーリンエンジェルモード!!」

 

 次の瞬間、イッセーの背中ら幾重にも重なった翼が生える。

 

 その翼はまるで堕ちている途中化のごとき灰色。しかし莫大な光力を秘めていた。

 

「て、天使の力ぁん!?」

 

 そうさ、エルトリア。天使と堕天使のおっぱいを宿したイッセーは、天使の力を行使できる。

 

 そして忘れてないよなエルトリア。悪魔にとって―

 

「光の力は大敵だろうがああああああああああ!!!」

 

 至近距離から、莫大な光の砲撃が放たれた。

 

「こ、こんな・・・エロスで、私が負けるわけがないのぉおおおおおおおおおん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・終わった、か」

 

 ぼろぼろの状態でへたり込みながら、小雪はすべての終了を耳にした。

 

 莫大な破壊の光を受けたエルトリアは意識不明の重体。アーシアの癒しの力があれど、魂まで損傷を受けたようで、当面の間意識を取り戻すことはないとのこと。

 

 なにやらリゼヴィムの計画について知っているようだが、まあそれどころではないので仕方がない。

 

 淫欲によって天界を包まんとした魔王の所業は何とか阻止できたが、しかしその爪痕はとても深い。

 

 天界がこの被害から回復するには、少なく見積もっても数十年の時間がかかるだろう。そして下手をすれば数百年かかる恐れもある。

 

 まったく馬鹿らしく恐ろしい戦いだった。

 

「お前らも、共闘する相手は選べよ、ファックだろ」

 

「うるさいわよ、馬鹿」

 

 スカイライトはそういいながら、心底心からため息をついた。

 

「大体、和平するにしたってもう少し準備ってもんがあるでしょうが。急速にケリつけようとするからこういうことになるのよ」

 

「仕方ねえだろ。もともとギリギリだったんだ。あのタイミング逃したらそれこそ滅びるまで突き進みかねねーだろ」

 

 スカイライトの当然の指摘に、小雪はうんざりしながらため息をついた。

 

 はっきり言って、三大勢力の和平はとっかかりがあれば首脳陣は即答でうなづくような代物だ。それぐらい今の世界の現状は危ういのだ。

 

 三大勢力はどれもが大打撃を受け、完全な意味での復興はできていない。各種神話勢力もいまだパワーバランスを自分たち側に傾けたい者たちが大勢だ。加えて人間は核兵器なるものを開発し、少し均衡を崩せば自分たちを滅ぼしかねない大戦争を起こしかねない。

 

 そんな状況を打破する光が差せば、それは即座に飛びつくだろう。慎重であることは美徳だが、千載一遇のチャンスに飛びつかないのは悪徳だ。

 

 加えて首脳陣は誰もかれもが極度のお人よしで善人だ。恨み言をつぶやく手合いとは歯車がかみ合わないので、どうしても軋みが生まれてしまうのは仕方がない。

 

 それにしても対処の余地はあったが、しかしその原因は外にもある。

 

「第一、禍の団(お前ら)がちょっかいかけなきゃ鎮魂祭とか各種謝罪とかにも時間避けたんだよ。よけーなもめ事増やしたのはそっちだっつの」

 

 実際そういいたくて仕方がない。

 

 本来和平が結ばれた以上、そのあたりの動きは当然あのお人よしどもならするだろう。

 

 それを和平会談と同時にテロを仕掛けて以来、平均して月に一つ以上大きなもめ事にかかわっている始末。そんな状況下でどうしろというのだ。

 

 大きなイベントには時間がいるのだ。テロで混乱している状況下では、ダウナー気味の活気を取り戻すのが精いっぱいだろう。

 

「まったく。これ悪魔払いの時にも仕掛けてくるんじゃねーだろーな?」

 

「そんなの分からないわよ。私は大体パシリなんだから」

 

 小雪の質問に何の役にも立たない答えを返しながら、スカイライトは苦笑した。

 

「・・・ったく。ホントにやってられない。・・・だから、もう私は休むわよ」

 

 そういうスカイライトの躰は、少しずつ崩れていた。

 

 もともと聖杯の力で無理やりよみがえらせたようなものだ。そんな状態であれだけの大けがを負えば、当然こうなることは自明の理だった。

 

「あんたこそ、頼むからもうあんなことするんじゃないわよ。・・・まあ、しようとしても殴り飛ばして止める奴がすぐ近くにいるんだろうけど」

 

「ああ、あたしにはファックなぐらいいい奴らだろ?」

 

 泣き笑いの表情を浮かべながら、小雪は本当にどうして今頃なのかと怒りたくもなる。

 

 もし、あの時の自分のそばにみんながいてくれれば、こんな苦しい戦いは起きなかったのだ。

 

「もういい。あの時、子供のアンタを行かせた私達にも問題がある。だから、もういい。しっかりシメたし、謝罪ももらったし、私もしっかり絞められたから、もういい」

 

 因果応報。まさにそれなのだろうと、スカイライトは苦笑する。

 

 殺された恨みを晴らすつもりが、自分が殺した相手の家族に邪魔されるなんて皮肉もいいところだ。

 

 しかし、そんな彼女がいやしたからこそ、謝罪の言葉を真摯にもらえた。

 

 ならもういいだろう。怨念返しはもういらない。このままゆっくり眠るとしよう。

 

「・・・もっかい言うわ」

 

 体が完全に崩れ去る直前に、スカイライトは最後の言葉を残す。

 

「もう、馬鹿な真似するんじゃないわよ、()()

 

 その言葉にはっとしてみれば、しかしすでにスカイライトは崩れ去っていた。

 

 マリンスノーではなく、小雪、といった。

 

 それは、もう未来を向いて生きろという被害者からの呪いの言葉。

 

 これではもう、未来を向いて生きていくしかないではないか。

 

「あの野郎・・・っ。最後の最後でしっかり仕返ししてきやがったな、・・・ファック」

 

 殺した相手からそんなことを言われたら、もう吹っ切るしかないだろう。

 

「ああ、未来を生き抜いてやるよ、・・・ごめんな。そして―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後の呪い(激励)をくれたスカイライトと、その場を作るために尽力してくれた仲間たちに、心から感謝の言葉を告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




おっぱいフェチ。数の差で敗北。

あと朱乃さんとイリナを複合させてしまいましたが、この二人の能力を考えるとどうしてもかぶってしまったので。結果的にこの章のダブルヒロイン体制みたいなものだったので好都合でした。

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