ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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前にも言いましたが、味方側の転生者はどっちかというとメンタル弱い組です。


シリアス、ぶっ壊れます!!

 

 思った以上にいい展開になってきた。

 

 豪獣鬼が現れたときはどうしたものかと思ったが、匙が予想以上に男を見せてくれたようで何よりだ。

 

 しかしこちらはこちらで実に苦戦した。

 

 ああ、実に苦戦()()とも。

 

『ぐぁああ・・・っ。マジかよ、すげえなおい』

 

「宮白、さすがにやりすぎじゃね?」

 

 眼の前には輪切りにされたグレンデルとドンビキするイッセー。

 

 そう、こっちもグレンデルを何とか撃破することに成功した。

 

 ふっふっふ。龍殺し用の弾丸はさすがに幹部格には効きが弱いといったと思う。

 

 だが、俺はそこにこの言葉を付け加えよう。

 

 弱いなら、強化すれば、いいじゃない。

 

 魔術師舐めるな。特に俺は強化魔術特化型なのだ。その根本さえわかればチート魔術師メディア様のいる俺は相応にパワーアップできるのだよ。

 

 俺はともかく俺のバックアップを舐めるなよ!!

 

『こりゃあ次はもっと本気出したほうがよさそうだな。ああ、聖杯ってのは最高だ。こんないい殺し合いが何度も楽しめるようになるんだからよぉ!!』

 

 グレンデルは愉しそうにそう笑う。

 

 そう、死者を蘇生させる聖杯があれば何度もよみがえるという荒業も不可能ではないだろう。

 

 なにせこいつは大昔に滅びているのだ。それをよみがえらせることができるのならそりゃあちょっと前に滅びたぐらいどうとでもなるだろう。

 

「・・・ああ、そこについては残念なお知らせがある」

 

 当然、そんなことは重々承知だ。

 

 クリフォトを相手にするにして、そんなわかり切っているアドバンテージを考慮しないわけがないだろう?

 

「お前らは殺さん。聖杯が確保できるまで厳重封印だばかめ」

 

『は!? ちょ、どういうことだ!!』

 

 どういうことだも何も、殺したら復活させられるなら拘束するしかないだろう。

 

 その程度の知恵ぐらいは回るんだよ。悪いけど準備は万端だ。

 

「はい小猫ちゃん! 黒歌から封印関係の準備はできてんだろ? とりあえずよろしく」

 

「了解しました。イッセー先輩、宝玉を一つ貸してください。それに封印します」

 

「あ、わかった。てかぶっつけ本番でいけるの?」

 

 イッセーがそんなことを言いながらも素直に宝玉を取り外してくれる。

 

 まあ心配なのはわかるが、そこまで不安にならなくても大丈夫だ。

 

「一時的に押さえ込めればそれでいい。封印系人工神器はアザゼルが既に開発していたし、グリゴリに持ち込めればそれぐらいは十分いけるはずだ」

 

『くそ! 誰がそうだとわかってて封印されるか! せっかく復活したってのに封印とか冗談じゃ―』

 

 余裕がなくなったのか火事場の馬鹿力を発揮してグレンデルが逃げ出そうとするが、あいにくそんな真似は許さない。

 

「甘いわ馬鹿め」

 

 ぬい止めるように光魔力の槍を叩き込んで動きを封じる。

 

『ふ、ふざけんじゃねえ! まだまだぶっ殺したい奴がゴロゴロいるってのにこんな展開―』

 

「いいからさっさと封印されて終われ。許可をもらえたら新兵器の的に運用してやるから安心しろ」

 

『どこが安心しろだ!! 俺がやりたいのは殺し合いでサンドバックじゃね―』

 

「じゃあ封印します」

 

 なおもわめくグレンデルを無視して、小猫ちゃんが封印を終了する。

 

 よし、コレで第三ラウンドとかそういった面倒なことからはおさらばだ。

 

 最重要軍事拠点の最深部にでも封印しておこう。それならそう簡単には奪われないだろうし。

 

 さて、コレでまあだいぶ楽になるだろうが、だからといって油断は禁物だ。

 

 まだまだ量産型の邪龍はゴロゴロいる。加えてヴァルプルガは健在だ。

 

「あらあら? これはあまり燃えない展開になっちゃったかしら?」

 

 ヴァルプルガが少し警戒心を浮かべてくるが、しかし余裕はまだ消えていない。

 

 なにせこっちも消耗しているし、数の上では確実に大敗してるからな。

 

 さてどうする? このままだとさすがに押し切られそうだが―

 

 その時、空が砕けた。

 

 より厳密にいうのならば、空を覆っていた結界が砕け散った。

 

 外部から結界を破壊したのか! しかし誰がどうやって?

 

 と思ったその時、俺たちの眼の前に一本の槍が突き立った。

 

 そして次の瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。

 

 っていうか痛い!? 全身が痛い!?

 

「宮白!? おい、しっかりしろぉおおおお!!!」

 

「宮白先輩!? 急激に気が乱れてます!!」

 

 イッセーに抱き起されながら、小猫ちゃんの仙術で治療を受ける俺。

 

 く、こ、この感覚は・・・。

 

「黄昏の聖槍だと。くそ、これはなんの嫌がらせだ・・・っ」

 

「兵夜くんー!?」

 

 ああ、久遠の手の感触が温かい。

 

 惚れた女の体温を感じながら死ぬとか上等な死に方の一つのような気がしてきたぁ。

 

「宮白さんしっかりしてください! ほら、回復しますよ!!」

 

 アーシアちゃんの回復がまさに俺に癒しとなってくるなホント。

 

 ああ、いやされる。でも痛い。かわいい女の子にいやされるのはいいけどリアルタイムで実に痛い。

 

「っていうかまだ刺さってるんだけどいつになったら本人来るんだよオイ!!」

 

「これ嫌がらせじゃないかなー? ほら、何度も煮え湯飲まされてるし意趣返しー?」

 

「イッセー頼む。曹操を見つけて一発殴ってくれ」

 

「いや宮白。そろそろ満足したみたいだぞ、槍消える」

 

 おお、だいぶ楽になった。マジで死ぬかと思った。

 

「クソが。帝釈天が後釜見つけたのか俺と同じで曹操と司法取引でもしたのか?」

 

「それはわからないけど、今回は感謝したほうがいいわね。これで後は増援を待てば向こうも撤退してくれるはずだわ」

 

 俺が毒づきながら立ち上がると、部長もつかれながらもしかし余裕を見せ始める。

 

 今回の厄介なところは増援が来るまでの時間が非常に長くなるであろうことにある。

 

 だがその最大要因である時間のずれは消え去った。これなら後は増援が来るまで待つだけだ。

 

「素直に逃げるなら追わないぜ? 手柄は二つも立てたし、欲に駆られて死人出すのはどうかと思うし」

 

 俺は動揺しているヴァルプルガにそう告げる。

 

 ああ、コレでどうにかなってくれるならそれに越したことはない。

 

 さてどう出る。

 

「あらあら。では手柄を一つは出してから帰るとしますわん♪」

 

 ・・・ちっ。続行か。

 

「それにこの数なら一人か二人ぐらいは倒せるでしょうし、ここは一つぐらい出してみようかしら?」

 

 そこまで読んでるのか。確かにこの調子だと一人ぐらいくたばりそうだな。

 

 聖槍のほうもこれ以上の手出しをする気配はないし、さてどうしたもんか・・・。

 

「・・・あ、ファーブニルさんが来れるそうです!」

 

 ・・・すごい嫌だけどわがまま言えない!!

 

「アーシアちゃんレッツトライ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? ファーブニルは?」

 

「兵夜くんー!? 記憶抹消してないで、現実見てー!!」

 

 え? えっと何? どういうこと!?

 

 だめだ、なんか思考がシャットダウンされてる!!

 

 あ、アーシアちゃんが倒れてる。え、なんなの?

 

「くそ、今度は履きたて生パンツでも請求したのか、あの変態は!」

 

「ある意味もっとひどいかなー」

 

 さらに上があるの!?

 

 驚愕する俺の鼻腔に、かぐわしい香りが届いてくる。

 

 ふむ、この感じは油と香辛料か。この感じはディアボロ風の揚げ物か何か・・・っ

 

「パンツは揚げ物じゃねえぇえええええええええ!!!」

 

「すぐわかる兵夜君がすごいけどねー? 問題はそこだけじゃないんだよー」

 

 ほかに何があるんだよ。いやこれ以外に何かあるの?

 

「宮白助けてくれ! 具体的には神器に封印されている残留思念をぶん殴る方法を教えてくれ!!」

 

「何があった!?」

 

 歴代の赤龍帝はもう成仏しただろひどい形で! え? もしかして生き残りがいたの?

 

「歴代白龍皇がアーシアのパンツをくんかくんかして和解の意にしやがったんだ」

 

「・・・俺本気で思うんだけどさ、実はイッセーとヴァーリが性癖的な意味で一番まともなんじゃないだろうか」

 

 イッセーが一番まともっていろいろひどいんだが、どうよ。

 

 戦闘能力的には歴代で最異端なイッセーとヴァーリが性癖的な意味で最もまともって何の冗談だよ。性欲ゼロと性欲MAXが性的にまともっておかしいだろ常識で考えて。

 

「・・・ちょっとハーデス殴るついでにサマエル取ってこようか」

 

「待ちなさい兵夜。さすがに今の段階でそれをやったらオリュンポスと戦争よ。少し落ち着きなさい」

 

 ですが部長! できることならもう残留思念どもを問答無用で浄化したいのですが俺は!!

 

 おいちょっとまて歴代二天龍! なんでお前らそんなに変態ばかりなの!? なんでその性癖生前発揮してないんだよ!!

 

 ええい、こうなれば祝福の力を持ってして強制的に成仏させるしかないというのか!

 

 などと思ったその時、俺はつい最近感じた気配を察知して我に返った。

 

 っていうかこの位置はマジでマズイ・・・っ!!

 

「―ロスヴァイセさんはなれて!!」

 

「気づかれましたか。ですが一歩遅かったですね」

 

 振り返った時にはもう遅かった。

 

 ユーグリットが偽赤龍帝の鎧を展開してロスヴァイセさんを捕まえていた。

 

 ええい、いろいろひどい展開だったところから急転直下以外の何物でもない。反応できるか。

 

 くそマイペースにもほどがあるだろうがこいつ。ちょっとファーブニルさん、責任取ってこいつ何とかしてくれませんかね?

 

「とはいえまさかこうもこちらの作戦を妨害されるとは思いませんでした。やはり少し舐めていたようですね」

 

「できれば負けるまで舐めていてほしかったよ」

 

 さてどうしたもんか。

 

 なぜか邪龍たちの動きは止まっているが・・・っていうか一部涙流してるんだけど何があった?

 

 ここにきて敵の方が増援とか面倒だなぁ。どうしたもんかなぁ。

 

 と、思ったら邪龍軍団が復活してきやがった。

 

 ええい、この野郎やはりやる気か!!

 

「では私はこのあたりでお暇するといたしましょうか。それではごきげんよう」

 

 って逃げる気!?

 

 しまった。そういえばロスヴァイセさんの研究に興味があったなこいつらは。

 

 悪魔の駒のベースマテリアルの入手が不可能になったからってせめて封印解除のための道具だけは手に入れるつもりか!!

 

 しかも空間転移! くそ、そんなことになったら追いかけられない・・・っ!

 

 だが次の瞬間、魔法陣の展開が急にばぐった。

 

「・・・あれ?」

 

「これはこれは。厄介なまねをしてくれたものですね」

 

 忌々しそうにユーグリッドが振り返るその先には、ゲンドゥルさんがふらつきながらも立っていた。

 

「孫をむざむざ連れていかせはしません」

 

「ですがこれぐらいならできることはありますよ?」

 

 そういうと、ユーグリッドは勢いよく飛んでいく。

 

 ええい、まさか逃がすと思っているのか!!

 

「イッセー追うぞ!! あの野郎舐めた真似してくれやがってからに!!」

 

「おうともよ! ロスヴァイセさんは誰にも渡さねえ!!」

 

「イッセー、ロスヴァイセまで本気で手に賭けるつもりなの!?」

 

「おまえ短期間にハーレム作ると途中でだれそうだからペースおとせ」

 

「え!? いや、そういう意味じゃないけど―」

 

「いいから早く行ってよグレモリー眷属ガチャ運チートトリオー!!」

 

 あれ!? 俺も引き強い部類!?

 

 比較的高い方かもしれないがこの二人に比べると明確に劣る自信があるんだが!?

 

「・・・孫を、よろしくお願いします」

 

 弱っているゲンドゥルさんからこんなことを言われては退くに引けない。

 

「もちろんです! ロスヴァイセさんは俺が救い出します!!」

 

 いいこと言ったなイッセー! それでこそだ!!

 

 にがしゃしねえぞユーグリッド! 手前は俺たちがとっ捕まえる!!




本当に思うんですけど、歴代赤龍帝で性癖的に一番まとも名乗ってイッセーとヴァーリですよね?

 おっぱい覚醒祭りと性的欲望ゼロとかこいつらもいろいろと極端ですけど、それにしてもまともがつけたくなるような連中ばかりですよね?

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