ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
仲がよかろうとすべてにおいて感想が一致することなどありえないだけなのです。
ふう、多数の人に講義をするというのは疲れるもんだ。
風呂上がりに一杯を飲みながら、俺は一息ついていた。
できれば酒にしておきたいところだが、子供が通う学校の寮を使わせてもらう手前コーヒー牛乳で抑えることにする。
ちなみに今は一人だ。
久遠は明日の授業の準備とか言っていたが、あいつ基本的に木刀用意するだけだと思うのだがどうしたのだろうか?
ナツミもベルも小雪も別件でいない。まあこれは俺が頼んだことだから仕方がない。
思い過ごしで終わればそれでいいとは思っているが、念には念を入れた対策は必要なので、そのあたりをお願いしている。
なにせこのアウロスでは、666の研究を行っている魔法使いが何人も集まっている。
俺がリゼヴィムなら間違いなく狙う。わかった瞬間に絶対にちょっかいをかけに行く。
そして、奴がなにも知らない可能性はゼロに近いだろう。
獣鬼騒動と同じタイミングで発動させたアサシンによるスキャンダル攻撃。まさか全員ばらしているとは考えにくい。
おそらくは下手に恐喝すると逆に痛い目に合ったり、恐喝するだけの価値もない連中をメインにして、いい情報を提供してくれそうな奴らは残していると考えるのが妥当だ。暗殺を駆使して政治的行動を行ってきたといわれる暗殺教団の長がその方法を考慮に入れないとは考えにくい。
だから、フィフスは知っている可能性はかなり高い。もちろんその可能性は上に進言している。
だからダミーとしての集合場所の情報はばらまかれているし、このあたりに戦力を集めている。もちろん完全につかめている可能性があるわけでもないのでここにいますよとばれるような集め方はしてないが、それでも相応の警戒は行っている。
具体的にはダミーの会談場所を意図的に用意し、まるでそこが本命だといわんばかりに防衛部隊を配置するといったところだ。そしてそこからアウロスまではいざとなれば短時間で来れるギリギリの位置に設置しているし、アザゼル製の空間転移系人工神器もごっそり用意している。
グランソードたちがここぞとばかりに傭兵代わりにつぎ込まれているらしい。できることなら、リゼヴィムと目的は違うが結果として同じことになりかねない連中がつぶし合ってくれればいいと考えているに違いない。これに関してはフォローできないから仕方がないね!
加えて俺も立地をいかして独自に行動済み。それ相応の奥の手というのを用意させてもらった。
まあ、これだけ準備すれば何とかなる可能性は十分にあるだろう。ほかにもいろいろ開発済みなのでかかってくるがいい。
まあ、アーチャーは今回その別件の方に移動しているので仕方がないが。
なにせ場所が場所だからな。一応念には念を入れておいたわけだ。
いや、この情報は非常に貴重で機密情報だからイッセーたちにもギリギリまで言うわけにはいかないからな。下手したらサーゼクス様ですら知らないぞ。
と、言うわけで出せる手はしっかり打っておいたのであまりあわてたりしないでゆっくり過ごす。
来るなら来て見るがいいクリフォトよ。最低でも増援が来るまでの時間稼ぎだけはさせてもらう。
と思いながらコーヒー牛乳を飲んでいると、なぜか男湯の方からロスヴァイセさんがやってきた。
「・・・なんで男湯の方から? イッセーはまだ入ってたはずなんですが」
「え、ええ。おかげでばったり出くわしてしまいました」
顔を真っ赤にしてロスヴァイセさんが応えるが、一体何があればそういう事態になるというんだ。
「まあ、それはともかく。教師としては俺の今回の授業とかどうでしたでしょうか? 結構大真面目にやったつもりなんで採点してくれると嬉しいのですが」
「そ、そうですね・・・。私もまだ経験が浅いので深くは言えませんが、生徒たちのやる気を引き出すという意味ではよかったのではないでしょうか? あの説明なら自分たちが恵まれていることも自覚できるでしょうし、やろうという意識をはっきりさせるのには有効だと思いますよ」
お、そういってもらえると嬉しいねぇ。
こういう勉強っているのは、やろうって気にならないと全然身に入らないもんだからね。そういう人達の面倒まで見る余裕は今のアウロス学園には存在しないだろう。
そういうことの説明も兼ねていってみたんだけど、ちゃんとわかってくれるのならそれはラッキーだ。
「しかしまあ、同じ場所でお婆さんがいるというのもなんというか縁を感じますね。ついでですし、時間があったら行ってみたらいいんじゃないですか?」
「そうですね。私の調べた内容も意味があるかもしれませんし、それもいいかもしれません」
ロスヴァイセさんはそういってから、少し真剣な表情を浮かべた。
「・・・これはイッセーくんに言って怒られたんですが、ひどい言い方ですが宮白君の分野な気もするので前もって頼んでおきたいことがあります」
イッセーに言われて怒られるようなことねぇ。ま、大体予想がつくけど。
「自分が誘拐されそうになったら最悪の場合殺してくれですか?」
「わ、わかりますか?」
「そりゃあまあ。ロスヴァイセさん責任感強いですし、流れ的に推測ぐらいはできますよ」
そりゃイッセー怒るって。あいつそういうの絶対無理だもん。
それがOKならベルの時に割って入ったりしないしなぁ。まあ、あの時は紆余曲折あってどうにかなったからよかったけど。
「わかってますよロスヴァイセさん。うちのメンツでそういうことできるのは俺ぐらいだし、自分の立ち位置はちゃんとわかってます」
そこに関して引くわけにはいかないだろう。
以前アザゼルは実戦はともかくレーティングゲームでサクリファイス戦術は間違ってないといってたが、俺としてはそれには異を唱えたい。
レーティングゲームで負けようが、別に人生がひっくり返ることはそうはないだろう。所詮はゲームなのだから、マジになるにしてもマジになる方向というものがある。勝敗より意地を取ってもいいだろう。今のレーティングゲームはすでに出世している貴族様の遊びなのだから、プライドを重視したって罰は当たらない。
だが実戦ではそうもいかない。実力状況時間的余裕などの理由により、天秤にかけねばならないときというものが確かにある。
そういう時出来るメンツなんて、グレモリー眷属では俺ぐらいだろう。それぐらいはよくわかっている。
「本当に申し訳ありません。もしかしたらイッセーくんに恨まれるかもしれないのに」
「イッセーに恨まれることを恐れてイッセーを失うような真似はしませんよ。ええ、俺はそのあたりの覚悟はできてますから」
申し訳なさそうにするロスヴァイセさんに俺はそういうと、ちょうどいいので贈り物をすることに。
「じゃあまあ、そういうことなら渡しておきたいものがありまして・・・」
次の日もいろいろと熱意があるようで何よりだ。
教員にちゃんと給料が支払われてない国は国家として失敗しているとかいう話を聞いたことがあるが、やはり教育は重要である。
まあ先進国ともなれば義務教育なんて普通にあるだろうしな。そりゃ重要だということだ。
待てよ? つまり教育が進んでない国に教育機関や教員を派遣して勉強を教えて参加の企業に就職させるというパターンを作り上げれば儲けがウハウハ?
「宮白くん、今なんか邪悪なこと考えてない?」
まて木場、考えていたのはあくまで金策だ、悪魔だけに。
「まあいいか。それより次の授業で俺は何を教えたらいいだろうか? 一応法曹系の興味を引かせるためにホントにあったビックリ判決とかあるんだが」
「案外ムダ知識が豊富だよね宮白くん。一応ここはレーティングゲームの学校なんだし、やるんだったらレーティングゲームで有効そうな戦闘スタイルの発案とかがいいんじゃないかな?」
なるほど、冥界の教育事情が悪いことを知っていたからすっかり忘れていたが、そういえばここはレーティングゲームの学校だった。
しかしあまり手の内を教えると今後のレーティングゲームの負担にもなるしな。そのあたりを考慮しながらレーティングゲームに使える戦術を教え込むというのはやはり難易度が高い。
「仕方がない。ここは実践! 山の中で作れる簡単トラップ! 魔力がないから意外と見つけずらいもん♪ でもするか」
「宮白くん。なんで街中での活動がメインなのにそんな状況でのトラップなんて学んでるんだい?」
いや、PMCに講習受けに行ったときに元ゲリラの方が教えてくれるっていうから役に立つかと思って。
まあいい。こういった対処できる範囲内のことを教えていって、事前に攻略しやすいメンツを育成するというのもなかなか行ける作戦ではある。
ふはははは! 戦闘とはえてして始まる前に終わっているものなのだよ!!
そういうわけで今回の授業の内容も決まったのでまずは最低限の準備を整えて・・・。
と、思ったその時、空が急激に変色した。
「チッ! ある意味ラッキーだが根本的にアンラッキーな展開になってきやがった」
とりあえず、個人的に動いたことも経費で落とせるから金銭的にはラッキーということにするのが前向きかねぇ?