ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
・・・自分でいうのもなんだけど、俺、更新速度ムラがあるなぁ
イッセーSide
「・・・い」
眠い。
なぜか体の感覚がない。寝ぼけてるんだろうか、俺。
「おい・・・ッセー」
うるせえなぁ。なんか俺疲れてるんだよ。
なんか記憶があいまいだ。シャルバが妙なことをしてきたからぶっとばしたと思うんだけど、そのあたりがあいまいでなんか思い出せない。
「・・・イッセー。今飛び起きたら久遠の胸に顔が当たるぞ」
「おっぱい!!」
あのちっぱいを堪能できるとはそれはそれで乙だ!!
飛び起きて胸に当たるのは俗にいうラッキースケベ! 事故、事故だよね!!
よっしゃ宮白には悪いけどちょっと堪能―
「ホントに起きたー!?」
「ヒデブ!?」
カウンターで投げ飛ばされて天井に激突した!?
くそ! まさかここまで計算された周到な策か!?
「みたかオーフィス。寝ぼけているときにこういう餌を垂らすと面白いように食いつくんだ。グレートレッドの好みを調べ上げて睡眠時に仕掛ければ、不意打ちがしやすいから覚えておくといいぞ」
「・・・我覚えた。赤龍帝は寝てる時に乳が絡むとよわい」
そして宮白! おまえなにオーフィスによけいなことを教えてやがる!!
「別に恩もあるからちょっとぐらいもませてあげてもいいけど、安易にあげるとあれだし私に三連勝ぐらいしてからねー」
桜花さん! それ無理って言ってるようなもんだよね!?
「まあ本当に揉みたいならそのあと俺との連戦を超えてもらうが。・・・いかに親友とはいえ、俺の女の乳をもむのは容易ではないぞ」
おい宮白! あおっといてそれは理不尽だ!!
『相棒。お前はあんなことがあった後でこんなおき方して泣きたくならないか?』
うるせえよドライグ!! ある意味未踏の領域なんだから仕方がないだろ!?
「・・・ってシャルバは!? 確か俺次元のはざまに取り込まれて―」
そういえば俺なんで生きてるんだ?
ようやく思い出したけど、俺サマエルの毒を喰らったはずだよな?
ヴァーリでもやばい毒を喰らって無事なのが不思議だったけど、その言葉に宮白たちはバツの悪い表情を浮かべる。
「・・・あー。イッセー、ショックを受ける前にとりあえずいうことがある」
宮白は言葉にしようかすまいか悩んでいる風だったけど、俺を励ますように両手を俺の方におくと、真剣な表情で言い放つ。
「お前今、リビングアーマー状態」
・・・はい?
Side Out
「お前一度死ねよ」
「ごめんフォローできないー」
『まあ言っていることは間違ってないな』
「全員ひでえ!?」
宮白も桜花さんもドライグもひどい!!
なんで体失ってリアスたちを抱けないと嘆いたら白い眼で見られなけりゃならないんだ!!
だって体がなくなったってことはそういうことだろ!? ショックを受けたって仕方がねえじゃねえか!!
「体を失ったことそのものについて嘆くのが先だろうが。なんで真っ先にそこになるのかマジでわかんねえよ。お前ほんと俺でもフォローできないことばっかりするのやめてくれない?」
ええ~!? だって結局俺まだ生きてるし、ちょっとそこだけじゃショック受けないんだけど。
なんでも俺の体はサマエルの毒で消滅したんだけど、魂だけは赤龍帝の籠手に込めることで何とかなったらしい。
ただし、それは歴代赤龍帝たちが犠牲になって毒を防いでくれたからだ。
・・・せっかく怨念から解放されたばかりなのにと思おうと、素直に喜べない。
・・・・・・・・・・・・そして最後の言葉が「ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん」だったせいで素直に悲しめない。
「なあ宮白。歴代赤龍帝って、なんであの変態っぷりを生前発揮しなかったんだろうな」
「俺は時々、実はイッセーが一番まともなんじゃないかって思い始めてるよ」
俺たちは同時に溜息をつく。ドライグもなんというか疲れている感じだった。
「まぁまぁー。こういう時は美味しいものを食べて忘れるに限るよー」
そういうと、桜花さんは缶詰の焼き鳥を食べはじめる。
「もぐもぐ。いっぱい食べて強くなって、グレートレッド倒す」
「ほらオーフィス。口元が汚れすぎだ」
オーフィスがレトルトのカレーを食べて口を汚したので、宮白は冷凍物のスパゲッティを食べるのをやめるとあわてて紙ナプキンでその口を拭った。
「・・・そしてお前らひどくね?」
俺は体を失ってるから食べようがない。だからこの光景を見ているだけだ。
うん、ちょっとぐらい気を使ってくれよキミら!!
だが、宮白は一瞥すると、ものすごいうまそうに冷凍の唐揚げを一口ほおばった。
「・・・テロリストの内輪もめにテロリスト助けるために介入してからだを失うような奴はこれぐらいしないと懲りないだろうが」
は、反論できない!!
確かに言われてみるとものすごく馬鹿な奴だ! その辺合理的な宮白だとマジギレされてもなにもおかしくねえ!!
「俺がいたら麻酔打ち込んででも連れ戻したものを。・・・いいかオーフィス。介入するタイミングを間違えた奴はこういうことになるから、そういうことはちゃんと考えて動いたほうがいいからな」
「おーい。そのひどい目にあいかけたテロリストの人に助けた奴の行動が間違ってるっていうのは無茶苦茶じゃねえか?」
ダブルスタンダードってやつじゃねえか?
「助かっちまったもんは仕方がないだろう。今は最低限の安全が確保できてるんだし、救助が来るまで暇でしょうがないから食べて発散するのは間違ってない」
「意外とこういうのもおいしいよねー。後で運動しとかないと太っちゃいそうだよー」
「・・・我、お代わりがほしい」
キミら本当にひどいな!! 俺一口も食べれないんだよ!?
『まあいいだろう相棒。新しい体もこの調子ならちゃんと完成するから、そのあといっぱい食べればいいじゃないか』
ドライグはまあそういながらとりなすけど、俺はそれを素直に受け止めることはできない。
だって・・・。
「お前は食べてるじゃねえか、ドライグぅうううううう!!!」
そう、ドライグは食事を楽しんでいる!!
封印されてるじゃないかって? ところがどっこい宮白がやってくれました!!
今俺の目の前には、小さなドラゴンの姿をしたゴーレムが、小さく切り分けたレトルトのハンバーグを食べている姿が映っています。そして俺の左腕には小さな機械が取り付けられているのです。
そう、これが宮白が新たに開発させたドライグ用のアバターユニット!
コストパフォーマンスはかなり悪いけど、味覚センサーまで取り付けられているから少しなら食べ物も食べることができるという素敵仕様。
さらに食ったものは炭化し、それを燃料とした火炎弾を発射することができるというから無駄機能じゃないと考えられている!!
「いいじゃねえかまだ使い捨ての実験作なんだから。・・・これぐらいしないと俺の怒りが抑えられない」
「兵夜くんも切れて暴れないように気を使ってるからねー。まあこれぐらいは我慢しなよー」
どれだけ怒ってるんだよ宮白は!!
「第一、今俺たちは部長たちが自殺していないかどうかすら心配しなけりゃならないんだぞ? 通信もつながらないせいでイッセーが生きていることも伝えられない」
ビールを取り出してヤケ酒みたいにごくごく飲んだりしながら、宮白はそう言い放つ。
「え? おれって死んでる扱いなの!?」
「悪魔の駒だけ転送されたってのがネックなんだよ。このケースの場合はほぼ確実にその悪魔は死亡してるからな。生きていると考えるほうがありえんだろ」
・・・マジか! そういえば夢で部長たちがすごい暗くなってたけど、もしかして正夢!?
「お前はオカルト研究部の精神的主柱であることを自覚しろ。・・・あ~もう大丈夫かな部長たち! アーチャーたちが何とかしてくれてるといいんだけど」
変な方向に酔いが回ったのか、宮白はさらに溜息をつく。
「この空間がアレなせいか、アーチャーとの念話も通じねえんだよ。パスは切れてないからベルもアーチャーも俺の生存は確信してるだろうけど、ドライグの話からして助けを呼んでる余裕はねえし、ラージホークの機能拡張も知ってるから例のあれができるまでは放っておかれそうだ」
例のアレって例のあれか。
「確かにあれができたら宮白に使わせるために救出部隊出てきそうだけど、あとどれぐらいかかるの?」
「下手するとひと月はかかるか?」
ダメじゃん! そのころにはケリついてるよ!!
「まあ、今考えてもしたかがないからねー。私も会長が心配だけどパクティオーカードの通信もつながらないし、開き直って呼ばれるまでのんびりしてようよー」
桜花さんはそういうと、食後のお茶(ティーバック)を楽しんでいる。
「・・・仕方がない。やることもほぼないしデザートにクレープでも作るか。材料があれだからクリームとチョコレートな」
「わーいー!」
『そういえばそういったものは食べたことがないな。こういったものも新たな体を得たことによるものか』
「我、クレープ食べてみたい」
なんというか微妙に和気あいあいしている感じだけど、そもそも根本的な問題がある。
「・・・あのさあ、何より言いたいことがあるんだけど、いいか?」
「「「『?』」」」
全員のんびりしてるけど―
「―グレートレッドがすぐ近くにいるってのに、お前らのんびりしすぎだろうがぁあああああああ!!!」
史上最強の存在がずっとラージホークの後ろついてきてんだけどぉおおおおおおお!?
「それもそうだな。・・・だがあのサイズだと味わえるようなサイズのメシないぞ? ・・・カロリーメイトで満足してくれるだろうか?」
そっちじゃないよ!!
Side Out
イッセーのご都合主義ってこういう時便利。
と、いうことで実はすでに合流していた兵夜とイッセー。
見捨てるのが普通といっておきながら世話を焼く当たり、兵夜は性格は悪いが本当に人がいい。根本的な部分でお人好しなため非道になり切れない。