ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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前回は感想がたっぷりでホクホクでした!!







そして、ついにウロボロス編スタート!!






とはいえ、今回はかなり短めになる予定です。


進級試験のウロボロス
試験の資格、ようやく来ました!!


 ついに来た。

 

 ついに来たぞ。

 

 速いっちゃ速いがある意味遅いぐらいのビックイベント!!

 

「っしゃぁ! ついに昇格試験!!」

 

 俺はその事実に思わずガッツポーズをしてしまった。

 

「み、宮白テンションあげすぎだろ?」

 

 イッセーがそんなことを言うが、俺としては待ちに待ったタイミングだ。

 

「だってお前考えてみろよ!! 魔術師組織のトップ務めてる身としちゃぁ、さっさとそれに合うだけの権力手にしてみたかったんだよ!! よっしこの調子で上級悪魔にまっしぐらだ!!」

 

 速いけど長かった!!

 

 コカビエルやら和平会談やらロキ襲来やらでいい加減話ぐらい出てもおかしくないと思ったのに、なかなか来ないからちょっと不安だったんだ!!

 

 これで名義貸してもらっているグレモリー卿におんぶのだっこの状態から脱却する可能性が増えてきた!!

 

 これからの交渉もだいぶ楽になる!!

 

 やった!

 

「・・・まあ昇格候補がたった四人なことを考えると、やはり冥界はまだまだ発展の余地があるというか反対派閥も多いということですね」

 

「そこについては面目ない」

 

 サーゼクスさまもつい苦笑してしまう。

 

 が、イッセーはそれがよくわからないのか首をかしげてしまう。

 

「え? そうなの?」

 

 こいつは何を言ってるんだろうか。

 

「あのなあ。俺たちが今までどれだけでかい戦闘潜り抜けてきたかわかってるのか?」

 

 コカビエルやらロキやらシャルバやら曹操やらがどういう立場か思い返せばわかるだろうに。

 

「大物相手にことごとく撃破あるいは貢献している俺たちは、功績だけならおそらく下手な上級転生悪魔を凌駕してるぞ。グレモリー眷属全員が昇格対象になったって全く不思議じゃない」

 

 と、いうか俺はなるとするならそうなるもんだとばかり思っていた。

 

「・・・まあ、現魔王派はあくまで「戦争継続すると種が滅びて本末転倒になるから反対」という派閥なだけだからな。和平締結で禍の団に鞍替えしたり内通してる連中はゴロゴロいるだろうし、そこまでいかなくても不満満載の連中もいるだろうからそういった連中の突き上げがあるということだろう」

 

「お前って本当に政治センスがずば抜けてるよな」

 

 イッセーには素直に感心されるが、それぐらいできないとやってられなかったからな俺は。

 

「おいおい言われちまったなサーゼクス。俺らもいろいろ問題あるが、悪魔業界は大変だよなぁ」

 

「そこを突かれると耳が痛い。できる限り早く改善したいのだが、やはり上役には旧来のやり方を好むものが多くてね」

 

「ですよね~。・・・組織が軌道に乗ったら政治の世界にでも参入したほうがいいでしょうか」

 

 苦笑するサーゼクス様にはそういうことを言うが、しかしうまくいく自信が微妙にない。

 

 俺の場合敏腕というより辣腕だから、手段を選ばざるを得ない状況下だと一気にスペックが低下するからな。

 

 初戦非合法手段を使わなければ真価を発揮できないわけで、あまり本格的に政治の世界に参入するとグレーゾーンも使いずらくなって大変なんだよな。

 

「兵夜さまはどちらかというと秘書の方が向いていると思われます。・・・いっそのことイッセーさまが政治家になってはいかがでしょうか」

 

「お、俺ですか!? いやいや、いくらなんでも無理ですって!!」

 

 グレイフィアさんにそんなことを言われて、イッセーはあわてて両手を振る。

 

 とはいえカリスマ性はだいぶ増してるし、頭が悪いわけじゃないからな。意外といい線行けるんじゃないだろうか。

 

「とはいえ油断してはだめよ? 実技試験はともかく、筆記試験は経験の少ないイッセーや兵夜だと苦戦するかもしれないわ」

 

 ああ、確かにその辺は大変だ。

 

 こういうのは年期の差が結構出てくるから真剣に勉強しなおさないと。

 

「って中間テストが目前なのにそれって俺ら大変じゃね?」

 

「いやイッセー。テストなんて授業真面目に聞いてちゃんと復習してれば、そう赤点は取らんだろ」

 

 一応部長の影響で毎日勉強はしてんだし、そんなに慌てることか?

 

 俺として素直にこう思うのだが、なぜか木場に苦笑された。

 

「宮白くん、それ勉強できる人のセリフだからね」

 

「つったって悪魔業界にこれから本格参入するんだし、そこまでテストの点気にすることもないだろ?」

 

「テストの点が80後半から90台の宮白に言われても腹が立つんだが。しかも時々百点取るじゃねえか!!」

 

 イッセーに半ばキレられかけた。解せぬ。

 

「いや、さすがに今回は昇格試験に集中しなくちゃいけないからな。平均点は70台だろ」

 

 俺は素直にそう思う。

 

 今後悪魔業界に深くかかわる以上、学問の方は少しおろそかになるだろう。

 

 馬鹿扱いされたくはないので勉強はするが、いい加減手を抜かないと過労で倒れるしな。

 

 だから俺としては素直に謙遜したのだが、何やらイッセーがぷるぷる震えはじめた。

 

 あれ? ちょ、ちょっと待て。

 

「だからそれ頭いいやつのセリフだああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って怒られてなぁ」

 

「・・・テストで徹夜することもある身としては、うらやましいかな~」

 

 久しぶりに学食で久遠と食べながら、そんなことをだべっていた。

 

「今回は私も昇格試験を受けるから、もしかしたら一緒の会場かもねー」

 

「マジか。ほかには参加する奴いるのか?」

 

「いやいないねー。今回シトリー眷属で参加するのは私だけだよー」

 

 へぇ。匙は結構かかわってるからあり得るかと思ったんだが、やはり昇格は狭き門ってわけか。

 

 まあ久遠の昇格は普通にあり得るな。

 

 レーティングゲームで俺らをほぼ全員相手にして逆に勝ちかねなかったのがこいつだ。しかも英雄派との戦いではジークフリートを圧倒している。

 

 魔法世界技術の提供でかなり恩恵も与えているだろうし、まあ久遠が昇格資格を得るのは妥当な結論だろう。

 

「こんど勉強会一緒にしようよー。ナツミちゃんの入学もあるし、それも必要だと思うよー?」

 

 焼肉定食を食べながら久遠がそういうことを言うが、俺はナツミのテスト結果を想像してちょっと躊躇する。

 

 ・・・あの惨状から引っ張り上げるのはちょっと骨が折れるので、さすがにそんな余裕を出すのは苦労するんだが。

 

「まあ、俺の勉強なんて速読いかして始まる前に教科書の内容丸暗記してるからできるようなことだからな。ほとんど復習みたいなもんだから余裕なだけだって」

 

「速読がすごいスキルだってこと忘れてないー?」

 

 ・・・すいません忘れてました。

 

「ま、中間テストも昇格試験もそこそこ用意してないとねー。はいあーん」

 

「あーん」

 

 差し出された焼肉を素直に食べて、俺はまあ納得する。

 

 まあ、急に頭が悪くなってもおかしく思われるのは正論だ。

 

「そこはまあ、色ボケして失敗しましたって愉快なオチでごまかせるとは思うけどな。はいあーん」

 

 こんどは俺がカツを食べさせる。

 

 こういう時、同じ学校っていうのは実に便利だ。

 

 イッセーのところの愛妻弁当コンボもあれだが、これはこれでいい感じだ。

 

「あーん! ・・・はいあーんだよー」

 

「り、リア充・・・死ね」

 

「誰か! 誰かこいつに気付けを持ってきてくれ!!」

 

「すいませーん! コーヒーくださーい!!」

 

「くそ! 闇討ちしようとしても返り討ちにされるから勝てない!!」

 

「しかも桜花さん助けに来るし! もうチート過ぎる!!」

 

 ・・・うん、ことごとく何回も仕掛けられるからもう慣れたよ。

 

 腹立ったからもう隠さずイチャイチャすることに決定した。せいぜいもてない男どもよショックを受けるがいい!!

 

「それで、神格のほうはどんな感じー? はい今度は沢庵ー」

 

「あーん。・・・まあ、ある程度の安定制御は可能になったな。いろいろ研究して奥の手も開発できたし、あとはそっちが安定できないのがネックなんだが。ほい、野沢菜漬け」

 

「あーんー」

 

「もう我慢ならん! 退学になろうと今この場でこいつを倒す!!」

 

「者ども出会えであえーい!! このモテ男に天誅を下せぇえええ!!」

 

 やべ、刺激しすぎた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧校舎で優雅にハーブティーをたしなみながら、アーチャーはその光景を水晶玉で眺めていた。

 

「なんていうか、意外と独占欲とか自己顕示欲とか高いわよねあの子」

 

「だな。ガキの頃はかなり寂しい思いをしてたみたいだし、反動だろ反動」

 

 こっちはコーヒーを味わっているアザゼルが、ニヤニヤしながら逃走劇を観戦していた。

 

「それで、昇格試験のほうはどうなるのかしら? 正直兵夜が昇格してくれると今後の準備がはかどるのだけど」

 

「そっちは問題ねえよ。実技も及第点なんてもんじゃねえし、今のあいつならほぼ合格できる」

 

 アザゼルはあっさりと断言する。

 

「実際中級悪魔の試験に出る程度のやつらのスペックじゃあ、あいつらの敵にはならねえだろ。どんだけ修羅場潜り抜けてると思ってんだ」

 

「それは否定しないけど、兵夜って改造しすぎてるから絶対改造分はリミッターをかけるって聞かないのよ」

 

「それでも何とかなるだろ。改造分がなくても魔術が使えればあのライザー・フェニックス相手に渡り合えるんだからな。禁手に目覚めた時点で並の中級悪魔なんて目じゃねえよ」

 

 優雅なティータイムをしながら、2人は今後のことについて会話を続ける。

 

 実際かなり大人な部類である二人としては、こういった会話は二人きりで行ったほうがはかどるところがある。

 

「それで? 例の武装は何とかなりそうなのかよ」

 

 アザゼルがあまり期待してない口調でそう尋ねると、アーチャーはハーブティーを少し飲んでから首を振った。

 

「まだうまくいかないわね。と、いうより発想からして狂ってるあんなもの、うまくいく方がどうかしてるわよ」

 

 正直アザゼルはそんなことだと思っていたので落胆はしなかった。

 

 兵夜が理論を作った新たなる最終兵器。その進行はどうやらうまくいっていないらしい。

 

 理論そのものは確かに行けそうなところはあるし、できれば切り札と呼ぶにふさわしい最終兵器ではある。発動させることができれば、勝率は大幅に向上するだろう。

 

 たとえヴァーリが覇龍を使おうと、逆転するだけの可能性はある。

 

 だが、そんなうまくいくほど世の中は甘くないということだ。

 

「あれが完成したら聖杯戦争も圧勝できそうなんだけどな

。実際本来のルールじゃ反則に近いだろあれ」

 

「それについては同意見ね。でもまあ、難しいでしょう」

 

 効果はでかいが可能性は低い。

 

 二人の間で意見は一致していた。

 

「せめて、あともう一つピースがあればいいのだけれども」

 

「だよなぁ」

 

 そう、あと一つピースが足りない。

 

 神格化を利用し、悪魔の駒を応用し、その二つを組み合わせることによって発動する、宮白兵夜の新たなる最終兵器。

 

 どうしてもその一手を作ることができず、技術者二人は顔を見合わせて肩をすくめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




ウロボロス編ですが、いろいろ悩んだ結果意図的に短くしようかと思っております。

総合的に次のヒーローズまでのつなぎでもあるわけですし、ストーリーの展開的に兵夜を絡ませずらいことに気づきました。

そのためオリジナル要素だらけの話になりますが、ご了承ください。

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