ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ライオンハート編スタート!!




今回、まあいつも比重は重めですが、今まで以上にバトル重視でいきますので日常編は割を食ってしまうことをご容赦ください。


学園祭のライオンハート
学園祭、準備中です!!


 割と本気で面倒なことになったと思う。

 

 オカルト研究部の学園祭での活動は、とんでもない規模になりやがった。

 

 題して「オカルトの館」

 

 お化け屋敷やら喫茶店やら占いやらオカルト発表研究やら全部出すとのことだ。もちろん、俺が以前提案したコスプレ写真も出すことになった。

 

 旧校舎を丸ごと使えるというオカルト研究部の利点を最大限に生かしたものだとは思う。教室の数も多いことを利用して、テーマごとに分かれた研究発表や写真展を出すことでかなり面白いことになるだろう。

 

 だが、オカルト研究部の人数的に非常に面倒であることをどいつもこいつもわかっているのだろうか?

 

 部長、朱乃さん、木場、子猫ちゃん、ギャスパー、イッセー、俺、アーシアちゃん、ゼノヴィア、最近転校してきたレイヴェルに、絶賛瞑想中のイリナを加えて11人。かろうじて二桁に突入しているレベルである。教師はこういう時ほかの仕事もあるので計算には入れられない。

 

 ・・・うん、難易度高いね♪

 

「やって、られるか!!」

 

 俺は思わず絶叫しながら、とりあえず料理をしまくっていた。

 

 喫茶店ということは料理であるが、まあ学園祭の喫茶店ならそこまでできたてにこだわる必要もない。と、いうかそこまでやったら過労死する人物が出てきそうなので何とか強引に押し通した。

 

 魔術と冷凍技術を最大限に利用し長期保存を可能にした料理を大量に用意。フェリーとかの食事コーナーみたいに解凍して出す方向に修正。そしていま冷凍する奴を大量生産中である。

 

 部長たちも家でいろいろ作っているが、キッチンの規模がさすがに想定外なので別の部屋でも作ったりしているわけである。

 

 で、俺は別室で料理中である。

 

 ここまで来るのが大変だった。ゼノヴィアとかイリナとかギャスパーとかが料理しようとしてきて止めるのに大混乱である。止めねば犠牲者が出かねないので本当に大変だった。

 

 しかもオカルト研究部風にするための創意工夫がいるので毎時で大変である。

 

 とりあえず俺がつくているのは狼男の大好物とネーミングした、ヨーロッパ料理で使われる血を使ったソースだ。

 

 ほかにもいろいろ作っているが、大量に作っても対処ができないと判断してメニューを限定したりするなどマジで苦労した。

 

 いざというときはナツミを導入したいところだが、それをすると俺の社会生命に再びダメージが入りかねないのでうかつに使用できない。

 

 ええい! あいつらが余計なことをしなければ何とかなったものの!!

 

 インテリアの準備とかも学園祭風味を出すために俺たちが作らないといけないんだよな。部長、忙しい時期に余計に忙しいことをするのは勘弁してください!!

 

「本当に忙しいな、オイ!!」

 

「だよねー。サイラオーグ・バアルとのレーティングゲームも近いんでしょー」

 

 後ろでソース用の材料を切ってくれている久遠が、苦笑しながら同情してくれる。

 

「そういうお前もアガレス家とのレーティングゲームだろ? 手伝うのはそこそこにして、休んでてもいいんだぞ?」

 

 正直ちょっと心苦しいところもある。

 

 なんてったって、生徒会もレーティングゲームだからな。

 

 しかも時間がこっちと同じというからなお大変だ。学園祭間際でてんやわんやなのは変わりない。

 

 上の方ももう少し気を利かせてほしいものだ。せめてひと月時間をずらしてくれるだけでだいぶ楽になるというのに。

 

「大丈夫だよー。私は庶務だから作業は少ないしー、本番での警備員擬きぐらいしかすることないからー」

 

「それまでに疲労を蓄積させてどうするって言ってんだよ。俺は自分の女に余計な負担をかける趣味はないぞ」

 

 俺としてはいささかありがたいが、正直その辺を考えると少し心苦しいところがある。

 

 だが、久遠はそれにむっとすると、俺の額に指を当てた。

 

「そういうのはなしだよー。私だって、自分の男に負担全部載せする趣味はないんだからねー」

 

「お、・・・おう」

 

 真正面から言われるとちょっと恥ずかしいな。

 

 なんだかんだでこういうことをストレートに言ってくるから、時々照れくさくなる。

 

 ・・・人前でも堂々とするから俺の社会的信用がダメージを受けるのは有名税と割り切るべきだが。

 

「それに、ベルさんはそういうのが大好きだからそこそこ乗せるようにねー? そうじゃないと逆に心細くなっちゃうよー?」

 

「ああ。そこはわかってる!」

 

 と、いうか理解しないとやってられないところがある。

 

 なんたって―。

 

「・・・兵夜さま!! 実質郊外の専門店で各種ハーブ類勝ってきました!! どうですか!?」

 

 ドアをけ破る勢いでベルが登場し、なんというか期待に満ちた表情を浮かべてくる。

 

 ・・・見てください皆様。このほめられたいという感情がありありとわかる犬っぽい姿。尻尾が見えますね。しかもちぎれんばかりに振り回されている姿が見えちゃいますね。

 

「でかした! これで魔女のティータイムと銘打ったハーブティができる」

 

 そういって俺は頭をなでる。

 

 最近だが、どうもベルは俺が命じたことをやり遂げた後こうされると喜ぶことがわかってきた。

 

 なんという忠犬属性。やばい、変な世界に目覚めそう。

 

 などと俺が自分の心と激戦を繰り広げていると、ドアの向こうからむっとしたナツミが突撃してきた!

 

「あ! ベルずるい!! ボクもボクも~!!」

 

「お前は取り合えず野菜の皮むきを手伝いなさい。ご褒美のプリンはちゃんと用意してるから」

 

「わかった! ちゃんとプリンも頂戴ね!!」

 

 そしてナツミもナツミでいろいろとわかりやすいな。

 

 なんというかナツミとベルはペット属性があるが、結構正反対である。

 

「・・・おーい。頼まれた赤ワイン、アザゼルからせしめてきたぞ。学園祭の出し物の材料に赤ワイン使うとかファックな金のかけ方すんなよな?」

 

 お、小雪も頼んでたものを仕入れてくれたようだ。

 

「いや、ついでだから本格的に行こうかと思ってな。下手に日本で手に入れようとすると高いやつしか手に入らないから本格的な安物を手に入れるのはむしろ大変で大変で」

 

「学園祭だから安物ってのはわかるが、それなのに本場ってどういう方向性だよ」

 

 呆れられるが、なんだかんだで手伝ってくれるのが小雪のいいところだ。マジたすかる。

 

 ・・・本場のワインを手に入れるのならアザゼルを利用したほうが楽だったので、小雪に頼んでせびるように言ってきたのだがこれで良し。

 

 赤ワインを使ったシチューもこれで何とかなりそうだ。

 

 これで俺の担当は何とかなるな。

 

「よし! コレなら余裕で間に合うだろ! とりあえずいったん昼飯にするか!!」

 

「実質テーブル拭いてきます!!」

 

 速攻でベルが動いて行ってしまった。

 

 速い、早すぎる。

 

「・・・しつけしなくても勝手に調教される女って、ファックなまでに楽なようでめんどくさいな」

 

 言われる前に動くベルの姿に、小雪が微妙な表情を浮かべるが、久遠はニコニコしたままだ。

 

「その辺のフォローやサポートは私たちも手伝わないとねー。同じ仲間なんだからそれぐらい頑張らないとー」

 

 本当に迷惑かけます。だけど、お前悪ノリするところあるんですけど。

 

 ま、それはそれでぜいたくな悩みってやつか。もてる男はつらいとあきらめよう。

 

「よっし! ナツミ、そこのパスタ取ってくれ。ナポリタンにする」

 

「うん! あ、辛いの入れないでね?」

 

 ・・・まあ、人生ちょっと忙しいぐらいがちょうどいいのかもな?

 

 のんびりするのはこれが終わってからにするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮白のやつは仕事しすぎだと思う。

 

「いつの間にここまで終わらせてんだろうな、あいつ」

 

「それは同意見ね。昨日まではなかったと思うのだけど」

 

 アーチャーさんがそんなことをぼやく理由は、俺たちの目の前にある。

 

 ・・・いろいろな色合いのレースや布の山。学園祭用に宮白が用意したセットだった。

 

 しかも、学生らしさを求める部長のニーズにこたえるかのように、高すぎずちょっと安いぐらいの質と値段のものばかり。それでいておしゃれな色合いのものとかあったり、わざとダサいカラーのものとかあったりして非常にバリエーションに富んでいる。

 

「私のマスターは非常に多芸だけれど、これはやりすぎじゃないかと思うことが多いのが難点ね」

 

「それについては同意します」

 

 俺の仕事はこれを指定された場所に運ぶことだけど、ここまで手配した宮白の手腕には時々驚かされる。

 

 しかも、余った時の対策として手芸部とのあたりまでつけているというものすごい準備具合だ。お前どこまで頑張ってるんだよ、オイ。

 

「宮白ってなんというか、自分から仕事を増やしたがるようなきがしてきたんですけど?」

 

「ワーカーホリックというらしいわよ? いろいろと動いていたらしいから、動かないと気が休まらないんじゃないかしら」

 

 アーチャーさんも呆れながら、布を手にもっていろいろと眺めていた。

 

「にしてもいろいろと集めてるわね。今度衣装作るときの材料を調達してもらおうかしら?」

 

 アーチャーさん、宮白の仕事を増やさないで!

 

「・・・そういえば、英雄派が操っていた連中ってどうなりました?」

 

 おれは、ふと気になったことを聞いてみることにした。

 

 アーチャーさんの宝具は英雄派に洗脳された連中の蛇を解くのに効果的ということで思いっきり重宝されてる。実際修学旅行の時とか、英雄派の作戦を台無しにするという大活躍をして見せた。

 

 そういうわけもあってか、洗脳されてた英雄派の連中とかの情報収集とかもすることがある。

 

 英雄派の連中が何を目的として戦ってるのかちょっと気になってたこともあって、ふと気になったんだ。

 

「そうね。正直、バカな連中に操られて命までかけさせられるというのは同情するけど、どうもそれだけじゃないようね」

 

 アーチャーさんはそんなことを言った。

 

「どういうことです?」

 

「自分から手を貸している者たちもいるってことよ」

 

 ・・・え、マジで!?

 

 アザゼル先生から聞いたけど、英雄派の襲撃の理由は禁手を増やすことらしい。

 

 洗脳して大量に集めた戦力を用意し、それを危機的状況に追い込んで禁手を誘発。そして禁手に至る方法を調べ上げて自分たちの強化に使うという方法ではないかとのことだ。

 

 本当に最低な方法だ。勝手に洗脳して集めたうえに、それを使い捨てにして危険な目に合わせるだなんて。

 

 だから話を聞いてから英雄派の構成員には同情している面もあったんだけど、どういうことだ?

 

「まあ、よくある話よ。・・・神器の能力を気味悪がられて迫害されていたところを力の使い方を教えられて心酔したって話」

 

 ・・・それを聞いて、俺は暗い気分になった。

 

 アーシアの時もそうだった。

 

 アーシアが追放されたのはディオドラが原因だけど、悪魔をいやす力があることを気味悪がられたのも原因の一つだ。

 

 神器は確かに強力な力だけど、使い手を幸せにするとは限らない。

 

 俺が一度死んだのだって、人間のままの俺じゃ神器を制御できないからだ。

 

「まあ、地獄のような環境から立ち上がる方法を教えてもらえば、その人物に心酔するのも当然でしょうね。救われるというのは、人を愛したり尊敬したりする理由の大きな一つだもの」

 

 アーチャーさんはそういうと、静かに俺の方を向いた。

 

「このことは、兵夜には言わないようにしておきなさい」

 

「え、どういうことです?」

 

 なんで宮白に言っちゃだめなのかよくわからない。

 

 むしろ頭のいい宮白に相談したほうが、説得する方法が見つかるかもしれないからいいんじゃないだろうか?

 

「・・・あなたね、さっきの男と曹操の関係は、あなたと兵夜に当てはめることもできるでしょうが」

 

 そういわれて、俺は初めて気が付いた。

 

 ・・・宮白は、俺のことをとことん上に見てくれている。

 

 転生者という性分からくる淋しさを、俺が救ってくれた。そう思い、そこから俺たちは親友になった。そしてあいつは俺に並び立とうとどこまで頑張ってる。

 

 そして、それはナツミちゃんたちもおんなじだ。

 

 そこまで来て、宮白の周りに女性が集まっている理由の一つを理解する。

 

 ナツミちゃんも、桜花さんも、ベルさんも、青野さんも、きっと宮白と同じだから惹かれあったんだ。

 

 もしかしたら、宮白がモテてるって自覚が薄かったのもそれが理由なのかもしれない。

 

 転生者っている理由にばかり目が向いていたから、自分の魅力に気付かなかったのかもな。

 

 まあ、俺も全然モテてないけどモテてる扱いされてるからちょっと妬ましいところはあるけど。

 

 でもまあ、ハーレム扱いでちょっとムフフなイメージができるというのはうれしいかもしれないけど―

 

―死んでくれないかな?

 

 ・・・冷や汗が、噴き出た。

 

「・・・どうしたの? 顔色が急に悪くなったわよ?」

 

 アーチャーさんに心配されて、俺はあわてて首を振った。

 

「あ、大丈夫です!! ちょっと嫌なことをおもいだしただけですから!!」

 

 俺はそういうと、荷物をもって急いで運ぶことにする。

 

 ・・・いやなこと、思い出しちまったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 




そういえばアーチャーとイッセーたちの絡みをなかなかかけてないと思ったので頑張って追加してみようと思う今日この頃。

かわいい女の子にかわいい服を着せることができまくっているので、アーチャーはなんだかんだでいい生活環境であります。


しかしヒロイン増やしすぎて描写書くのも大変である。・・・これから書く方々は自分のこの反省を参考にして増やしすぎたりしないように!!

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