ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
攻撃のタイミングはだいぶつかめた。
どうやら支配下においているとはいえ、完全にコントロールできるわけでもないらしい。
まあ、それなら洗脳せずにランサーの宝具だけ使えばいいはずだからな。何かしらのデメリットはあると思っていた。
そして、そう判断している間に仕掛けたトラップに反応して、ベルの動きに隙ができる。
今しか、ない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・恨め、ベル!!」
光魔力を最大出力で放出し、さらに宝石魔術でブーストをかける。
もてる最大出力を生かしたパイルバンク。コレなら一撃でいける!!
脳裏に一瞬、茶屋で抹茶と和菓子のコンボに夢中になっていたベルが見える。
それは、無視した。
「当たれええええええ!!!」
「させるかぁああああ!!!」
完璧に当たると思ったタイミングで、割って入る赤い影。
全力で放たれたこぶしが、こっちの攻撃の軌道をそらす。
「イッセー!?」
クソ! 気づけば絶対に阻止するとは思っていたがやはり阻止しやがった!!
「どけイッセー!! 状況考えろ、馬鹿!!」
「馬鹿はてめえだ!! どんな状況だろうと、仲間を見捨てて自分で仕留めるなんて真似許すわけがないだろうが!!」
予想通りの反論を返してくるが、だからといってここで口論している時間はない。
今の状況下でこいつらがベルに意識を向ければ、完璧に不利になった状況がダメ押しまでされて確実にやられる。
誰かがやらなきゃいけないことなんだよ・・・っ!!
「文句があるなら今ここで対処方法を実行しろ!! それができないなら黙ってみてろ!! 本当に俺たち全員殺されるぞ!!」
「・・・よし! じゃあベルさんとコンタクトとってみよう!! もしかしたら何とかなるかもしれない!!」
なんかとんでもないこと言ってる!?
いや、どうやってコンタクトとるんだよ!?
明らかに正気じゃない奴と会話する方法がわからないんだけど!!!
「広がれ俺の夢空間!
イッセーは乳技を発動するが、正気じゃないベルに使ってなんか意味あんのか、オイ。
「ヘイ! ベルさんのおっぱいさん!! 今何を考えてる?」
すいませーん。聞いてる間に攻撃が来そうなんですがー。
もう喰らって吹っ飛んでる隙に続行しよう。なんか空気呼んで攻撃してこないからチャンスはある。
『・・・あー、兵夜さまですねぇ』
あれ? おれの耳にも声が聞こえてるぞ?
「なんだぁ? 念力女の声が聞こえてくるんだが?」
戦闘中のランサーが首を傾げ始める。
え? ほかの連中にも聞こえてるの?
「宝具と乳技の組み合わせが化学反応でも起こしたのか?」
曹操も首をひねり始めたぞ?
なんか寝ぼけた状態のベルの胸の声が、連続してシャベル始めたのはその時だった。
『兵夜さま本当にカッコいいですぅ。一緒にいたら胸があったかくなるし、隣にいるとちょっとドキドキするのばれてないかなぁ? あ、でもばれてたら私も兵夜さんの妾の1人になったりするんですか!? そ、ソーナちゃんに仕えている久遠ちゃんも愛人だし、その確立は高いかもしれませぇん。別に妻になりたいなんて思ってないし、むしろ側近とかのほうがなんかちょっとドキドキしていいけど、だとしたらそのままずっと一緒にいるというのもありですねぇ。あぁ、でもミカエルさまの命があればすぐに行かねばなりませんからぁ、そうだとすると妻というのは無理にもほどがありますねぇ。で、でもそんな立場もそれはそれでドキドキしますぅ。ああ! でもそんなことしていたら兵夜さまに怒られてしまうかもしれませぇん。あれ? なんだかすごくドキドキしてきましたぁ。く、首輪なんかもされちゃったりして・・・キャーなんか恥かしいですぅ』
・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・うん、ゴメン」
「謝るならどけ。ベルを殺して俺も死ぬ」
なんだこの変態告白。
あいつ俺のこと内心ではさまづけ!? そして年下の女の子はちゃん付けだったの!? そしてなんだその願望は!!
そ、想像したら俺もなんかちょっとドキドキしてきた。やばい! 俺結構Sっ気強いのか!!
っていうか、なんだこのとんでもない告白は!!
いや、嬉しいけど、嬉しいけどむちゃくちゃ恥ずかしい!! 今戦闘中なんですけど!?
よし、死のう!! ベル殺して俺も死のう!!
大丈夫だベル。お前を一人になんてしないからなぁ。だからその口を閉じろ閉じてください今すぐに!!」
「宮白、想像したらから口で言ってる」
イッセーに言われてさらに死にたくなった。
『イッセーくんは兵夜さまと長い間そばにいたっていうのが本当にうらやましいですねぇ。私はミカエルさまと毎日顔を合わせることすらできないのに! ああ、その分兵夜さまと一緒にいて発散したいけどそれもできない! ナツミちゃんがうらやましいですぅ。あ、今でも一緒にいるなんて仲がいいですねぇ』
さらにベルの独白は続くが、その瞬間に念動力の一撃が入って俺たちは仲良くGSのコアの部分にたたきつけられた!!
こ、攻撃の意識とかは全くなくて動くのか!?
「み、宮白、宮白!! 大変だ!!」
「なんだイッセー! どうした!?」
今度は乳魔とかでもリンクしたのか!?
うん、ありえそう! ベル巨乳だし!!
「乳語翻訳切れてる!! 今のアレ、ベルさんのテレパシーか何かだ!!」
「マジか! お前の乳語翻訳は乳通り越してベルの本音をばらまいたのか!?」
ベルの
『お主ら好かれとるのぅ。儂もビックリじゃ』
「え? おれってそんなに好かれてる? か、かわいがられてる自覚はあるけど―」
「最近モテ期なのは自覚してる。・・・って誰だ!?」
イッセーが鈍いのは仕方がないとして、今度は誰だ!?
『こっちじゃこっち。後ろじゃ』
言われて後ろを振り返ってみれば、そこにはアスノミコトの爺さんが封じられたコアが。
『乳龍帝の坊主と、超能力者の嬢ちゃんの力が組み合わさったおかげで、何とかコンタクトがとれたわい』
正直息切れしそうな感じな調子で、爺さんがそんなことを言ってきた。
神様すごいな、オイ。
『事情は大体把握した。・・・宮白兵夜、あの嬢ちゃんを救いたいか?』
「手段があるなら教えてくれ。ないならその提案は却下だ」
俺は即答する。
あいにく、できもしないのに希望をかけるわけにはいかない。
『二つ欲しいものがある。・・・それがあるかどうかで成功率は大きく変わる』
・・・いったい、なんだ?
『悪魔の駒のベースマテリアルと、悪魔を半分やめる覚悟だ』
佑斗Side
戦闘中、僕らはそれを見た。
「イッセー! 援護しろ!!」
「わかった! 助けて見せろよ、宮白!!」
GSから飛び出した宮白くんとイッセーくん。
二人が高速で突撃しながら、一気にベルさんへと突貫する。
宮白くんの行動は、納得はできないが理解はできる。
だが、それをイッセーくんが受け入れることはないはずだ。
あの短時間でいったい何があった?
ベルさんもそれに気付いたのか、念動力で周囲の建物を浮かせるとそれを投げつける。
あれだけの大きな物体を軽々と投げつけれるとは、彼女のスペックは思った以上に高いのかもしれない。
『なんかいつも以上にかっこよくなってますねぇ。しかも料理もうまいっていうからすごいですぅ。・・・抹茶とお茶菓子もおいしいんですかねぇ』
そしていまだに思考が駄々もれなせいで色々とやりづらい。
宮白くんには心から同情するよ。
「お前マジ恥ずかしいんだよ、このバカ!!」
たぶん、鎧の中は顔が真っ赤になってるんだろうなぁ。
それはさておき、放たれる大質量の物体を、切り裂いたり打ち砕いたりしながら二人は突撃する。
「再び展開! 乳語翻訳、神様サポートバージョン!!」
イッセーくんが乳語翻訳を展開するが、今回その出力が明らかに違っていた。
圧倒的なまでのオーラが放出され、この場一体を包み込む。
そして、それはいつの間にか集まり、イッセー君を間にして、ベルさんと宮白くんを包んでいた。
「・・・あとは任せた、宮白!!」
「ああ、任せろ!!」
宮白くんが視線を、ゆっくりとベルさんにむけ、そしてその手をつかんだ。
Side Out
元からぶっ飛んでいるベルですが、内面はもっとぶっ飛んでいることがついに紹介で来てよかったです。
因みに何気にペット属性というか従属願望があったり。ナツミが気ままな飼い猫なら、ベルは忠誠心の飼い犬てきな感じでお願いします。