ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ちょっと最近スランプ気味。



そしてキャスターがようやくキャスターらしいことをしてくれました。


決戦、開幕です!!

 ロキとフェンリルが現れると同時に、空間転移で戦場を変更する。

 

 都市部で神クラスの連中と戦闘すれば被害が甚大であるための措置だったが、どうやら向こうもむやみやたらに民間人に被害を出すつもりはないようだ。

 

 まずは邪魔者を殺す。そしてそのあとゆっくりオーディンを倒せばいい。つまりはそういうことだ。

 

 とはいえわざわざ相手をしてくれるなら好都合。そう判断した時、ヴァーリが舌打ちした。

 

「・・・すまない。どうやらライダーは失敗したようだ」

 

 なんだと?

 

 俺たちがそれを問い返すより早く、そいつらは姿を現した。

 

 一つはカマキリのような機械の人型。それを見た瞬間に、堕天龍の鎧を着た小雪が頭を抱えて叫んだ。

 

「寄りにもよってガトリングレールガンとかふざけんな!! ファイブオーバー祭りか!?」

 

 そしてその上に立つのは一人の男。

 

 真面目そうな悪魔だ。そしてどこかで見たような・・・。

 

 ヴァーリがものすごく嫌そうな顔をしながら、その男のほうを向いた。

 

 なんだ、このすごい嫌そうな顔は。

 

「・・・やはり来たか、ザムジオ」

 

「来たともヴァーリ。その醜態、あまりにも見過ごせん」

 

 思い出した。たしか親父の施設に現れた悪魔の一人だ!

 

 たしか今はこいつが旧魔王派の指揮官やってるんだよな。

 

 ザムジオはヴァーリをにらんでいたかと思うと、こちらに対して土下座した。

 

 ・・・え?

 

「誠に・・・誠に申し訳ない!!」

 

 いや、なにが?

 

 思わず全員が顔を見合わせる。いや、なにが?

 

「敵対するために恩ある者を裏切ってまで禍の団に入ったヴァーリを、寄りにもよって想定していないとはいえ増援として送るなど、敵対する者に対する行動としてあまりにも非礼! あまりにも無礼! あまりにも愚行!! 禍の団と体制との戦いに対する死にも等しい侮辱!! 君たちの在り方をけがらわしいものにしたこと、誠に申し訳なく思う!!」

 

 すいません。何を言っているのかわかりません。

 

「・・・おいヴァーリ。奴は一体どういうやつなんだ?」

 

 第一印象は真面目なボスクラスだと思ったんだが、何やら様子がおかしい。

 

「・・・あの男は、旧魔王血族としての誇りはあるが、その方針を否定し排除した連中が新たに魔王を立ち上げることについては一切気にしていない。・・・・・・ただ一つ我慢できないことがあってそれを行うことこそが悪魔という存在に対する最大の裏切りだという理由で禍の団に参戦していてだな」

 

 ヴァーリが珍しくすごい微妙な顔をしている。

 

 どんな理由だ?

 

「・・・・・・旧魔王を追放して魔王についてながら、自分たちの姓でなく旧魔王の姓を名乗って魔王の座に就くなど、追放した魔王はおろか新たな道を選んだ悪魔たちすべてに対する裏切りだという考えで、それをただすために禍の団の参戦したんだ」

 

 ・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・ヴァーリ。それでなんでそいつここに来たんだよ?」

 

「さっき奴が言ったとおりだ。アザゼルを裏切って禍の団についておきながら、目的達成のために禍の団でなく君たちと共闘するなど誇り高きものがするべきことではないとして私兵を差し向けてきてな。・・・ライダーが足止めを担当してくれたのだが、どうやらこいつだけ突破したらしい」

 

 ・・・真面目というか融通が利かないというか。

 

 と、気づけばザムジオはロキにまで土下座していた。

 

「誇り高き神の戦いに対してこのような無礼な行いをさせてしまい申し訳ありません!! 魔王の血筋として謝罪とし、助太刀させていただきます!! ええ、どうぞ後ろから撃ってくださってかまいません!! むしろそれぐらいしていただけなければ謝罪になりませんので、どうか・・・どうか!!」

 

「まったくよくわからんが、まあこちらを攻撃してこないのなら勝手にするがいい。こちらもこちらで勝手にやらせてもらおう!」

 

 ロキの奴は相手したくないようだ。

 

 と、そんなことをしている場合ではない!

 

「と、とりあえずフェンリル片づけるぞ!!」

 

 俺が合図すると同時、上空からアーチャーが急降下。

 

 それに気を取られた瞬間に、グレイプニルを展開する。

 

 対フェンリル対策に調整を加えた特別製のグレイプニルが、フェンリルを絡め取る!

 

 よっしゃ! とりあえず第一関門突破!

 

 そしてそのままたたきこむ!!

 

「アーチャー! 全砲門収束!!」

 

「当然準備はできているわ」

 

 アーチャーが指を鳴らすと同時、この採石場を魔法陣が取り囲む。

 

 戦闘場所として決定した時から、この空間はアーチャーによる簡易的な工房として作用する。

 

 ドーム状に取り囲む結界からの連続放出型魔力砲数百門。

 

 事前準備は必要だが、この空間内ならアーチャーは神にも届く!!

 

「目標フェンリル! ・・・ぶっ放せ!!」

 

 回線の号砲は、しょっぱなからハメ手でフェンリルに襲い掛かった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 正直オーバーキルかもしれない砲撃を横目に、僕たちはザムジオへと向かう。

 

 想定外のイレギュラーは早めに叩き潰したほうがいいだろう。彼も旧魔王血族であるからには油断は禁物だが、しかし年齢は僕たちと同年代のはず。

 

 若手でも異例とまで言われた僕たちが、そうそう後れを取っていい相手じゃない!!

 

「では出遅れたが一撃放たせてもらおう」

 

 ゼノヴィアがデュランダルのオーラを増幅させて一気に放つ。

 

 同時に僕は聖剣を呼び出して大量に展開。さらにイッセー君がゼノヴィアの足元にアスカロンを放つ。

 

 質と量の双方でブーストされたデュランダルのオーラが、巨大な柱となって放出される。。

 

 その出力は圧倒的。直撃すれば鎧を来たイッセー君ですら戦闘は難しいだろう。

 

 それだけの出力のオーラを前に、しかしザムジオは動じない。

 

「ルシファー、レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブ・・・」

 

 かつての魔王の称号を唱えながら、ザムジオは両手を前に突き出す。

 

 そしてオーラが放たれると同時、その先の空間が微妙にゆがんだ。

 

「・・・その声を我がもとに届けよ」

 

 そしてオーラが直撃する直前、目の前に一つの剣が出現した。

 

「魔王の威光の元に、我は汝を召喚する! ・・・魔剣、ルレアベ!!」

 

 剣を握ると同時に振り上げたザムジオは、そのオーラを正面から受け止める!!

 

「権能解放! 魔の遺志宿す絶世の剣(ルレアベ)!!」

 

 再び件の名を叫び、ザムジオはそのオーラを両断した!?

 

 なんだ、あの出力は!!

 

 あまりの光景に僕らが動きを止める中、ザムジオは剣を構えなおしながら静かに告げる。

 

「・・・デュランダルとは、四人の聖人の聖遺物が詰められた剣と聞く。それゆえに聖剣として非常に強大な力を秘めているとも聞いた」

 

 莫大なオーラを放つその剣を、ザムジオは調子を確かめるように軽く振る。

 

「・・・その伝承に倣い。我らがかつての魔王の遺体を圧縮結晶化し、材料としてキャスターが作り上げたこれこそが、我らの宝物、ルレアベ」

 

 ・・・兵夜くんたち魔術師は、これまでにも肉体を使って強力な武装を作り出していた。

 

 血を媒介として宝石に魔力を込め、コカビエルの指で作られた弾丸はヴァーリに大打撃を与えるほど。

 

 もし、旧魔王の遺体を凝縮して強大な武装を作ればどうなるか・・・。

 

 その答えが僕らの目にあった。

 

 キャスターのサーヴァントが作り上げた魔剣・・・。デュランダルの力すら超えるというのか!

 

「まあこの程度で驚いてもらっても困るというもの・・・だ!」

 

 静かにこちらを見据えながら、あらぬ方向に剣が振るわれる。

 

 次の瞬間には虚空から空間を割いてあらわれた剣を、あっさりとはじき返していた。

 

「最強の聖剣を不意打ちに使うとは愚かしい。お前の最強の剣の頂へと進む道は、そのような裏道なのか?」

 

「これは手厳しいですね。まあ、この程度対処できなければ片手落ちですが」

 

 うずうずしているのが見て取れる微笑を浮かべながら、アーサーが僕らの前に出る。

 

「貴方の相手は私が致しましょう。・・・魔王から生まれたその魔剣、我が聖王剣とどこまで渡り合えるか楽しみです」

 

 聖王剣コールブランドから聖なるオーラが静かに漏れる。

 

 応じるように魔剣ルレアブからも邪悪なオーラが漏れ、戦場を二色のオーラが包み込む。

 

「・・・ならば、こうしよう」

 

 ザムジオ自身が魔力を放出する。

 

 大気中に放出された魔力は、そのまま形をとると異形の人型へと姿を変える。

 

 それはまるで山羊の獣人。そして、彼らの元へ、剣が送られる。

 

「・・・ルレアベには四つの機能がある。一つは先ほどの高出力魔力斬撃。そして一つは―」

 

 明確な形をとって形成される魔剣。

 

「うそ!? それってルレアベじゃない!?」

 

 寸分たがわぬ形をした、魔剣ルレアベ!?

 

「・・・能力のみ存在しない、ルレアベのコピーの無限生成だ」

 

 あれだけの性能の武装を無限に生成できるだと!?

 

「さて、魔王の血族として動く以上、それだけの実力は示して見せないといけないのでな」

 

 たった一人でこれだけの数を逆に数で圧倒しつつ、ザムジオは静かに告げる。

 

「・・・相応に動かせてもらう。覚悟してもらおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out




ロボットばっかり作っていたキャスターが、ついに魔術礼装っぽいものを作ってくれました。

キャスターは魔術師としてはなんというか製作者寄りの存在でしたので、強大な魔術礼装はいつか作らせるつもりでしたが、ようやくできたと思うとなんというか達成感があります。

かなり規格外の能力をもったチート武装ですので、今後の活躍もお楽しみください。

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