ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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取材、受けました!!

 俺の目の前でものすごい眼福な光景が広がっていた。

 

 シスター、女戦士、猫娘二人。

 

 よくあるコスプレだが、しかし一味違う。

 

 それぞれ露出度が低いのにもかかわらず、的確な部分を露出していることでエロさをだし、しかし露骨にエロスを出し切らない。

 

 俗にいうエロかわいいを実証した少女たちが、俺とイッセーの目の前でゲームに勤しんでいた。

 

「いいな、イッセー」

 

「いいな、宮白」

 

 俺とイッセーは今、親友だとしてもなかなか到達できないレベルで通じ合っていた。

 

 ・・・ちなみにコーディネートはアーチャーである。匠だ。

 

 ちなみに部長と朱乃さんはイッセーを巡ってケンカ中だ。イッセーも罪な男だ。

 

「・・・コーディネートした私に感謝しなさい。それと上がりよ」

 

 匠がちゃっかり勝利をもぎ取っていた。

 

 ちなみにこれでアーチャーは四勝目でトップである。さすがは上流階級。人生ゲームで出世するのも早い。

 

 二勝で俺が次点ではあるが、しかしこれは苦戦するな。さすがは策謀に長けるキャスターのサーヴァントで呼ばれるのが定石の英霊なだけあるな。俺程度では勝ち目がない。

 

「むっきー! まだ一回も勝ってないのにー! 次、次いこっ!」

 

 一勝すらしていないナツミがムキになる中、しかし俺は少し考え込んでいた。

 

 とはいえ相談できる相手がいるのに一人で考え込んでもどうかという話だ。素早くパス経由でアーチャーと相談する。

 

(・・・で、アーチャー。イッセーが言ってた話、どう思う?)

 

(あのスカした坊やが忠告した内容のこと? 正直よくわからないわね)

 

 まだほとんどのメンバーには知られていないが、イッセーはヴァーリと接触していたらしい。

 

 ディオドラには気を付けろと言っていたそうだが、一体どういう意味だ?

 

 ・・・たしかに、ディオドラはアザゼルや部長が眉をひそめるほどの急激なパワーアップを果たしていたそうだ。

 

 大公アガレスとのレーティングゲームでは孤軍奮闘。一騎当千の活躍をして勝利をつかんだわけで、確かに桁違いの戦闘能力を発揮していることは認める。

 

 だが、それでイッセーがピンチに陥るか?

 

 なんどか偽聖剣のテストも兼ねて模擬戦を繰り返してきた俺だからこそ断言できる。

 

 ・・・十中八九イッセーが勝つぞ、この戦い。

 

 偽聖剣を使えば俺だって勝てる。久遠なら一分もかからず倒せるだろうし、リョウメンスクナを使えば木場も十分勝算がある。

 

 ヴァーリの奴、まだ俺らを舐めてるんじゃないだろうか?

 

 まあディオドラにまだ隠し玉があるとしたら厄介だが、イッセーには聖剣アスカロンもあるわけだし、そこまでビビる相手でもないだろう。

 

 なんかウチのメンバー全員ディオドラを警戒してるんだが、警戒するのはわかるし油断はするべきではないが、今の情報でそこまでビビるほどでもないだろう。

 

(・・・と、いうよりもう私が裏で謀殺していいかしら? 正直生かしておきたくないタイプなのだけれど)

 

(気持ちわかるとは言わないが抑えてくれ。今後の展開を考えると、あまりきついハメ手は使いたくない。その辺は今後アザゼルと話し合って考えような?)

 

 いろいろ調べた情報からある程度の確信があるので、アーチャーは割と本気で殺すモードなのが心配だ。

 

 まあ、来歴を知っていれば当然の反応ではある。

 

(何はともあれ今後の展開次第だ。・・・場合によって、OKな)

 

(それはありがたいわ。・・・できればそうであってほしいわね)

 

 まあ、イッセーたちに迂闊にいうわけにもいかないから、できれば平和的に解決できるといいんだけどな。

 

 とはいえ、向こうにそのつもりがないのなら・・・。

 

「・・・もしも~し? 宮白くん大丈夫~?」

 

「うぉっと!?」

 

 隣にイリナがいてびっくりしてしまった。

 

 いかんいかん。ちょっと考えすぎたか。

 

「一緒にゲームしようって話になったのに、何も言ってこないからびっくりしたじゃない。ダメよ、みんなで遊ぶ時にボーっとしちゃ」

 

「わ、悪い悪い。ちょっと考え事してた」

 

 あわててごまかしながらしかし思考は決して止めない。

 

 ・・・ディオドラ、まさか貴様・・・。

 

 しかしその直後、部長からもたらされたある情報によって、俺はそれどころじゃなくなったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 今、僕たちは結構意外なものを見ている。

 

 僕らがいるのは冥界のテレビ局。まあ簡単に言えば、テレビに出ることになったわけだ。

 

 まあ、冷静に考えればそれも当然だろう。

 

 期待のルーキーであるライザー・フェニックスを倒し、コカビエルの襲撃を切り抜け、三大勢力の会談に参加し、敵の襲撃を撃退した僕たちは、大きな争いがなくなった冥界に当然のこと、さらに政府の方針で本来大がかりな戦闘には巻き込まれにくい若手として破格の存在だ。

 

 さらにそこに赤龍帝であるイッセーくんの存在と、魔王血族の部長がいるわけだから注目度は桁違いだろう。

 

 桜花さん相手にボコボコにされたからある程度のガス抜きはされているかと思ったけど、どうやら甘かったようだ。

 

 正直インタビューが激しくて大変だった。朱乃さんも男性人気が高いこともあって結構質問されていたし苦労しただろう。

 

 イッセーくんも乳龍帝とか色々あってかなり質問が飛んできたが、しかしそれ以上にすごいのが一人いた。

 

「画期的な発明であるあの治癒アイテムですが、今後の開発の予定はありますか?」

 

「そ、そうですね。技術を応用すれば破損した心臓を再生させることで治療するということも理論上可能な技術ですので、それらを応用した臓器治療技術を作り出すことができれば、癌治療などに効果が見込めるのではないかと考えております」

 

「レーティングゲームでは参謀として様々な策をもってソーナ様と渡り合いましたが、どこから発想が出たのでしょうか?」

 

「人間のころは不良やヤクザなどを相手にゲリラ戦のような方法で渡り合ったことがあったので、そこから発想してみました。あれは・・・まあ、戦場がこちらにとってやりやすかったからできたような偶然ですよ」

 

「そのソーナ様の眷属である桜花久遠さんとの恋愛ですが、その後の展開はどうでしょうか!?」

 

「え、えとあのそのんと・・・ど、同類意識というものがあることもありますので仲良くやっていきたいとはおもってんおり―」

 

 ・・・さすがにしどろもどろになってきているようだ。

 

 まあ仕方がない。

 

 宮白くんたち魔術師が、その立場を確立するために生産した魔術礼装は冥界の歴史を一変させるものだ。さらにその技術の応用発展の準備も彼とアーチャーさんが中心となって行っており、これにより冥界の技術は大きく発展するのではないかといわれている。

 

 レーティングゲームにおいても、会長相手にむしろ反撃したりするなど参謀として仕事をしっかりと果たしていた。レーティングゲームの批評家の間では、グレモリー眷属で一番評価されている。とくに作戦を重視するタイプからは、策がいささか悪辣なことを除けば、会長に次ぐ参謀家として高評価だ。

 

 そして桜花さんとの恋愛事情は非常に大きい。

 

 まさかレーティングゲームで告白され、さらにその結果により交際が堂々と決定したのだ。娯楽が比較的少ない冥界にとって、ここまでのインパクトはそうはないだろう。

 

 おかげでその方面からの質問攻めが集中している。その質問量は僕たちのなかで一番多いだろう。

 

「魔王様が見守る中で誓いの口づけをしたとのことですが、その時の心境は!!」

 

「ぶっちゃけなかったことにしたいです! っていうかリアスさまヘルプ! だれか話そらして!?」

 

「あきらめなさい。勝利条件を誤解したあなたが悪いわ」

 

 この状況下で部長の呼び方に気を付けれる彼はやはりすごいが、しかしこればかりはどうしようもない。

 

 インパクトだけでいうなら乳語翻訳に匹敵する上に、いろいろツッコミづらい乳語翻訳より話のタネにしやすいからね。ここまで来るとは思わなかった。

 

 そしてインタビューが終わるころには、死に物狂いで何とかした宮白くんはへばっていた。

 

「・・・部長、今日の悪魔稼業休みます。もう風呂入って酒飲んで寝る」

 

「仕方がないわね。ご苦労様」

 

 さすがの部長も苦笑するほかないぐらい憔悴している。

 

 何事もそつなくこなせる宮白くんだけど、一度も経験してないことにはさすがに無理があるらしい。

 

 なんでもそれなりにこなせそうな彼にも限界があるということか。なんていうか、さらりと流して終わらせそうな印象があったので、ちょっと意外だった。

 

「・・・宮白先輩って何事もそつなくこなせるイメージがあったんですが、意外ですね」

 

「それは同感だな。手際よくこなしそうだったのだが想像を絶するほどに戸惑っていたな」

 

「お前ら俺を何だと思ってんだ? テレビ出演するつもりないやつが、ゴシップ記事的な内容のインタビューに対する備えをしているわけないだろうが」

 

 同じような感想を漏らした小猫ちゃんやゼノヴィアに対して、宮白くんはジト目で見ながらそう漏らす。

 

 ただしその表情は力ない。どうやら僕らが思っているよりもさらに大きく憔悴しているようだ。

 

 本当に心の底から疲れきっている宮白くんはため息をつきながら、ソファーに沈み込んだ。

 

「イッセーはイッセーでアホなことになってるし、なんていうかディオドラに意識向けなきゃいけない状況下でなんでここまで面倒事を引き受けなきゃいけないんだよ」

 

「あれ? 宮白くんってイッセーくんがどうして別撮りなのか知ってるのかい?」

 

 イッセーくんはいま何やら別の理由で撮影に参加するということになっている。

 

 詳細は僕たちも知らないんだけど、どうやら宮白くんは知っているようだ。

 

 だが、宮白くんはニヤリと笑うと人差し指を立てた。

 

「イッセーがらみの情報は最優先でかき集めてるからな。・・・驚く顔が見たいんで、情報は伏せさせてもらうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マジで疲れた。

 

 まさか下級悪魔の恋愛事情にここまでがっついてくるとは想定外だ。

 

 酒を飲みながら、俺は当分冥界の取材はお断りすることを心に決めた。

 

 ただでさえそれなりに長い人生で初の事態に混乱状態だというのに、テレビの取材までこなす余裕はない。場合によってはサーゼクス様に土下座して何とかしてもらおう。

 

 しかしまあ、イッセーのことはなんというか爆笑ものだったりする。

 

 乳龍帝として子供の人気をかき集めているのは知っていたが、まさかこういう展開にするとは笑わせてもらった。

 

 なんていうかハーレム王とは方向性は違うが、しかしある意味で人気出まくりだな。上級悪魔昇格の助けにはなるだろう。

 

 さすがは俺の親友、やるじゃねえか。

 

 アレが公開される前に変なケチがついてもあれだし、こりゃなおさらディオドラに負けるわけにはいかないな。

 

 今日は早めに寝て、インタビューでの疲れをとってからしっかりディオドラ対策を練るとするか。ヴァーリが警告したということはもうひとひ練りあるだろうし、相応に警戒する必要がある。

 

 と、その時ドアをたたく音がした。

 

「・・・まだ起きてるけど、誰だ?」

 

「私だよー」

 

 ドアを開けてやってきたのは久遠だった。

 

 その手に持っている包みからは、やけにうまそうな匂いが漂っている。

 

「おつまみに焼き鳥作ってきたけど食べるー?」

 

 ・・・なんか腹減ってきた!

 

「じゃあ食うとするか。・・・ウーロン茶出すからお前もちょっとだべってけよ」

 

「ありがとー。そういえば今日生徒会でねー」

 

 俺と久遠はその日にあったことなどをだべりながら焼き鳥をつまむ。

 

 うん、味が少し良くなってるな。酒のつまみにちょうどいい。

 

 ・・・彼女と話す雰囲気とはちょっと違う気もするが、これはこれで楽しい。

 

 だが、ふと見ると久遠の表情がちょっと沈んでいた。

 

「なんかあったか? ・・・相談事があるなら聞くぞ?」

 

「いや、そういうわけじゃなくてー・・・」

 

 久遠は苦笑いでごまかそうとしたが、少しすると勢いよく頭を下げた。

 

「なんかごめんなさいー!」

 

 ・・・な、なんだなんだ?

 

「きょ、今日のテレビ出演で兵夜くんが思いっきり疲れちゃったって聞いてー。それでなんていうか原因は私にあるわけでー」

 

 ああ、確かに。

 

 もとはといえばこいつがテレビ放送で告白したうえに、魔王様の目の前でキスしたなんて実話が漏れたことが原因だからな。

 

 それで罪悪感感じてるのか。

 

 ・・・はあ。

 

「久遠」

 

「う、うんなに―」

 

 顔を上げた久遠の唇を、俺の唇でふさぐ。

 

 ・・・なんかすごく恥ずかしいが、とりあえず数秒間そのままで待機。

 

 そして距離を少しとった時には、久遠は思いっきり顔を真っ赤にしていた。

 

「ちょ、ちょちょちょちょっとー!?」

 

「とりあえずお仕置きはこれで終了な」

 

 ちょっと冗談みたいにそう言って、俺は久遠を抱き寄せる。

 

 ・・・おお、カチンコチンに固まってる。

 

「・・・自分の女がいい女だっていうのは、これで結構自信がつくもんでな」

 

 正直謝られても今更ではあるし、それはまあ別にいい。

 

 なっちまったもんは仕方がないし、約束は約束だ。

 

 むしろそれぐらい強かなほうが俺にとってはちょうどいいとも思うしな。

 

 だからまあ、謝られるぐらいならもっとこうプラスになることをしてもらいたいわけで。

 

「まだまだ結構戸惑ってるところもあるけど、俺もまあ、桜花久遠(いい女)を愛人にして当然の男になるって最近決めた」

 

 こうしていると、最初にこいつを抱きしめたときを思い出す。

 

 数少ない同朋に、自分と同じような決意を秘めた同朋と出会ったことに、俺は正直歓喜してたと思う。

 

 そんな彼女を自分の女にできるっていうのは、なんていうかまあ、かなりうれしい。

 

 確かにイッセーが一番大事なのは一生変わらないだろうが、桜花久遠といういい女を大事に思っていることも変わらない。

 

 どうせ異形業界全体にばらまかれたようなもんなんだ。堂々と侍らせてると自慢できるようになるほうがいいに決まってる。

 

「・・・だからまあ、これはいわゆる有名税ってことで気にするな? できれば話のタネを提供するためにイチャイチャしてくれるとうれしいかな?」

 

「あ・・・あう・・・わかりましたー」

 

 ゆでだこのように真っ赤になる久遠を見てると、なんかすごく愛しく感じてしまう。

 

 我ながら意外とちょろいというかなんというか。これじゃあ女が言い寄ってきたら断れないんじゃないか?

 

 まあ、超イケメンの木場にモテ期のイッセーがいる以上そうそう寄ってこないとは思うが、ちょっと気合い入れたほうがいいな。

 

「そろそろ離れるか?」

 

「え? い、いやいやいや、もうちょっとー」

 

 俺の胸に顔を押し付けながら、久遠が俺の背中に手をまわしてくる。

 

 やばい、なんかムラっと来た。

 

「・・・久遠」

 

「・・・い、いいよー」

 

 ・・・よし。

 

 いただきま―

 

「兵夜ぁあああああ!!」

 

 顔面に衝撃が走った。

 

 あ、頭が重い! 目の前も真っ暗だ!!

 

 悪魔となった俺たちは、非常に夜目が利くはずなのになぜ見えない!? いったい何があった!?

 

「あ、ナツミちゃんだー。こんばんわー」

 

「久遠!? ちょっとやりすぎだからね!? 禁止禁止!!」

 

 ああ、ナツミがだいぶして抱き付いてるのか。

 

 っていうか頭蓋骨がミシミシ言ってるんだけど!? ちょ、タンマタンマ!!

 

「久遠は兵夜の愛人かもしれないけど、ボクだって兵夜の使い魔なんだからね! ご主人独占禁止!!」

 

「あ、ごめんねー。・・・うん、頑張れナツミちゃん。未来の同士になってくれると嬉しいなー」

 

 な、なんか二人の間で共通認識!?

 

 や、やっぱりあれか!? ナツミもなのか!?

 

「ご主人! ご主人は今日一緒に寝て! ねーるーのー!!」

 

「わ、わかった! わかったから離れろぉおおおお!!」

 

 疲れてるのは本当なんだよ!

 

 ああもう! せっかくいい雰囲気だったのにぃいいいいいい!!

 

 

 




次回、レーティングゲーム開始します。

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