ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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未来編9話…があまりにも衝撃的だったので思わず更新。

…うせやん。なんで霧切さん死んでまうん?逆蔵と流流歌は今日あたりかなと思ってたけど、まさか霧切さんまで…しかもあのNG行動。そりゃ言えんわなあ…。言ったら苗木下手すりゃ自殺するで。モナカの言ったことはこういうことか…。
…しかし、ホントに死んだの?霧切さん…。なんか死に顔が他の人より綺麗というか…実はここみたいに解毒剤飲んでたとか、そういうオチやねんろ?今回だけは許すで!…ホンマ、どうなん小高さん?



…まあネタバレになるけどここの作品じゃそれはないけどね!なぜなら「話が進まないから」!この作品は交錯編で終わりじゃないので…



あ、あと最新話の改善策その2として「最新話」の枠を新しく作ってそこに投稿するやりかたにしてみました。前回とどちらが見やすいか、感想ついでにご意見をくれるとうれしいです


魔法という名の科学の申し子

チーン…ガガガ…

「…とうとう、来たね」

「ええ…」

 エレベーターで屋上へと上がったこまるたちの前には、以前こまるが落とされながらも目撃した飛行船…『エクスカリバー号』が停泊していた。

 

「しっかし…ガキ共には過ぎたお城ね。ホテルだって言っても疑わないレベルじゃないの…」

「うん。…でも、見とれてる場合じゃあないよね」

「…そうね。じゃ、行くわよ…」

「…ねえ、腐川さん」

「な、何よ…?」

「こんな時に言うのもなんだけどさ…私、この街で大変な目に遭って、沢山嫌なこともあったけど…それでも、腐川さんと会えたことは良かったって思ってる。腐川さんが最初に助けてくれた時…腐川さんは十神さんの為だったのかもしれないけど、それでも…本当に嬉しかった。ありがとう、腐川さん!」

「ほ、ホントに急に何言い出すのよ…!?そういうのは全部終わってからにしなさい!山田のアホが言うにはそういうの『死亡フラグ』…だっけ?そうらしいから!」

「大丈夫だよ、腐川さんは私にとって『フラグクラッシャー』なんだから!」

「…よく分かんないけど、褒められてるのよね?と、とにかく行くわよ!」

「…うん、行こう!」

 互いに頷き合い、こまる達は意を決してエクスカリバー号へと乗り込んでいった。

 

 

 

 

コツコツコツ…

「……」

「……」

 機内の廊下を歩きながらこまるは以前ここを歩いたことを思い出す。あの時は、彼女は何も知らない、なんの力も無い『ただの少女』だった。

 

 

コツコツコツ…

しかし、今は違う。確固たる『意志』を持ち、スタンドという戦う『力』を得、隣には共に戦ってくれる頼もしい『友達』がいる。あの時不安と恐怖で震えながら歩いていたその道を、今度は力強く歩いて行く。

 

 

コツコツ…

 そしてついに、二人はモナカが待つであろう広間の入り口へとやってきた。

 

「…ここだよ。多分、この先に…モナカがいる」

「ええ。…覚悟はいい?」

「…うん!なんたって、私と腐川さんの『最強コンビ』だからね!」

「最強コンビて…もうちっとましな名前は無いの?」

「だったら、腐川さんが考えてよ。『超高校級の文学少女』なら得意でしょ?」

「…そうね。考えとくわ、全部終わって…『ハッピーエンド』の後にね」

「うん、ハッピーエンドにしよう…絶対に!」

 

 

ガチャ…!

 二人で視線を交わし合い、揃ってその扉を押し開けた…。

 

 

 

 

 

 

「ウェルカム!やっと来やがったなお嬢ちゃん達!」

 扉を開けるなり聴こえてきたのは、広間の中央で偉そうにふんぞり返るクロクマの声であった。

 

「黒い…モノクマ!?」

「な、なによこの…下品そうなモノクマは…?」

「黙れメガネ!そして腐れッ!所詮『根暗キャラ』にはオレ様の魅力は理解できねーんだよ!コミックボンボン読破してから出直してきやがれ!」

「…もしかして、シロクマみたいに『AI』で動いてるのかな?」

「シロクマ?まだ生きてやがったのかあの『ヘナチョコ兄弟』は!」

「兄弟!?」

「みてーなもんだよ!クマっぽい物は全部俺達の兄弟みたいなもんさ!…あの県の『モン』がつくクマも俺達の舎弟だぜ?」

「今すぐ九州県民に謝りなさいッ!」

「まーんなことはどうだっていいだろ?それよりもっと大事な事が有るんじゃあねえか?…どうしてここに『モナカちゃんがいないのか』ってことがよ!」

「…大方ラスボス気取りで出待ちしてるんじゃあないの?」

「残念はずれだ!…実はモナカちゃんは今『おねんね』の時間なのさ!」

「…おねんね!?」

「実はついさっきちょーっと『用事』が入っちまってよ、モナカちゃんはお疲れでお休み中なんだよ!なにしろ成長期だしな!『寝る子は育つ』って言うし10年後にはその『アンテナガール』もびっくりのパーフェクトボディになるぜきっと!」

「アンテナガールって、私の事…?それで、どこにいるの?」

「慌てなさんなって。…そこに『3つの扉』があるじゃろ?」

 クロクマが指差した先には、『正面』、『スロープを上った先』、『梯子を上った先』にそれぞれ扉が存在していた。

 

「あのどれかがモナカちゃんのお休みルームに繋がってるぜ!けど気をつけろよ、間違った扉を開けようものなら『死』が待ってるからな!」

「どれかって…」

「ちなみにオレもどこに居るのかは知らないんだぜ。モナカちゃんが安眠するためには俺はちょっとばかしおしゃべりが過ぎるらしいからな…フッ、モテる男は我慢も必要ってことだぜ」

「ど、どうすんのこまる…?そのモナカを見てるのはアンタだけなんだから、アンタならどこに居るのか分かるんじゃないの?」

「…うん、多分…なんとなくだけど」

「…そう、ならアンタに任せるわ。失敗しても恨まないから思い切って決めなさい」

「うん…!」

「お?もう行くのか?早くね?早くねえ?もうちょっとオレ様のトークショーに付き合ってもいいじゃあ…」

 クロクマの雑音を聞き流しながらこまるはゆっくりと扉に向かい……迷うことなく『梯子の上の扉』へとやって来る。

 

「じゃあ、行くよ…」

「…ええ」

 意を決して、こまるは扉を引き開ける…

 

 

 

 

ドヒューン!

「「「ッ!?」」」

 引き開けた瞬間、びっくり箱のように部屋の中からモナカが飛び出し…

 

 

 

…しゅたッ!

「どおおおおッ!?」

「…グッモーニング!おはようございまーす!」

「…!」

 何事も無いかのように着地し、『立っていた』。

 

 

 

 

 

 

「た、立った…モナカが立った―ッ!!!」

「…い、今の…灰慈が言うべき台詞じゃ…」

「…やっぱり本当は『立てる』んだね。足が不自由だっていうの、嘘だったんだね…」

「アレレー?ホントだー!…さてはお姉さん、モナカの『秘密の部屋』を見たなー?」

「やっぱり…あの部屋はそういうことだったんだね。あの部屋に入るには、長い梯子を『上らなくちゃいけない』。本当に足が悪いのなら、そんなところに部屋を作る筈が無いもん…!」

「ふーん…、それでモナカが本当は足が悪くないんじゃないかって?…流石は苗木誠の妹だね、ちょっとだけ見直したよ」

「なんで…足が悪いだなんて嘘をついてたの?」

「…だって、『可哀想な子供』って最強でしょ?」

「…え?」

 

「モナカね、『複雑な家庭事情』のせいで家の中にも居場所が無かったんだー。そのくせお兄ちゃんやお父さんよりずっと『優秀』だったものだから余計に疎まれてねー、どうしようかなーって思ってたんだ」

「……」

「それでね、思いついたんだ。…そうだ、『可哀想な子供』になって『同情』されればいいんだって…!車いす生活は大変だったけど、おかげでモナカは色んなものを手に入れられたよ。…モナカを『可哀想な仲間』と勘違いして集まって来た『希望の戦士』もそうだし、パパやお兄ちゃんも少しだけ優しくしてくれたんだ。『自分のせい』でモナカが車いすになっちゃったって勝手に『勘違い』してくれてさ…」

「…そうやって、皆を騙してたの?」

「何が『苗木と一緒』よ…。こいつは自分の立場の悪さを最大限に利用してんじゃない…!こんな性根の腐ったガキは初めてよ…!」

「…苗木誠と一緒?それ、どういう意味…?」

「…私のお兄ちゃんは、君と境遇が『似てる』の。『お父さんじゃない人』が本当のお父さんで、私とだって、半分しか血がつながってないから…」

「…なんで私がそうだって知ってるの?」

「教えて貰ったの。君が…『塔和の人間』だってことを」

「…へえ。そんなことも知ってたんだ。…けど、アイツと一緒にだけはしないでよ。あんな『クソカス』と何か少しでも『同じ』だなんて、反吐が出るんだから…!」

「…どうして、そこまでお兄ちゃんを憎むの?」

「当たり前じゃん…!『超高校級の希望』だかなんだか知らないけど、ジュンコお姉ちゃんにあんな『笑顔』を…モナカでも見たこと無いような笑顔を見せといて、そのジュンコお姉ちゃんを『殺す』ような奴を…好きなんてなれるわけないじゃん…!」

「おお?久しぶりに見たぜ!モナカちゃんの暗黒面…ウヒョー!その眼見ただけでタマキン縮み上がっちまいそうだぜ!」

「…今大事な話してるから、『マナーモード』になっといて」

「…………」

「…殺す、ね。ま、『間違ってはいない』けどね…」

「…そんなことよりー、お姉ちゃんもよくここまで来れたねー!この間の時とはまるで別人だよ!まるで街を救おうとしている『救世主』だね!」

「どこが救世主よ…!おまるはちょっとばかし周りが変人ばかりなだけの、どこにでもいるただの『女子高生』よ。…第一、狛枝とグルになってそうさせようとしたのはアンタじゃないの!なんだって『自分の計画』を自分で壊すようなことをしたのよ!?」

「自分の計画?…ああ、『コドモ達の楽園』のこと?別に~?そんなの私にとってはどうでもいいことだしー!私にはもっと『大切な事』があるんだから!」

「もっと大切な事…?」

「…『2代目江ノ島盾子』、それが私の『本当の目的』だよ」

「2代目…江ノ島盾子ですって!?」

「その…『2代目江ノ島盾子』になるのが、君の本当の目的なの?」

「…そうだよ。その為にお姉さんにはここまで来てもらったんだから。お姉さんは、『2代目江ノ島盾子』に『必要不可欠』な人なんだから」

「…え?」

「おまる、まともに取り合うんじゃあないわよ!この手のヤツを理解しようとするだけ時間の無駄よ!…それより、白夜様の牢屋の鍵を早いとこ渡しなさいッ!」

「…鍵?そんなの私知らないよ~?」

「すっ呆けてんじゃあないわよッ!怪我しないうちにさっさと渡しなさい!」

「ホントに知らないって~。そんなに疑うなら脱がしてみる?私はいいけど…お姉ちゃんたち『急いでる』んじゃあないの?」

 恍けたように笑いながら、モナカはなにやら『ゲームのコントローラー』のようなものを取りだす。

 

「ほら…。このコントローラーを壊してモノクマちゃんを止めに来たんでしょ?」

「あれがモノクマの『制御装置』…!」

「そう、『塔和グループロボット開発部門開発責任者』のモナカが創った…『魔法』なのじゃー!これさえあればモノクマちゃんの制御はもちろんモノクマキッズの『洗脳』まで思い通り!」

「せ…洗脳も!?」

「あれ?それは知らなかったんだ」

「ハン…!イイ気になって口を滑らせたのは好都合よ!アンタからは全部返してもらうわ!その『コントローラー』と、白夜様の『鍵』と…アンタの無様な『負けっ面』をね!」

「うーん…それはちょっと無理かにゃー?モナカにはまだ『奥の手』があるし」

「奥の手…まさか、スタンド…!?」

「…へぇ、新月君の『アレ』で分かったんだ。それもなんだけど…まだあるでしょ?『塔和グループロボット開発部門』が手掛けた『大型ロボット玩具』…。モナカのは『最高傑作』だからねー!希望の戦士が使ってた『試作品』と一緒にしないでよ?…じゃ、クロクマ!お願いねー!」

 

 

 

「…応よモナカちゃんッ!モナカちゃんの為なら火の中水の中ってな…そりゃッ!」

 再起動したクロクマが投げたコントローラーを受け取ると、モナカがそれのスイッチを入れる。すると頭上から大きな赤い布が落下し、それがモナカとクロクマを包む。

 

 

ゴゴゴゴ…!

 それと同時に真下から轟音と共に布が盛り上がり、やがて勢いよくそれが取り払われる。

 

 

 

 

ギュイイイイイッ…!

 布の下から現れたのは、『マークガイバー』のドリル、『ドクトルボンゲロ』のミサイル内臓の腕、『ハンライダー・ザ・グレート』の斧、『ハンニバルX』のライフルと、今迄のロボの長所だけを全て盛り込んだ巨大なロボ。中央にクロクマを格納し、その上にちょこんとモナカが座ったそれこそ、塔和最中の切り札、『魔法使いロボ ブラックサスペリァン』であった。

 

「な、なにコレ…!?」

「ごったまぜとか…ゴテゴテすぎでしょ!?趣味悪いわよッ!」

「ええー?『合体』はロボのロマンでしょ?…それに、『ギャラリー』は盛り上がってるみたいだよ」

「ギャラリー?」

 

 

『ウォォォォォ…ッ!』

『頑張れーッ…!』

「…え!?こ、これ…もしかして…」

「そ!この戦いは現在外のモニターに絶賛生中継中なのだー!皆の声援に相応しいナイスファイトを期待してるよ♡」

「…ホントに江ノ島に似て悪趣味ね…!」

「それと…折角だし、こっちだけ知ってるのもフェアじゃないから見せてあげるよ。『私のスタンド』をね…!」

「!来る…」

 

「『ジェイル・ハウス・ロック』ッ!!」

 

ドヒュンッ!

 モナカの呼び声に応じて現れたのは、モナカのスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』。

 

「あれが…あの子のスタンド!」

「気色の悪い見た目ね…人の事言えないけど。でも、どうやら『格闘型』のスタンドではないみたいね。『遠距離型』のアタシ達には都合がいいけど、問題は奴の『能力』よ」

「うん…新月君の時からして、『記憶を操る』能力なのは間違いないんだけど…」

「問題は『発動条件』よ。それが分からないんじゃこっちも下手に手が出せないわ。あんな壊れたラジオみたいにさせられたら流石にお手上げよ…!」

「…作戦会議は終わったかな?それじゃ…モナカ、行きまーす!」

 

 モナカのスタンドを考察する二人に割って入る様に、モナカはドリルを突出し突貫する。

 

『ヒャッハー!ドリルがカムバックして、略して『ドリカム』ってな!』

「き、来たッ!」

「チッ…考えるのは後よ!今はロボをどうにかすることだけ考えなさい!」

「う、うん!」

 

ドゴォンッ!

 左右に分かれて突撃を躱し、こまるはハッキング銃をロボとモナカへと向ける。

 

「…あの子が近くに居るから、『イン・ア・サイレント・ウェイ』は使えないか…!でもアレが今までのロボと同じなら、どこかに『弱点』がある筈…。弱点…アレかな?」

 こまるが目を付けたのは、ロボの各『関節部』で明滅する『丸いランプ』。

 

「あそこを攻撃すれば弱点が出て来るかも…!よし、あそこを……」

 と、ハッキング銃を向けたところでこまるの動きが止まる。

 

「…フフ」

「ど…どうしたのおまる!?なにボケッとしてんのよ!」

 

 

 

「…腐川さん、私…『何をしようと』してたんだっけ?」

「…は?」

「確か、『イン・ア・サイレント・ウェイ』が使えないから、弱点を攻撃しようとして…それであの光ってるのが怪しいから、攻撃しようとして…それでハッキング銃で……あれ?」

「お、おまる!?ホントに何してんのよッ!」

「ど、どうしよう腐川さん!私、何をしようとしていたのか『思い出せない』よ!」

「思い出せない…!?まさか…ッ」

「…そう、あなた達はもう私の『ジェイル・ハウス・ロック』の能力にかかってるんだよ…!」

「ええッ!?」

「んなバカな…!まだなんにもしてないのよ!?」

「冥土の土産に教えてあげるよ…。私の『ジェイル・ハウス・ロック』の能力は『発動後、3つまでしか物事を記憶できなくする』能力。その発動条件は『私に対して敵意を持つこと』。…つまり、私を『敵』と認識した時点でお姉ちゃんたちはもう負けてるんだよ…!」

「そ、そんな…ッ!?」

「ふ、ふざけんじゃあないわよッ!そんな出鱈目なスタンドがあるわけが…」

「でも現実にここにあるよー?いやー、こんないい物をくれた『神父様』には感謝感激ですなー!」

「神父…ッ!やっぱりアンタプッチと繋がって…」

「…ところでお姉ちゃんたち、なにをするんだっけ?」

「え?えっと…」

「そんなの決まってるじゃない!アンタをぶちのめすのよッ!」

「じゃあ私のスタンドをどうやって倒すの?」

「そ、そんなもん…あれ?こいつの能力って…」

「どんな能力…だったっけ?」

 本来ならなんてことない情報量にも関わらず、こまるたちは目的を見失い右往左往するしかない。

 

『くくくくく…ッ!笑いが止まらねーとはまさにこのことだな!『ジェイル・ハウス・ロック』の最も恐ろしいところは3つまでしか憶えられねえことじゃあねえ。『憶える記憶を選択できない』っつーことだ。つまり、こうやって同じ情報を小出しに繰り返すだけで、こいつらは自分の目的を永久に思い出すことが出来ねえってワケだ!』

「うぷぷ…それじゃあじゃんじゃん行くよー!一斉掃射ーッ!」

 

ドォンドォンドォンッ!

ボシュゥゥゥ…ッ!

ガァンガァンガァンッ!

「きゃあああああッ!?」

「い、一体…何がどうなってんのよぉーッ!?」

 ブラックサスペリァンの猛攻を必死で避けるこまる達。反撃をしようとしても、攻撃が『3度』繰り返されるだけでそのことを忘れてしまう。

 

 

「『うぷぷぷぷぷ…!』」

 そんな二人を甚振りながらモナカとクロクマはただただ嘲笑い続けるのであった。

 

 

 

 

 そんな様子は、ヒルズ前のモニターにも映し出されていた。

 

『ブーブー!』

『何やってんだー!ちゃんと戦えーッ!』

「どうなってんだよ…?なんであいつ等逃げてばっかで反撃しねえんだ!?」

「だから今言っただろ!それがアイツのスタンド能力なんだよ!」

「あの小僧の時もそうじゃったが…なんという恐ろしい能力だ。話にしか聞いたことがなかったが、スタンド能力がこれほどとは…!」

「『敵意』を持ったらアウトって…そんなのどうしようもないじゃん!敵意が無かったら戦えないよ!」

「『明鏡止水』…『無の極致』で戦えばよいが…、あの二人にそれを求めるのは余りにも酷か…!」

「クソ…ッ!むくろ姐さんたちが追いつくにはまだ時間がかかる…、それまで持ち…そうにはねえな」

「なあオッサン!なんとかならねえのかよ!?あのままじゃ姉ちゃんたちが…」

「分かってるよそんなことッ!だが…ここからじゃどうしようもねえ…ッ!」

「そ、そんな…」

 

 

 

ドォンドォンドォンドォンッ!

「ぐうッ!よ、避け切っ…」

「お姉ちゃん、『4発目』を忘れてるにゃん♡」

「え?4発…」

 

ドガァンッ!

「きゃああッ!?」

「こまるッ!」

 『認識できなかった』4発目の銃弾の誘爆でこまるが吹き飛ばされる。

 

「この…ッ!いい加減にしやがれブリッ子が…」

「ミサイル発射――!」

 

ボシュボシュボシュボシュ!

 

「『メタリカ』ッ!」

 

カカカッ!

ドォォンッ…!

「ハッ、こんなもん…」

「そっちのお姉ちゃんも『4つ目』にご注意だにゃん♡」

「は…?」

 

ドガァンッ!

「うげッ!?」

 助けに行こうとしたジェノサイダーも撃ち落としきれなかった『4発目』のミサイルを喰らって吹っ飛ばされる。

 

「ふ、腐川…さん…!」

「あ、アタシの心配より…自分の心配をしなさいよ…ッ!」

「腐川さんだって、戻ってるじゃん…。でも、このままじゃ…」

「…もう終わり?あっけないなあ…じゃ、これでフィニッシュだー!」

 

ギュィィィィッ!!

 ダメージで動けない二人に狙いを定め、再び回転するドリルの先端を向ける。

 

「突撃―!ミンチになっちゃえー!」

『ハンバーグの完成だぜー!ギャッハッハッハ!』

 

「もう…駄目…なの?こんな、ところで…ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…『コワレロ』っての!」

 

ドギュン!

ガコォンッ!

『どぉッ!?』

「…あれ?」

 突如『後ろ』から放たれた『コトダマ』の直撃を受け、突撃をしかけたブラックサスペリァンはバランスを崩して倒れ込んだ。

 

『だ、誰だコンチクショー!?』

「今の…ハッキング銃?お姉ちゃんじゃない…」

「な、何…?」

 

 

 

「…間一髪、ってトコみたいな?流石アタシよね…!」

 それを放ったのは、こまると同じ『ハッキング銃』を持った派手な格好をした『女の子』であった。

 

「あ、あなたは…?」

「アタシは『仲島花音』。…心配しなくても、アンタの味方よ」

「味方…?」

「…おぉーいッ!花音っち、いきなり飛び出して危ねえべよッ!」

「ッ!?この腹の立つ声は…ッ」

 花音の名を叫びながら部屋に入って来たのは、どでかい『ドレッドヘアー』を後頭部で纏めた老け顔の男。

 

「別にいーじゃん。間に合ったんだから」

「だからって…ま、結果オーライだべか」

「にゃーお!」

「アンタ…『葉隠』ッ!?」

「えッ!?」

「おう、待たせたべな!真打登場だべ!」

 何故かド派手な『エリザベスカラー』をつけた『猫』を担いだ『葉隠康比呂』は、驚く腐川にニヤリと笑うのであった。

 

 

 

 




未来編…本当にオチが予想付かない…。
あのまま霧切さん死亡で終わりなん?それとも…まだ死ぬん?

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