校長室の前で天馬がしばらく座って待っていると、後ろから声をかけられた。
「お前が新しい生徒か…。」
「あ、はいっ!松風天馬といいます!」
天馬はピッと背筋を伸ばし、緊張しながら挨拶をする。その様子に声をかけた男性はくすりと笑った。
校長室に入る。天馬はしばらく立っていたが男性に席に座るよう促され、おとなしく席に座る。
「俺が中等部校長の円堂守だ!いきなりすまなかったな、迎えの車を手配するのを忘れててわざわざこっちまで来てもらって…。」
「あ、いえ、大丈夫です!観光などもできたので…。」
「そうか!あ、それと言っておくが、携帯などの外部に連絡できるものは没収、後ここに来たからにはもう親の元には帰れないからな。」
「あ…はい…。」
天馬は入学届をギュッっと握りしめた。
「…すまないな、不便を掛けて…。でもこれも必要なことなんだ。子供たちを守るために。」
「はい…。」
「ところで天馬、お前アリスが何か知ってるのか?」
「?」
天馬がちょこんと首をかしげた。
「まあそんなことだろうと思ったけどな…。ちょっといいか?」
そういって円堂は立ち上がり、ホワイトボードに何かを書き始めた。といっても字が汚いので何を書いているのかはよくわからないが。
「まず、アリスについて。
色々と長いがズバッと要約すると「超能力」だ。」
「ちょ…超能力!?」
「ああ。持っている能力は人により様々で役に立つものもあれば一発芸みたいなのもある。俺の奥さんなんて不思議な料理のアリスだしな…。」
そう言って円堂はハハッと笑う。
「能力はそれぞれ四つに分類される。
一つ目は『潜在系』
一番有名な超能力は大体この類に入る。この能力が一番人数も多い。
二つ目は『技術系』
主に何かを作る能力の集まりだ。全体的にオタクっぽいな…。
三つ目は『体質系』
体質に関わる能力の奴らの集まりで、結構和やかなムードだな。
四つ目に『特力系』
上の三つに分類されない能力者の集まりで、人数が最も少ない。
まあ、こんな感じだな。」
分かったか?と円堂が笑った。と、天馬の頭に一つ疑問が生じた。
「校長先生、霧野先輩…っていう人は『気力系』って名乗ってましたけど…?」
「気力系…やっぱり説明しなくちゃ、だよな…。」
円堂の表情が曇った。
「この四つの中から危険と判断されたものが入る組、それが『気力系』、正式名称は『危険能力系』だ。
過去に事件を起こしたり、アリスが制御できない奴らが入るクラスで、詳しいことは校長の俺にも分からない…。」
「危険能力系…。」
さっきの先輩のどこが危険なのだろうかと天馬が考えていた時だった。
「失礼します。音無先生に転入生の案内をするように言われたんですけど…。」
「おお、入れ。今アリスの説明が終わったところだ。」
円堂が天馬に向き直った。
「紹介しよう。
中等部学級委員の神童拓人と空野葵だ。」
相変わらずの駄作っすね。つーか剣城君いつ出そう…←
おまけキャラ紹介
円堂守
中等部校長。先生だが、子供のように無邪気な面も持つ。常にジャージ。サッカー好き。妻もアリスを持っている。アリスは結界のアリスと太陽のアリス。