魔法少女リリカルなのは~黒衣の騎士物語~   作:将軍

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楽しんでいただけたら幸いです。
では、どうぞ。


教育と真実

side フェイト・テスタロッサ

 

 今日はいつもより早く目が覚めてしまった。

 もう眠れそうになかったので、私は少し散歩がてら外を歩きに行くことにした。隣ではアルフが気持ちよさそうに寝ていたので、起こさないようにそっとベッドから抜け出し、服を着替えてから部屋を出た。

 

「ん~! こんなに早起きしたのは久しぶりだな~」

 

 起きたばかりで固まっている体を伸ばしながらそう呟く。朝の冷たい空気がとても気持ちよかった。

 そんなことをしながら朝の散歩を満喫していると、少し遠くに人影を見つけた。

 

(こんな朝早くに誰だろう?)

 

 わたしは気になったので、その人影が見えるところまで近づいた。

 

「……祐一?」

 

 その人影の正体は、わたしを一人前の魔導師として育ててくれるために母さんに呼ばれてやってきた――黒沢祐一、その人だった。

 祐一は前に見たような漆黒のジャケットは着ておらず、上下ともに動きやすいジャージを着込んでいた。その上下ともに、色が黒であったのは祐一らしいと思い、わたしは自然に笑みを浮かべてしまった。

 

(でも、なにしてるんだろう?)

 

 祐一は背筋をピンと伸ばした状態で、目を閉じ、ただそこに立っているだけだった。わたしは祐一が何をしているのかわからずに首を傾げる。

 しばらく見ていると、祐一は静かに目を開くと同時に素早く動き始めた。

 

(わっ!? 急に動き出した……なんだか、誰かと戦ってるみたい……)

 

 祐一はまるで目の前に誰かがいるように、拳と足で攻撃を繰り返し、ときには相手の攻撃を避ける仕草も見せた。その動作の一つ一つが、わたしにはとても綺麗に見えた。

 

(……すごい。こっちまで空気を切る音が聞こえてくる)

 

 その攻撃はとても鋭くて早く、わたしにはほとんどが見えなかった。

 

(わたしもいつかは、祐一のように戦える日がくるのかな……)

 

 わたしが見ている間も動き続ける祐一を見つめながら、心の中で考える。

 わたしは祐一のようになれるのか? わたしは母さんの役に立てるような、一人前の魔導師になれるのか?

 

(……ううん。……なれるかじゃない……なるんだ。一人前の魔導師に……祐一のような強い魔導師に……)

 

 心の中でわたしはそう強く思った。

 そうわたしが新たな決意を心に決めていると、

 

「そんなところで見てないで、こっちに来たらどうだ、フェイト?」

 

「あっ……」

 

 いつの間にか動きを止めた祐一がこちらに声を掛けてきた。激しく動いていた証拠にその額からは汗が流れており、肩で息もしていた。

 わたしはトレーニングの邪魔をしてしまったことから、少し申し訳なさを感じてしまった。

 

「邪魔しちゃってごめんね、祐一」

 

 自分もいつか、祐一と肩を並べられるような立派な魔導師になろうと心に決めながら、祐一の方へと近づいていった。

 

side out

 

 

 

 

 

 祐一がフェイトに声を掛けると、フェイトは早足に近づいてくる。

 

「いつからわたしが見てるって、気付いてたの?」

 

 近づいてきたフェイトが首を傾げながら祐一へと質問する。祐一は流れてくる汗をタオルで拭きながら、フェイトへと質問を返す。

 

「俺がシャドウボクシングを始めてしばらくしてからだ。視界の端にフェイトの姿を見つけたのでな」

 

「そうなんだ。ほんとに邪魔しちゃって、ごめんね?」

 

「構わんよ。それほど邪魔にはなっていない」

 

 祐一が苦笑しながらそう話すと、フェイトも安心するように笑みを浮かべる。

 

「それで、こんな朝早くからどうしたんだ? 俺に何か用事でもあったのか?」

 

 祐一が依頼を受け、プレシア邸に住むようになってから、朝のトレーニングの時間に誰かに会うのは初めてのことであった。

 祐一の質問にフェイトは首を振りながら答える。

 

「ううん、違うよ。今日はたまたま早く目が覚めちゃったから散歩してたんだよ。そうしたら祐一の姿が見えたから、何してるんだろって気になっちゃって」

 

「なるほど、そういうことか」

 

 祐一はフェイトがここにいる理由が分かったため、静かに頷く。

 

「祐一はいつも朝からトレーニングしてるの?」

 

「ああ。昔から続けているからな」

 

 そう祐一が答えると、フェイトが少し考えるような仕草をすると、祐一へと質問を投げる。

 

「――わたしも祐一といっしょにトレーニングしてもいいかな?」

 

「なに?」

 

 フェイトの言葉に祐一は少しだけ眉を顰める。

 祐一のそんな反応に少しだけ言いづらそうにしながらも、フェイトはしっかりと話を続ける。

 

「わたしは母さんのために、できるだけ早く一人前の魔導師になりたいんだ。だから、毎日の魔法の勉強や訓練に加えて、祐一と朝にもトレーニングをしたいんだ。……駄目かな……?」

 

 フェイトの言葉に祐一は顎に手をやりながら、少しだけ考える。

 

(――なるほど。早く一人前の魔導師になって、プレシアさんの手助けがしたい、か。……その考えは確かに立派だ。……だが)

 

 フェイトに見つめられながら、祐一はゆっくりと話を始める。

 

「止めておけ。今の魔法の勉強と訓練で十分だろう」

 

「っ!? で、でもっ!?」

 

「でも、じゃない。無理なトレーニングを行うなんぞ体を壊すだけで、何も身になりはしない。トレーニングの量を増やせば良いというものではないんだ」

 

 祐一の言葉にフェイトは俯いてしまう。

 

「今は俺とリニスが考えた勉強と訓練だけで十分だ。さらにトレーニングをしたいのなら、それらを余裕でこなせるようになってからだ」

 

「……うん」

 

 フェイトが顔を俯かせ小さく呟く。そんなフェイトを見て、祐一は困ったように苦笑を浮かべ、目の前で俯いているフェイトの頭に右手を乗せた。

 祐一の行動にフェイトが少し驚いたように顔を上げる。

 

「大丈夫だ。お前の魔導師としての才能は計り知れない。俺とリニスが考えた訓練を続ければ、すぐに一人前の魔導師になれる。だから、今は俺とリニスを信じて訓練を続けてくれるか?」

 

「……うん、わかった。祐一とリニスを信じるよ。……ごめんね、無理なこと言っちゃって」

 

「いいさ。その向上心は大事なことだ」

 

 そう話しながら祐一はフェイトの頭を優しく撫でる。フェイトも頬を赤く染めながらも嬉しそうな表情をしていた。

 

「さてと、そろそろ朝食の時間だろう。部屋に戻るか」

 

「うん!」

 

 フェイトが頷くのを確認し、祐一は屋敷の中へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 朝食を食べ終え、フェイトとアルフの訓練が始まった。午前は座学、午後からは実戦訓練といった内容となっている。

 午前の座学は基本的にリニスの担当で祐一もいっしょに見てはいるが、サポート程度でそこまですることはない。

 午後の実戦訓練は祐一がメインで教えている。――とはいえ、今のフェイトとアルフの実力では、模擬戦などできるはずもないので、魔力のコントロールを教え込んでいる。

 今は祐一がフェイトとアルフに魔力のコントロール方法を教えているところである。

 

「――よし、いいぞ二人とも、その調子だ。あと十分だ」

 

「っ! はいっ!」

 

「くぅ~! きっついね!」

 

 フェイトは金色の魔力スフィアをいくつか生成し、それを出現した的目掛けて打ち込んでいく。アルフも同じように魔力スフィアを生成し、的に魔力スフィアをぶつける。二人はかなりの時間それを続けているのか、額からは大粒の汗が流れていた。

 ――そんな二人を祐一は腕を組み、時折指示を出しながら見つめている。

 

「よし! もういいぞ」

 

 祐一の声と同時に二人は魔力スフィアを霧散させ、乱れた呼吸を整え始める。

 

「ふむ。なかなか上達してきたじゃないか」

 

「はぁ、はぁ……そ、そうかな?」

 

「こんだけ訓練してんだから、上達してないとショックだっての」

 

 二人の言葉に祐一は苦笑を浮かべるが、すぐに表情を戻し話を続ける。

 

「だが、まだまだ一人前にはほど遠いがな。――これくらいは出来なければな?」

 

 その言葉と同時に祐一は自身の周りに十個の魔力スフィア展開し、それらを順番に的へと飛ばしていく。

 そんな祐一を二人は驚愕の表情で見つめている。

 

「す、すごいね」

 

「これが普通なのかい。骨が折れるねぇ」

 

「あとはこの魔力スフィアを自由に制御できたら言うことはない」

 

 現状、フェイトは一気に生成できる魔力スフィアの数は十個、アルフは七個が限界である。また、一気に生成できる数はそれだけであるが、それを自由に制御できるかと言ったら、それとはまた話が別であった。

 ――であるため、二人は祐一が十個の魔力スフィアを苦も無く制御していることが驚きであったのである。

 そんな二人の気持ちを知ってか知らずか、祐一は魔力スフィアを全ての的に当て終えた。

 それを見ながら、フェイトが不安そうに祐一に声を掛ける。

 

「ほんとにわたし達もそれくらいできるようになるのかな?」

 

「努力次第だな。まぁ、フェイト達ならば大丈夫だろう。努力もしているし、素養も十分にある。――だから安心しろ。ちなみに言っておくが、この程度ならばリニスもプレシアさんも楽に出来るからな」

 

「……うん。ありがと」

 

「いよっしゃ! 頑張るぞ!」

 

 フェイトは微笑み、アルフは気合の声を上げる。

 

「――よし。では、そろそろ休憩も終わりだ。再開するぞ」

 

「はい!」

 

「あいよ!」

 

 そして、その日の訓練も夕方まで続いた。

 

 

 

 

 

 訓練も終わり、いつものようにリニスが作った夕食を食べ終えると、フェイトとアルフは疲れ果てていたのか、今日はもう休むと言い残し、部屋に戻っていった。

 そして今は祐一とリニスの二人きりの状況であった。

 

「――プレシアさんは今日も部屋に篭りっぱなしか?」

 

「はい。食事は食べてくれるのですが、部屋からほとんど出てきません」

 

 そう話すリニスは悲しそうな表情をしている。

 祐一がプレシア邸に来てからしばらく経つが、最初に話して以降はほとんど顔も見ていない。流石にここまで姿を見ないとなると、心配しようというものであった。

 ふむ、と祐一は顎に手を当てながら考えた後、リニスに話し掛ける。

 

「丁度いいか。そろそろ、プレシアさんにフェイトのことについて報告にいこうと思っていたんだ」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。流石に任せてもらっているとはいえ、依頼主に何も報告しないわけにはいかないからな。だから、プレシアさんのところに案内してくれるか? そのついでに様子も見ておこう」

 

「わかりました。では、プレシアの部屋に案内します」

 

「頼む」

 

 そう話をした後、リニスの案内でプレシアの部屋までやってきた。

 そして、リニスが流れる動作で部屋の扉をノックした。

 

「プレシア、リニスです。祐一が依頼内容の報告をしたいと言っているのですが……」

 

 リニスが扉越しにプレシアに呼び掛ける。だが、しばらく経ったが、中からは何も返事が返ってこない。

 

「プレシア……?」

 

 リニスが再度ノックするが、それでも中からは何も応答がなかった。

 

「いないのか?」

 

「この時間は部屋にいると思ったのですが……」

 

 祐一の言葉にリニスが首を傾げる。

 

(……何だ? 何か嫌な感じがする……)

 

 祐一の第六感が何かよくないことが起こっていることを訴えている。

 

「とりあえず入ってみよう」

 

「そうですね。では、失礼します」

 

 リニスが律儀に挨拶しながら扉を開け、部屋へと入っていく。祐一もそれに続いた。

 だが、どこにもプレシアの姿は見当たらなかった。

 

「……? 奥の扉が少し開いているな?」

 

「そうみたいですね。もしかしたら奥にいるのかも……」

 

 そう考え、二人は奥の扉へと近づいていく。――すると、そこにプレシアは確かにいた――倒れた姿で。

 

「っ!?」

 

「プレシア!?」

 

 二人はプレシアへと近づき、リニスがプレシアを抱き起こす。

 

「プレシア!? 大丈夫ですか!? プレシア!?」

 

 焦るリニスがプレシアへと叫ぶ。だが、プレシアは起きる気配はなかった。

 

「落ち着け、リニス! 容態を確認するんだ」

 

「っ!? そ、そうでした。すみません、祐一」

 

「気にするな」

 

 祐一の声でリニスは冷静さを取り戻し、すぐにプレシアの容態を確認する。 

 

「よかった。どうやら気絶しているだけのようです」

 

「そうか」

 

 リニスがほっと息を吐くと、祐一も肩の力を抜いた。

 そして、ほっとした祐一はプレシアに向けていた視線を上げた。――そして、その視線の先に驚くべきものを発見する。

 

「――この娘が、そうなのか」

 

 その視線の先には生体ポットがあり、中にはフェイトと瓜二つの少女が眠っているかのように、その身を漂わせていた。

 

(――アリシア・テスタロッサ――)

 

 プレシアの最愛の娘であり、事故で死んでしまった少女――フェイトの素体である少女が、死んだ時のままの姿でそこにいた。

 

「こ、この娘はフェイト……なん、ですか……?」

 

 祐一の視線に気付いたリニスがアリシアを見つけ、その表情を驚愕に染めていた。

 そして祐一へと視線を向けると、口を開いた。

 

「祐一はこの娘が誰か、知っているのですか?」

 

「ああ。だが、今はプレシアさんをベッドに運ぼう。話はその後だ」

 

「……そうですね。わかりました」

 

 祐一の言葉にリニスは頷き、二人はそのままプレシアを寝室へと運んでいった。

 

 

 

 

 

 プレシアをベッドへと運び、祐一達はプレシアが目覚めるのを待っていた。

 

「……ん……ここは……?」

 

「プレシアさん、目が覚めましたか? 気分はどうですか?」

 

「祐一くん……?」

 

「プレシア、あなたは部屋で倒れていたんです。それを私と祐一で見つけて、ここまで運んだんですよ」

 

「そうだったの。面倒を掛けてしまったわね」

 

「いえ、ご無事で何よりです」

 

 プレシアの言葉に祐一はそう言葉を返す。そんな祐一にプレシアは少しだけ笑みを浮かべる。

 その後、三人で話をしていると、リニスが真剣な表情で口を開いた。

 

「……プレシア、あの部屋にいた、あの少女は誰なんですか? あなたは一体、何をしようとしているのですか?」

 

 その言葉にプレシアは黙り、祐一も口を噤む。

 静寂が支配した部屋で、プレシアがやっとその口を開いた。

 

 ――アリシアのこと。

 

 ――フェイトが死んだアリシアのクローンであること。

 

 ――自身が目指しているもの。

 

 プレシアの話を黙って聞いていたリニスの表情は、自身の主であるプレシアの苦しみとフェイトへの想いから、苦悶の表情を浮かべていた。

 

「――これが私が話せること全てよ」

 

「そう、ですか……」

 

 話を終えたプレシアの表情は変わらず、感情の読めない表情をしていた。

 祐一は二人の話を黙ったまま聞いていた。"部外者"である自分が口を出すことではないと、そう考えていた。

 そして、リニスは一度目を閉じ、深呼吸をすると決心したように目を開いた。その表情は先ほどの苦悶に浮かんでいるようなものではなく、何か覚悟を決めたような表情となっていた。

 そして、その瞳をプレシアへと向け、リニスは口を開いた。

 

「プレシア……どんなに願っても死者は生き返りません。それは失った時間も同じです」

 

「っ!?」

 

 その言葉にプレシアは憎悪の瞳をリニスへと向けるが、構わずリニスは話を続ける。

 

「アリシアのことは確かに悲しいですが、プレシアには今はフェイトがいるじゃないですか!」

 

「黙りなさい! フェイトがアリシアの代わりになるはずないじゃない! 私が愛していたのはアリシアよ! フェイトなんかではないわ!」

 

 プレシアが感情を爆発させ、リニスへと叫ぶ。

 

(リニスの言い分もわかる。……だが、それで納得できるようなら、このようなことは続けていないだろう。フェイトは確かにいる。……だが、アリシアはいない――大切な人は、この世にいないのだ)

 

 祐一は表情には出さず、そう考える。

 

「あなたに何がわかるというの! いつも仕事ばかりで、アリシアには少しも優しくしてあげられなかった。研究が終われば、私の時間も優しさも何もかも全部アリシアにあげようと想っていた。……なのに、フェイトに注ぐ愛情なんてあるわけないっ! あるわけないじゃない……」

 

「プレシア……あなたは……」

 

 プレシアの目からは涙がとめどなく溢れているが、そんなことは気にせずプレシアは慟哭する。リニスもプレシアの気持ちが伝わったのか、何も言い返せなくなっていた。

 そして、プレシアは俯いたまま静かに話を続ける。

 

「……リニス、あなたの使い魔としての役割はフェイトを一人前の魔導師に育て上げること。それが終わったら、あなたの役目もお終いよ。……祐一くんも、ね」

 

「……プレシア……」

 

 リニスは目尻に涙を浮かべながら、何か言うべき言葉を探し、祐一は何も言うことがないのか黙っている。

 

「……もう話はお終いよ。明日からもフェイトを頼むわ」

 

 プレシアの安易に出て行けという言葉に、祐一とリニスは従うしかなかった。

 

「……わかりました。おやすみなさい、プレシア」

 

「失礼します」

 

 二人はそう言葉を残し、部屋を退出していった。

 

 

 

 

 

side 黒沢祐一

 

 プレシアさんの部屋を退出した後、悩むリニスと別れ、俺は部屋へと戻った。

 今日はいろんなことがあったためか、ふぅ、と勝手に息が漏れる自身に苦笑しながら、ベッドに横になり、思考を巡らせる。

 

「……話は平行線。リニスは"現在"と"未来"、プレシアさんは"過去"を追っている。当然、前者の方がいい結果になるのはわかっているのだが、な」

 

 そんなことは俺とて"あの時"からわかっている。だが――

 

「それが許容できるなら、悩んだりはしない」

 

 俺も何度も"あの時"のことは夢に見る。――過去に戻れるのなら、俺もそうしていたかもしれない。

 

「――こんな俺が今のプレシアさんを説得できるわけもないな。俺は今、自分にできることをやろう」

 

 指し当たっては、フェイトを一人前の魔導師にすることだ。あの母親想いの優しい子が、これからのことで困らないように。

 

「――最善を尽くそう」

 

 俺は目の前で拳を握り、そう決意を固めた。

 

 ――どうやら、俺の心もまだ死んでいないようだ。

 

side end

 

 




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