ってなわけで、無印始まりましたけどもちょっと短いです。本当はフェレットを救うところまで書こうと思ったのだけどね……
こうなると、なのはが魔法を使うところは次々回になりそうです。すみません。
11/26、前半部分が投稿されていなかったことに今更気付き、付け足しました……ほんとうにすみません!!
第九話
「いってきます!!」
幻想郷から戻ってきて二年後、高町なのはは小学校に通う事となり、スクールバスが止まる所まで歩いていた。
あれからなのはは自分の実力を上げるために、なのはの兄である高町恭弥と父親である高町士郎から剣術を鍛えてもらった。しかし、なのはの剣術は妖忌に教えられたものであるため、高町家――いや不破家が教えていた御神流と流派が違ってくる。そもそもなのはは太刀である神影村正と、小太刀である御神村正の二刀まため、なのはが兄と父親から教えてもらったことは剣術の基礎を教えてもらったくらいだった。
能力に関しては表だって使うことができないため、誰もいないところで使ったりはしている。能力を慣らしておくというのもあり、二日に一回程度で使うようにはしていた。
なのはがバスを待ってから数分後、なのはが待っていたバスの音が聞こえてきて、なのはの前でバスは止まって扉が開いた。なのはは開いた扉からバスの中へと入り、運転手に挨拶してからバスの奥へと顔を向けた。
「なのは、こっちこっち」
バスの一番後ろでなのは友達が手を振っていた。その隣にもなのはの友達がもう一人おり、なのはは二人のところまで向かった。
その二人が一人分の席分の間をあけ、なのははその二人の間に座り、なのはが座ったてから少ししてバスは動きだした。
「おはようアリサちゃん、すずかちゃん」
「おはようなのは。そういえば、今日はこの前行ったテストが返ってくるわね。あまりテストについて聞かなかったけど、自身はどうなの?」
アリサはなのはに挨拶してから、すぐになのはにテスト結果の話題を降り出した。
「う~ん……いつもとさほど変わらないよ。どうせアリサちゃんには勝てないんだし」
「ふ~ん……と言いながら、いつも算数で私に買っているのはどこの誰かな」
「い、いふぁいよアリサちゃん」
なのははアリサに両手で頬を引っ張られたりして、隣ですずかちゃんが苦笑いを浮かべたりしていた。
そんな感じで平和でいつもの他愛無い話を繰り広げつつ、なのははのんびりと暮らしていた。
そしてバスは私立聖祥大付属小学校の校門の前へと着き、なのは達は降りて校門へと入り、他愛無い話を続けていきながら自分たちの教室へと歩いて行った。教室に着いてそれぞれの机へと移動し、荷物や教科書の準備をし始めた。その数分後にホームルームのチャイムが教室内で鳴り響き、なのは達は席に着いてチャイムが鳴ってから少しして担任の教師が教室へと入ってきた――
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「結局いつも通りなのはに算数負けたぁ!!」
昼休みの屋上にて、なのは、アリサ、すずかの三人は昼食を食べながら返されたテストの結果について話し合っていた。
なのはと算数で争っていたアリサではあるが、なのはより点数が低かったためにアリサが負けてしまった。だけどアリサは他の教科ではなのはやすずかよりも点数はよいため、全体的には三人の中でアリサが第一位だった。
「どうして、算数だけはなのはに勝てないの!! 算数だけはなのはに勝とうとかなり勉強しているのに!!」
「そうはいっても、私はいつも通りの実力を出しているだけなんだけどな……」
「なんか勝ち誇らないのが余計に気に食わない!! 絶対になのはには勝って見せるんだから!!」
別に私は勝負しているつもりはないんだけどな……と、なのはは思いながら、アリサの訳の分からない闘志にちょっとため息を吐きたくなった。
そこで、そこまで話に入ってこなかったすずかが話を変え、午前の授業中にあったある出来事について話し始める。
「そういえばさ、二人は将来どうするの? 私は工学系で専門職に就きたいとは思っているけど……」
「私は親の跡継ぎかな? そのためにさらに進学して勉強しないといけないけど。なのはは?」
「…………」
幻想郷に行かなければ、なのははこれといって思い当たることはなかっただろう。しかし、今のなのはは幻想郷で暮らすという手段も取ることもでき、そこで仕事をするというのも考えられた。
しかし、幻想郷で何ができるのかという事ははっきり言って疑問だった。家の後を継いでケーキを経営するというのも考えたが、幻想郷はどちらかといえば多分和菓子向きだ。とりあえずどちらにしてもこれといって何かしたいというものはないのかもしれないと思ったなのはは、正直に答えることにした。
「今のところはないかな? いろいろと考えているのだけどね」
「例えば?」
「家の後を継いで翠屋で働くとか、あえて自分で店を設立しようかなとか」
「店を開業しようと考えているの!? それって、かなり大変じゃないの!?」
「まぁ、確かにそうなんだけど、するかどうかはまだ決めていないから――」
幻想郷で店を作るとしたら自分で店を開業することとなるが、幻想郷ならば店を開業してもこちらのように面倒なことをしなくてもよい。将来のことについてはここ最近なのはは考えていたことでもあり、一応こちらの世界で開業した時の事の場合に必要な事を軽く調べたがかなり大変だという事が解った。
ふとアリサが屋上にある時計を見ると、時間が昼休みを追える時間に近付いていることに気づき、すぐに慌てだし始めた。
「って、もうこんな時間!? まだ弁当全然食べてないわよ!!」
「え……って本当だ!! 急がないと!!」
「ふ、二人とも少しは落ち着いて」
時間が危ないことに気付いたアリサとすずかは弁当に残っていたおかずを急いで食べ始めた。なのはは剣術などをしているとすぐにおなかが空いて足りすることが多く、急いで食べないといけないことがあったために、昼食は話しながらも早めに食べ終わるようにしていた。
そして食べ終わるとすぐに弁当を片付け、三人は教室に戻って行った。丁度三人がそれぞれの席に着いたところでチャイムが鳴り響き、少しして次の授業の教師が入ってくるのだった――