魔法少女リリカルなのは東方参異伝   作:アリヤ

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今回、なのはと妖夢の剣術の模擬戦をやったのですけど、地の文多めになったな……

セリフ書くところ少なかったという事もあるのですけど、まぁ、これはこれでいっか。



話変わりますが、小説用のツイッター垢を作成しましたので、自由にフォローしてください。

「@tikuma_psi」で探せば出てくると思いますので。

それではどうぞ!!


第七話

「お互いとも、準備はいいか」

「はい、いつでも行けます」

「同じく、いつでも大丈夫です!!」

 

 白玉楼の庭園にて、魂魄妖忌の言葉によってなのはと、妖忌の孫――魂魄妖夢が刀の鞘をいつでも払えるように刀の柄をそれぞれ持ち、お互いに構えていた。また白玉楼の主人、西行寺幽々子は白玉楼の家でお茶を飲みながらなのは達の様子を見ていた。

 互いになのはと妖夢に視線を向け、妖忌の開始の第一声で動けるようにする。なのはも妖夢も互いに持っている刀は普通の長さがある刀の方を持っていて、なのはが持っている刀はかつて幻想郷を作るにあたって魂魄家に預けられ、当時の御神家の神影家に合うように作られた村正の刀――神影村正という刀の名であった。一方の妖夢が持っている刀は楼観剣で、妖怪が鍛えた剣で普通の件とは違うものだ。

 

「それでは模擬戦を始める。いつも通り、確実に致命傷になる攻撃を仕掛けた時点で終了じゃ」

「わ、分かっています師匠」

「なのはも分かっておるな」

「はい、大丈夫です!!」

「それでは、はじめぇ!!」

 

 妖忌のその言葉を皮切りになのはと妖夢の二人はほぼ同時に刀の鞘を払い、互いに近づいて互いに仕掛ける。

 刀同士でぶつかり合い、ぶつかり合ったことによる音が響き渡るが、互いに後ろに下がって一度距離を取る。そこまでほぼ動きが一緒だったが、なのはが後ろに下がったというのにもかかわらず、すぐに妖夢へと近づき右脇腹に向けて斬りつけようとする。

 しかし、妖夢もそのなのはの行動に気づき、即座になのはの神影村正に合わせて自分が右手に握っている楼観剣を合わせ、なのはの攻撃を防ぐ。右手だけで防がれたことに気付いたなのはは即座に両手で握っていた神影村正を左手だけにし、その間にも妖夢が持っていた脇差――白楼剣を空いていた左手で取りだしそのままなのはの首へ向けて斬りつけようとしており、それに対応すべきと妖夢と同じように温存していた、神影村正と同じ村正の小太刀――御神村正を鞘から払い、妖夢の攻撃を防ぐ。

 

「まだ六歳なのに、やりますね!!」

「まぁ、私の家系は御神家だからね。血筋的にも剣術とかは良いのかもしれないだけだけどね」

 

 妖夢は半人半霊なため、人間よりは成長は二倍遅い代わりに二倍ほど長生きなため、身長的にもなのはが小さい。小さいゆえのメリットもあるが、経験としてはやはり妖夢の方が勝ってしまう。そのため、このような状態になってしまうと、力の強さ的にどうしてもなのはの事が負けてしまう。

 もちろん、そのことは何度も妖忌のところで剣術を習い始めてからなのは自身がわかっていることだった。だからこのような状態になった時は一度距離を取るようににいつもしており、それしかとてる方法がなかった。

 そのため、なのははまたしても後ろへと下がり、妖夢から距離を取ることにする。正直毎回妖夢と模擬戦をするときはなのはの方が年齢的にも力的にも妖夢に負けてしまうため、勝てる方法としては技量で超えるしか方法はない。なのはの技量は妖忌でも驚くほどで、刀を持たせただけであっというまに妖夢の技量並みに追いついてしまったほどだ。さすがに妖忌はこれを御神家の血筋だけで納得できるわけではなく、なのはの才能ではあるのだろうと思っていた。

 なのはが距離を取ったのをみて、妖夢は模擬戦を始めてから気になっていたことをなのはに聞くことにした。

 

「一つ聞きたいのですが、今日は能力を使わないのですね。いつもならば能力を多用して攻撃を仕掛けてきますのに」

「毎回同じような戦術じゃ、対策を練られることは分かっているからね。だから、今回は能力の使い方も多少は変えていくつもりだからね!!」

 

 この模擬戦は剣術以外にも能力の仕様は認めている。実際の戦闘で能力を使用しながら攻撃を仕掛けるという事はあり得ることだろうということで、能力を使用を認めているのだ。妖夢の能力は戦闘に関わるものではないため、能力面ではなのはの方が有利で、なのはは模擬戦で能力を多用することはよくしていた。だから妖夢は今回なのはが能力を多用してこないことに気になり、つい聞きたくなってしまったというわけだ。

 そしてなのはは妖夢の質問に答えると、先ほどよりもかなり早い速さで妖夢へと突き進み、妖夢はそれを見てすぐに構えて待機するが、なのはは妖夢が思っている行動とは全く持って別の行動をとった。

 小太刀である御神村正を妖夢に向けて突然投げて行ったのだ。想定していなかった行動に妖夢は慌ててしまうが、すぐに楼観剣で弾こうと考えた。しかしそれはなのはの想定していた通りだと気付いておらず、なのはは投げた御神村正を能力でどこかへと移動させた。

 

「なっ!?」

 

 妖夢はここにきて御神村正が囮だったという事に気付くがすでに遅く、既になのはは妖夢の近くへと来ていた。そのまま妖夢へと斬りつけるように仕掛けるが、これが防がれることは分かっていた。先ほど御神村正を投げたのは隙を与えるためで、楼観剣では間に合わせないようにするためだった。妖夢も楼観剣では間に合わないと気付いており、白楼剣でなのはの神影村正を防ぐように動く。

 しかし白楼剣は脇差なため、打刀な長さではどうしても距離的な問題できつい。さらに言えばなのはは御神村正を投げたために両手で刀を持つことが可能で、片手で白楼剣を持っている妖夢と両手で神影村正を持っているなのはのどちらかが勝てるかと言えば、一目瞭然の事だった。白楼剣はなのはの神影村正によって妖夢の手から離れ、妖忌がいる側の反対側へと飛ばされた。ここでなのはの攻撃が終わるわけではなく、そのまま妖夢へと斬りつけようと神影村正を反転させ、首へと近づけようとした。

 だが、これの攻撃に関しては妖夢は一度後ろに避ける様にかわし、今度は逆になのはへと斬りつけようと反撃を仕掛ける。なのはも即座に避け、なのはと妖夢の距離は少し離れたが、その返しに切りかかろうとする。そんなことをしてくると分かっていた妖夢もなのはの返しに対して、楼観剣で防いだ。しかし、なのはは妖夢が防いでくることはまたしても計算の内だった。

 この時なのはは神影村正を左手だけで握っており、妖夢の楼観剣を受けてそのまま受け流させるようにしていた。それによって楼観剣の方が押すようになるが、それを利用してなのはは流されるように妖夢の背後へと回って言ったのだ。背後に回されることに気付いた妖夢であったが、すでに遅く、そしてなのはは空いていた右手で先ほどどこかで移動させた御神村正を能力で右手に戻し、そのまま妖夢の首の近くまで寄せたのだった――

 

「これで終わりで良いですよね?」

「……参りました」

 

 今回妖夢が反省したいと思ったことは、なのはに思うように動かされてしまったということだった。完全になのはのペースで妖夢はなのはの手で踊らされていたようなものだった。

 模擬戦が終了したのを見て、なのはは妖夢から離れ、神影村正と御神村正を鞘の中にしまい、妖夢も白楼剣を取りに行き、楼観剣を鞘にしまった。

 

「そこまでぇ!! 妖夢っ!!」

「は、はい!!」

「なのはの手に踊らされすぎじゃ!! 剣術の経験は妖夢の方がはるかに長いというのになんじゃこのざまは!!」

「す、すみません師匠!!」

「これが実践だったら死んでおるぞ!! もっと自分の流れに持っていかんかっ!!」

 

 妖夢が妖忌に怒られる様子をなのはは見ていたが、正直今回の模擬戦は自分でも思い通りになりすぎではないかと思ったほどだ。

 何度も同じ相手をされると相手の癖がどうしてもわかってしまう。そう思って大きく戦術を変えて挑んだなのはだったが、余りにも上手くいきすぎて自分でも驚いているほどで、過信しているわけではないがさまざまな戦術を考えておくのはありだともなのはは思った。

 そして妖夢への叱りを終えた妖忌はなのはの方へと視線を向ける。

 

「そしてなのはのほうじゃが……」

「は、はい!!」

「……どうやら先ほどの模擬戦で過信しておるわけではないようじゃな。今まで能力を多用することが多かったが、今回の戦術は称賛に値する」

「あ、ありがとうございます!!」

「じゃが、そこで止まっては意味がない。もっと精進して自らの実力を上げてゆくのじゃ」

「分かりましたっ!!」

 

 妖忌がなのはを褒めていると、紫が能力で姿を現した姿が見え、先ほどまで模擬戦をお茶を飲みながら観ていた幽々子は紫の姿を見て立ち上がった。

 

「あら、紫じゃない。どうしたの?」

「なのはの様子を見にね。もしかして、もう終わってしまったかしら?」

「つい先ほどね」

「それで、どちらが勝ったのかしら?」

「なのはの方よ。それも、妖夢がなのはの思うように動かされたという感じでね。さすが御神家の子孫というべきか彼女の才能だというべきか」

「幽々子が評価するなんて珍しいことね」

「私だって良い評価するわよ。妖夢よりも短時間で妖夢と同じくらいに追いついてきているのだから」

 

 幽々子から評価され、長年剣術をしていた妖夢相手に追いついてしまっているという事を聞いて、紫は内心驚かされた。

 この短期間でなのはの剣術は次々に上手くなって居るという事は、確かになのはの才能の一つかもしれない。能力に関しても紫に似た能力であり、他にもなのはには才能があってもおかしくないと思ってしまうくらいだった。

 

「さて、妖夢が負けたことだし、何か罰を考えないとねー」

「ゆ、幽々子様!?」

「だって、まだ一年も剣術を習っていない子に負けてるのだから、罰は必要でしょ?」

「で、ですがなのはの才能がすごいという事も……」

「言い訳はダメよ。罰は明日するから楽しみに待ってなさい」

「ゆ、幽々子様ぁ~」

 

 そんな様子を見ていたなのは、紫、妖忌はそれぞれ苦笑や微笑、大声で笑いだすのだった――




次回、ようやく序章終了(多分^^;)……そして、魔理沙多分登場。

なぜ序章の最後になって魔理沙の登場シーンになったし。予定だと序章の中盤で出る予定だったはずなのに…… まぁえっか。

その次は少々考え中…… 無印はいるかもしれんし、もしかしたら序章を続けるかもしれん。話数長くなるから無印入ろうかな?

無印入ると東方キャラの登場数が減るという問題が起こりますが、仕方ありませんよね。さすがに無印、A'sを飛ばすことはできませんし。

時系列的にどうしてもどちらかがメインになってしまい、どうしようもないという。

まぁ、どうするかは次回決めますね。

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