魔法少女リリカルなのは東方参異伝   作:アリヤ

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ほんの少し短いです。というより、もしかしたら書き直すかも。


第六話

 なのはは白玉楼へと剣術を習いに冥界へと向かったのを見送って、紫は博麗神社へと向かった。

 紫が博麗神社へと着いたことに気付いた御零は、霊夢に一言告げてから紫の方へと向かい、そのまま博麗神社から紫の家へと戻ることになった。どうして紫の家に戻ったのかというと、紫がなるべく霊夢に会うのは避けたいという気持ちがあったからであり、御零もそのあたりについては知っていたので霊夢に一言紫の家で話すことになり、現在は紫の家の中の一室で座りながら話していた。

 

「それで、私が冬眠していた間にどこまですすんだのかしら?」

「あぁ、まず異変の根本的なものは解決する事は出来た。探し物は意外と身近にあるってな」

「身近って……どういうこと?」

 

 意味がよく分からなかった紫は御零に聞き返す。御零はなぜか勝ち誇った顔をしており、紫はそれを見て内心ため息吐いてた。もったいぶるような事をしてしまうことが御零の癖であり、もう何度もその顔を見たことがあったから紫はいつもの癖が発動したと思っていた。

 

「冥界……やっぱりなのはから聞いていた時から思ってたけど、三代目博麗の巫女を封印した社が問題だったのね」

「ん? どうしてなのはから……あぁ、剣術を習うようになったきっかけを聞いたのか」

 

 なのはから白玉楼という名前が出てきて、紫はそこから推測したんだろう。異変が起こっている原因として封印がどのようになっているのかというのを、基本調べておくだろうから見に行ったのだろう。

 

「まぁ、それから大体察することはできたけどね、どうせ封印が弱まっていたとかそんな感じなんでしょ?」

「その通りだ。意外と異変の犯人が解ってからあっという間に解決することができたよ。あとは時間の問題だ」

「時間の問題?」

 

 一体それはどういう事なんだろうかと紫は思った。どうして時間が過ぎれば異変は解決するのだろうかと、紫は疑問に思っていた。

 御零は先ほどのように勝ち誇っているような顔とではなく、真面目に返した。

 

「なのはがまだ幻想郷に居るというところからして、まだ外界に行くことができない。それはなのはから聞いてあると思うが」

「えぇ、博麗神社に行く前に試したけども、やはり外界に行くことはできなかったわ。それがどうして時間の問題なのよ?」

 

 なのはが白玉楼へと能力で向かったあと、紫は念のため外界に行けるかどうかという事を試した。しかし結果、外界に行けることはできず、そのまま諦めて目的地である博麗神社へとその後向かったというわけだった。

 しかし、御零が時間の問題と言った理由がよく分からなかった。どうして時間が経てば異変が解決するのか――紫には冬眠から目を覚ました理由もあるが、それでも何もせずに時間が経てば異変は解決するものなのかと思っていた。

 

「社の封印の強化は終わっているし、残った霊体も多分本体が社に封印されている限り三代目博麗の巫女には操ることができない。外界に生かせないだけの力がまだ残っていることにはさすがに驚かされたがな」

「ちなみにいつごろには外界に行き来できるようになるかしら?」

「次第に弱まっているのは大体私でもわかるが……一ヶ月程度で戻れるだろうけどな」

「それまでの間、なのはは外界に帰れないのね」

「そうなるな。今は4月を過ぎており、なのはは4月から小学校に入学する年であったらしい」

「それはまぁ、大変ね」

「急に他人事のように言うな。まぁ今は気にしないことにするが……」

 

 大体話すことを終えた御零は立ち上がり、帰る準備を始めた。

 

「あら、もう帰るの」

「異変の現状についてはほとんど話した。これからやることもあるからそろそろ帰させてもらう」

「……それにしても、外界に行けないようにしているのは、まるでなのはを逃がさないようにしているみたいね」

「確かにそれは思っていた。けどその推測は異変が解決しても多分分からないことだろう。あぁ、それと――」

 

 御零は襖をあけて部屋から出て行こうとしたが、ふと紫に何か言う事があったという事を思い出したのか、紫の方へ顔だけを向けた。

 

「なのはの能力についてだが、紫が冬眠している間に、力を使いこなせるようにはなってる。しかし、他人の能力をすべて教えることはさすがの私でも深うのだから、なのはの能力を最後に紫が見て貰えるか? 似た能力には似た能力を持つ奴が見た方が良いだろう?」

「そうね。あと、これは聞きたかったのだけどmなのはを自由に任せているけど大丈夫なのかしら? 異変はまだ完全に解決したわけではないでしょ?」

「それについては異変の様子からして大丈夫そうだと判断したし、万が一何があったら白玉楼の主にも伝えてある。まぁ、なのはを守る見返りとして食べ物を贈呈するようにとは言われたがな」

「幽々子らしいといえば幽々子らしいけどね」

「こっちだって今の生活をするのに精一杯だというのにもかかわらず頼んできたからな。それにあの食いしん坊は……」

 

 ため息を吐きながら紫に愚痴り始めるが、紫はそんな御零を見て苦笑いしていた――

 しかしその愚痴も途中で終わり、御零は襖をあけて部屋から出ようとしたところを、紫は御零を読んで足を止めさせる。

 

「神社まで送ろうかしら?」

「構わん。途中で寄るところがあるからな」

「そう――御零がそういうのならば強制はしないわ」

「それじゃあ、今度こそ私はこれで帰るから」

 

 そして御零は部屋を出て行き、歩いて帰ると言って紫の家を後にした。

 御零が部屋から見えなくなったのを見て、紫はふとなのはの様子でも見たいと思った紫は白玉楼へと向かおうかと思い、白玉楼へと向かうのだった――




次回、今度こそ妖夢と幽々子登場すると思われ。

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