魔法少女リリカルなのは東方参異伝   作:アリヤ

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無印の第十六話でも言いましたが、STSを不定期で先に書いていきます。

何故第二話から始まっているのかというと、STS第一話に書く予定である伏線をだしたくないからです。

先に書き始めた理由としましても、東方キャラをどうにかして出す方法を探った結果、こうなりました。

東方の異変をメインにすればよかったのかもしれないですけど、ネタバレがすごいものでして……なので一番内容の伏線を回収しないSTSを書くことに。

まぁ、正直これは息抜き用で書くためですので、不定期更新です。

それではどうぞ!!


StrikerS 第二話

「さて、ここがミッドチルダの近くだね」

「……どうみても木々の中に移動したようにしか見えないのだけど」

 

 木々が生い茂る中に、突如現れた謎の空間から二人の女性が現れた。

 一人は茶髪にツインテールをしていて、白いバリアジャケット羽織り、空間を移動してきた張本人――高町なのは。

 もう一人は桃色の髪にブレザーとスカートを着て、何故かうさ耳がついている女性――鈴仙・優曇華院・イナバ。

 片や幻想郷にて妖怪の賢者である八雲紫の弟子で、片や薬師をしているが月の兎で、隠しているが実力は最強である八意永琳の弟子。

 肩書きだけみればとんでもないように見えるが、高町なのはは自分の能力を把握しきれてなく、鈴仙・優曇華院・イナバも薬師の弟子という意味合いの方が強いため、八意永琳近くの強さを持っていない。博麗霊夢が一対一で戦うとしたら、霊夢が勝つだろう――なのはが本気で能力を把握出来るようになれば別だが。

 

「そういえば、結局妖夢は来ることが出来なかったのね」

「妖夢ちゃ……妖夢は白玉楼を幽々子一人にしたら危ないっていうことで……」

「予想した通りの理由ね……私の場合はお師匠様から無理なことを押しつけられるけどね……」

「あははは……私の場合は能力に対することばかりだから、あまりそういう不満はないかな」

「なのはが羨ましいわ……」

「それ、妖夢に断られる時にも同じこと言われたけどね」

 

 妖夢も鈴仙も苦労しているなと、なのはは思いつつ、ここに来る前から気になっていたことを鈴仙に質問することにした。

 

「そういえば、よく永琳さんが許可を出したよね。ダメ元のつもりで永遠亭に行ったつもりだったから、説明しただけで許可取れるとは思わなかったよ」

「……お師匠様が言うには、ミッドチルダを調べてほしいことがあるから私の同行を許したようだけど、理由を聴いても私にはよく分からなかったわ。でも、何かしらの悪巧みをしているわけでもなさそうでしたし」

「調べことか……私もにとりに頼まれているけどね」

「……まさか、また河童たちと変なことをしようとしてないよね」

「流石にしないよ……二回も幻想郷を脅かすことしたけどさ……」

「……私は一回目しか知らないのだけど」

「それは二回目。一回目は私が9歳の頃だから」

「幼い頃になにしているのよ……」

 

 鈴仙からしてみれば最近ではあるが人間の感覚からしてみれば十年も経過しているし、9歳という子供の頃からそんなことをしていたなのはに、鈴仙は頭痛くなった。まぁ、あの頃はジュエルシードを封印するのにミスをしたことが理由だが。

 

「ほら、三度目の正直っていう諺があるから大丈夫大丈夫」

「二度あることは三度あるっていう諺もあるけどね……」

「あははは……と、とにかく移動しようか」

 

 数分くらい他愛ない話をしていたが、流石に本来の目的を忘れた訳ではない。こんな木々の中に長く居ても意味がないため、なのはは歩き始めた。

 しかし、そのなのはの行動に鈴仙は疑問に思い、なのはの後に続いて行きながら問いかけた。

 

「あれ? すきまで移動しないの?」

「ここに移動したのは、ちょっと様子を見たいから。鈴仙とここに来る前に調べていて、ミッドチルダの地上本部がある場所に移動せずに、そこから少し離れたこの場所にしたの。ほら、そろそろ木々を抜けるよ」

 

 森を抜けると、そこに見えたのは崖でその崖の下にはレールのようなものが敷かれていた。しかし、森を抜けたところで崖とレールしかないと思った鈴仙は未だにここに移動した理由が解らなかった。

 

「ここで何するの?」

「そこにあるレールを走ってくる貨物からあるものを奪うため」

「……どこでその情報を?」

「友達が結成した組織のデータをハッキングして。多分そろそろ来ると思うよ」

 

 別の世界だというのにどうやってハッキングをしたのかと思ったが、なのはは河童たちと仲がいいし、なのはの技術と河童たちの技術が合わされば出来なくないと考えた。鈴仙が知る月の技術には到底及ばないとしても、なのはと河童たちの技術が合わさればそれくらい簡単に出来るのだろうと思ってしまった。

 そしてなのはが予想したとおり、なのはたちの目的である貨物と、その上で戦っている機械兵器らしきものと戦っている数人の姿が見えてきた。なのはの友達である八神はやての下にいる人たちだろうと思われるが、彼らは貨物が運んでいる荷物を守るために動いているのだろうとなのはは推測した。

 妨害をするようなものであり、相手は管理局――妨害すれば逮捕されてしまうが、それでも調査のためには必要なものだった。

 

「今から目的の物を私が能力で回収するから、鈴仙は見つかった時のためにいつでも準備しておいて」

「で、その目的の物が何か聴いていないのだけど……」

「レリック――管理局的に言えばロストロギアの一つで、解りやすく言うと古代聖遺物みたいな感じかな。ロストロギアと言われているものはかなり危険な代物で、使用用途も不明で下手に起動させると、この周辺を焼け野原にするほどの威力を持っているものばかりなの」

「そんなものが、レリック以外にもあるというのね……さまざまな次元世界に――」

「そういうこと、それを管理しているのが管理局ということ。さて、そろそろ頃合いだから始めるね」

 

 なのはは自分の能力で目の前の空間をねじ開け、その空間の先にあったものは厳重に保管されていたケースらしきものが見えた。なのははすぐさまその空間に入ってケースを奪い、鈴仙がいる所まで即座に戻った。その後、空間を元に戻し、任務完了したので一息吐いた。

 ものの数秒で終わってしまったことに、鈴仙は作業分担する必要があったのかと疑問思ってしまい、思わずなのはに問いかけていた。

 

「……なのは、これって私が守る必要あった?」

「まぁ、一応念のためだよ。説明している間に気づかれるかもしれなかったからね。それに、鈴仙の役目はこれからのようだよ」

「……なのは。何をしようとしているのか解っているの?」

 

 なのはと鈴仙の会話に入ってくるかのように、どこか聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 声が聞こえてきた方向に振り向くと、見覚えのあるバリアジャケットを着ており、なのはと鈴仙に敵意を向けてきていた。しかし、なのははそんなことを気にもせず、いつも通りの友達感覚で話しかけた。

 

「直接会うのは久しぶりだね、フェイトちゃん!!」

「相手は敵意剥き出しなのに、いつも通りに接するのね……」

 

 友達感覚で話しかけたなのはを見て鈴仙は思わず呆れていた。前に魔理沙が永遠亭に寄ったときに聴かされたことだが、なのはと博麗の巫女である博麗霊夢の性格は正反対だと聴かされたことがある。お互いに天才な癖して、霊夢は努力しようとさせず、博麗の巫女ということもあるが、初対面の相手には大抵敵意を向けている。一方のなのはは魔理沙と同様に努力家で、妖怪だろうが関係なく会った相手には大抵友達になろうとし、友好に接しようとする。

 そんな正反対の二人だが、共通している点ももちろん存在すると魔理沙が言っていたことを思い出した。なのはも霊夢も接したことがある相手であれば、大抵好かれるということだと。なのはの場合は自分から進んで好かれているとも言えるが、霊夢の場合は何かしたわけでもないのになぜか好かれ、霊夢のまわりに自然と人や妖怪が集まっているような感じに見えたと、魔理沙は語っていた。

 その内の一人でもある鈴仙は魔理沙に言われたことを思い出して苦笑いを浮かべてしまうけども、今は先ほどなのはに言われたとおりに、いつでも準備できるように構えた。

 

「なのは……レリックを盗んで何をしようとしているの?」

「何かしようとはしてないよ。というか、よく私たちがここにいるって気づいたね」

「ハッキングされた時点で逆探知したからね。その時点でなのはだと解っていたし、遊ばせておこうとはやてが言っていたから」

「そ、その時から気づかれていの……」

「それで、一体何をしよ――えっ、八神二佐?」

 

 フェイトがなのはたちに問いただそうとしていたが、突如八神二佐――八神はやての名前を口に出した。鈴仙は何をしているこかと解らなかったが、なのはは何をしているのかすぐに解っていた。

 フェイトは現在、はやてと念話で会話しており、多分だがなのはたちをどうするのか考えているのだろうと、なのはは思った。そんなことを知らない鈴仙は小声で、なのはに話しかけた。

 

「……今のうちに逃げた方がいいのではないの?」

「別に私の能力があればいつでも逃げられるよ。それに、なんか面白そうなことになりそうだから」

 

その間に逃げたほうが良さそうだと鈴仙は言ったが、なのはの能力あればいつでも逃げられることもあり、そしてまた何か面白そうなことが起きそうと思い、フェイトの会話が終わるまで待ってみることにした。

 そして念話が終わったのか、フェイトはもう一度なのはたちの方へと振り向いた。その表情は苦笑を浮かべており、それと同時に何かに呆れていた。

 

「……八神二佐からの伝言何だけど、『ババアから事情聴いているから、一緒についてこい』と。もちろんそのレリックを持って」

「相変わらず紫さんのこと嫌いなのね、はやてちゃん…… 事情聴いているということは紫さんと会ったということだし、また口喧嘩起こったんだろうな……」

 

 はやてと紫の二人は昔から仲が悪い。最初二人が会ったときはそれほどでもなかったが、

 

「それで、なのはは私たちについて来るの?」

「紫さんがはやてちゃんに接触したことだし、断る必要はないかな? 鈴仙もそれでいいかな」

「組織の下にいることになるけどいいの? 行動に制約が付くことになるけど?」

「その分、私たちが調べたい情報を持っている可能性もあるし、紫さんもそれを見込んではやてちゃんと接触したと思われるから――」

 

 実際、なのはたちが調べようとしていることは、あまりにも情報が少なすぎる。情報を持っている可能性があるかもしれない管理局と共に行動した方が、情報を手に入れやすいのかもしれないとなのはは考えた。鈴仙もそのことを把握しているため、管理局について行くことを完全に否定できるわけでもなかった。

 

「……まぁ、なのはが言うならそうしましょうか」

「ってなわけでフェイトちゃん、はやてちゃんのところまで案内してくれる? あ、その前に一つだけ条件」

「条件?」

「レリックについて知っていることを教えてくれること。関係なかったらレリックを集めることはしないから」

「そこまで私に権限があるわけではないけど、はやてなら大丈夫だと思うよ」

「交渉成立。まぁ、もしレリックについて教えてくれないなら勝手に逃げるからそのつもりで」

 

 話が纏まったので、フェイトはなのはと鈴仙の足元を中心に魔法陣を展開させ、はやてやフェイトが拠点としている場所へと転移させた。

 その後、フェイトはガジェットを破壊しただろう仲間に状況を伝えるために一度貨物のところまで向かいに行った――

 




……予告編読んだ人は気付いているかもしれないけど、鈴仙と妖夢の立ち位置を逆にしました。あるオリジナルプロットを追加した結果こうなったためです。

決して鈴仙が自機になったからという理由ではないです。絶対にw

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