なのは二次は先月まで休止していましたので、待たせてしまっていた方は申し訳ございません。
一応、この作品はいろいろと悩みましたが、原作の内容を必要なところだけ書くことにしました。
なので今回……いきなりフェイトちゃんが登場しますw
一応次回の内容は次元震を起こすところになりますかね。温泉回も書こうかなと思いましたが、今のところ飛ばす予定ではあります。
それではどうぞ!!
別の魔法を使えるようになってからというものの、なのははユーノのジュエルシードを集めることに手伝うこととなった。
あれからジュエルシードを集め続け、すでに6つも集め終えているが、前回のジュエルシードを回収しようとしたときに大惨事になった。ジュエルシードが暴走し、巨大な木々が町を襲った。すぐになのはの砲撃によって回収することができたが、その暴走する前のジュエルシードをなのはは一度見ていた。その時は気のせいだと思ってしまったがために、大きな事件へとなってしまった。
そのことでなのはは後悔した。怪しいと思ったのならばすぐさま回収を急ぐべきだったし、なのはの能力を使えば簡単に回収することができた。今後気を付ければよいとユーノは言ってくるが、それでも悔やんでしまっていた。
そんな出来事から数日経った週末、なのははすずかの家に呼ばれ、アリサと一緒にすずかの家の庭でお茶をしていた。ここには兄の恭也と一緒に来たが、恭也はすずかの姉である月村忍と一緒に部屋でお話をしている。
「それにしてもなのは、最近付き合い悪いじゃない? 元々付き合い悪いけど、ここ最近なんかは放課後遊ぼうと思っても確実と言っていいほどに断ってくるし」
「そ、そこまで言っちゃうかな……アリサちゃん」
「まぁ、事実だからいいよ」
すずかがなのはを擁護しに回ろうとしていたが、先にアリサが本当のことを言ってしまったがために何も言えなくなってしまい、なのはも否定することもしなかったので、擁護する必要すらなくなってしまった。
元々なのはは帰ったら御神流の剣術や能力、ユーノ達が使う魔法ではない方の魔法を鍛えることもあってか、アリサやすずかと遊ぶことなんてなかなか難しかった。そこにユーノ達が使う魔法を使えることが追加されたことによって、ジュエルシードの回収も含めてなおさら遊んでいる暇が減ってしまった。アリサ達の付き合いの時間も増やしていきたいところではあるが、なかなか時間を割く余裕がなく、今日も剣術の練習がなしにされたことによって時間を割くことができたくらいだ。
ということを言えばなのはが忙しそうにしているように思えるかもしれないが、実際はなのはの兄である高町恭也によって半強制的に連れてこられてきたに近かった。恭也に言われるまで剣術を鍛えるつもりでいたし、たまには友人のことを気にしなさいなどの言葉を言われなければついて来なかっただろう。幻想郷にいたころからずっと剣術や魔法などに時間を費やしていたなのはにとって、本来ならば自分から遊びに行こうとも考えるが、幻想郷という環境が悪く、さらには異変の最中にいた影響もあったからか、遊ぶような時間というのは幼いにもかかわず別になくてもよいと考えてしまうようになってしまった。
「そういえばあのフェレット――ユーノだっけ? すずかの猫たちに近づけてよかったのかしら?」
「そういえばそうだね。なのはちゃん、大丈夫なの」
「……たぶん、別に大丈夫だと思うよ。ユーノ君だし」
《な、なのは……この猫たち何とかしてよ》
ユーノだから大丈夫だという理由はなのは以外から見れば理屈が通っていないように思えるが、魔法のことを教わるついでにユーノが
「……それにしてもなのは、また前より筋肉がついてない? 運動苦手なくせに」
「一言余計な言葉がついていた気がしたけど、やっぱり剣術とかしているからやっぱり筋肉が付いちゃうというかね……」
「……その割には運動が苦手なところは変わらないのは不思議よね」
「やっぱり言ってたの!! けど、それは私が聞きたいよ……」
アリサが言ったことは、もちろんなのはも気にしていた。普通、剣術などで体を動かしていれば自ずと運動もよくなるような気がするが、なのはに関してはその変化が一向に見える気配がない。なのはの場合、剣術で模擬戦などを行う時にいつも相手の行動を見てから反射的に返しの攻撃をすることが多いのだが、それだとしても運動能力が身につかないのは自分自身謎に思えていた。なのはの父親である高町士郎や兄の恭也もそのことについては気にしており、何とかならないものなのかと最近模索を始めていたりする。
そんな他愛無い会話をしていたなのはだが、息抜きというこの時間はすぐに終わってしまう――ジュエルシードの反応を感知したことによって――
《っ!? ユーノ君!!》
《うん、解ってるけど……どうしようか?》
《そっか……今、アリサちゃんとすずかちゃんがいるからね……》
ジュエルシードの反応からして近くで、すずかの家の中であろうという事まではよかったが、アリサとすずかの二人がいる状態でどうやって抜け出そうかという問題が発生していた。席を外す理由を付けたとしても、行ける方向としてはすずかの家の中に行くくらいで、ジュエルシードが反応した方向が森の方なために理由を付けるのが難しい状況だった。
どのようにしてここから出るようにするかをなのはが考えていると、そのことにユーノが感づき、自分の姿を利用しようとした策を思いついた。そしてすぐさま行動に移し、ユーノは木々の方へと走って行った。
「え、ユーノ君!? どこに行くの!?」
「な、なんで森の方に走ってるのっ!?」
「っ!? よくわからないけど、とりあえず私探してくる!!」
アリサの言葉で、なのははユーノが考えた策がどのようなものなのかすぐに理解することができた。フェレットである状態を活かし、なのはを森に行かせる理由を作らせた。
「な、ならわたしとすずかもっ!!」
「別にユーノ君を探すだけだから一人で大丈夫!! とりあえず二人は座って待ってて!!」
「あ、ちょっと待ちなさい!!」
アリサがなんか言っていたが、なのはは気にせずにユーノを探しに行くという方法で庭を後にする。二人の姿が見えなくなったあたりでユーノと合流し、バリアジャケットを羽織った姿に変身して、そのままジュエルシードの反応があった方向へと走り続ける。
「た、たしかここら……」
「ユーノ君? どうし……」
ジュエルシードの反応があったあたりに着くと、ユーノは思わず目の前の光景に驚いてしまう。そんなユーノが驚いている様子を見てどうしたかと思ったが、ユーノが見ている方向を見て気づき、思わず驚いてしまった。
「な、何で猫が巨大になっているの?」
「た、たぶん、猫が思っていた大きくなりたいという気持ちが、純粋に叶ったんではないかな? そ、それにしては大きすぎるけど……」
ジュエルシードの反応があった際、今までならば犬が魔物になったり、町中に巨大な樹木が現れたりといったようなことが多かったが、単に巨大な姿に変化しただけのことは一度もなかった。
そして、いつもならば魔物が襲って来たりしてくる筈であるが、そのような行動をしてくる素振りもなく、普段の猫のように歩きまわっているだけだ。そのおかげで戦える準備を構えていたなのはにとって、拍子抜けするしかなかった。
「ね、猫には悪いけど、封印しよっか」
「そ、そうだね。早くアリサちゃん達のところに――っ!?」
ジュエルシードを封印しようと動きかけたその時、なのはは何者かの気配を感じとり、とっさの判断で猫の目の前に魔法弾をいくつか放った。その直後、なのはが放った方向に一人の少女が猫にめがけて攻撃を仕掛けようとしていたが、なのはの魔法弾が飛んでくることに咄嗟に気付き、防御魔法を使用して攻撃を防ぐしかなかった。
ちなみのこの魔法弾――ユーノ達が使っている魔法ではなく、魔理沙と一緒に頑張ってきていた魔法の方である。瞬時的に魔法を使うとなった際、まだ慣れていない魔法を使うよりも、昔から使い続けていた魔法を使う方が圧倒的に速いし、今までもそのようにして魔法を使い分けていた。さらにもう一つ魔理沙たちが使う魔法を使用した理由があり、今回使った一番の理由でもあった。
余談だが、今使っているなのはの魔法を初めて見たとき、ユーノは驚きを隠せなかった。なのはから一度は聞いていたが、やはり両方の魔法を使いこなせる人間がいたという事は前代未聞で、今でも目の前の光景に驚いてしまうほどだった。
「う~ん……失敗しちゃったか。ユーノ君の話だと、魔力の気配が感じ取れないんだよね?」
「うん、実際今もなのはが魔法を放ったけど、魔力を感じ取れなかったから……」
「っていうことは、気配で気付いた感じかな? 本当ならばさっきの攻撃でダメージを与えたかったけど仕方ないか」
ユーノに確認を終えた数秒後、先ほど攻撃した少女からなのはに向けて攻撃を放たれるが、飛行していとも簡単に避けていく。この程度の攻撃――なのはにとって軽い準備運動にすぎず、幻想郷に居たころに比べれば生ぬるい攻撃にしか思えなかった。
とはいえ、さすがにこんな攻撃が当たるとは彼女も思っていないだろう。攻撃の方向から察するに、まるでおびき寄せるような攻撃になのはには思えた。あえて相手の思うままに乗ってもいいところだが、あまり時間をかけてしまうとアリサやすずかが心配する可能性があるため、なるべく早めに終わらせようと一気にその少女へと近づいていった。
「悪いけどあまり時間がないから、さっさと終わらせるね」
「っ!?」
なのはは今度はレイジングハートから魔法弾を繰り出し、相手の彼女はその攻撃を避けていく。その避けていく方向に合わせるかのようになのはは移動し、彼女の真正面に向くように動き、毎日持ち歩いている小刀サイズの木刀を振りかざす!!
「くっ!?」
「これも防いじゃうの。だけど、これでおしまい!!」
彼女はなのはの木刀を魔法のバリアみたいなもので防ぐが、その方法をとったのは正解である。この木刀には実は魔力が込められており、普通に攻撃を受ければ吹っ飛ばされてしまうくらいの威力があった。
しかし、なのはの方が何枚も上手であり、防がれた場合などによる次の手段もすでに考えてあった。防がれたことによってなのはは次に考えていた攻撃方法を取り、フェイトとバリアの間に魔力弾がなのはによって生成されていた。
「なっ!?」
バリアを通り抜けて攻撃をしてくるという事は想定外だったのか、彼女は驚いた顔をしていたが、そのままその魔力弾を直撃に受け、そのまま地面へと落下していった。
その様子を確認したなのはは巨大な猫がいる方向へと移動し、ジュエルシードを回収するように動いていた。
「さて、ちょっとおとなしくして欲しいの。リリカルマジカルっ!!――」
なのはを中心に、魔法陣が展開され、巨大な猫は次第に元のサイズくらいの大きさに縮んでいった。そして元のサイズに戻るとジュエルシードが現れ、それをレイジングハートの中に回収し、そのままユーノのところまで歩いて行った。
「す、すごい。魔導師相手に圧倒的に勝ってしまうなんて……」
「にゃははは。あまり事情は言えないけど、こういう戦いには慣れちゃってるから」
初めてなのはが対人相手に戦う光景を見たユーノだが、ここまで圧倒的に勝ってしまうとは思いもしなかった。ユーノ達が使う魔法をいとも簡単に利用していたことは今までも見てきたが、ここまで隙がないような攻撃は初めて見る光景だった。
「さて、そろそろアリサちゃん達のところに戻ろっか。そろそろ心配されそ――っ!?」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「……何、ジュエルシードが回収したというのに、まだやるつもりなの?」
「はぁ……じゅ、ジュエルシードを、掛けて……勝負して」
なのは達が戻ろうと歩き出した刹那、先ほど戦っていた彼女がデバイスで支えながら立ち上がる光景が見え、思わず足を止めてそちらの方向へと振り向いた。
最後になのはが放った魔法弾は魔理沙達が使う魔法で、ユーノ達が使う魔法みたいに殺傷能力のオンオフができるわけではない。殺さない程度に放ったつもりだが、気絶させる程度には放っていたはずなため、こうやって立とうとしていること自体が驚きだった。
大した根性ではあるなとなのはは思うが、今でも倒れそうな姿をみて戦いを続けようという気持ちはなかった。このまま去るのもなんだか後味悪いと思ったなのはは、せめて相手の名前だけでも聞いておこうと思い、尋ねることにした。
「……君の名前、聞いていいかな?」
「ふぇ、フェイト……テスタロッサ……」
「うん、フェイトちゃんね。ちなみに勝負はまだ今度ね。今急いでいるから相手している場合でないから」
「ま――っ!!」
なのはが名前だけ聞いてこの場から去ろうとしたのを止めようと、彼女――フェイト・テスタロッサは動こうとするが、先ほどなのはに受けたダメージが多すぎてその場に倒れてしまった。なのははそんな様子を気にせずにアリサとすずかのところへと戻っていった――