魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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オネスト
「ディサフィアンテ騎士団、
 貴方達には、
 先行して、
 グラソン砦に向かって貰い、
 そのまま、
 防衛任務に着いて下さい、
 私は、
 次の試作機にて、
 現場で合流します。」

ペガル
「ディサフィアンテ騎士団、
 総員、行軍姿勢。」

 大盾を背中に背負い、

 FA・輝鎚に近い容姿をした機体が、

 20機、これしか、出れなかった。

ペガル
「出撃!!」




鋼鉄の兎

 

 

 

コンクォ

「オネストは?」

 

ナイトスミス

「いいえ、

 見ていませんが?」

 

 

 残っている団員に聞いても、

 

 誰も見ていなかった。

 

 ふと、

 

 普段は開いていない

 

 エーテルリアクタ保管庫の扉が、

 

 開いている事に気づく。

 

コンクォ

「どうして・・・。」

 

 階段を降りて行くと。

 

コンクォ

(なにこれ?

 エーテルリアクタが、

 一つもない?)

 

 収納ケースはあるのだが、

 

 その中身が無かった。

 

コンクォ

「・・・あんなとこに、扉?」

(ここを保管庫に改築した時、

 あんな扉は無かった筈)

 

 

 その先には、

 

 整然と並ぶ、

 

 “量産機”が立ち並んでいた。

 

コンクォ

「こ・・・こんな機体が、

 量産されてたなんて。」

 

 細身の機体には、

 

 オネストが最初に造り、

 

 生産が続けられている“新フレーム”が、

 

 垣間見えた。

 

コンクォ

「脚部のあれ・・・ロータリーボールっ!?」

(それに、手持ちの武器は、一体なに?)

 

オネスト

「爆裂術式を応用した、

 “小型徹杭を撃ち出す機関銃”さ、

 ごめん、黙ってて。」

 

コンクォ

「オネスト・・・貴方、

 あの反動で、全部理解していたのね?」

 

オネスト

「全部じゃないさ、

 イストゥリアさんに協力を仰いで、

 “タンデムリアクタ”を、

 造って貰ったんだ。」

 

コンクォ

「タンデムリアクタ?」

 

オネスト

「二つあるエーテルリアクタその物を、

 “一つにした”のが、タンデムリアクタ、

 鉱石が核のエーテルリアクタだから、

 出来るそうだよ、

 マナプールを、少なくしても、

 供給量が単純に2倍から、3.5倍、

 だから、軽量化、

 重要部分のみ装甲化し、

 背部に、

 “超電導反重力エンジン”を装備、

 この地面に縛り付ける力と、

 反発する力を発揮し、

 “空中制御を可能とした”

 制空機として、

 先ほど、完成したばかりだ。」

 

コンクォ

「どうして・・・

 空を飛ぶ発想なんてどこから。」

 

オネスト

「イストゥリアさん、陛下には、

 話したんだけど、

 やっぱり、コンクォには、

 直接言って置こうって思ってさ。」

 

コンクォ

「な、なんの事?」

 

 俺、とある世界の人間から、

 

 生まれ変わったんだ。

 

コンクォ

「世界の?なにそれ?」

 

オネスト

「言っちゃえば、

 身体はこの世界の人間だけど、

 “中身は異世界人”なんだよ、

 だから、

 “空を飛ぶ技術”も、

 発想の一つにあるし、

 “実現出来る事”もある。」

 

コンクォ

「・・・異端者、なの?」

 

オネスト

「うん、

 そうだね、

 だから、

 “この国以外は亡ぼしても良いんですね”

 この答えに、

 陛下は、

 首を縦に振ったよ。」

 

コンクォ

「そんな・・・、

 許されない!!」

 

オネスト

「国は亡ぼすよ、

 でも、

 “労働力”は、殺さないって、

 陛下に約束された、

 平和ボケしている?

 否、

 平和は、

 “次の戦争の為の準備期間だ”

 そう言ったら、

 イストゥリアさんも、

 納得してくれたんだ。」

 

コンクォ

「お父様が・・・。」

 

オネスト

「コンクォ、

 騎士団団長として命ずる、

 “農耕に適したシルエットナイト”を、

 俺の変わりに造ってくれ、

 必要な資料は、

 “ノート”に書いてあるから、

 それを基準に、

 進めてくれ、

 そして、

 この戦争に“参加する事を認めない”

 以上だ。」

 

 


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