魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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ナイトスミス
「これ、
 動くのか?」

オネスト
「一応。」

ペガル
「か・・・、
 かっけぇええっ!!」

プラタ(会長)
「物凄い重装甲なんだな。」

コンクォ
「並列処理が無ければ、
 こんな機体、
 動かないわよ、普通。」



出向・試作機・質量はパワー

 

 デュファンス格納庫には、

 

 リンゴが入った、

 

 網かごが一つ、転がっていた。

 

オネスト

「アルサノさん、

 “積層大盾”はどうですか?」

 

アルサノ

「あぁ、

 トンでも大盾だよ、コレは。」

 

 装甲ではなく、

 

 大盾なら、量産出来ると踏んで、

 

 網かごの、“斜めに編み込む”方法で、

 

 10mmの鉄板、

 

 8mmの、編み込んだクリスタルティシュー、

 

 合わせて20mmの装甲版を、

 

 8枚重ねている。

 

 厚さ、16cm、

 

 長辺10m、短辺3mの、

 

 巨大な大盾が完成した。

 

 そして、クリスタルティシューには、

 

 “構造強化魔法”を、

 

 各層に発動させるので、

 

 従来の大盾の、半分の重量で、

 

 5倍以上の強度に達していた。

 

 これ自体は、

 

 盾の強度維持のみに、

 

 マナが消費されるので、

 

 機体からは、

 

 マナプールを、満タンにするときだけ、

 

 供給される仕組みであり、

 

 一度稼働すれば、

 

 “27時間”動きっぱなしに出来る。

 

オネスト

「小型版はどうでしょうか?」

 

アルサノ

「稼働時間の減少は、

 サイズの問題だ、

 ただ、

 “ナックルシールド”の、

 発想には、

 驚かされたよ、

 あんなので殴られたら、

 操縦席はぺしゃんこだ。」

 

オネスト

「今まで、

 それを実現されなかっただけ、

 良かったとしましょうよ。」

 

 ナックルシールドは、

 

 大盾を、長辺4.5m、

 

 短辺を、2mに縮小し、

 

 腕を覆うように、

 

 手先だけ、くの字に曲がっている。

 

 これで、そこら辺の大木なり、

 

 城壁を想定した岩塊を、

 

 いとも簡単に砕いたのだ。

 

アルサノ

「ただよ、

 ナックルシールド、

 手になにも持てないんじゃないのか?」

 

オネスト

「それは、武器の構造で、

 解決の目途が立っています。」

 

アルサノ

「トンファー型、

 法撃火器か、

 腕その物と連結して、

 姿勢制御、

 “新開発のライフリングシリンダー”で、

 貫通力、射程距離が伸びた、

 化け物武器か、

 しかも、

 マナプールを、

 カートリッジにして、

 “機体からの供給をせずに連発”

 平均、20発は撃てると来た、

 お前の頭の中が、

 真面目に大丈夫なのか疑うぞ?」

 

オネスト

「大丈夫じゃないから、

 こんな発想になっちゃうんですよ、

 俺は、農耕に適したシルエットナイトを、

 早く作りたいんですけど、

 まさかの、

 “戦争”が、始まりましたからね。」

 

アルサノ

「あぁ、

 今は、国境付近で、

 耐えてるが、

 状況は芳しくない、

 徐々に後退しているらしいぞ。」

 

コンクォ

「オネスト!!

 こんな無茶が出来ると思うのっ!?」

 

 あ、マギウスエンジン並列処理の、

 

 構想を書いたやつだ、

 

 エーテルリアクタも、並列で配置し、

 

 ある意味、人間の右脳、左脳を、

 

 再現する、ハチャメチャな機体だ。

 

オネスト

「コンクォ、

 戦争が始まった以上、

 “戦時試作量産機”を、

 いち早く作らなきゃいけない、

 会長、

 ロングレンジライフルの、

 試験はどうでしたか?」

 

プラタ

「会長は止めないか、

 卒業し、

 今は軍属だ、

 成果を報告するなら、

 尋常じゃない、

 威力もさることながら、

 “着弾地点にブレが無い”

 射線上にいたら、

 間違いなく当たるぞ。」

 

オネスト

「アルサノさん、

 工廠に、

 量産指示と、

 先行試作ロングレンジライフルを、

 全て、

 グラソン砦に運搬しましょう、

 フェメンターレ全機、

 グラソン砦にて、

 ハルネキッヒ国軍を迎撃して下さい。」

 

コンクォ

「オネストっ!!」

 

オネスト

「コンクォ、

 いやだったら、

 辞めて良いよ、

 陛下からも、

 許可は貰ってるからね、

 キミだって、

 戦争兵器として、

 シルエットナイトを、

 造りたくは無いんだろ?」

 

ペガル

「オネスト!

 親父達からトンデモ情報が来たぞ!」

 

 クシャペルカが堕ちた。

 

オネスト

「相手は?」

 

ペガル

「ジャロウデク王国だ、

 ここ最近、急激に戦力が充実してたらしい、

 なんでも、

 フレメヴィーラ王国から、

 新型機が、強奪された時期と、

 合致するそうだ。」

 

コンクォ

「そんな・・・

 そこには、

 姉さんが居るのよっ!?」

 

ペガルに飛びつく。

 

ペガル

「うわっ!?

 ちょ、離れろ!

 今、

 親父達がクシャペルカでの足取りを探ってる、

 心配すんな、

 簡単には、

 入れない用になってるんだろ?」

 

コンクォ

「徒人じゃ、開けられない扉の筈だけど、

 でも、なんで・・・。」

 

 泣き崩れるコンクォ。

 

ペガル

「それに、

 もう一つ、

 厄介な情報だ、

 “ジャロウデク王国の間者”が、

 ハルネキッヒ国で、

 確認された、

 新型機、

 “シャウターレ”

 背中に二本の腕を装備し、

 重装甲にも関わらず、

 従来機の2倍速く動いているそうだ。」

 

オネスト

「・・・陛下に会って来る。」

 

ペガル

「あ、おいっ!!」

 

 


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