魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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ヴェニゥス・バロン
「俺の親友を、
 もてあそぶのは止めて貰おうか。」

???
「ちっ!?
 “魔糸”が、
 貴様、何者だ~の?」




マギアハジャルの民

 

タゲル

「なっ!?」

 

「工場長、

 めっちゃつぇ~・・・。」

 

「あはは・・・あの噂はマジだったんだ。」

 

モンゲル

「う、そ。」

 

ヴェニゥス

「引退したとは言え、

 最前線帰りを、

 舐めないで貰おう、

 そして、親友を返して貰うぞ。」

 

???

「グッ、おのれぇっ!

 ナゼだ!!

 なぜ、おまえの様なヤツが、

 こんな国にっ!?」

 

ヴェニゥス

「ゴードンとは戦友であり、敵でもあり、

 親友でもあったのだ、

 “ドワーフと人間のハーフ”である、

 俺を受け入れてくれ、

 職を与えてくれた、

 それを傀儡人形など、

 言語道断!!

 貴様は、

 “ミンチが良いか?刻まれるのが良いか?”」

 

モンゲル

「っ!?

 小説のセリフっ!?

 まさか、“魔石の国の主人公”っ!?」

 

ヴェニゥス

「それは弟だ、

 だが、その主人公は死んだ、

 物語も、その後は書いていないだろう?」

 

???

「マジックストーンを操り、

 マギウスエンジンを用いて、

 “アルヴの民”と、事を構え、

 滅んだあの国、

 なぜだっ!?なぜ、ここに居るっ!?」

 

ヴェニゥス

「生きているからなぁ、

 単に、国を維持出来なくなったから、

 “周囲に溶け込んだに過ぎない”

 マギアハジャルは、不滅だっ!!」

 

 浮遊するクリスタルティシューが、

 

 形を変えて行く、

 

 正に、小説で解説されている通りに、

 

 “クリスタルティシューを今、

  加工して武器にしているのだ”

 

モンゲル

「本物だ・・・本物がここに居る。」

 

ヴェニゥス

「モンゲル、

 ヤツを切れ、

 小説を読んでいるなら、

 わかるだろう?」

 

モンゲル

「え?わたしが?」

(そう、

 彼らは“創る事は出来る”

 でも、

 “直接は相手を殺せない宿命”)

 

???

「そ、そうだ、お前達は造れても、

 “一族が持つ呪いで相手を直接殺せない”

 ならっ!!」

 

 再び、ゴードンの亡骸を魔糸で動かそうとする。

 

ヴェニゥス

「させるかっ!!」

 

 飛び交うダガーが、魔糸を切り裂いて行く。

 

???

「くっ・・・ナァ~んてネ?」

 

タゲル

「え?うわっ!?」

(身体が勝手にっ!?)

 

モンゲル

「タゲルっ!!」

 

「ちっ、

 コイツ、副指令に糸を絡ませてやがるっ!!」

(色々な意味で羨まけしからん!!)

 

「工場長!

 俺達はどう立ち回れば良い!!」

(くっそぅ、協調される胸といい、

 くびれと言い、

 非常時なのに、俺の愚息がっ!!)

 

(怪我してる俺は無視か、

 てか、コイツ等、

 どこに見とれてんだよっ!!)

 

ヴェニゥス

「・・・モンゲル、

 キミが汚れて無くて俺は一安心したよ。」

 

モンゲル

「はぃ?」

 

タゲル

「あっ///あんた達ぃ~っ!!

 どこみてんのよっ!!この変態っ!!」

 

???

「ケハハハハ!!

 所詮男はコンナモンダ!!」

 

ヴェニゥス

「・・・モンゲル、

 申し訳ないが目をつぶって居てくれるか?」

(二人のアホは後で粛清するとして)

 

モンゲル

「・・・スッパにするのですか、

 替えの服あったかなぁ?」

 

ヴェニゥス

「・・・まさか、“正・副・予備”の、

 3巻とも読んでいるのか?」

 

モンゲル

「そうですよ?面白いので。」

 

???

「なにをごちゃごちゃ言ってルンダっ!!」

 

 魔糸に操られ、

 

 剣を振りかざして来るタゲル。

 

ヴェニゥス

「タゲル、後で新しい服を買ってやる、

 それで許してくれ。」

 

タゲル

「ふぇっ!?」

 

モンゲル

「男3人の目潰しは私がっ!!」

 

3人『もぎゃぁ~っ!?』

 

 

???

「コノっ!?ハレンチ変態メッ!!」

 

タゲル

「ぁ~・・・お気に入りの服が~・・・。」

 

モンゲル

「あれ?タゲルって、

 案外大きいのね?」

 

3人『なにっ!?』

 

ヴェニゥス

「・・・さぁ、お前達には囮になって貰おうか。」

 

???

「チョット!!

 私の服ハっ!?

 まさか、コノママ置いて行クナンテ、

 言わナイワヨネッ!?」

 

ヴェニゥス

「餓えた近衛兵にでも、

 貰うんだな。」

 

 背後には、赤い目を光らせた近衛兵と、

 

 ゼルエラが怪しい呼吸をしていた。

 

???

「イヤァッ!?

 コナイデェエッ!?」

 

ヴェニゥス

「自分で蒔いた種に狩られろ、

 “同族の恥晒しめ”」

 

 

タゲル

「っ!?」

 

ヴェニゥス

「見捨てろ、

 殺しに来たんだ、

 その覚悟もしたんだろうよ、

 “生殺し”の覚悟もな。」

 

モンゲル

「ハァハァハァハァ///」

 

ヴェニゥス

「モンゲル、予備のジャッカルアを奪う、

 斥候を頼めるか?」

(っと言うか、

 大丈夫なのか?この娘は?)

 

モンゲル

「はいっ!!

 ヴェニゥスお兄様っ!!」

 

ヴェニゥス

(ダメかもしれない)

 


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