魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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 ヴァゥヴァイネン帝国は、

 ズメェイ砦にて戦力の拡充と、

 完熟訓練を余儀なくされ、

 サンドゥリュオン討伐に向け、

 訓練を始めていた。

 ファゼンディラ公国のオネスト達は、

 レビテートシップの情報を元に、

 オネストの生前知識を応用、

 “戦闘用飛空船”を完成させようとしていた。




咆哮の目覚め

 

半島先端・地下ドック

 

オネスト

「後は、アルヴァリアクタが、

 どれだけの供給期間を持つかどうか、

 動かさなきゃわからんのが一番の問題だな。」

 

コンクォ

「試算上、

 タンデムリアクタが30年、

 トリスリアクタが、15年、

 アルヴァリアクタは、もって5年、

 これが、私達の計算上の結論、

 でも、動かしてから、

 300年もつエーテルリアクタもあるし、

 1年持たないエーテルリアクタもある、

 計算だけじゃ、分からないのよ。」

 

オネスト

「“フライホイール式エーテル供給器”は、

 試運転したのか?」

 

コンクォ

「貴方の言う“ラムスクープ方式”で、

 強制的に空気中のエーテルを収集、

 アルヴァリアクタ5基に供給、

 それを元に、

 “エーテミスト噴射式推進機”で、

 浮上、推進、転進を担う、

 試運転したら、

 この“地下ドック”ごと、浮き上がったのよ?

 どれだけの推力を発揮してるかなんて、

 計算したくないわ。」

 

オネスト

「そして、トリスリアクタ搭載“3連装法撃主砲”、

 射程距離は、結局5キロなのか?」

 

コンクォ

「砲身一つに付き、トリスリアクタ一つって発想が、

 馬鹿げてるのよ?

 25キロまで伸びたわよ、

 でも、連射は出来ない、

 15年の供給寿命をかんがみたら、

 “一日6~8発”それ以上撃とう物なら、

 一気に寿命を消費するわ、

 それを、上下合わせて5基、

 旋回出来るし、砲身角度も調整出来る、

 貴方の妻になってから、

 常識なんてどこに行ったのやら。」

 

オネスト

「ごめんな、俺がこの世界に居て。」

 

コンクォ

「馬鹿ね、“絶対忘れられない日々”を、

 記憶に焼き付けるのよ。」

 

 

リャン・ダオ11世

「・・・これが、飛空船なのか?

 海ですらこんな大型な船は無い、

 フレメヴィーラ王国で量産が進んでいる、

 レビテートシップの荷役船でも、

 こんな規模は無い、

 ましてや、“テッラ・ゲイル搭載機数30機”

 又は、“運搬可能物資は、規格コンテナ”で、

 200個は積める?

 移動要塞と言っても過言では無い、

 これがもし、

 “この大陸以外にバレたら”

 それこそ、海上航路は封鎖され、

 空路も封鎖、陸路も、

 ディダットーラ帝国、ヴァゥヴァイネン帝国も、

 周りが、全て敵になってしまう。」

 

執政官

「それが、オネスト・ディシュリオン、

 それを飲んだのは、貴方ですよ、陛下、

 現に、平民の暮らしは一気に改善傾向、

 農作物に関しても新鮮な状態で販売でき、

 “海鮮物”も、食卓に上がり出し、

 食生活も変化が著しく、

 “コメ”も、軌道に乗り、増産の一途、

 フレメヴィーラ王国と敵対しても、

 餓えて負ける事はあり得ません。」

 

リャン・ダオ11世

「言うなっ!!

 あの国は魔獣番、

 その国に居る銀色の偉人が居る、

 その者が万が一、

 この国に来たら、

 “全てを失うやもしれん”」

 

執政官

「では?」

 

リャン・ダオ11世

「秘匿文書にて、同盟国の会談を申し込んでくれ。」

 

執政官

「だ、そうですよ?オネスト・ディシュリオン。」

 

 


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