魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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メサフニタ・ゼルエラ
「一体何事だっ!?」

「緊急っ!!
 砂獣ですっ!!
 規模、“キント”」

メサフニタ・ゼルエラ
「なっ!?5師団規模だとっ!?」




選択一つで・・・

 

オネスト

「ペガル、状況は?」

 

ペガル

《望遠越しだが、

 相当焦っているぞ、

 バラバラに動いて、っ!

 また一つ喰われたぞ》

 

コンクォ

「大まかなリミッターは出来たわよ、

 ったく、

 “わたあめ”がなかったら、

 また寝ちゃってるわよ?」

 

オネスト

「黒雷に、いつ積み込んだんだ?」

 

コンクォ

「手持ちだけよ、後二つしかないわ。」

 

ペガル

《最近、砂糖の消費が激しいと思ったら、

 コンクォだったのか》

 

オネスト

「あぁ、俺が“わたあめ”を、教えたからな、

 おかげで俺の財布が厳しいよ。」

 

コンクォ

「え?」

 

オネスト

「この砂糖は高いの!

 ましてや国内生産するには、

 “土壌改革”から始めなきゃいけないから、

 これは輸入品、つまり、国家予算からは出せないの!

 悪魔で、俺の給料から“天引き”して、

 輸入してるんだよ。」

 

ペガル

《撤退中なのに、

 なに日常会話してるんだ?

 そうこうしてる内に、

 こっちにも気づいたヤツが迫って来てるぞ!!》

 

 

ゴードン

「サンドゥリュオンとは、

 ついてない、

 タゲル、モンゲル、馬鹿僧は起きたのか?」

 

タゲル

「それが、マトゥァヒヒと、ジャッカルアを率いて、

 討伐に向かってしまいましたっ!!」

 

ゴードン

「・・・残存機は幾つだ?」

 

モンゲル

「ハルガダータ200機中、残存150機、

 マトゥァヒヒ58機中、残存18機、

 ジャッカルア120機中、残存40機、

 総残数208機、

 全て“新兵です”」

 

ゴードン

「・・・見捨てる、

 タゲル、後方のズメェイ砦へ撤退、

 本国に援軍要請を出す、

 それと、

 “ファゼンディラ公国に使者”を、出す準備を。」

 

タゲル

「え?見捨てるのですかっ!?」

 

ゴードン

「新兵を率いて勝てるサンドゥリュオンでは無いっ!!

 全機騎乗!!

 テントは残していけ!!

 抱えられる食糧、水筒は、抱えるだけ抱えろ!!

 モンゲル!!

 全体の隊列指揮は任せる!!

 ジャッカルア10機は、殿(しんがり)として、

 ワシと共に来いっ!!」

 

モンゲル

「なら、3番小隊をお使い下さい!

 彼らが一番ジャッカルアを使いこなせます!!」

 

 

ペガル

「移動指揮車、後部牽引ハッチ開け、

 黒雷、出るぞ!」

 

 

オネスト

「テッラ・ゲイル、

 1、2、3、4、5番機、

 俺達と殿(しんがり)を務める、

 タンデムリアクタリミッター解除、

 機動戦闘にて間合いを保ちつつ、撤退支援、

 クジャクは全機、

 高機動にてダコズーヴァ砦へ急行、

 フェメンターレ隊と合流、

 迎撃態勢を整えてくれ。」

 

《1番機了解、

 はぁ、また痴話喧嘩聞きながら、殿ですか。》

 

《2番機、

 1番機、仕方ないだろう?

 この二人の仲は、

 今に始まった事じゃないだろ?》

 

《3番機、

 2番機、言えてるww

 オネスト!!帰ったら、酒ぐらい奢れよ!》

 

《4番機、

 3番機、これ以上団長の財布を苦しくしてどうするんだ?

 しわ寄せが俺達に来るんだぞ?》

 

《5番機、

 馬鹿言って無いでとっとと出ろよ!!

 踏んずけるぞ!!》

 

オネスト

「お前ら、

 “後でお説教な”」

 

1~5《げっ!?それ勘弁っ!!》

 

コンクォ

「慈悲は無い。」

 

ペガル

《緊張感ねえな、お前ら》

 

 


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