ゴードン・グランディストーレ
「タゲル、モンゲル、
野営の設営はどうかね?」
トクソリィウス・タゲル
「こちらは訓練の中である程度こなしてましたので、
なんとか形になっています。」
スヴァラディクス・モンゲル
「こちらは夜までには何とか形に出来ます、
“夜間の冷え込み”は、
誰しもが身に染みていますから。」
オネスト
「どうだ?コンクォ。」
コンクォ
「ん~♪きもち~♪」
オネスト
「俺は少し寒いがな。」
砂漠の夜は、
地球でも、マイナス20度にもなる。
ペガル
「オネスト、
気がかりな情報が入った。」
オネスト
「ん?
“嵐でも来るのか?”」
ペガル
「なんだ、気づいてたのか。」
オネスト
「これでも、農家出身だからな、
“風の匂い”と、“雲”
後は、
“削り取られたような跡”から、
この近辺では、
“濁流”が起こった形跡がある、
ただ、砂漠である以上、
水が直接的な原因ではない可能性がある。」
ペガル
「・・・魔獣か。」
コンクォ
「そうだ、
ペガル?ここの砦に文献とか残って無いの?
調べれば、なにかわかるかも。」
ペガル
「そう言うと思って、移動指揮車に準備してある。」
▽
スヴァラディクス・モンゲル
「・・・ん?」
トクソリィウス・タゲル
「モンゲル?どうしたの?」
スヴァラディクス・モンゲル
「え?うん、
“風が匂うの”
羊達が怯えて、
暴れ出した時とおんなじ匂い、
“あの砂獣”を見た時と、おんなじ。」
トクソリィウス・タゲル
「ゴードン様に連絡して来るっ!!」
▽
オネスト
「・・・不味いな。」
コンクォ
「うん、私もエーテルの流れが、
なんか乱れてる、
そんな感じ、良く無いのが近づいて来る。」
ペガル
「既に搭乗と、
防塵対策防御は済んでいる、
指揮車も、直ぐに動ける。」
オネスト
「コンクォ“黒雷”を準備してくれるか?」
コンクォ
「え?プルドゥチオーネの雛形を?」
オネスト
「フル装備で頼む、
また、後ろに乗ってくれるな?」
コンクォ
「ぇ~・・・またやるの?」
オネスト
「砂塵防御対策はしてるけど、
“武器リミッター”を、かけていないだろ?」
コンクォ
「ぁ~・・・そう言えば。」
ペガル
「テスト運用の時、
“山一つぶった切った”あの事件か、
新たな鉱石の発見に繋がったから、
不問にされたけど、
追放か、処刑がいい所だったんだぞ?」
オネスト
「・・・ペガル、
全軍、砦を離れ大至急、第二拠点ダコズーヴァ砦へ撤退、
嵐が来る、
それに、あの黒色の砂が、
どうして一番下に積もっているのかも気になる、
ハルガダータのフレーム、装甲の色と、
幾つか符合する物がある、
もしかして、
“かつて、ここに居たハルガダータ”の、
残骸では無いか?と、推測してるんだが、
コンクォ、どう思う?」
コンクォ
「ヤバい、
なんか来るよっ!!」
▽
ガンガンガンガン!!
「砂獣だぁああっ!!」
ゴードン・グランディストーレ
「ヴァゥヴァイネン帝国軍、応戦用意!!
誰でも良い、ゼルエラを叩き起こして来いっ!!」
▽
「ヴァゥヴァイネン帝国の警鐘を確認っ!!
双眼鏡にて、“正体不明の魔獣を確認”!!
後方にっ!?
“砂の竜巻を確認っ!!”
色は、黒っ!!
黒い竜巻が複数乱立していますっ!!」
オネスト
「全軍、緊急撤退っ!!
ダコズーヴァ砦へ、全速力で駆け抜けろぉっ!!」
赤く光る瞳に、
獅子の容姿を真似た姿、
翼を生やし、
黒い砂塵を吐き出し、
“黒い竜巻を意のままに操る”
それが、砂獣“サンドゥリュオン”
オス4頭、メス6頭、個体4千から、5千、
“魔獣には珍しい連携を得意とする魔獣である”
この魔獣が通った跡は、“砂しか残らない”
黒い砂に溶かされるシルエットナイト、
魔獣に喰われ、亡骸は腹の中へ、
別名“サンドタイフーン”とも。