魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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ゴードン・グランディストーレ
「タゲル、モンゲル、
 野営の設営はどうかね?」

トクソリィウス・タゲル
「こちらは訓練の中である程度こなしてましたので、
 なんとか形になっています。」

スヴァラディクス・モンゲル
「こちらは夜までには何とか形に出来ます、
 “夜間の冷え込み”は、
 誰しもが身に染みていますから。」




砂獣降臨

 

オネスト

「どうだ?コンクォ。」

 

コンクォ

「ん~♪きもち~♪」

 

オネスト

「俺は少し寒いがな。」

 

 砂漠の夜は、

 

 地球でも、マイナス20度にもなる。

 

ペガル

「オネスト、

 気がかりな情報が入った。」

 

オネスト

「ん?

 “嵐でも来るのか?”」

 

ペガル

「なんだ、気づいてたのか。」

 

オネスト

「これでも、農家出身だからな、

 “風の匂い”と、“雲”

 後は、

 “削り取られたような跡”から、

 この近辺では、

 “濁流”が起こった形跡がある、

 ただ、砂漠である以上、

 水が直接的な原因ではない可能性がある。」

 

ペガル

「・・・魔獣か。」

 

コンクォ

「そうだ、

 ペガル?ここの砦に文献とか残って無いの?

 調べれば、なにかわかるかも。」

 

ペガル

「そう言うと思って、移動指揮車に準備してある。」

 

 

スヴァラディクス・モンゲル

「・・・ん?」

 

トクソリィウス・タゲル

「モンゲル?どうしたの?」

 

スヴァラディクス・モンゲル

「え?うん、

 “風が匂うの”

 羊達が怯えて、

 暴れ出した時とおんなじ匂い、

 “あの砂獣”を見た時と、おんなじ。」

 

トクソリィウス・タゲル

「ゴードン様に連絡して来るっ!!」

 

 

オネスト

「・・・不味いな。」

 

コンクォ

「うん、私もエーテルの流れが、

 なんか乱れてる、

 そんな感じ、良く無いのが近づいて来る。」

 

ペガル

「既に搭乗と、

 防塵対策防御は済んでいる、

 指揮車も、直ぐに動ける。」

 

オネスト

「コンクォ“黒雷”を準備してくれるか?」

 

コンクォ

「え?プルドゥチオーネの雛形を?」

 

オネスト

「フル装備で頼む、

 また、後ろに乗ってくれるな?」

 

コンクォ

「ぇ~・・・またやるの?」

 

オネスト

「砂塵防御対策はしてるけど、

 “武器リミッター”を、かけていないだろ?」

 

コンクォ

「ぁ~・・・そう言えば。」

 

ペガル

「テスト運用の時、

 “山一つぶった切った”あの事件か、

 新たな鉱石の発見に繋がったから、

 不問にされたけど、

 追放か、処刑がいい所だったんだぞ?」

 

オネスト

「・・・ペガル、

 全軍、砦を離れ大至急、第二拠点ダコズーヴァ砦へ撤退、

 嵐が来る、

 それに、あの黒色の砂が、

 どうして一番下に積もっているのかも気になる、

 ハルガダータのフレーム、装甲の色と、

 幾つか符合する物がある、

 もしかして、

 “かつて、ここに居たハルガダータ”の、

 残骸では無いか?と、推測してるんだが、

 コンクォ、どう思う?」

 

コンクォ

「ヤバい、

 なんか来るよっ!!」

 

 

ガンガンガンガン!!

 

「砂獣だぁああっ!!」

 

ゴードン・グランディストーレ

「ヴァゥヴァイネン帝国軍、応戦用意!!

 誰でも良い、ゼルエラを叩き起こして来いっ!!」

 

 

「ヴァゥヴァイネン帝国の警鐘を確認っ!!

 双眼鏡にて、“正体不明の魔獣を確認”!!

 後方にっ!?

 “砂の竜巻を確認っ!!”

 色は、黒っ!!

 黒い竜巻が複数乱立していますっ!!」

 

オネスト

「全軍、緊急撤退っ!!

 ダコズーヴァ砦へ、全速力で駆け抜けろぉっ!!」

 

 




 
 赤く光る瞳に、

 獅子の容姿を真似た姿、

 翼を生やし、

 黒い砂塵を吐き出し、

 “黒い竜巻を意のままに操る”

 それが、砂獣“サンドゥリュオン”

 オス4頭、メス6頭、個体4千から、5千、

 “魔獣には珍しい連携を得意とする魔獣である”

 この魔獣が通った跡は、“砂しか残らない”

 黒い砂に溶かされるシルエットナイト、

 魔獣に喰われ、亡骸は腹の中へ、

 別名“サンドタイフーン”とも。


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