魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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 ハルネキッヒ自治区には、

 南のプレザケ砦、

 西のハイヴェームア丘陵砦、

 東のドュリューサンド砦がある。

 色々な意味で、

 珍しい砦でもある。



ドュリューサンド砦

 

オネスト

(フレデュリック達は、

 プレザケ砦に置いて来て正解だったな)

 

 と、つい思う。

 

 目の前に広がる、

 

 “7色に色分けされた砂の山”が、

 

 広がっていた。

 

コンクォ

「あっつぃ。」

 

オネスト

「だな、

 “移動指揮所”に戻ろう。」

 

 

 砂丘だらけなので、

 

 今回は、フェメンターレを持って来ていない。

 

オネスト

「さて、

 ペガル、

 この近辺の探索、調査、

 ヴァゥヴァイネン帝国の内部情報、

 ありったけ頼む。」

 

ペガル

「・・・この、7色の砂は、

 それぞれ特性があり、

 “重量”で、その特性が分かれます。」

 

オネスト

「ん?もしかして、

 フェメンターレでも運用出来た?」

 

ペガル

「はい、

 赤、土色、橙は、重量級シルエットナイトでも、

 問題ない強度を持っていますが、

 “接地した瞬間は保てます”

 しかし、継続した支持強度は見込めない用です。」

 

コンクォ

「白、黄色、青は?」

 

ペガル

「そちらは軽量級シルエットナイトなら、

 こちらは平均30秒ほど、支持強度も見込めます。」

 

 

ペガル

「あの色に関して、お聞きにならないのですか?」

 

二人『え?あの“表現できない闇黒色”の事?』

 

ペガル

「はい、

 アレは“シルエットナイトの装甲を腐食させる”

 非常に厄介な性質を持っています、

 最悪、シルバーナーヴさえ腐食、

 行動不能に陥ります、

 対策としては、

 踏み込まないのが前提かと。」

 

オネスト

「マレ・ゲイルを量産して置くべきだったのか。」

 

コンクォ

「それには、規格部品の増産工廠を変更しなきゃダメよ、

 それに、

 “採掘待ち”の部品も溜まってるから、

 量産するにしても、

 半年は待って貰わないと。」

 

オネスト

「うぬぅ、手持ちで何とかするしかないのか。」

 

 手持ちは、

 

 背部機関を、

 

 超高回転ターボファン式ホバリング機関に変更し、

 

 名称も、回転粒子圧縮噴射式とし、

 

 風の魔法と、“強制吸排気”に置ける反作用で、

 

 20cm程浮上し、ロータリーボールで、推進、

 

 タンデムリアクタをフル活用前提になった、

 

 クジャク・改、20機、

 

 脚部、腰、背部に、この回転粒子圧縮噴射式機関を、

 

 合計8基搭載し、

 

 タンデムリアクタと、並列リアクタを搭載、

 

 一機にエーテルリアクタを3つ搭載する事で、

 

 持続力と、瞬発力を両立させたが、

 

 生産コストが、

 

 デュファンス・改6機分と、

 

 かなり高く付いている事が今後の大きな課題の、

 

 テッラ・ゲイル、20機。

 

オネスト

「グラーフ・ツヴァイの進捗は?」

 

コンクォ

「砂塵防御対策は既に終わらせたわ、

 吸気部分に、フレメヴィーラ王国から、

 パクった情報を元に、

 “ふぃるたー”なる物を再現、

 9割方の防御を確認したわ、

 でも、

 定期的な掃除をしなきゃ、

 いずれ目詰まりを起こして故障するのは、明白よ。」

 

オネスト

「パクったって・・・、

 向こうにも、

 そう言う機関があるだろうに、

 どうやって、情報を持って来たんだ?」

 

ペガル

「そ、その件なのだがな。」

 

コンクォ

「ペガル、遺言は聞いてあげる。」

 

オネスト

「まさか・・・。」

 

ペガル

「“ノート”のコピーを、

 銀凰騎士団、団長、

 彼に渡して、直接そのコピーを、

 受け取ったんだ、

 何時かお話しましょう、と、

 ちょ、それは・・・。」

 

オネスト

「アァ、コレカ、

 “この世界にも居たんだ”

 拷問ニハ、

 “最強の恐怖”ガ一番ダカラナ。」

 

カサカサカサ・・・

 

 





 奴らは飛ぶんだ、

 真っすぐに、飛んで来るんだ。

 来たっ!?

 ヤツだっ!!

 こんなヤツが、

 居て良い訳がないんだっ!!

 いやぁあああああっ!!

コンクォ
「この、“ごきぶり”
 家の里に放り込もうかしら?」

オネスト
「止めとけよ、
 いくら虐めて来るヤツが住んでるからって。」

コンクォ
「環境に適応出来るか、気になるのよ。」

オネスト
「どっちかって言えば、
 お前の里は、
 “寒いから”
 逃げ出すんじゃないか?」

コンクォ
「それもそうね。」


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