魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

34 / 55

 トクソリン峠

 臨時会議場

トラヴァエル・レガルド
「では。」

リャン・ダオ11世
「本気なのだな?」

トラヴァエル・レガルド
「くどい、
 貴殿とは、2年待ったが、
 もう待てん、
 復興に関しては感謝するが、
 “タンデムリアクタ”製法の開示がなされない以上、
 最早言葉は不要。」

リャン・ダオ11世
「・・・そうか。」

トラヴァエル・レガルド
「せめてもの礼儀だ、
 貴殿が首都へ着くまでの間は、
 “侵攻しない”」

リャン・ダオ11世
「・・・まったく、
 難儀な性格だな。」

トラヴァエル・レガルド
「あんたもな?ダオ兄ぃ。」

リャン・ダオ11世
「この愚弟。」

トラヴァエル・レガルド
「・・・じゃぁな。」




引き金は戻らない

 

 ファゼンディラ公国

 

 行政執行館・会議室

 

リャン・ダオ11世

「オネスト、すまん。」

 

オネスト

「・・・そう、ですか。」

 

コンクォ

「戦争、始まるのね。」

 

イストゥリア

「避けられないのか。」

 

ペガル

「現状、トクソリン峠に最も近い砦、

 プレザケ砦を最前線とし、

 ハルネキッヒ自治区守備隊、

 “テッラ・ゲイル”が40機、

 クジャク・改が、60機、

 計、100機を主軸として、

 “プルドゥチオーネ”を70機、

 予備大隊とし、

 迎撃を徹底させる。」

 

オネスト

「ハルネキッヒ自治区の東はどうなんだ?」

 

リャン・ダオ11世

「今は、国交制限しかしていないが、

 “食料品の輸出入のみ”に、限定して、

 こちらの戦争には“介入しない”

 などと言っている、

 疲弊した所を狙って来るのは間違いないだろう、

 それと、

 海なのだが、

 “航空戦艦”の完成間近だそうだ、

 水上ホバリング式シルエットナイト、

 “マレ・ゲイル”予定搭載機数、15機の完成を待ち、

 ディダットーラ帝国の海岸より“首都を法撃”

 短期間での決着を予定しているが、

 如何せん、戦争だ、

 長期化だけは避けたい。」

 

ペガル

「それと、オネスト、

 一つ報告があるんだ。」

 

オネスト

「そう言えば、

 プラタは?」

 

コンクォ

「そうだ、会長、じゃなくて、クーさんは?」

 

リャン・ダオ11世

「なんだ?まだ言ってなかったのか?

 こいつ、

 ペガル・コンタージョ・ヴェレーノは、

 プラタ・クラロ・デ・ルナ・エクラと、

 子供を成していてな、

 既に、5人もいるそうだ。」

 

二人

『は?』

 

ペガル

「すまん、コンクォが眠った後、

 数日置かないで、

 その、な、

 だから、

 “クーナ”は、参加出来ない。」

 

デュラント公爵

「そう言う訳だ、

 オネスト、お前には、

 ディサフィアンテ騎士団を兼任し、

 “新生大隊の大隊長”を務めて貰う、

 拒否権は無い。」

 

 

ディサフィアンテ騎士団・執務室

 

オネスト

「・・・まぁ、俺達二人も、

 人の事言えないか。」

 

コンクォ

「まぁ、そうね///」

 

 この二人も、婚姻届けを出し、

 

 夫婦としてオネストの実家から、海よりに家を建て、

 

 既に暮らし始めている、

 

 どうしても家を離れる事が多い為、

 

 ハウスキーパーを二人雇っている。

 

 その二人のアイデアから、

 

 “テッラ・ゲイルとマレ・ゲイル”を、

 

 新規量産機として、

 

 半年でロールアウト、開戦に間に合わせた。

 

 エーテルリアクタの生産に関しては、

 

 ファゼンディラ公国内の、

 

 アルヴの隠れ里、“ヘルム・ヴェッァ”の説得により、

 

 里同士を結んでいた隠しトンネルを開通、

 

 “オブリィオ・シェクレ”も、

 

 ハルネキッヒ自治区防衛の為に動き出していた。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。