魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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 ファゼンディラ公国

 会議室

リャン・ダオ11世
「おい。」

オネスト
「・・・。」

リャン・ダオ11世
「オネストっ!!」

オネスト
「へ?
 なんですか?陛下?」

リャン・ダオ11世
「・・・会議中なのだが?」

オネスト
「・・・ぁ~。」



個人と国

リャン・ダオ11世

「とにかく、

 現状は、

 ハルネキッヒ自治区、

 ディダットーラ帝国へ、

 正規軍を派遣継続し、

 その経費に関しては、

 鉱石資源で代替え、

 ファゼンディラ公国にて、

 生成、

 新型機を生産、

 ディダットーラ帝国、

 ハルネキッヒ自治区へ、

 逐一配置して行く。」

 

トラヴァエル・レガルド

「リャン・ダオ11世、

 その件なのだが、

 我がディダットーラでも、

 生産させて貰えないだろうか?」

 

リャン・ダオ11世

「残念だが、

 承服出来ない、

 貴殿の“アルヴの民”の使者から、

 “兵器転用エーテルリアクタ”

 これの生産を拒否すると、

 宣告されたのだろう?」

 

トラヴァエル・レガルド

「それはそうだが、

 生産済のエーテルリアクタは、400個、

 ナーゲルタイラント駆逐戦に置ける、

 大破した機体からも、

 121個は確保してあるのだ、

 それを持て余す余裕も無いだろう?」

 

メイジ・ファン・ボレット

「トラヴァエル陛下、

 リャン・ダオ11世陛下もただ、

 遊ばせている訳ではありません、

 我が自治区でも、

 シャウターレ改の生産は出来ていません、

 こちらの“アルヴの民”も、

 戦闘転用は承服出来ないと、

 残っているエーテルリアクタ、

 231個で、やり繰りしているのです、

 “無駄遣い出来る物は一つもありません”」

 

トラヴァエル・レガルド

「なら、

 生産を続けている、

 ファゼンディラから、

 新規エーテルリアクタの供与、

 又は買い付けは可能なのか?」

 

リャン・ダオ11世

「そこは、

 オネスト、

 ん?オネストっ!!

 現状のエーテルリアクタ

 生産状況はどうなっているのだっ!?」

 

オネスト

「・・・え?

 あぁ、そうですね、

 イストゥリアさん次第ですね、

 “タンデムリアクタ”は、

 月産1つ、シングルリアクタは、2個、

 これ以上は、集中出来ないと、

 宣言されていますので、

 我が方に残されたリアクタは、

 タンデムリアクタ20個、

(二個の鉱石核エーテルリアクタを

 一つにした物)

 シングルリアクタ36個、

(一つの鉱石核エーテルリアクタ)

 試作“トレスリアクタ”2個、

(三個の鉱石核エーテルリアクタを

 一つにした物)

 試作“アルヴァリアクタ”1個、

(四個の鉱石核エーテルリアクタを

 一つにした物)

 リアクタ搭載待ちの機体は、

 フェメンターレ50機、

 推進機の変更をせざるを得ない、

 クジャク隊60機分は使用不可能、

 全く余裕が無い状態です、

 来月納品予定の物は、

 ディダットーラ帝国へ納品させますが、

 その次からは、

 交互に納品予定としています、

 キング“3”

 クイーン“6”の魔獣核は、

 エーテルリアクタへの転用が出来ません、

 “家の技術長”が、起きないと、

 精製出来ないのが、

 我がファゼンディラの実情です。」

 

トラヴァエル・レガルド

「ちょ、ちょっと待て、

 リャン・ダオ、

 コイツ、大丈夫なのか?」

 

リャン・ダオ11世

「・・・ダメだと思う。」

 

トラヴァエル・レガルド

「と、とりあえず、

 来月には、タンデムリアクタ一基と、

 エーテルリアクタが二基納品されるのか、

 エーテルリアクタは余っているから、

 そちらはハルネキッヒ自治区へ

 納品された方が良いだろう。」

 

メイジ・ファン・ボレット

「それは有り難い事なのですが、

 ハルネキッヒ自治区の“アルヴの民”は、

 “他で生産されたリアクタ”を、

 黙って見ている程、

 大人しい方々ではないので、、

 辞めて置いた方がよろしいでしょう、

 シングルリアクタに関しては、

 ファゼンディラ公国正規軍へ納品して貰い、

 フェメンターレの稼働機を増やして貰い、

 ディダットーラ、ハルネキッヒ自治区の、

 防衛の主力を担って貰い、

 落ち着いてから、

 各国にて、新型、もしくは、

 新兵装を製作すると言うのは

 どうでしょうか?」

 

トラヴァエル・レガルド

「ぬぅ、メイジ・ファン・ボレット、

 それは最もなのだが、

 一刻も早く、我が帝国は、

 かつての力を取り戻し、

 それ以上の力が欲しいのだ、

 それには、魔獣核で精製される、

 “魔獣核エーテルリアクタ”が

 必要不可欠なのだ、

 どうにかならないのか?」

 

リャン・ダオ11世

「肝心の技術長がなぁ・・・。」

 

トラヴァエル・レガルド

「まぁ、あのちびっ子二人の機体改装、

 指揮官機2機の改装、

 これに関しては、感謝している、

 彼女らを北側のトクソリン峠守備隊へ

 配属したのも、

 “その性格上持て余していたのだ”

 今暫く大人しくしよう、

 だが、今後協議の内容次第では、

 事を構える姿勢だと、

 先に言っておこう。」

 

リャン・ダオ11世

「・・・そうなっては欲しく無いのだがな。」

 

トラヴァエル・レガルド

「それは本心か?」

 

リャン・ダオ11世

「消耗戦の先は、

 “餓えと、死”だけだ。」

 

トラヴァエル・レガルド

「・・・そうだな、

 次の会議は、

 半年後にして置こう、

 首都再編も、

 始めたばかりだからな。」

 

リャン・ダオ11世

「今度は、

 立派なレンガ造りの首都を見たい物だ。」

 

トラヴァエル・レガルド

「今すぐ、お見せ出来ないのが残念だ。」

 

 


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