魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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カリィ
「パリガ!!
 師団長はっ!?」

パリガ
《損傷機の組み合わせで、
 稼働機を増やすって、
 慌てて行っちゃった》

カリィ
「もう一度呼び出してくれ!!
 オネストが、そっちに向かっているっ!!」

パリガ
《・・・ってか、
 もう見えてる》




黒煙

 

 砦へ直接、グラーフ・ヒンメルを、

 

 乗りつける。

 

オネスト

「師団長っ!!

 師団長はいるかっ!!」

 

アポストロ

「家の砦に乗りつけるなんて、

 不躾な行為だと思わないのかっ!!」

 

オネスト

「口論の暇は無いっ!!

 クイーンが1体足りない!!」

 

アポストロ

「なにっ!?」

 

フレデュリック

「っ!?

 オネスト!!

 直ぐに動けるのは4機だっ!!」

 

アポストロ

「グランツ!!」

 

オネスト

「なら、大至急グラーフ・ヒンメルに搭載して、

 もう一体を探すぞっ!!

 森林方面の先には、

 “首都が在る”で、

 間違いないんだなっ!!」

 

フレデュリック

「あぁ、

 リッカルド!!

 ファゼンディラ公国軍と共同して、

 この砦を防衛、

 伝令中間地点に伝令!!

 稼働機全機を首都へ回させろっ!!」

 

リッカルド

「グランツっ!!

 いくら何でもそれはっ!?」

 

オネスト

「フレデュリックっ!!

 メィディウムは着地限界高度は幾つだ?」

 

フレデュリック

「試験なんてしていない、

 精々、20mだろう、

 この“飛空船”は、どうやって乗せればいいっ!!」

 

オネスト

「ワイヤーがある、

 選抜4機を乗せろっ!!

 早くっ!!」

 

 

 その直後に、

 

 ディサフィアンテ騎士団全機が到着、

 

 リッカルドを殴って気絶させ、

 

 オネスト専用フェメンターレ、

 

 選抜、フェメンターレ5機と、

 

 2機の指揮官機メィディウム、

 

 志願の2機を搭載し、

 

 グラーフ・ヒンメルは、全速力で飛翔する。

 

 

コンクォ

「メィディウムのリアクタはどんな感じっ!?」

 

フレデュリック

「この背中の中だ、

 ここから直結させて、

 通信機の出力を確保するのか?」

 

コンクォ

「状態を見るのよっ!!

 戦闘中に“死んじゃったら”

 貴方たちが死ぬのよっ!!

 最悪、乗せ換えるわっ!!」

 

 エーテルリアクタ基部の蓋を開け、

 

 状態を見る。

 

コンクォ

「・・・なんて酷い使い方、

 他も同じ・・・、でも、

 スペースが少し余裕があるならっ!!

 “タンデムリアクタ”を押し込むから、

 貴方は邪魔しないでっ!!」

 

フレデュリック

「なっ!?他国の機体を改修するのかっ!?」

 

コンクォ

「急げっ!!

 技術部隊全力で改修を進め、

 フェメンターレ全機を万全にするんだっ!!」

 

『はっ!!』

 

フレデュリック

「お、おぃっ!?」

 

 

 半日を全速力で飛ぶグラーフ・ヒンメルは、

 

 悲鳴を上げつつあった。

 

「プロペラ振動上昇!!

 潤滑油追加を急げっ!!」

 

「10連リアクタ、加熱増大、

 自然吸気だけでは、

 間に合いませんっ!!」

 

「師団長っ!!

 機関限界です!!

 緊急停止まで、あと5分っ!!」

 

オネスト

「やむを得ない、

 機関半速、

 前後4機ずつ簡易点検、

 交換できるパーツは急ぎ交換しろっ!!」

 

「はっ!!」

 

フレデュリック

「どうして速度を落とすんだ?」

 

オネスト

「試作機だからな、

 生まれたての機関に無理をさせているから、

 各パーツの精度にばらつきもある、

 直しながら飛んでいるんだ、

 10連リアクタも、

 5つのスクリプトを同時に処理、

 並列マギウスエンジンも5つ搭載、

 正に、無茶苦茶な船なんだ、

 壊れたら最後、

 “替えが効かない”大事な船なんだ。」

 

フレデュリック

「それは済まない、

 既に、中継地点を飛び越え、

 もう少し行けば、

 “首都城門”が見えて来る位置に来ている、

 感謝してもしきれないが、

 “あの砲台”は、

 今後、俺達に向けられるのか?」

 

オネスト

「・・・“前回”は、

 魔獣の討伐と言う同一目標に、

 砲身を向けただけです、

 “次回”は、

 どこへ向けられるかなんて、

 言わない方がいいでしょう?」

 

「甲板一番機より入電っ!!

 “城門を確認!!”」

 

フレデュリック

「おぉっ!!」

 

「されど、

 “大量の黒煙をみとむ”ですっ!!」

 

オネスト

「・・・フェメンターレ全機騎乗!!

 出撃用意!!」

 

 


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