魔法でも、撃ちたいじゃん!   作:扶桑畝傍

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 往復だけで

 20日掛かる半島先端、、

 一泊しか泊まれず、

 手伝いも、

 精々の、

 試作稲刈り機(麦使用)を、

 3台置いて来ただけだった。




資源を求めて

 ロングレンジライフル

 

 生産工廠

 

オネスト

「鉱石が足らない?」

 

 

「はい、

 戦争以前は、

 ディダットーラ帝国から、

 一定品質の物が納品されていたのですが、

 最近は、

 “採掘に支障が出ている”の、

 一点張りで、

 既に、

 “冷却専用カートリッジ”の、

 生産が、

 鉱石の納品待ち状態です。」

 

オネスト

「うぬぅ、

 帝国に使者は出しているんだろ?」

 

ペガル

「出してはいる、

 だが、法撃杖で、

 追い返されているそうだ。」

 

オネスト

「実質上の宣戦布告か、

 機体の情報は?」

 

ペガル

「シャウターレに近い改装と、

 その後続機体は、

 内装はティラントーで、

 外装は、

 多少、現行機の物だ。」

 

コンクォ

「ふぇ~・・・、

 オネスト?

 とりあえず、

 ある分だけの

 “水冷・空冷・ヒートシンク複合型”

 冷却専用カートリッジ、

 出来上がったわよ?

 空冷ファンも、

 今、削り出し中、

 それでも、

 40丁分のストックにしかならないわ。」

 

オネスト

「ぬぅ~・・・

 また、別な武器を作るしかないのか、

 シャウターレの改装と、

 残骸から回収出来たストックは?」

 

コンクォ

「シャウターレは、完全にストップ、

 フェメンターレの予備パーツは、

 腕、200セット、

 頭部、134セット、

 脚部、56セット、

 脚部のバネは随時生産中、

 これは、国内の鉱山で、

 十分に確保出来てるから。」

 

ペガル

「それで、

 肝心の胴体が、

 エーテルリアクタの増産待ち、

 タンデムリアクタも、

 クジャクの2次量産機、30機分は、

 出来ているが、

 月産、2、3個が良いペースだそうだ。」

 

オネスト

「ファゼンディラ公国の弱点が、

 ここに来て響いて来るのか、

 参ったな。」

 

 

ファゼンディラ公国

 

 パドリゥート城・会議室

 

リャン・ダオ11世

「それで、

 再三の要請も、

 追い返されたのか?」

 

デュラント公爵

「残念ながら、

 3回とも法撃杖による攻撃で、

 失敗に終わっています、

 被害こそ出てはいませんが、

 使者として送り出している

 部下の精神的疲労も、そろそろ限界かと。」

 

オネスト

「デュラント公爵、

 それは、

 この地図上のの何処で追い返されたのですか?」

 

デュラント公爵

「旧、ハルネキッヒ国国境より、

 20km、

 トクソリン峠の手前ですな、

 陣地を築くには最適な場所で、

 攻め落とすには、

 手を焼きそうだな。」

 

オネスト

「ふむ・・・、

 陛下、

 ファゼンディラ公国と、

 ハルネキッヒ自治区で、

 “一番の美術家”か、

 工作に長けている人物を、

 集めて貰えますか?」

 

リャン・ダオ11世

「集めてどうするのだ?」

 

オネスト

「宣戦布告が出ていない以上、

 こちらから攻撃は出来ませんが、

 “情報は取り放題です”

 ペガルの、

 クジャク・サイレントキラーにて、

 夜間偵察と、

 日中に置ける、

 フェメンターレのズームを使い、

 “詳細な地形の模型を作るのです”

 ディダットーラ帝国の配置も、

 その模型上に配置し、

 “長距離通信網”の、構築を、

 今後の目標とします。」

 

リャン・ダオ11世

「地形の模型に、

 通信?

 伝声管ではいけないのか?」

 

オネスト

「伝声管では、

 精々の20mが限界です、

 それでは、

 小隊・中隊・大隊・師団の、

 念密な連携作戦が取れません、

 メリットとしては、

 外部に音声が漏れないので、

 外からは、無言のシルエットナイトが、

 両機と連携を取り、

 各隊規模で、寸断、包囲殲滅を、

 やり易く出来る部分があります、

 しかし、デメリットとして、

 “味方の死に際の声を聴くリスクがあります”

 それを推してでも搭載する事は、

 今後の戦争、調査を行う上で、

 必要不可欠なものです。」

 

デュラント公爵

「うぅむ、

 しかし、その開発に必要な資材すら、

 足りておらんのだろう?

 信号弾では、

 敵にもばれてしまうが、

 味方の目につきやすい、

 指揮官機だけにとり「いえ、

 全機種、標準装備とするので、

 階級にとらわれなければ、必ず、

 新たな戦術も、そこに埋もれている筈です。」

 なにぃ?」

 

オネスト

「既にタンデムリアクタ同士の、

 “リズム”の交換は出来ています、

 ただ、

 これを用いた場合、

 リズムを聞いて判断し、

 その符合から、

 該当する言葉を探さねばなりません、

 その製作は、

 学生達にお願いしていますので、

 半年以内には、いい返事が期待出来そうです。」

 

デュラント公爵

「半年だとっ!?」

 

オネスト

「それと、並列配置でも、

 リズムの交換を出来るか、

 コンクォの方で実験と、

 別な方法でリズムの交換が出来ないか、

 検証を重ねて貰っています、

 エーテルリアクタには、

 “歌”が、一番の薬だそうです。」

 

リャン・ダオ11世

「オネスト、

 その通信に関しては任せる、

 デュラント公爵、

 直ちに直衛隊を率いて、

 トクソリン峠の偵察と、

 もう一度、

 使者の派遣を頼む、

 それも駄目な場合、

 “こちらから宣戦布告”を、発布する、

 行ってくれるな?」

 

デュラント公爵

「わかりました、

 陛下のご命令、拝命致します。」

 

オネスト

「了解しました、

 通信網と並行して、

 “国内で採掘される金属で”

 新武器、

 試作機の開発に取り掛かります。」

 

リャン・ダオ11世

「いま、

 何か余計な事を言わなかったか?」

 

オネスト

「いえ、何も。」

 

リャン・ダオ11世

「もぅいぃ、

 好きにしてくれ。」

 

オネスト

「お心遣い感謝します。」

 

 




ファゼンディラ公国

現有保有戦力

デュファンス改
(関節、胴体を強化、
 クリスタルティシューセーター装備)

 126機

フェメンターレ(現地改修機を含む)

 68機

クジャク

 57機

シャウターレ改
(デュファンス改と改装は同じ)

 49機



ディダットーラ帝国軍

機体名・不明

旧式・部分改装

 およそ380機

新型機
(内装はティラントー・
 外装は、旧式外装に追加装甲)

 およそ134機

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