「なんだよっ!?
俺達のが最新鋭機じゃないのかよっ!?」
「黒い鬼だっ!!」
「早すぎる!!
法撃杖が当たらないっ!!」
「隊長!!味方の指揮を!!」
メイジ
「デュファンスの盾を使えっ!!
少しでも耐えるのだ!!
本国から、援軍も来る!!
それまで耐えるのだっ!!」
オネスト
「6番、射出まて、
艦首、
右回頭、
ハルネキッヒ国軍の本隊だ、
6番から、10番は、
これの迎撃、
侵攻を妨げるんだっ!!」
▽
慌ただしく飛行船は回頭する。
地表部には、
“プロペラ式方向転換機”を8基搭載、
前後で、逆方向運用する事で、
その場回頭が可能になっている。
▽
オネスト
「連続射出!!
緊急発艦!!」
▽
ハルネキッヒ国軍本隊
ファルディック(副指令)
「ハイヴェームア丘陵砦が・・・、
伝令、砦に向かい、
増援個所の選定に迎え!
本隊は、
目視県内の、
敵野営地を撃つ、
総員、着剣!!
突撃ぃっ!!」
ハルネキッヒ国軍本隊
『おぉおおおっ!!』
▽
ファゼンディラ公国野営地
プラタ
「フェメンターレ、全機、
“狙撃姿勢”
ロングレンジライフル、
構えっ!!」
ロータリーボールに損傷を抱えた機体では、
機動戦は出来なかったが、
大盾に蓄積された、
大容量のマナプールを、
使う事が出来た。
大盾に連結された、
第1ロットのロングレンジライフルは、
その射程に、
“ハルネキッヒ国軍本隊”を、
既に捉えていた。
▽
ハルネキッヒ国軍本隊
「ファゼンディラ公国、
以前動き無し!!」
ファルディック(副指令)
「怖気づいたのか?
しかし、チャンスだ、
全機、歩みを緩めるなっ!!」
▽
プラタ
「“法撃杖・照射切り変え”
中央は、左右に銃身を振り、
左右中隊は、
中央に向かって、
照射せよ、
銃身、冷却開始!!」
冷却用トリガーを引くと、
氷結術式が展開され、
冷却専用カートリッジから、
マナが供給される。
プラタ
「“範囲照射”開始、
撃てぇえっ!!」
▽
単発で飛翔する法撃杖の魔法とは違い、
“射程圏内を”
焼き払う為に、
引き金を引きっぱなしで、
撃ち続ける、照射攻撃が可能だった。
▽
推定、500機はいた、シャウターレは、
フェメンターレから撃ち出される、
照射攻撃により、
解け落ちたり、ばらばらに吹き飛んだり、
“無事な機体は、
後方に居た、100機程度だった”
▽
プラタ
「照射止め!
単発使用へ!!
手を休めるなっ!!
撃て!!撃てっ!!
撃てぇえっ!!」
フェメンターレのマナは、
あれだけの照射をしたにもかかわらず、
“微量しか減って居なかった”
大盾の大容量、
カートリッジ式の冷却用マナプール、
“ロングレンジライフル本体に
組み込んである、
小型量産用エーテルリアクタ”が、
この高威力の正体であった。
▽
アグストア(総指揮官)
「なんなのだ、
今の一撃はっ!?」
「わかりませんっ!?
ですが、
我が方の援軍が、
総崩れな現実は変わりません、
アグストア総指揮官!!
急ぎ、残存部隊の指揮をっ!!」
日没を待たずして、
ハルネキッヒ国軍は
ハイヴェームア丘陵砦を放棄、
撤退した。
ハルネキッヒ国軍、
シャウターレは、
総数、780機出撃中、
損失、532機を出し、
再編すら、ままならない状態に陥った。