真・恋姫†無双 -糜芳伝-   作:蛍石

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第二十一話投稿です。

試験的に、段落一字下げをやってみました。
読みづらかったら直します。


第二十一話 The Beginning -西涼会戦①-

「それではご武運を」

「うむ。 そなたらもしっかりとな」

 

 義兄さんが州牧様へお声かけをして、州牧様も私達へ言葉を返して頂いた。その後、州牧様は兵を率いて陣より出立していかれた。

 州牧様はこれから小城の包囲を開始する事になる。もちろん州牧様だけではなく、張司空、文台様、公覆様、漢瑜様も一緒に包囲を行う事になる。

 元龍さんや伯符さん達がこの場にいないのは、そちらの方々を私達同様に見送っているからでしょう。

 

「本当に上手くいくのでしょうか」

 

 州牧様達が見えなくなるまで見送った後、私は不安から思わず呟いてしまった。

 

「不安?」

 

 義兄さんが苦笑いしながら、私の言葉に答えを返してくださった。

 義兄さんの事を疑うつもりは微塵も無い。しかし、正直に言えば少し不安です。

 無言のままだった私の態度を義兄さんは肯定と受け止めたのだろう。私の返事を待たずに言葉を続けられた。

 

「まあ、華雄が偵察をまめに出してたら瓦解するような策だしねぇ」

 

 そう、まさにそこが問題となっている。義兄さんが立てた策は実際にやる事は単純なのだが、仕掛けが大掛かりで時間がかかる。そこを偵察に見つかればすぐに策を看破される事になってしまう。

 

「だからこそその間、伯符殿達に気を逸らしてもらうんだけどね。 江東の虎こと孫文台様からも伯符殿なら上手くやれるとお墨付きが出ているし、大丈夫じゃないかな」

「いえ、あれはむしろ馬鹿にしていたのでは……」

 

『雪蓮、当然できるわよね。 その程度もできないようで、私の娘のつもりなのかしら?』っていうのは、お墨付きとは違うと思うんです。あと、喧嘩は外でやって欲しいです。

 

「まあ、伝え聞く華雄の性格からして、近くに敵陣が有ったらそっちに十割の力を使ってでも打ち破ろうとするだろうしなぁ。他の事に気を回す事は無くなるだろうし、大丈夫じゃない?」

「あら? そのために苦労するのは誰なのかしら?」

 

 後ろから私達以外の声が響いて、少しビクッとする。

 恐る恐る振り返ると、そこには伯符さんと公瑾さんがいた。

 義兄さんは気にした様子もなく二人へ声をかけた。

 

「お疲れさま。 二人もそろそろ出撃?」

「ええ。 誰かが立てた作戦を達成するためにね。 なかなかに無茶を言うわよね、あなたも」

 

 その言葉に思わずむっとしてしまう。他の人から義兄さんの言葉を疑われると腹立たしい。

 私自身不安に思っているくせに勝手な物だ。少し自分自身に呆れる。

 

「そうは言っても、文台様に向けて簡単にやってみせるって豪語してたよね?」

「思いっきり挑発に乗せられただけなんだけどね! 全力で後悔中よ!」

「……そしてそうやって乗せられた結果で巻き込まれた私に何か言葉は無いのか、親友?」

 

 義兄さんの言葉に全力で噛みつく伯符さん。そしてその伯符さんをジト目で睨む公瑾さん。あ、伯符さんが明後日の方向を向きました。

 なかなかに複雑な人間関係が構築されつつありますね。まあ、私は義兄さんに被害が無ければそれで良いのですが。

 

「けど、君らの総大将が諸手を挙げて賛同したから、今回の策は実行する事に決まったんだよ?」

「諸手を挙げた理由が、策が素晴らしく誰にも否定できないとかだったら納得するのだがな」

「説得急がなきゃいけなかったからなあ。 そうしないと姜伯約殿が戻るの遅くなって、疑われる可能性が合ったし」

「だからって、あの説得の仕方はどうなのよ。 賛同したうちの鬼婆と祭にも問題があるんだろうけど」

 

 いえ、伯符さん。あなたも諸手を挙げていた側です。

 もっとも孫家のお二人が義兄さんにそう言うのも分からないでもない。義兄さんがあの時に言った言葉を思い出す。

 

『策を思い付きました。 早々に説明しますので、意見を聞かせてください』

 

 ここまでは良い。極めてまともな切り出し方と言えるだろう。問題は次の言葉。

 

『ちなみにこの策に賛同頂けますと、酒の入った瓶を空にする必要があります。 なので、私達の持ってきたお酒を浴びるほど飲む事ができます』

 

 どういう説得の仕方ですか、義兄さん。

 孫家の三人が目を輝かせ、熱意も(あらわ)に策に賛同したのは言うまでもない。

 結局その流れのまま、義兄さんの策を実行に移す事になった。

 あんまりな説得の仕方に怒りを露に義兄さんを睨み付ける元龍さんと、頭を抱える公瑾さんが印象的だった。

 

「もっとも、策自体の出来は悪くないと思ったから、二人も積極的に反対に回らなかったんでしょ?」

「……まあ、な」

「あら? 私は今回の作戦にも、あの会議の後のお酒の味にも文句をつけるつもりは無いわよ? ただ、良いように鬼婆にあしらわれた事と、この後めんどくさい対陣を強いられるのが嫌なだけだし。 勘も悪い事が起こるって告げてはいないしね」

 

 伯符殿は勘で行動を決める事が間々あるらしい。それが良く当たるらしく、指針とするには十分な精度らしい。

 私は半信半疑なのだが、義兄さんはどう考えているのだろう。

 

「疑うわけじゃないけど、勘が働かないからって油断はしないようにね。 嫡子が死んだりしたら、私も孫家の兵達に八つ裂きにされかねないし」

「分かってるわよ。 貰ったお酒の代金くらいは頑張らせてもらうわよ」

「うん、そのくらいで良いよ。 やる気出されて華雄を殺されても策を修正するの面倒くさいし」

「いや、どうなのだ? その意見は」

 

 冗談混じりに自分の保身を口にしながら、油断しないように釘を差す義兄さんと、それに冗談で返す伯符さん。

 華雄が殺されて困るというのは、猪突傾向にある武将の方が手玉に取りやすいからでしょう。

 まあその辺りの気持ちは分からないでもないが、頑張りすぎないようにと言われたら、今の公瑾さんのように苦笑いを浮かべるしかないと思う。

 

「それじゃ、私達も伯符殿達の渡河と陣地構築を支援するための準備を始めるよ。 準備ができたら声をかけるから」

「りょーかい。 あ、対陣中やる気が続くように酒瓶貰って行って良い?」

 

 この言葉には思わず私も苦笑いをしてしまった。

 公瑾さんが何か言いたそうに伯符さんを見ているんですが……。

 

「全部終わってから祝勝会とかで飲む方が良いんじゃない? 長期対陣したくない動機付けにもなるでしょ」

「うーん。 まあ、そうしようか。 さあ、さっさと華雄を斬って戻ってくるわよー!」

「いや、斬っちゃ駄目だから! あと、最低でも十日は陣地を維持してね!」

 

 意気揚々と歩き出した伯符さんの背中に義兄さんが大声で呼びかける。公瑾さんが溜め息を吐きながらいざという時は止めると言っていたので、大丈夫だとは思うのですが。

 

「なんか、色々と不安になったけど……私たちも準備を始めようか。 私が兵達を集めておくから、藍里は物資や道具の準備に漏れが無いかの確認をお願い」

「はい。 それでは義兄さん、また後で」

 

 そう言って私は義兄さんと別れて歩き始める。

 陣地内で物資が集めてある場所に向けて足を進めながら、私は今回の戦の盤面を思い返す。

 姜伯約さんからもたらされた情報により、華雄隊の陣地の場所は大体把握できている。華雄隊がまだ私達へと攻撃を仕掛けてきていない事を考えると、おそらく私達の陣地の場所は分かっていないのだろう。姜伯約さんも私達の野営地について、見つけている事を誤魔化しているのだろう。

 大雑把に現在の位置関係はこうなっている。

 

 戦闘推移図①:渡河前

西                                         東

        ■

 

 

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            ●

 

 

 

 

 

==:渭水(幅が狭い部分は浅瀬)

■:華雄隊野営

●:討伐軍野営

▲:小城(韓遂軍籠城中)

 

 渭水の向こうに陣地を構えているのは、牧草地が川向こうにある事と、攻城を始めたら渡河を行い私達の背後を突くためだろう。そのためには、私達に発見されづらいように対岸に陣地を構えている方が都合が良い。もっとも私達は、姜伯約さんのおかげで既に敵影を捕捉できているのだが。

 率いている兵数は、私達討伐軍が合計で二万五千。韓遂率いる反乱軍が二万となり兵数では私達の方が勝っている。しかし、反乱軍はそのうち半数以上が騎兵であり、私達の騎兵数を大きく上回る。そのため総合的な戦力はかなり拮抗している。下手をすれば、反乱軍の方が上回っているかもしれない。

 その対応として義兄さんの出した作戦では、小城を攻撃する部隊と華雄隊に後ろを突かれない様に備えの部隊に分けようとしている。完全な平地である場合、部隊を分けるのは愚策となりえるのだが、今回の場合渭水を挟んで対陣していて、攻撃をしようにも渡河をしなくてはいけないのがこのような策を可能としている。一度に渡河を行える人数が限られる事から、防御陣を浅瀬付近に敷いて敵が河を渡ろうとするところを攻撃し続ければ守備をする事は容易い。騎兵と同数程度の兵であっても防御する事は可能だ。

 これも姜伯約さんに渡河できる地点をあらかじめ聞いていなければできない戦術だ。彼が私達にもたらした情報は、非常に大きかった。

 もっとも、ただ華雄隊を近づけないようにして小城を囲んでいるだけでは長期戦となってしまう。私達の本拠地近辺で補給が容易に行えるような場所だったらともかく、なかなかそれを行う事が儘ならない涼州の地に居る以上、長丁場となる事は可能な限り避けるべきだ。これには、徐州勢、孫家ともに共通の認識を持っている事は確認済みだ。そのため、義兄さんはただ守備に徹するだけではなく、華雄隊を撃破する事で戦力の均衡を崩そうとしている。そのための作戦も既に私達は聞いている。

 まず第一にやらなくてはならないのが、渡河をしやすいように土塁を築いて河の流れを塞き止める事だ。幸い渡河地点では川幅が狭くなっているので、土塁を築く事はなんとか可能だ。……まあこの寒い中、河に入って作業をしなくてはならないのは辛い事なのだが。

 そうして水量が少なくなった渭水を短時間で渡り、渡り終えた後に土塁を義兄さんの部隊が崩して、万が一にでも他の渡河地点が出来ないようにする。

 そして、渡河をした部隊は川向こうの浅瀬の目の前に陣を築き、華雄隊が渡河をする事ができないように構える。この陣地防衛を伯符さん達にお願いするつもりなのだ。徐州兵達による土塁や陣地の作成は、義兄さんが散々兵達を使って徐州内の土木作業(道路敷設や砦の建設)をしたおかげで本職の職人達に匹敵するほどの熟練度を誇っている。渡河を終えてすぐに陣地の作成を始めれば、華雄隊に捕捉される前に防衛陣を作る事が可能だろう。宣高さんと元龍さんが率いる部隊についてもこの防衛陣に詰めて、華雄隊に攻撃を受けた際の柵の補修等を担当する事になっている。そのための物資は、義兄さんと私が詰める後方陣地から適宜搬出するつもりだ。もし陣地を守りきれなくなった場合には、陣地を放棄して渭水を渡り後方陣地で防衛を行う予定だ。

 小城の攻城担当だけでは籠城している敵の三倍には達しておらず、力押しで攻城するには少し厳しい物がある。攻め落とすつもりはまるで無いので、これで問題は無いそうなのだが……。

 上手く渡河ができた時の配置図を思い浮かべる。細部は違うかもしれないが、大体合っているはずだ。

 

 戦闘推移図②:渡河後防衛陣地を形成

西                                         東

        ■

 

 

            ●④⑤

             ②③

===========◆   =============================

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===========◆   =============================

 

 

             ●①

 

 

⑥⑦

▲⑧⑨

 

==:渭水(幅が狭い部分は浅瀬)

◆:土塁

■:華雄隊野営(騎兵 一〇〇〇〇)

●:討伐軍野営

▲:小城(韓遂隊 歩兵一〇〇〇〇で籠城中)

 

①糜芳隊(騎兵・歩兵 二五〇〇)

②陳登隊(歩兵 一五〇〇)

③臧覇隊(歩兵 二五〇〇)

④孫策隊(歩兵 二五〇〇)

⑤周瑜隊(弓兵 一五〇〇)

⑥陶謙隊(歩兵 五〇〇〇)

⑦陳珪隊(弓兵 十五〇〇)

⑧孫堅隊(歩兵 二五〇〇)

⑨黄蓋隊(弓兵 一五〇〇)

⑩張温隊(歩兵 五〇〇〇)

 

「本当に大丈夫なのでしょうか……」

「ん? まあ、あいつの考えた事だし大丈夫じゃねーか?」

「っ!」

 

 また不安から口にした言葉に、背後から答えが返ってきた。周りに誰も居ないと思っていたので、思い切り体がビクッとする。先ほどの伯符さんの時といい、今日は背後から突然声をかけられる事が多い日だ。

 後ろを振り向くと、そこには宣高さんと不機嫌そうな顔をしている元龍さんがいた。元龍さんはほぼいつも不機嫌そうな顔をしているため、いつもどおりの表情とも言える。

 

「よお、ちびっ子。 俺らの出撃の準備も整ったんだが、子方の奴はどこに居る?」

「私はそのような名前ではありません。 義兄さんでしたら、渡河を行う部隊の援護の準備をすると言って、兵達を集めているかと思いますよ」

 

 私の事を変な呼び方をする宣高さんへ呼び名の訂正を行い、質問にも答える。

 

「なんだよ、入れ違いかよ。 また向こうに戻るのは面倒くせーぞ」

「私も物資確認が終われば義兄さんのところに戻りますので、よろしければ伝言を承りますが」

「ん? おう、じゃあ伝言を頼むわ。 兵達の準備が完了したから、さっさと出撃させろ。 以上だ」

「出撃云々は要らないのでは……。 まあ、了解しました。 お伝え致します」

 

 私は了承の言葉を宣高さんへ返す。討伐軍の中の貴重な騎兵戦力の指揮官である宣高さんなのだが、今回は陣地防衛が主任務のため、馬は連れて行かずに義兄さんが預かる事になる。歩兵指揮であっても、十分すぎるほどの戦功を持つ方なので、特に指揮する兵科にこだわりは無いらしい。

 

「ああ、ついでに元龍(こいつ)の方も準備完了だ」

「ついでとは何ですか! 失礼極まりない!」

「初陣を迎えたばかりで何の戦功も持っていないひよっ子にはそれで十分だろうが。 だから、そこにいるのもちびっ子と呼んでいるだろうが」

「私の名前はちびっ子ではありません。 元龍さんも準備完了である事も合わせてお伝え致します」

 

 私は拝礼をしてその場を離れようとする。私も早く物資の準備を済ませてしまわなくてはならない。

 

「ところで、さっきみたいな呟きをしているって事は、あいつの事信用していねーのか?」

「そんな事は有り得ません」

 

 その宣高さんからの言葉に、思わず内心の不安を押し殺して強く否定してしまう。

 いけない。こんな事では何か義兄さんの作戦に思うところが有るようではないか。

 続けて言い訳を口にしようとする私を気にした様子も無く、宣高さんは言葉を続けた。

 

「まあ、別にどっちでも良いんだがよ。 元龍にも言える事だが、仮にあいつの作戦について疑っているようなら、はっきり言って無駄だから止めたほうが良いぞ」

「……なんですか、それは。 それではまるで糜子方殿が間違いが無いようではありませんか」

 

 元龍さんが思い切り不機嫌そうに宣高さんの言葉に噛み付きに行った。どうやら元龍さんも義兄さんの立てた作戦に不安を感じているようだ。いや、どちらかといえば不満だろう。元龍さんは義兄さんや義兄さんのお姉さんである子仲さんの事を好敵手として見ているらしい。確かに二人とも、私達と同年代であり、既に功績を打ち立てて立身出世を重ねている。同じように徐州の名家として生まれた者としては、負けたくないと思ってしまうのだろう。子仲さんはそうやって敵視してくる元龍さんを嫌っているようだが、義兄さんは気にしていないようだ。むしろ、そうやって競う相手を見つけるのは、成長が早くなって望ましいとも言っていた。

 

 それは良いとして、今は宣高さんからの話を聞くとしよう。

 

「成功失敗以前に、あいつの策は分かりづらいんだよ。前例の無い事ばかりをやろうとするから、その辺りの判断が難しい。ただ、少なくとも、俺が副官をやっていた二年間の出撃のうち、あいつが立てた作戦はどんなに突拍子の無い物であっても失敗した事はねーよ。 どんなに理解できないような変わった事をやらされようとも、必ず自軍の被害は最小限に抑えられてた。 俺も副官を辞めて自分の部隊を持つようになって、どれだけあいつが非凡な事をやってのけていたのかを理解した。 あいつがやろうとしている事はあいつ以外には理解できないんだから、考えるだけ無駄なんだよ」

「それでも失敗しない人間など……」

「そんなにあいつの立てた作戦が不満なら、代替案をお前が出すべきだろうが。 嫌だ嫌だって駄々こねるだけだったら、餓鬼にも出来るぞ。 特にあいつの作戦に代わる物を思いついていないんだったら、大人しく従っておけ」

 

 そこまで言うと、宣高さんは口を閉じた。元龍さんはまだ不満そうではあるが、返す言葉が思いつかないのか、不機嫌そうにそっぽを向き始めた。

 私も今の宣高さんの話した内容に返す言葉を思いつかなかった。

 私達が黙ったためか、宣高さんは肩を一つ竦めて元龍さんを伴って去っていった。

 

「代替案が無いなら作戦に従うべき。 従うと決めたのなら、成功するように全力を尽くすべきですか」

 

 義兄さんだったら、おそらく自分の立てた作戦が疑われたとしても気を悪くされる事は無いだろう。むしろ、反対意見であっても納得できる部分があるのであれば、自分の策を組み替える柔軟さを持っている。自分の持つ物とは違う視点から作戦を評されるのを義兄さんは好むので、むしろそういう反対意見が上がる事を義兄さんは喜ぶだろう。

 しかし、私の場合はただ自分の考えが及ばない作戦を不安に感じるだけで、対案をまったく出せていない。これでは、ただいたずらに兵達に不安を伝染させるだけで、悪影響しか与えない。

 

「こんな事では駄目ですね」

 

 義兄さんの副官をする以上、誰よりも義兄さんの行う事を理解して、義兄さんを支えられるようにならなくては。

 私は決意も新たに、義兄さんの立てた作戦を成功させるために物資の準備を始めるのだった。




最後までお読み頂きありがとうございます。

まずは作戦開始といったところで、前線陣地の作成からです。
以前も書きましたが、徐州兵達はローマ軍団兵と同じように土木工事ができるようになっています。野戦陣地構築も当然お手の物です。当時の中華の土木作業って一部の職人以外は犯罪者の労役とかが基本ですので、武に誇り持つ面々には苦々しく思われているんだろうなぁ、と思いながら書いています。

ご意見・ご感想等ございましたら、ご記載をお願い致します。

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