次はなるべく早く出して行きたいと思います。
それでは、どうぞ!
ゴールデンウィークあけの登校日、須郷海斗は教室の中で一人考え込んでいた。
考えている内容は、昨日恵那が別れ際に行った内容にあった。
昨日つまりゴールデンウィーク最終日、なぜかゴールデンウィーク最終日という理由だけで和泉と恵那が海斗の家に突然遊びに来たのである。
あたりが暗くなるまで海斗は二人の相手をしていたのだが、二人が帰るときになって急に恵那が近寄ってきて耳元で
『明日から、毎日よろしくね♪』
と囁いたのである。
その行為に海斗はとっさに反応できずただただ二人が帰って行くのを見てるだけでその言葉を深く考えられずにいたのである。
そして今に至るのだが、いまだに海斗の頭は機能を取り戻しておらずまともに働いてくれないのである。そして、朝から何となくいやな予感がしてしょうがないのである。いくら考えても言葉の意味が分からず一人うなっていると、先程までどこかに行っていた友達の健斗が帰って来た。
「よー、海斗。おはよーさん」
「おー、健斗か。おはよう。んで、どこに行ってたんだ?」
「矢っさんに呼ばれてちょっと職員室にな」
ちなみに、矢っさんとは海斗たちクラスの担任であるり、現代国語の講師である矢口創太の事である。気さくで生徒との距離も近いことから生徒からは矢っさんと言われていた。
「それよりも、聞いたか?うちのクラスに転校生がやってくるらしいぞ!!」
「お、それほんとか?健斗」
と、いつの間にか近づいてきていたもう一人の友達の拓人が健斗に聞いていた。
「本当に決まってるだろ!なんてったって矢っさん本人から聞いたんだからな!!」
「お!それじゃあ間違いないな!それで、男子か?女子か?」
「ああ、どうやら女子らしい。それに超が付くほどの美少女で大和撫子らしいぞ!」
「それは楽しみだな!海斗はどう思うよ?」
「ん?ああ、多少は楽しみだな」
(ん?んん?ちょっと待て、超が付くほどの美少女で今どき絶滅危惧種の大和撫子いたいだと……………まさかな、そんなことないよな………)
「おーい、お前ら席に就けよ~」
と、担任である矢口が教室に入ってきたことでこの集まりは解散となった
「よーし全員席についたな。それじゃあHRを始めるぞ。まず最初に、お前らに嬉しい知らせだ。このクラスに転校生がやってくる、皆仲良くやってくれ。それじゃあ入ってきてくれ」
矢口の合図とともに入ってきたのはやはりというか、なんとなく気づいていたというか海斗の予想通り清秋院恵那であった。
「それじゃ、さっそく自己紹介よろしくな」
「はい、皆さんこんにちは。初めまして、清秋院恵那と言います。よろしくお願いします」
と恵那が自己紹介を終え最後にニカッと笑った瞬間、教室のあちこちから変な奇声が上がったりしたが次の恵那の言葉によって皆固まって知った。
「ちなみにね恵那は海斗の恋人だからよろしくね!!」
「はあああああああああ~~~~~~~~!?!?!?」
(はあああ!?急にやってきたと思ったらなんつー事を言ってやがるんだ!?朝からいやな気しかしなかったけどまさか当たるとはな...)
頭が急に痛くなってきた気がする海斗なのであった。
案の定、ホームルームが終わった後海斗は質問攻めにされたのだが同じく質問攻めにされていた恵那を連れ出し(ほぼ無理やりであるが)人気がいないであろう屋上に向かった。
「おい、恵那!なんでお前が俺の高校にいるんだよ!!それにさ、さっきの発言はどういうことだ!!」
「あれ?昨日言わなかったっけか?今日から一緒の高校に通うことになったって」
「(………ああ、昨日帰りがけに言ったことそういうことだったのね)…………ハァ~恵那さん、恵那さんそうならそうとはっきり言ってくださいな」
「えぇ~だってその方が面白いと思ったんだもん!」
「面白いと思ったんだもん!じゃねぇよ!!……………それで?ホームルームでのあの発言は?」
「あ、そうそう。それはね、今日学校に行く前にね甘粕さんが自己紹介の時に言えば『普段海斗君と一緒に居てもなんも怪しまれませんよ』って教えてくれたんだ♪」
(あの人なんてことを教えやがったんだ~~~!!今度会ったら一言二言文句言ってやる!!)
それから数時間たち二人は帰路についていた。
あの後、一緒に教室に戻った二人はまた各時間の休み時間にも質問攻めにさたのであった。やれ、どこでであったのだの。やれ、告白はどっちからだの。やれ、どこまで進んだだの。最初の内はある程度答えていた海斗と恵那であるが段々とめんどくさくなっていき最終的には無理やり抜け出してきたのである。
二人並んで帰ってる途中海斗の電話に着信が掛かってきた。
「はい、須郷ですが」
「はい、わかりました。では、また沙耶宮さん」
なんどか海斗が相槌を打ち少ししたところで電話は切れた
「海斗、何だったの?」
「今週の土曜日に草薙さんを含めて作戦会議をするから俺も来いだってさ」