気が付けばそこは地平線の先まで灰色で距離感が掴めなくなりそう空間に俺はいた。
「あれ?ここは前に来たことがあるような気がする」
「あら?意外と早くまた会えたわね、我が息子、海斗。こんなに早く会いに来るなんてお母さんにそんなに会いたかった?」
「あんたはパンドラか。ということはまた来てしまったのか....ここに」
「そうよ。あなたは今回火之迦具土神を倒したのよ。こんな短期間にまつろわぬ神を二柱も倒すなんて偉いわ、海斗」
「ああ、よかったやっぱり倒せてたんだな。最後の方記憶あいまいだし不安だったんだよな」
「安心しなさい。囚われてた恵那ちゃんって娘も無事よ。で、実はそんな時間なくてもうあなたは現実に帰らないといけないの」
「そーなんだ。じゃあ、さよならだね、お母さん」
「あら。ウフフフ、お母さんって呼んでくれるなんてお母さん嬉しいわ。海斗、強くなりなさい!誰にも負けないように」
気が付けばあたりは真っ白く光っていてだんだんとその光は強くなっていき最後には目も明けれなくなり気が付けば海斗は意識を失っていた。
「...んあ?」
目を覚ますとそこは
「見知らぬ天井だ....」
そう、海斗が目を覚まし見た天井はみたことが無いものだった。見知った自室の天井でもなく、昨日泊まった旅館の部屋の天井でもなく、もちろん最後に意識を失った神社から見える空でもなかった。見た感じ天井の色は白くどこからともなく消毒液の匂いがした。
(ん?消毒液の匂い?....なんとなく俺が今どこにいるのかわかってきたぞ)
と、そこまで考えたところで訪問者が訪れたことを知らせる合図が聞こえた。
コン!コン!
病院の中だというのにお構いなしに大きくノックして来るほど元気いっぱいな知り合いなど海斗には一人しかおらず、彼の予想は当たっていった。
「ヤッッホーーーー!!!海斗、目を覚ましたんだって!?助けてもらってすぐに目の前で倒れちゃうもんでものすごく心配したんだからね!!」
「しっ!ここは病院なんだから静かにしないとダメなんだからね!」
「ああ、恵那ごめんな。心配かけて。体調はとおりもう大丈夫だから心配すんな!」
「よかった~本当に心配したんだからね?でね..えっと...あのね...助けてくれてありがとう///....そのカッコよかったよ////」
「お、おう..//」
(あれ?わたし空気じゃね?さっきのセリフも無視されているし....)
大きくノックして入ってきたのはやはりというか恵那であった。そして、そんな恵那を叱りながら入ってきたのは和泉であった。
「あ、和泉もお見舞いに来てくれたんだ!ありがとうな!!」
「どーいたしまして!ま、幼馴染なんだし当然でしょ?」
「ああ。それでもお礼は言っときたくてな。で、ここはどこなんだ?さっきの話から病院なのはわかるけど」
「ここはね、あんた達が泊ってた旅館の近くにある市立病院よ。ま、ただの病院じゃなくてね。ここは昔から正史編纂委員会の息が掛かってる病院なの。あんたが倒れたって知って急いで甘粕が用意してくれたの」
「へぇ~って正史編纂委員会?って何?それに甘粕さん?ってだれ?」
(まあ、本当は知ってるけどここは知らないふりしとくか)
「え?ああ。そういえば海斗はまだ知らないんだっけね。ええと、なにから説明しよう...そうね短く言うと、正史編纂委員会ってのは日本の呪術師や霊能力者の内特に都市部に住む呪術師たちを統括してる組織のことよ。そして、甘粕さんはその正史編纂委員会のエージェントなんだよ」
「そーなのか。お礼も言いたいし一度会いたいな」
「あんたならそう言うと思ったわ...ちょっと待ってて電話して聞いてみるね」
プルルルル、プルル『はい、甘粕です。ど~しました、和泉さん?』
『いえ、先ほどうちの魔王サマが目を覚ましまして。それで病院を用意してくれた甘粕さんにお礼がしたいと言っていまして』
『あらら、魔王サマにお礼がされたいなんて私どうなっちゃうんでしょうね。分かりました。ちょうど馨さんも新しい魔王サマにお会いしたいとも言っておりましたのでまた後日こちらから連絡させてもらいます』
『分かったわ。よろしくね、甘粕さん』
4、5回会話が行われたところで会話は終了した。気になった海斗は電話が終了したのをみはらかって和泉に声を掛けた。
「和泉、甘粕さんはなんて?」
「甘粕さんもあなたに会いたいって。それでその時にもう一人海斗に会いたいって人がいるんだけどいい?」
「ああ、俺は構わないよ」
「分かったわ。日にちはまた後日連絡するって。あ、それと病院の先生が目が覚めたら帰っていいって」
「ああ、わかった。それじゃあ、そろそろ皆で帰るか!」
「はーい!」
「あ、私はまだこっちに用事があるし。昨日の闘いの後始末もあるからまだ帰れないわ」
「わかった。それじゃあここで一回和泉とはお別れだな」
「うん!またね!!恵那も元気で!」
「またね~!!」
和泉が病院を後にし、さらにそこから1時間後海斗と恵那も病院を後にしそして
京都駅から新幹線に乗り東京を目指した。
行きの電車とは違い恵那は疲れていなかったようで終始うるさかったが不思議と周りから注意されることは無かったが終始周りから(特に男性からの)のリア充爆発しろ!みたいな視線が俺に降り注いでいた。
(...ほんとつらい....)
薄暗く、そこには蝋燭の一本しかなっかた。一ノ宮和泉はそこに膝まづいていた。
「和泉よ、新しく増えた羅刹王、須郷海斗はどんな感じじゃ」
蝋燭の光が届く範囲よりさらに奥完全な闇しかないところから低くひび割れるような声が聞こえてき。
それに、和泉は一瞬震えるがすぐにその震えを抑え、なるべく声が恐怖により震えないように頑張りながらその問いに答えた。
「はい、須郷海斗は魔王としては常識が通る御方かと。これならば扱いやすいかと」
「そうか.....これでやっと一ノ宮家の宿願が達成できるかもしれん。和泉よ、時が来るまでそのまま須郷海斗を見張っておれ」
「はッ!初代様!!」
はい。今回何時もよりは長く書けたと思います。それでも他の人よりは全然少ないんですけどね。
次回もなるべく早く更新して行きたいと思います!!