三人称視点です。
ではどうぞ。
『こんにちは幽々子。遊びに来たわよ』
「あら紫。いらっしゃい。ほら〜妖夢〜、お茶持ってきて頂戴〜」
「あ、はい。紫様もどうかゆっくりしてください」
冥界にあると言われている白玉楼。そこに幻想の境界──八雲紫がスキマから現れた。そして最初に受け答えをした人物──いや、亡霊なのだが──幽冥桜閣の亡霊少女──西行寺幽々子。二人は親友通しでもある。そして頼み事をされたのは人間と幽霊のハーフである半分幻の庭師──魂魄妖夢だ。
幽々子に頼まれて妖夢は台所へ移動したところで、何故か紫と幽々子は話を始め、幽々子は紫に話を振る。
「さっきまではお昼ぐらいなのに暗かったけど……異変はもう解決したのね。あなたの言う通り妖夢には異変の調査をさせなかったけど……紫が連れてきた子が異変を起こして、違う子が異変を解決させたのよね?」
「えぇ、そうよ。大方の目的は達成できたわ。魔理沙はともかく、霊夢はこれで修行に打ち込んだり、他人に興味を持つようになれば良いのだけど……」
「それにしても……霊夢に勝てる人間や妖怪、神様は中々いないわよ? できればだけど私は霊夢がこてんぱんに負けるのを見たかったかも」
「魔理沙はこてんぱんにやられたけどね。霊夢はタイミング良く弾幕ごっこを引き継がせたし……そうそう。幽々子は私が連れてきた子を見たいって言っていたわよね? 異変の後にもう少し落ち着いたら、どちらかその子を白玉楼に送るつもりだから」
「あら♪ それは楽しみね♪」
幽々子がご機嫌そうな表情をして受け答えをした後、お盆にお茶が入った湯飲みを妖夢が持ってきて、卓袱台に置き差し出す。
「紫様、幽々子様、どうぞ」
「ん。ありがとう」
「む〜……妖夢〜……お茶菓子がないわよ〜!」
紫はお茶を受け取ったが、茶菓子がないことに不満を言う幽々子。その事に戸惑いながら言葉を返す妖夢。
「あの、幽々子様……? 先ほど昼食を食べたばかりですよ? あれほど食べられたのに、まだ食べるのですか?」
「食〜べ〜る〜の〜っ! 何か持ってきてちょうだい〜!」
「はぁ……わかりました」
妖夢は少し呆れたように台所に戻り、お茶菓子を探すことにした。
……補足としてだが、体は細いのにも関わらず幽々子は大食漢なのである。どこにそんな胃袋があるのか、太らないのか不思議だが……。
再び妖夢がいなくなったところで紫は話を始める。
「それで幽々子……どっちの子を連れてきて欲しいかしら?」
「そうね〜……じゃあ──」
──指名された人物がしばらくの間、白玉楼で過ごすことになるのはまだ知らない。
え〜……今回、文字数が少なくて申し訳ありません。このフラグ回は特に話すことがなくてこんな文字数になってしまいました。ですが、前書きで書いた通り今週は週4投稿しますのでどうか。
次章は後日談の共通ルートですが……前に宣言した通り、特別番外編を投稿します。本編にあまり関係はないのに文字数が15,000字越えしました。何故こうなった? さすがに多すぎるので前編、後編と分けて投稿します。その後、表と裏の現時点でのスペルカードの詳細を投稿予定。
ではまた。