幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 とりあえず今日中に一万字超えるかな……?
 本文にちらっと主人公設定の一部が出てきます。
 では本編どうぞ。


二話 『博麗霊夢、自分の能力?』

 神社の居間にあがり、一先ずお互いに自己紹介をすることに。

 

「……で? まずあんたの名前から聞きましょうか? 私は博麗霊夢。この博麗神社で巫女をしてるわ」

 

「自分は辰上侠。この世界に来る前は高校生をやっていた」

 

「こうこうせい? 何それ?」

 

「知らないみたいだね……。簡単に言えば勉学を学ぶ人達の総称だな」

 

「寺子屋で慧音から教えてもらうみたいなこと?」

 

「古っ!? 寺子屋古っ!?」

 

 お茶をすすりながらしている最中の情報に驚いてしまったけど

 

 ……この世界の時代背景は江戸時代なのか?

 

「外の世界の文化はよく分からないものね……。本題に入るけど紫にスキマに落とされたの?」

 

「いや、八雲さんから誘われて自分からこの幻想郷に来た」

 

「……別にこの幻想郷に来て良い物なんてないわよ? ……まぁ、私にとってはしばらくぶりの高額な賽銭が入ったのは良いことだけど……」

 

 そりゃあ一万なんて普通賽銭には入れないだろうね……。

 

 一先ずは切っ掛けとなったことを含めて事情を話してみる。

 

「この世界に来たのは紫さんに誘われて、繰り返す時間から逃げるために幻想郷に来たんだ」

 

「……は? 繰り返す時間?」

 

 博麗に『こいつの頭大丈夫か?』というみたいな表情をされた。ま、仕方ないことかな。

 

「……信じられないのかもしれないけど、実は──」

 

 

 

 

 

   少年説明中……

 

 

 

 

 

「──幻想郷は異変とか結構起きてるしね……そっちの世界にはそっちの世界の異変があるわけね……」

 

 あっさり信じてもらえた。何でだろう。

 

「自分で言うのも何だけど……信じてもらえたの?」

 

「信じるもなにも、異世界のことについては私には分からないし、否定できる材料がないじゃない」

 

「確かに自分の世界について信じてもらうのは難題か……」

 

「まぁ、とりあえず侠は一万も賽銭してくれたしね。巫女の感であんたは『良い人』なのは間違いないわ」

 

「……ずっと気になっていたんだけど、巫女や神主って賽銭に金額とか関係ないんじゃない?」

 

 初対面に対し名前で呼んできたのはびびったけど、博麗がやけに金額にこだわっていたので聞くことにした。しかし、彼女は──

 

「関係ありまくりよ!」

 

 バンッ……と音を立ててちゃぶ台を叩いて力説した。

 

「ゑ? 何で?」

 

「そもそもこの神社に賽銭してくれる人がものすごく少ないのよ! 毎日賽銭箱を覗いては一円も五円も入っていないし! おまけに仕事の依頼も全然来ないし! ここの地域の幻想郷の住民は信仰心がなさ過ぎるのよ! 誰のおかげで幻想郷が平和だと思っているのっ!?」

 

「えと……もしかして賽銭額を生活費に充てているの?」

 

「? 当たり前じゃない」

 

 当然の顔で返す博麗。

 

 えぇー……巫女の清楚なイメージが崩れたんだけど……。

 

 軽くショックを受けいてたとき、博麗からあることを問われる。

 

「それよりはあんた……これからどうするの?」

 

「これからって………………………………あっ!」

 

 これからと言われて気づいた。

 

 ……どうやって生活していけば良い? さっきの賽銭分で手持ちのお金は五円しかない……!

 

 そういえば全く考えていなかった……どうする!? やっぱりやることは……道具を借りなければ……。

 

「博麗……のこぎりか何か木を切る道具はある?」

 

「…………もしかして……野宿で生活をしようとしてる?」

 

「ん。とりあえずはテントの骨組みを作って、その後は布を調達して防水加工して簡易テントを作って、その後は小さな簡単なログハウスを──」

 

「………………しばらくの間は泊めてあげても良いけど?」

 

「──はい? 今何と?」

 

「だから、しばらくは泊めてあげても良いって言ったのよ。幸い部屋と布団はあるし、最低限の生活は保障するわよ。ただ、居候としてだから家事はばんばんしてもらうけど」

 

 ……巫女という女神がそこにいた気がした。

 

 でも……自分よりも年下に見える女子にそういう事を言われると何か遠慮してしまう気持ちがある。なので確認も含めて彼女に問いかける。

 

「家事ぐらいなら自分もよくやっていたから別にいいんだけど……本当に良いの? 今日会ったばっかりの人を住まわせるなんて?」

 

「私も面倒くさいけど、一万も賽銭してくれた人を路頭に迷わせたくはないわよ……。それで追い出すとか私がかなり外道じゃない……」

 

 ……八雲さんの言う通りにしてよかったと心から思う。

 

「じゃあお言葉に甘えるけど……ありがとう、博麗」

 

「……私のことは別に霊夢って呼んでも良いわよ? 何か堅苦しい」

 

「……いや、自分たちの世界では名前をいきなり呼ぶと嫌な感じをされるんだ。自分はそもそも慣れしんだ人以外の人は名字で呼んでいたからさ。ぎこちないかもしれないけどそれは許して欲しい。慣れてきたら名前で呼ぶ」

 

「別に私は嫌な感じはしないけど……外の世界の習わしっていうの? それなら仕方ないわね。ここでの暮らしが慣れてきたらそう呼びなさい」

 

 ……そんな習わしは存在しないのだが、単に自分が恥ずかしいから呼ぶのを避けたのである。

 

 ……あ、一応博麗に聞きたいことがあるんだった。

 

「そういや八雲さんから聞いたんだけどさ、自分が幻想郷に着いたら能力やらスペルなんたらとか言われたんだけど……」

 

「スペルカードね。確かにここで生活する以上、妖怪に襲われる危険性もあるわね……それと侠の能力ねぇ……少しじっとしてて。侠の能力を調べてあげる」

 

「え? マジ?」

 

「マジ。少し静かにしてなさい。集中するから」

 

 博麗は目を閉じて集中し始める。巫女にはそんな力があるのだろうか?

 

 そして数十秒後、博麗は目を開けて話しかけてきた。

 

「……何て言うのかしら……意味不明な能力だけど、【体を獣化させる程度の能力】の類だと思うわ」

 

「……変身能力? どうせなら手から衝撃波が出るとかそういう能力ではないのか……?」

 

「……いろいろと説明する必要があるから一度外に出るわよ」

 

 

 

 

 

 少年少女移動中……

 

 

 

 

 

 来たのは博麗神社の前にある広い敷地。そこで博麗は説明を始める。

 

「まずは弾幕ごっこについて説明するわ」

 

「だんまくごっこ? 何かの遊び?」

 

「まぁ、遊びでもあり、物事を決める決闘方法でもあるわ。ルールは簡単。弾幕やスペルカード、個人が持っている能力を駆使して相手に降参させる、事前にスペルカードの使用枚数を決めて、それらを攻略されたら体力にかかわらず負けを認める。殺したり、戦意を失っている相手への追い打ちは御法度」

 

 さらっと命に関わることが出てきたぞ……。

 

 頭の片隅にそのルールを覚えながら、先ほどの博麗の考察について尋ねる。

 

「それでさ、さっきの自分の能力についてだけどさ、それってどうやるの?」

 

「……【体を獣化させる程度の能力】だから、何かの動物をイメージすれば良いんじゃない? 体全体はともかく、手で試してみたら?」

 

 手を獣化させるのか……一番身近だと思うのが自分の名字なんだけど……。

 

 自分の思った通りの生物をイメージして、左手に集中。

 

 

 

 

 

 そうすると手が赤く光り出した……!?

 

 

 

 

 

「光ったぁっ!?」

 

「!? ……一応そのまま続けて!」

 

 博麗の言う通りにイメージを続け、光終わった頃には……手首から手の甲は赤い鱗に包まれており、手のひらも分厚く、爪が長くなった。

 

 ……予想通りだった。博麗は手を見て自分に聞く。

 

「……何をイメージしたのよ?」

 

「自分の名字に【辰】ってあったから龍のイメージでやったらこうなった」

 

「伝説上の生き物の獣化が出来るの……!?」

 

 辰上家では何故か龍を敬うことをしている。養父曰く、「龍と深い関係の子孫」と言われている……自分は養子なのに。それでも何で出来たんだろうか?

 

 ……その前にこの手、戻せるのかな? 元の手をイメージしたら出来るだろうか……?

 

 手に普通の人間の手をイメージ……そうすると何事もなかったように戻った。

 

「おお、戻った……」

 

「……こんな能力を持っている奴なんか初めて見たわよ。戦い用の能力じゃない……(紫はこのことを見通してたのかしら……)」

 

 博麗は何か考え込んでいる。きっと博麗が見てきた中でこの能力は初めてだったのかもしれない。

 

 しばらくして博麗はため息をついた。

 

「……気にしてもしょうがないわね。能力の用途も分かったことだし、次は弾幕について説明するわね……まぁ、これは見せた方が早いか」

 

 そう言って博麗は自らの手を前に出して……何やら白い、ぼやけている球体を出した……何かかっこいい。

 

「何か作り出したようだけど……何それ?」

 

「弾幕よ。いわゆる気の集合体」

 

「かめ○め破みたいなものか? すごいね……」

 

「そのかめは○破ってのはよく分からないけど、体中の力を集める感じでやれば出来るわ。やってみなさい」

 

 博麗の言われた通り左手に力を集めるイメージでやる。そうすると赤いぼやけているものが集まりだし……博麗とは色違い直径十五センチくらいの弾幕が出来た。

 

「赤い弾幕が出来た……中々かっこいい」

 

「(……この弾幕……? この感じは……)」

 

「弾幕は出来たみたいだし、スペルカードについて教えてくれない?」

 

「……え、えぇ。そうね。スペルカードは──」

 

 

 

 

 

『霊夢ーっ』

 

 

 

 

 

 博麗が説明している途中で、上から女子の声がする。上を見てみると……箒にまたがった女子が空から降りてきた……ゑ?

 

 

 




 次回は皆さんが知っている白黒魔法使いフラグの回。表主人公より男らしい喋り方。

 能力云々は突っ込みどころが多いと思いますが、そこはご都合主義でお願いします。

 リアル兄から東方の新作をもらった。嬉しいには嬉しいんだけど……本家より黄昏さんとの共同作品の方が得意自分。所詮自分はEasyシューターさ……。

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