表主人公視点。
では本編どうぞ。
──何かの夢を見ているような気がする。暗闇の中、響く二人の声。
『どう……里が……遭わ……のよ!? あたし……悪く……!?』
『……家……仕掛……出来……たら……子に……すとは……!』
『何が……習わ……!? 辰……係な……婚……いで! そん……けたことで……里は…………里は!』
『もっと……早く……やれば! ……里……不甲斐……許し……!』
……悲しんでいる。何でだろうか? 何に対して怒りを? 哀しみを?
そして……視界が徐々に鮮明になってきたけど……二人の男女っていうのは分かるけど、声が途切れ途切れ、顔だけぼやけていてわからない。
だけど──自分の様子が見てか、急に態度が変わり始める。
『!? ……白! ……里が……開け……!?』
『本……のか…紅……!? ──さっき……音は止ま……たはず……奇跡……のか!?』
……少しわかったのだけど、自分の体がやけに小さい気がする。これは物心のついていない時の記憶?
『あぁ……良か……! ……験に……巻き……戻って……りがとう!』
『……ことだが……このまま……里が……しれない。このこと……が成功……して悲惨……ことになる……れない……!』
『そんな……!? よう……族が……!? そんな……わよ!』
『…………考え……る。だ……家がどうにか……り会え……能性はあるが……里……目で見ら……方法が。しかし……その……里にとって……なるかもしれない』
何やら男性が断腸の思いが伝わってくる会話をしている。当然女性もその意見について話す。
『……そ……一体……よ?』
『協力……なのはもち……史だ。そし……里を支え……友と……歳の子がいる淳……。考えは──』
……何故か……聞いている途中で……意識が遠くなっていく──
「…………やっぱり夢、か…………」
体を起こして現状を確認する。何故か布団の中で眠っている……どうして眠っているんだろう? 宴会はどうなったんだろう?
夢のことも気になるけど、神社の中を歩き回ることに。少し歩いたところで……縁側に座っている霊夢を見つける。
「博麗……」
自分が声をかけると気がついたようでこちらに話しかけてきた。
「侠……目が覚めたのね。それと名前」
「あ、うん……霊夢」
「はぁ……訳がわからないようなら教えてあげる。侠、あんたは手違いでお酒を宴会で飲んでしまったの。それで二日間眠り続けていたの。まさかこんな夜の時間帯に起きるとは思わなかったけど」
「……そっか。お酒を飲んで眠っていたんだ……」
「…………それと宴会の時、私のむ――やっぱり何でもないっ」
「……?」
どうしてか一瞬顔を反らされたけど……気にしなくていいかな?
それと……外を見ると夜だ。そして心なしか少し明るい気がする。霊夢の傍にはお酒が少々あるので月見酒でもしていたのかもしれない。
自分の視線に気づいた霊夢は話題を変えて話しかけてくる。
「あぁ。今夜は満月みたいなのよ。それでのんびりお酒を飲んでいるの」
「ふーん……満月、ねぇ……? ここに来て初めて満月を見るような……」
縁側から満月を覗く。それはとても妖しく見えて……。
──ドクンッ!──
「──がぁっ!?」
「っ!? 侠!? 一体どうしたの!?」
急に満月を見た瞬間、心臓に痛みが走り、膝をついて胸を押さえる……何なんだこの痛みは!?
霊夢は近寄って容態を確かめてくるけど……それでもなお痛みがおさまらない──
『「まさか満月で一時的に我の力が少し戻るとは……根本的な力は無いが、良いだろう!
──あの時の声が頭に響いてくる。そして──
『──何千年ぶりであろうな! 我が幻想郷に降臨するのはっ!』
──急に体から何か現れて、目の前に現れたのは──瓜二つの自分だった……。
そろそろ物語の進行上、ここで大まかなフラグを回収しなければならないんです。急展開過ぎるかもしれませんが、ご了承ください。そして穴埋めが多くなったことは本当にすみませんでした……。
おそらく、とあることにこの話で察するユーザー様もいるかもしれませんが……その事は内密か、メッセージにてお願いします。
─P,S─
原作は東方ですが、別作品を投稿してみました。こちらは不定期更新ですが……時間に余裕のある方はどうぞ。
ではまた。