ストライクウィッチーズ 一匹の狼   作:長靴伯爵

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RtB始まりましたね!!
毎度神回ばかりで本当に困る!!

そんな訳で第八十六話です
感想、アドバイスなどどうぞよろしくお願いします


第八十六話

 

 

 

 

 その日は、穏やかな日だった。

 

 

 天気は快晴。

 

 飛行への支障は殆ど無く、訓練に割り当てられた者達は空へと舞い上がり、緊急発進(スクランブル)に就いている者は、いつでも出撃できるよう待機している。

 そんな待機組の1人であるペリーヌは、照りつける日光を日傘で遮りながら格納庫前の滑走路に立っていた。そして、目の前の光景を見て呆れたように眉を顰めた。

 

「相変わらず緊張感のない方々ですこと・・・。そんな格好で。あなた達は待機任務を何だと思っているのかしら?」

 

 彼女の視線の先には、滑走路には場違いなプールサイドベッドに寝転ぶシャーリーとルッキーニが。彼女達も滑走路には似つかわしくない水着だった。

 

 

「別にいいだろう?中佐から許可を貰ってるし。それに見られて減るものでもない!」

 

「ペリーヌは減ったら困るから脱いだらダメだよ~」

 

 ペリーヌの苦言にシャーリーとルッキーニが茶化すように返事を返す。2人の言動でペリーヌの額に青筋が立つのは当然のことだろう。

 

「大きなお世話です!!坂本少佐が戻られたら・・・。いえ、まずは今日の編隊長の神崎大尉に進言させてもらいますからね!」

 

「うわ。告げ口だよ~。でも、神崎大尉は大丈夫。もう聞いてるから!」

 

「・・・神崎大尉はなんと?」

 

「『出撃できるなら問題ない。ただし、その格好が理由で遅れでもしたら、お前の補給申請は二度と融通しない』って言ってた。まぁ、なんとかなるだろ!!」

 

「よくそれでやろうと思いましたわね・・・」

 

 シャーリーの楽観的な態度にペリーヌが溜息を吐いた時・・・。

 

 

 

 

ウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・!!!

 

 

 

 

 

 突如、基地の空気を切り裂くようにサイレンが鳴り響いた。

 

「敵!?観測班の話じゃ、20時間は来ないって・・・」

 

「早すぎますわ!」

 

 驚きの声を上げつつも、すぐさま格納庫に走り出す3人は流石だろう。

 格納庫から4機編隊が出撃したのは、その5分後。はるばる扶桑からやってきた遣欧艦隊の救援要請に応えるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 扶桑皇国遣欧艦隊。

 ネウロイの脅威にされされる欧州各国の要請に応え、扶桑皇国海軍空母赤城を旗艦とし、巡洋艦及び駆逐艦で構成された艦隊である。

 扶桑を経ったのが1ヶ月前。いよいよブリタニアというところでの大型ネウロイの急襲である。

 撃ち上がる対空砲火、離陸していく艦載機、しかしそれを飲み込むように影を落す大型ネウロイ。

 絶望的な戦闘を始めようとするこの艦隊に、坂本美緒と彼女が連れてきた少女、宮藤芳佳が居た。

 

 

 

 

 

「なんだその顔は。情けないぞ、それでも扶桑の撫子か?」

 

 今にも対ネウロイ戦闘が開始されようとしている空母赤城の医務室。そこを訪れた坂本が声をかけたのは、ベッドに座ぎ両耳を押さえて座る民間人、宮藤芳香。ストライカーユニットの開発者である宮藤一郎の娘である彼女。亡くなったはずの父親から届いた手紙の送付元へ向かうべく、奇しくも同じタイミングで彼女を魔女(ウィッチ)としてスカウトに来た坂本を頼ってこの空母赤城、民間人である。

生まれて初めての戦場だ。怯えるのも無理はない。

 

「どうしても・・・震えが止まらないんです」

 

 声をかけられ、恐怖の色が強く出る目で坂本を見る宮藤。そんな彼女に坂本は、仕方ないと呟きながらそっと膝を付き、宮藤の耳にそっとインカムを装着させた。

 

「それさえあれば、離れていても私と通話が出来る。ただし、使うのは本当に困った時だけだぞ。いいな?」

 

 そうやって坂本が笑いかけた時、空母赤城に大きな振動が襲った。笑みを浮かべていた坂本の表情が軍人のソレになる。

 

「私はもう行かないと」

 

「戦うんですか?あれと?」

 

「当たり前だ。それが私の使命だ」

 

心配そうな表情で私に何か出来ることは・・・と言い澱む宮藤に坂本はここから出るなと告げる。戦場に民間人が出てきても邪魔にしかならない。例え、他に類を見ない膨大な魔法力を有しているといえども。

 それに・・・と、なおも心配そうな顔をする宮藤を安心させるように言った。

 

「すぐに私の仲間が助けに来る。皆、優秀だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 空母の甲板に艦載機が並べられている。

 ネウロイに対しては微々たる力しか発揮できないといえども、ただただやられていくのは誇り高き扶桑軍人としてありえないことだ。

 艦長である杉田大佐は「窮鼠猫を噛む」を体現すべく徹底抗戦の構えで、戦闘機隊に発艦を命じた。その先駆けとして飛翔するのは、この艦隊で唯一の航空魔女(ウィッチ)である坂本美緒だった。

 

「坂本美緒!発進する!!」

 

 発艦した坂本に続くように、艦載機もエンジン音を唸らせて続々と発艦。編隊を組みつつ、ネウロイへと向かって行った。

 

「全戦闘機隊はコアを探しつつ、撹乱せよ。私は上から回りこむ!」

 

『『『了解!!』』』

 

 ネウロイからのビームを避けつつ坂本はネウロイの上方へと回りこんで魔眼を発動しようとするが、ネウロイの猛烈なビームを受けてやむなく距離を離してしまう。

 

「まるでハリネズミだな・・・」

 

 そう呟く坂本の表情に僅かにだが険しい色が混じる。同時刻、赤城の艦橋に20分後に救援が到着する旨の通信が届いていた。

 

 

 

 

 

「・・・20分か。時間がかかるな」

 

 無線で告げられた艦隊位置と編隊の速度を鑑みて、神崎はポツリと呟いた。出撃した後に無線で告げられた情報が正しければ、艦隊を攻撃しているのは大型タイプ。そして、それに対抗できるまともな戦力は、坂本しかいない。通常兵器でも対抗できるだろうが、焼け石に水だろう。

 

「早くしないと坂本少佐が・・・!」

 

 焦ったペリーヌの声が斜め後ろから聞こえるが、実際その通りで全滅の可能性もある。神崎はチラリ背後を見て、シャーリーとルッキーニを見た。出撃前までは水着姿だったが、しっかりと制服に着替えているのは流石と言うべきか。しかし、重要なのはそこではない。

 

「シャーリー」

 

『どうした、大尉?』

 

「ルッキーニ少尉とクロステルマン中尉を抱えろ。先に行かせる」

 

『え?・・・あぁ!!了解!!』

 

『うみゅ?』

 

 ルッキーニは今ひとつピンと来ていないようだが、シャーリーはすぐに神崎の意図に気付いたようで、嬉しそうにルッキーニへ近寄っている。そのまま疑問符を浮かべるルッキーニを小脇に抱えると、困惑するペリーヌに近づいていった。

 

『あの、カンザキ大尉?いったい・・・』

 

「俺は後ろに着く。俺が前だと大火傷だ」

 

『んな!?大火傷!?』

 

「黙ってシャーリーに抱えられていろ。坂本少佐の為だ」

 

『え、えぇ・・・了解ですわ・・・』

 

 坂本の為と言われればペリーヌは困惑しつつも大人しくシャーリーに抱えられた。  

 神崎はMG34を自身の体の背後に回すと、両手に魔法力を集束させつつ、シャーリーに無線を飛ばした。

 

「シャーリー?」

 

『準備完了!!いつでもいけるよ!!』

 

 チラリと横を見れば、よく分かってないルッキーニと困惑気味のペリーヌをを抱えて楽しそうにこっちを見つつ指示を待つシャーリーがいた。小さく頷き、神崎は短く告げる。

 

「トばせ」

 

『了解ぃ!!!2人とも舌噛むなよ!!!』

 

 楽しそうな返事が聞こえたと思うと、シャーリーのストライカーP-51が一際大きなエンジン音を唸らせ・・・

 

 ドンッ・・・!!!

 

 と言う衝撃を残し、一気に加速してしまった。ルッキーニの歓声とペリーヌの悲鳴が入り混じった残響を残して先へ先へと進んでいってしまった。

 

「流石、超加速の固有魔法・・・。これでだいぶ短縮できるか」

 

 そう言うや否や神崎も両手の集束させた魔法力を噴出させ、一気に加速した。シャーリーの加速には劣るがそれでも、通常よりは格段に速い。

 

「まだ持っていればいいが・・・な」

 

 神崎達が到着するまで、約10分。

 

 

 

 

 

『ぐぁあ!?少佐・・・!!御武運を・・・!!』

 

 そうして最後に残っていた戦闘機のパイロットからの通信が途切れた。

 坂本は歯噛みしながら九九式二号二型改13mm機関銃を撃ち続けていた。戦闘が始まって十数分。戦況は悪化の一途を辿っている。護衛の駆逐艦や巡洋艦の殆どは大破に追い込まれ、発艦した戦闘機隊は全て撃墜されてしまった。

 

「コアを見つけたとはいえ、攻め切れんとは・・・」

 

 坂本は銃身が焼きついてしまった機関銃を捨てて扶桑刀を抜いた。先ほどすり抜け様に片方の翼を切り捨てたが、すでに再生されてしまっている。

 濃密なビームの弾幕を搔い潜って接近戦を仕掛けるかを考え始めた時、突如インカムに艦橋の会話が流れ始めた。

 

『どうした?何が起きている?艦長、中央エレベーターが作動中!誰か居ます!』

 

『何!?誰だ、あれは!?なぜストライカーを装備できる!?』

 

『坂本少佐が連れてきた少女です。名前は確か・・・』

 

『宮藤芳佳です!!!』

 

「何だと!?」

 

 寝耳に水とはこのことだ。目を剥いて空母の方を見れば、甲板を軽く飲み込んでしまうほどの大きな魔方陣が展開されていた。宮藤がストライカーユニットを装備した上で発艦しようとしているのだ。先程、医療品を持って医務室から出てきて肝を冷やしたが、まさか今度はストライカーを持ち出すとは・・・。

 

『行きます!!!』

 

 気合の入った掛け声を上げて離陸滑走を始めた瞬間、ネウロイの矛先が空母に向いた。放たれたビームによって船体が貫かれ、艦橋の上半分が消し飛ぶ。当然、滑走中の宮藤も大きくバランスを崩してしまう。艦橋にいる杉田艦長達も坂本も思うことは1つだった。

 

「飛べぇえええ!!!宮藤ぃいいいいい!!!」

 

 坂本の叫びに応えるように1度水面に消えかけた宮藤が一気に上昇を開始した。

 

「と、飛べた!?飛べたー!!!」

 

 歓喜の声を上げる宮藤だが、これには坂本も驚くしかなかった。飛行訓練も受けてもいないのにまさか飛んでしまうとは・・・。しかし、ここは戦場である。フラフラと飛ぶ宮藤にネウロイのビームが襲った。

 

「きゃあ!?」

 

 短い悲鳴と共に展開された宮藤のシールドは普通の魔女(ウィッチ)が展開する物を比にならない程の大きさを誇っていた。これには坂本も驚くしかないが、戦場は待ってくれない。すぐさま攻撃を耐えた宮藤に近寄って行った。

 

「大丈夫か?宮藤?」

 

「は、はい!坂本さん、鉄砲を持ってきました!」

 

「いや、それはお前が使え。守りたいんだろう?」

 

 声をかけた坂本に宮藤が背負っていた機関銃を渡そうとするが、それを制して扶桑刀の切先でネウロイの胴体の一部分を指し示した。

 

「あそこにコアがある。私が先攻するから後に続け」

 

「は、はい!」

 

「よし!私の2秒後に続け!」

 

 そう言うや否や坂本は襲い掛かる弾幕を搔い潜り、ネウロイへ急接近した。細かな機動と確かな見極めで的確にビームを回避し、一太刀を浴びせて見せた。ネウロイがすぐさま坂本へ攻撃を集中させるが、上空で己に銃撃を仕掛けようとする宮藤に気付いたのかすぐさまビームを上方に集中し始めた。これで堪らないのは宮藤だ。

 

「クゥ!?」

 

 いくら他の魔女(ウィッチ)を凌駕する魔法力とシールドを有しているとはいえ、航空魔女(ウィッチ)としてはズブの素人、初心者も初心者だ。飛ぶことができただけでも奇跡に近いのに、このような戦闘に参加すること自体が無茶無謀。

 

(ダメ・・・!?破られる・・・!?)

 

 軋みをあげ始めるシールドでなんとか攻撃を防ぎ切ろうと目を閉じて力を込める。しかし、それでも徐々に軋みの音が大きくなっていき・・・。

 

バキリッ!!!と破砕音が辺りに響き渡った。

 

 

 

ネウロイの装甲が砕け散って。

 

 

 

 

「・・・え?」

 

 急にシールドにかかる圧力が急に消え、拍子抜けしたような声を洩らす宮藤。目を開ければ複数方向から銃撃を受け歪な金属音を響かせる大型ネウロイの姿が。

 

「間に合ったな。・・・全滅は免れたか」

 

「え!?だ、誰!?」

 

 背後から聞こえたインカムからではない直に耳に聞こえる男性の声に驚き、宮藤は慌てて振り返った。

 

「ああ、お前が新人の」

 

 そう呟く目の前の人物は、扶桑海軍の士官服を着て、自分と同じようにストライカーユニットを装着した、男性兵士。

 

「・・・よく粘った。後は、俺達がやる」

 

 そう言ってその男性兵士、神崎は強張った宮藤の肩を叩くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・これだけか。いや、こんなにもと言った方がいいか」

 

 宮藤の肩を叩き、ネウロイへと向かった神崎は眼下に広がる惨状を見て、眉を顰めた。大型のネウロイの攻撃に実質航空魔女(ウィッチ)1人と通常兵力のみで戦った結果として、ここまでの耐え切れたのは素晴しい奮戦だったと言えるだろう。

 

『ゲン!!助かったぞ!!』

 

「遅れた。すまない」

 

通信しつつ近くに寄ってきた坂本に返事を返しながら、ネウロイを伺う。すでに先行したシャーリー達が攻撃を加えているが、今ひとつ攻め切れていない。しかし、坂本が与えたダメージを鑑みればもう一押しでトドメを刺せるはずである。

 

『私が先行して近接攻撃を仕掛ける』

 

「俺が続けばいいな・・・?」

 

『そうだ!頼むぞ!』

 

「了解。・・・シャーリー」

 

 先行するために加速し始めた坂本の後ろに位置取りしつつ、神崎はすでに戦闘状態に入っているシャーリー達にコンタクトを取った。

 

『なんだい!?大尉!?こいつ、地味に固いよ!』

 

『先に撃っとけばよかったー!!!』

 

『もう!大尉も早く来て下さいまし!!』

 

 3人からの通信を聞きながらも、簡潔に用件を伝える。

 

「坂本と俺が突っ込む。援護しろ」

 

『ええ!?あぁ、了解!!』

 

 シャーリーの返事を聞き、神崎は前に集中した。腰の鞘から炎羅(えんら)を抜き、小さく息を吐いて坂本の斬撃に続くべく備える。

 

「私は左に抜ける。お前は右だ!」

 

「了解・・・!」

 

 ビリビリと震える空気と機体。目の前を行く坂本の後ろ姿を視界に入れ、しかし焦点は怒り狂うようにビームを撒き散らすネウロイを。

 先駆けの1の矢が坂本、止めの2の矢が神崎だ。

 

「ハァアアアアアア!!!!」

 

 気迫の籠った叫びと共に、坂本がビームを搔い潜ってネウロイの装甲を切り裂く。堅牢な漆黒の装甲が白い粒子へ変わっていく中、見えるのは紅いネウロイの核。最低限の握力だけで握った炎羅(えんら)をネウロイの巨体が視界一杯になった瞬間に振り抜く。

 

「・・・ゼェアッ!!!!」

 

 一瞬に苛烈な気合を込めて放った斬撃は粒子をも切り裂く勢いでコアに届き、一瞬後には金属音の絶叫を引き起こした。

 

 

 

 

 

「ふぃ~。終わったな~」

 

「疲れた~」

 

 爆散したネウロイの姿を確認したシャーリーとルッキーニはそれぞれ気の抜けた声を漏らした。そんな2人を他所に、ペリーヌは焦ったように別方向に向かって飛ぶ。

 

「少佐!!!お怪我はありませんか!?少佐~!!!」

 

 彼女の心配は先にたった一人で戦っていたであろう坂本ただ1人。視線の先に扶桑刀を持つ坂本を見つけ顔に喜色を浮かべるも、坂本の視線が自分ではなく別方向に向いていることに顔を曇らせた。そして、坂本が向かい先に居たのは・・・。

 

「大丈夫だったか?宮藤?」

 

「坂本さん・・・」

 

 慣れない銃を頑張って持ち、戦闘のアドレナリンが切れたのか今更不安げな表情をした宮藤。ヨタヨタと近づいてくる姿に、坂本は支えるように手を貸していた。

 

「大丈夫か?」

 

「・・・すみません。私、何もできなくて・・・」

 

「何を言う!初めての戦闘であれだけできたのは大したものだ!」

 

「坂本さん・・・」

 

「見ろ。お前が来てくれたから、あそこまで艦隊は生き残ったんだ。よく頑張ったな」

 

 彼女達の下には残存する艦隊が辛うじて態勢を立て直し、救助活動を行っていた。確かに被害は出て、多くの犠牲者が出た。しかし、宮藤が出撃しなければこれ以上の被害が出ていただろう。

 

「帰投するぞ。いけるか?」

 

「は、はい!」

 

 宮藤を気遣いゆっくりと速度を上げていく坂本。その様子を見ていたペリーヌは全く持って面白くなかった。思わず、憤慨し、声を荒げてしまう。

 

「な・・・、なんですの!なんですの!!あの娘は!!!」

 

「扶桑からの増援だろう」

 

 しかし、自分の憤慨する声にまさか返事があるとは思ってもいなかったようで。背後から聞こえた返事にペリーヌが慌てて振り向くと、鞘に刀を納めながら若干呆れたような目で見ている神崎の姿が。

 

「た、大尉・・・」

 

「何はともあれ。任務完了だ。ブリタニアから救援も来るだろう。俺達はこのまま帰投する。・・・いいな?」

 

「・・・ングッ!?了解・・・ですわ」

 

 神崎の言葉に不承不承といった様子で頷いたペリーヌはシャーリー達と合流するように進行方向を変えた。それを見送った神崎は、坂本と宮藤、そして海上の艦隊の様子を見て小さく息を吐いた。

 

「忙しくなる・・・色々とな」

 

 無性に煙草を求める自分に、吸い過ぎだと自分で諌める。少なくとも、ここでの不意打ちなど喰らうという失態を演じない為にも。

 




ようやく本編主人公が登場

ここまで長かったです

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