ストライクウィッチーズ 一匹の狼   作:長靴伯爵

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某有名戦車ゲームをしていたら、陸戦ウィッチがアニメで活躍するのが待ち遠しくなりました。せっかくのOVAなんだから陸戦ウィッチだしてほしいですよね、マイルズとか

そんなこんなで三十一話です

今回は久しぶりにあの魔女が・・・!

感想、アドバイス、ミスの指摘、などよろしくお願いします!


第三十一話

 

 

 

 

                 航海日記               

 

 島岡信介

 

 正直、2度目を書くとは思ってもみなかったこの航海日記。また「赤城」の時みたいに書いていこうと思う。今回はそんなに長くないと思うが・・・。

 ちなみに、俺とゲンが乗った艦は空母「翔鶴」。欧州へ向かう補給船団の護衛に就いていた艦のうちの1隻らしい。俺らと合流する為にわざわざトブルクまで来航してくれたかと感動していたら、実は喜望峰付近での嵐で機関部が不調になったらしく船団から離れざるを得なくなったらしい。ブリタニアで本格的な修理を受ける予定らしいが、そのついでに俺らを回収することになったそうだ。なんというか・・・俺の感動を返せ!

 

 

1日目

 久しぶりの海軍生活。まだ航海が始まって1日目だが、すでにアフリカが恋しくなってきた。真水が潤沢に使えないのはアフリカと同じでどうとも思わないが、飯が美味くない。いや、今まで食べてきた真実ちゃんの飯が美味すぎたのか。俺のよりも上手いであろう士官用の食堂に行っていたゲンもそんな事を言っていた。夜はライーサの写真を見てから寝た。写真も見つかったら面倒なことになりそうだから気を付けないと。

 ちなみに今回の航海はゲンとは別の部屋だった。これも久しぶりだな。

 

 

3日目

 ゲンと格納庫へ行きそれぞれの機体の様子を見ていたら、なんと艦長から呼び出しを受けた。二人共大慌てで服装を整えて艦長室に向かった。艦長は城島という大佐で俺達よりも階級が遥かに高い。アフリカじゃロンメル将軍とかと普通に話していたけが、むしろそっちの方がおかしかったんだ。ゲンはいつもの通りポーカーフェイスだったが、よく見ればじんわりと汗をかいていた。やっぱり緊張してんだな。

 艦長が俺らを呼び出した理由は、アフリカでの戦闘の様子を是非聞きたいということ。まぁそんなことならと、俺が話してゲンが所々補足説明を入れる形で進んでいった。話を聞き終えた艦長は大満足だった。俺らは不況を買わなくて一安心だった。

 

 

6日目

 

 今日は翔鶴の戦闘機隊と模擬戦をして欲しいと頼まれた。俺らは翔鶴の指揮下には入っていないので別に従う必要はなかったのだが、是非と言われれば断れなかった。相手は九九式艦上戦闘機が6機。俺の零式艦上戦闘機より1世代前の機体だが、6機ともなれば流石に苦戦するだろうと気を引き締めてコックピットに乗り込んだ。

で、結果は俺の圧勝。

 アフリカのヒエラクスはともかくケリドーンを相手取ってきた俺には隙はなかった。甲板から見ていたらしいゲンも「当然の結果だ」と頷いていた。嬉しいねぇ。

 

 

7日目

 

 昼飯の後、昨日模擬戦をした奴らと話すことになった。全員が俺と同じぐらい、もしくは少し年上だったが、俺の方が階級が上という奇妙な状況だった。話し始めはお互い遠慮している感じがあったが、いつの間にか打ち解けていた。そこで知ったのだが、俺とゲンの二つ名が結構有名になっているらしい。

「ゼロファイター」と「アフリカの太陽」

 面白かったのが「アフリカの太陽」が完全に魔女(ウィッチ)に勘違いされていたということ。ゲンを見ても誰だか分からなかったらしい。これを聞いた時は飲んでいた茶を吹いた。

 

 

 

9日目

 

 今日はゲンが飛ぶことになった。ゲンが本当に魔法使い(ウィザード)なのか疑っている奴が結構いたが、いざゲンが飛び始めると、皆が口をポカンと空け、曲技飛行や戦闘機動を行えば目を見開き、炎を使った時には吃驚仰天していた。射撃訓練は弾薬が少なくてできなかったらしい。なんで銃がヰ式散弾銃改しかないのかと愚痴っていた。

 ちなみにゲンはその日、色んな奴らから質問攻めにされていた。

 

 

12日目

 

 何故か夜明け前に目が覚めたので日記を付けておく。多分、あと数時間もすればブリタニアに到着するだろう。今回の航海は、ほとんどお客さん状態だったためか、哨戒任務に就くこともなくゆっくりと過ごせた。ゲンは士官の仕事が色々あったみたいだが・・・。

 アフリカを出発してもう二週間近く経ったが、ライーサが恋しい。手紙を書こうにも船の上じゃどうしようもないし、今は隠れて写真を見ることだけが・・・

 

 

ウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ~!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?警報!?こんな朝っぱらから!?」

 

 突如鳴り響いた警報に島岡は日記を書く手を止めた。次いで艦内放送が入る。

 

『総員、第1種戦闘配置!!繰り返す!!総員、第1種戦闘配置!!』

 

「もうすぐブリタニアに着くつうのによ!?」

 

 島岡は毒づきながらも手早く飛行服に袖を通す。別にここの指揮下に入っている訳ではないのだが、もしもの時は出撃をと要請を受けていたのだ。島岡は蹴破るように部屋の扉を開けると、一目散に格納庫へと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すれ違う水兵とぶつかりそうになりながらも、島岡は全速力で格納庫に駆け込んだ。格納庫はいきなりの戦闘配置で喧騒に包まれていた。

 

「ヰ式以外の銃は・・・!?」

 

「この艦には魔女(ウィッチ)用の武器はありません!!少尉が乗艦された際に積み込まれた物で全部です!!」

 

「・・・なら、弾薬をあるだけ全部持って来い!」

 

「りょ、了解!!」

 

 神崎も既に格納庫内で出撃準備に入っていた。ユニットケージに固定された零式艦上戦闘脚を装着しつつ、整備兵に指示を飛ばしている。島岡はヰ式散弾銃改の作動点検を行う神崎の元へ駆け寄った。

 

「ゲン!!」

 

「・・・シン。俺は準備が出来次第出撃する。艦長からの要請でな・・・。お前は・・・?」

 

 いきなりの襲撃だというのに神崎の様子は周りに比べて落ち着いていた。これが経験の差というやつかと島岡は感心しつつ答える。

 

「俺も要請は受けてるよ。それに・・・、今なにもしねぇ訳にはいかねぇだろ?」

 

「・・・そうだな」

 

 島岡のニヤリと笑いながら言った言葉に、神崎も唇の端を少しだけ上げた。

 

「弾薬はこれで全部です!」

 

「ご苦労」

 

 先程の整備兵が大量の弾薬を付けた弾帯を持って戻ってきた。彼が顔を真っ赤にし、全身の力を使って持っているのを、神崎は片手でヒョイと持ち上げ手早く装備する。

 

「シン。・・・俺の背中は頼んだ」

 

「おう。任せとけ」

 

 神崎は島岡に向け一度頷くと、零式をケージから解放して甲板に上がるエレベーターへと向かった。程なくして、エレベーターは上昇し神崎は甲板へと消えた。

 

「うし・・・。俺の零戦はどうなっている!?」

 

 神崎を見送ると島岡も自身の出撃準備に入った。いきなり零戦に飛び乗った島岡に近くの整備兵が慌てて駆け寄る。

 

「燃料、弾薬共に補給完了してます。整備もです」

 

「なら、機体をエレベーターへと持ってけ!早くしないとネウロイが来るぞ!」

 

「了解!」

 

 島岡の言葉に急かされるようにして整備兵は周り合図を出し、零戦をエレベーターへと運び始める。そんな中、島岡はコックピットの中で自分が随分と落ち着いていることに苦笑した。

 

「俺も・・・だな」

 

 エレベーターに乗せられた零戦はゆっくりと上方へと持ち上げられていく。零戦が甲板に上がった時、神崎がエンジン音を唸らせて夜明け前の暗闇に出撃していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔鶴から発艦した神崎は無線での指示を受け東へ向かっていた。

 

『敵は中型3体。ガリア本土から出現した模様。神崎少尉は先行し、敵の確認と可能ならば攻撃を』

 

「了解。・・・援軍は?」

 

『現在、ブリタニア空軍に救援要請を出しているが、まだ返答がない』

 

「了解」

 

 通信を終えてしばらく飛んだ神崎は、視界に3つの黒点を捉えた。細長い機影のネウロイが2体と逆に胴が太いネウロイが1体。神崎は手に持つヰ式散弾銃改を見た。この銃は散弾銃であるが故に有効射程距離が極端に短いため、その分敵に接近しなければならない。

 

(MG34を持って来ていれば・・・)

 

 神崎は溜息を付きつつも、銃のレバーを動かし初弾を装填した。中型3体相手に接近戦をしかけるのはぞっとしなくもない。だが、怖いからといっていきなり炎を使い魔力を消費する訳にはいかない。

 

「・・・いくぞ」

 

 神崎は意識を切り替えるように一言呟くと、全速力でネウロイに突撃した。神崎の接近に気付いたネウロイ達は次々にビームを以って迎撃してくるが、弾幕を前にしても神崎は平然としていた。

 

「狙いが粗いな」

 

 ポツリと呟いた神崎は、最初に襲い掛かってきたビームを体を軽くずらすだけで回避すると、後続のビームも軽快にかわして見せた。

 

「まだ、アフリカのケリドーンの方がいい射撃をする」

 

 アフリカのネウロイは欧州のネウロイよりも数倍強いと言われている。9ヵ月に渡るアフリカでの濃密な戦いは神崎の実力を確かな物へと成長させていた。

 シールドを張ることなく弾幕を突破した神崎は、3体のうち細長い1体に狙いを定めると銃口を向けた。弾幕が途切れた一瞬の隙を突いてネウロイの下へ潜り込むとすれ違い様に引き金を引いた。

 バンッ!!という短い銃声と共に放たれた無数の礫は簡単にネウロイの装甲に食い込み、大きな穴を穿った。素早くレバーを動かし次弾を装填。完全にすれ違った後だが、強引に体をねじり追い討ちの1発を撃つ。が、相対的な距離が遠すぎたせいか弾丸は弾かれてしまった。

 

「射程が短すぎる・・・!」

 

 不甲斐無い結果に思わず悪態をつく神崎。だが、背後を見て状況を確認するとすぐに意識を切り替えた。今しがた射撃を加えたネウロイが機首を大きく下へ傾けさせ失速している。どうやら、先程の一撃が致命的なダメージを与えたらしい。

 

「至近距離での威力はさすがだな・・・」

 

 ヰ式散弾銃改の評価を若干上方修正しつつ、神崎はマルセイユ仕込みの急旋回――出力を限界まで引き絞り、速度を落として行う半径を小さくした旋回だ――で方向転換した。

 

「これで・・・終わらせる・・・!」

 

 健在するもう2体のネウロイからのビームを軽々と回避しつつ、墜落途中のネウロイを追撃。舐めるように飛行して引き金を引いた。更に1発。更にもう1発。計3発の散弾はネウロイの表面を容易く食い破り、その内部をズタズタに破壊し尽くす。ネウロイは耳障りな金属音の断末魔の悲鳴をあげて砕け散った。

 ネウロイの残骸である白い粒子の中で、神崎は弾帯から弾薬を取り外し再装填しようとする。しかし、残った2体のネウロイから放たれるビームの弾幕が一層激しくなり果たせないでいた。当たりはしないものの結果的に手詰まりになってしまう。

 

「クッ・・・!」

 

 苛立たしさに思わず唇を噛む神崎。が、その一瞬後に黒い影が目に入った。その影は遥か上方から高速で接近し細長いネウロイの脇をすり抜けた。直後、ネウロイの上部から大きな爆発が起きる。

 

『ヨッシャァア!命中!!ゲン、今のうちに再装填しとけ!』

 

「・・・!無茶なことを・・・!」

 

 無線を通して聞こえてきたのは島岡の声。先程の影の正体は島岡の操る零式艦上戦闘機であり、爆発はあろう事か島岡が零戦に搭載された50kg爆弾をネウロイに直撃させて起こったものだ。ネウロイが大きいとはいえ、飛行する物体に爆弾を当てるなど常識外れにも程がある。神崎の声は驚きを通り越してもはや呆れていた。しかし呆れつつもしっかりと再装填を済ませておく。それが終わった時には翔鶴から発艦した九九式艦上戦闘機総勢24機がネウロイに殺到していた。3機ごとで編隊を組んで絶え間なく攻撃を加えることでネウロイの狙いを分散させ一方的な展開にしていた。

 

「これは何とかなる・・・のか?」

 

 ポツリと呟いた神崎。しかし、神崎の期待虚しく事態は急変した。

 比較的動きが静かだった横長の中型ネウロイの胴体部分が突如展開し、中から無数の小型ネウロイが放出されたのだ。直後中型は消滅したが、その代りに小型がおよそ50。

 

「なんだと・・・!?くっ・・・!?」

 

 神崎は驚愕を顔に張り付かせたまま思い切り体を反らせた。放出された小型ネウロイの一部隊が攻撃してきたからだ。回避できるものは回避し、できないものはシールドで防ぎつつ神崎は翔鶴へ通信を入れた。

 

「中型ネウロイから小型が多数出現した!数は50・・・!!」

『つい先程、ブリタニア空軍から救援要請を受諾された!10分で救援が来る!』

「10分だと・・・!?」

 

 それでは遅すぎると胸の内で叫んだのと同時に爆破音が鳴り響いた。九九式がネウロイに撃墜されたのだ。

 

「くそ・・・!そちらにも小型ネウロイが向かっている!」

『神崎少尉は本艦の直掩に!』

「了解・・・!」

 

 言い終わらないうちに神崎は左手に魔力を集束させた。小型ネウロイの一団を撃破し、この空域を強行突破する為である。

 

「神崎から戦闘機隊へ!これから炎で敵に穴を開ける!・・・ここを突破するぞ!」

『了解!俺たちも続く!』

 

 神崎の言葉にすぐさま島岡が応えた。未だ健在する九九式の操縦者達からも返答がくるが、その数は既に半数近くになっていた。神崎はその事実に眉をしかめさせながら、左手に集束させた炎を放った。放たれた6発の炎は小型ネウロイの一団の中に飛び込み、周囲のネウロイを巻き込んで爆発した。巻き込まれなかったネウロイも爆発の衝撃波で錯乱したように右往左往している。

 血路は開けた。

 

「行け・・・!!!」

 

 神崎が叫んだのと同時に、まず島岡の零戦が爆発によって生まれた穴に飛び込み、それに九九式も続いた。その脱出を守るように、神崎は周囲に再び炎を放ちネウロイの接近を防ぐ。

 

(これで増援が間に合えば・・・・)

 

 一縷の望みに賭けながら、神崎も戦闘機隊の後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが少し前の出来事だった。

 

 既に日が昇っている。

 ブリタニア空軍からの救援が到着する前にネウロイの接近を許してしまい、翔鶴は中破、護衛の駆逐艦は航行は可能なものの大破した状態だった。戦闘機隊も島岡の零戦を残し全滅。何人かの操縦者が脱出したのは確認したものの、ネウロイに包囲されている今の状態では救助もできない。

アフリカから出発して次の任地に向かう途中で絶体絶命とは・・・。

 

「・・・ケイさん、こっちは全然大丈夫じゃないです・・・」

 

 信頼する上司に向かって思わず独りごちる神崎。しかし、そうしていても何も始まらない。

 神崎はヰ式散弾銃改を左手に持ち替えると、右手で炎羅(えんら)を抜いた。目の前に迫り来るネウロイ達を睨みつけ、魔力を漲らせた。尋常でない魔力量に反応したのかネウロイが一斉に動き始める。だが、それは一足遅かった。

 

「オオオオオオオ!!!」

 

 雄叫びと共に神崎は吶喊し、間合いに入った瞬間にネウロイを手当たりしだいに切り裂いた。しかも、それだけに止まらず、左手の散弾銃も撃ち、まとめて数体のネウロイを粉砕する。瞬く間に計6体のネウロイを撃破した神崎は、炎羅(えんら)を持ちながら無理矢理再装填を行い、三度ネウロイに向かって加速した。

 

『俺も負けてはいらんねぇなぁ!!!』

 

 無線越しに神崎の雄叫びを聞いた島岡も己を奮い立たせた。背後に迫るネウロイを強引な機動で振り切ると、一瞬の隙を突いて背後を獲った。

 

「もらったぜ!」

 

 火を噴く7.7mm機銃。ネウロイの装甲には効果は薄いが、島岡の攻撃はネウロイのエンジン部にあたる部分に命中し、飛行不能に陥れた。

 

「まだまだぁ!!」

 

 島岡も神崎に負けじと雄叫びを上げた。

 

 

 二人が奮戦しているとはいえ、ネウロイの戦力とは圧倒的な差があることには変わりない。それがいままでアフリカで戦ってきたネウロイよりも弱いといってもだ。しかも、今回は二人は傷ついた艦や脱出した操縦者も守らなければならない。今は戦えていられてもいずれは押し切られる。そのことは神崎も島岡も言わずもがな重々承知していた。分かっていても諦められなかった。そう、救援を待つために。

 

 

 

 

 

 

「フッ・・・!クッ・・・!?」

 

 神崎は背後から強襲してきたネウロイを振り向き様に切り裂き、右上方から撃ち込まれたビームをシールドで防ぎ、ヰ式散弾銃改を見舞う。さらに続いて・・・。

 絶え間ない攻撃を神崎は行き着く暇もなく飛び回り防いでいた。

 焦りはない。このような状況はアフリカで経験済みだった。まだ落ち着いて対抗できる。

 そう思った矢先だった。

 

ガチンッ・・・!!!

 

 間抜けた音がヰ式散弾銃改から鳴った。接近するネウロイに放たれるはずだった弾はでない・

 

(弾切れ・・・!?まさか、まだ残弾は残っていたはず・・・!?)

 

 慌てて銃を確認した神崎は表情が歪み切った。空の弾薬完全に排出されずに挟まってしまったのだ。排莢不良(ジャム)。普通に操作していればまず起こらない。両手に武器を持っていたのが裏目にでてしまった。

 

「畜生・・・!!」

 

 とっさに炎羅(えんら)で薬莢を弾き飛ばし次弾を装填するも、ネウロイが既にビームを撃っていた。至近距離からのビームの閃光に思わず目を瞑る。押し込まれるビームの圧力を感じていると、それが不意に軽くなった。そしてネウロイが爆発する音。

 

「なんだ・・・!?」

 

 思わず目を開ける神崎。まず目に入ったのは白だった。神崎が着ている扶桑海軍の第二種軍装の白と零式艦上戦闘脚の白。風で第二種軍装がはたきめ現れるのはボディースーツの紺。

 

「遅れてすまなかった。こちらもネウロイに足止めされていたんだ。始末するのに思いのほか時間がかかった」

 

 ポニーテールに結われた黒髪が風でたなびく。背中には扶桑刀の鞘、右手にはその刀身。

 

「しかし、見事な戦いぶりだった。見違えたぞ、ゲン」

 

「坂本・・・」

 

「ここは私達に任せてくれ」

 

 そう言って振り返った彼女、坂本美緒は眼帯で隠れていない左目を細めて微笑んだ。神崎にはその笑顔がとても眩しく思えた。

 




 OVAのOPで零戦でネウロイに攻撃する坂本の姿を見て、島岡を思い出してしまった(笑)

 はやくライーサとマルセイユに会いたいですね
 

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