とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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まだ、違う


97(白猫日記 エピローグ)

 =月U日

 

 家に、居候が増えた。北欧の戦乙女、ロスヴァイセさんだ。

 ……徹先輩の女好きにも、困ったものだと思う。

 まぁ、おそらく本人に自覚は無いようですが。

 自覚があったら、イッセー先輩以上に問題があると思います。姉様とレイナーレが居るのに、家に他の女を置くなんて、どうかしてます。

 それも、北欧の戦乙女です。先日北欧の神ともめ事を起こしたのに、懲りてません。

 姉様もあまり良く思ってないようですし。

 しかし、徹先輩はマメです。優しいとも言うのでしょうが、マメです。

 先日レイナーレが倒れた事を気にされて、今日はケーキを焼いてくれました。

 見栄えはあまり良くありませんでしたが、とても美味しかったです。

 ロスヴァイセさんの居候祝いも兼ねていたそうです。喜んでいました。凄く。

 ……女誑しだと思います。

 その優しさを、姉様とレイナーレにだけ向ければいいのに。

 そうは思いますが――少し嬉しいです。

 今度、姉様と私の事も祝ってくれると言ってくれました。少しだけ、嬉しいです。少しだけ、です。

 

 ――それと、姉様には困ったものです。

 本当に、困った姉です。

 私は徹先輩の事は好きだけど、姉様の好きとは違う。

 姉様は徹先輩の事を男の人として好き。

 私は、先輩はどこまでいっても先輩だ。

 だって、姉様と同じ人を好きになったら、また姉様と離ればなれになるかもしれない。喧嘩するかもしれない。

 それは嫌だ。

 もう、姉様と離れるのは嫌だ。

 それに……兄と妹のような関係にも憧れる。姉様は居ても、兄様はいないのだし。

 

 

 

 =月V日

 

 レイナーレの槍。姉様は『グングニル』と呼んでいた、光の槍。

 正直に書くと、私は少しレイナーレに嫉妬している。

 アーシア先輩の『神器』を奪い、イッセー先輩を傷付け、徹先輩を殺した堕天使。

 でも、今は徹先輩の『女王』レイナーレ。

 そして、姉様やグレイフィア様、他にも沢山の方から教えを受け、それを形にした槍。

 姉様は、いや誰もがレイナーレに才能が無いと言っていた。

 けど、彼女は一つの成果を出した。

 『グングニル』。北欧の主神から教えられたと言っていた、偽物の神の槍。

 羨ましい。

 姉様から仙術や妖術の教えを受け、確かに私は強くなっている。自分でも判る。レイナーレと戦っても、絶対勝てる自信がある。

 けど、羨ましい。

 ――私はまだ、何の成果も出していない。

 先日ロキと戦った時も、私は何も出来なかった。

 でも、レイナーレは土壇場で『グングニル』を編み出した。

 スコルとハティに臆せずに戦いを挑んだ。

 だから、羨ましい。

 姉様が、レイナーレを『女王』として認めている理由が判った。

 才能の有無なんて、きっと意味が無い。

 レイナーレは強い。姉様どころか私にも勝てないけど、徹先輩の為に頑張れる彼女は強い。

 今日も、『グングニル』を完全に使えるようになろうと、努力していた。

 負けたくない。

 ……強くなりたい、というと姉様が笑っていた。

 明るく、楽しそうに。

 その笑顔は、徹先輩とレイナーレが守ってくれた笑顔だ。

 私も何時か――姉様の笑顔を守りたい。

 

 

 

 =月W日

 

 ロスヴァイセさんが、お仕事を探して徹先輩に相談していました。

 現魔王や堕天使総督と繋がりがある徹先輩なら、ロスヴァイセさんも紹介できる……のだろうか?

 戦乙女の任を解かれたと言って、少し涙声でした。

 私より年上なのに、なんだか子供っぽかったです。

 私はまだ学生ですが、卒業したなら――そう考えると、まだどうするか決まってないとしか答えられない。

 部長と一緒にグレモリー眷属として進むのか、徹先輩と――姉様と一緒に過ごすのか。

 答えがまだ出ません。

 どちらにしても……姉様と、一緒に居たいと思いますけど。

 もう、離ればなれは嫌です。

 

 それにしても、レイナーレの努力…勤勉さと言うべきでしょうか? 頭が下がる。

 今日から、ロスヴァイセさんからも北欧の魔術を習っていた。

 才能が無いから、少しでも多く引き出しを持ちたい、と。

 姉様も驚いていました。私もです。

 彼女の勤勉さは、私も見習いたいです。

 まずは、姉様と同じように仙術と妖術を使えるようになりたい。

 

 

 

 =月X日

 

 姉様が徹先輩を好きなのは判っているので、惚気ないでほしい。

 それと、徹先輩関係の愚痴も。

 ……スコルとハティが徹先輩に懐いているのは知っている。

 今日も徹先輩で仲良く遊んでいた。徹先輩で、だ。あんな大きな狼にじゃれつかれて、よく怪我をしないな、と思った。

 それでも、あちらは狼だ。フェンリルの子供ではあるが、庭で飼われているペットだ。

 姉様とは違うと思う。まず、形からして。

 姉様はちゃんと女性の身体を持っているので、嫉妬すること自体がおかしいのではないだろうか?

 ――言っても聞いてもらえませんでしたが。

 そんなに徹先輩が好きなら、早く告白でもすればいいのに。

 ……したけど駄目だったらしいけど。

 というか、姉様が言うには、徹先輩は姉様をペットみたいにしか見ていないそうだ。

 そんな事は無いと思う。

 少なくとも、ペットと言うには、徹先輩は姉様を意識していると思う。

 でなければ、抱きつかれたりして、一々反応しないはずだ。

 ……説明したが、聞いてもらえなかった。

 惚気や愚痴をしておいて、一人で完結するのはどうかと思います、姉様。

 

 

 

 =月Y日

 

 朝、姉様がまた徹先輩のベッドに潜り込んでいた。

 まぁ、いつもの事です。

 レイナーレに捕まって怒られてました。自業自得です。

 しかし、徹先輩も徹先輩です。

 いくら寝ているからと、何度も何度もベッドに入られて起きないなんて不自然です。

 そんなに姉様を甘やかすから、姉様も何度もベッドに入るんです。

 ロスヴァイセさんからも言われていました。学生なのにふしだらだ、とか、何とか色々。

 男の人は、皆変わらないんでしょうか?

 イッセー先輩も、相変わらず女好きなままです。部長やアーシア先輩、ゼノヴィアさんが居るのに。

 徹先輩も……徹先輩は、どうなんでしょうか?

 これから、ロスヴァイセさんにも――。

 溜息しか出ません。

 

 それと、ロスヴァイセさんが徹先輩を勇者のようだ、と言っていました。

 ディオドラ・アスタロトと戦った時、ロキの時、それ以前から、気にしてたみたいです。

 徹先輩が勇者……というのは、少し想像がつかないです。

 『神器』は特別だけど、徹先輩は、どこにでもいるような学校の先輩――兄様のような人です。

 私に兄はいないけど、徹先輩の様な人が兄なら、と何度か思った事がある。

 姉様と兄様。お似合いだと思うし。

 レイナーレと仲良く半分こ、というのはどうかと思うけど。

 好きなら、好きな人からは自分だけ見て欲しい、と思うのではないだろうか?

 誰かを好きになった事が無いので、何とも言えないが。

 ――まぁ、関係無い事も書いたが、徹先輩は勇者とは思えない。

 勇者は、誰も彼もを救う人だ。

 ……そんな事をしたら、きっと徹先輩は破綻する。そんな上手な生き方が出来そうにもないし。

 

 

 

 =月Z日

 

 今日、徹先輩が私達の為に魚を釣ってきてくれた。

 買ってきたじゃなくて、釣ってきてくれた。

 新鮮で、とても美味しいお魚だ。

 ……てっきり、レイナーレの時と同じようにケーキか何か、お菓子でも作ってくれるとばかり思っていたので、驚いた。

 姉様なんて、感激して抱きついていた。

 凄く喜んでいた。……少し、妬けるくらいに。

 一応、私も祝ってもらってるんですが、姉様……。

 食事が終わった後も、ずっと惚気られた。まぁ、いつもの事ですけど。

 徹先輩が姉様になにかすると、いつも姉さまは惚気てくる。

 最初は姉様のそんな一面も可愛いな、と思ったが、今はもう、少しでも早く解放してほしい。

 姉様が徹先輩の事を好きなのは判る。大好きなのも判る。――それ以上に想っている事も、よく判る。

 でも、何かある度に惚気られる私の事も考えてほしい。

 もし徹先輩から告白でもされたら、私は徹夜する事になるかもしれない。

 

 

 

 =月=日

 

 ロスヴァイセさんの就職先が決まったと、徹先輩が言っていた。

 支取会長に相談したらしいです。

 ……そういう伝手もあるんですね、徹先輩。

 姉様から聞いた話だと、徹先輩は支取会長と仲が良いらしいです。

 姉様は友達だと強調していました。……一応、私も同意しておきました。

 本当に、徹先輩は女誑しです。

 

 

 

 =月)日

 

 ロスヴァイセさんは、どうしてこの家に来たのだろう?

 オーディン様の命令? 姉様は、そう言っていた。

 ロスヴァイセさんはそれを聞いて、少し悲しそうでした。

 姉様は、ロスヴァイセさんを信用していない。オーディン様を嫌っている。

 徹先輩の敵は多い。姉様の対応は間違っていないのかもしれない。

 でも、ロスヴァイセさんは姉様と仲良くなりたそうにしている。

 ――誰が、何が、どれが正しいのだろう?

 肝心の徹先輩は、姉様よりもスコルとハティと遊んでいる。

 ……私の二人目の『王』、姉様の最愛の人は、どこまでいってもマイペースだ。

 

 

 

 =月(日

 

 ロスヴァイセさんは、あまり物にお金を掛けない人のようです。

 倹約家と書けばいいのか、それとも貧乏性と書くべきか。

 値段や物の質で買うものを選んでいた。私の周りには居ない物の選び方をする方だ。

 徹先輩と話が弾んでいて、姉様はずっと不機嫌だった。

 好きな人が、自分以外の人と楽しそうに話していたら、そうなるのかもしれない。

 私はまだ、誰かを好きになった事は無いけれど。

 誰かを好きになる、と言う事に憧れは無いけれど、姉様のように毎日が楽しそうになるのなら――いつか誰かを好きになりたい。

 けどきっと、私は徹先輩だけは好きにならない。

 姉様と同じ人を好きにはならない。

 好きな人には、私だけを見て欲しい。

 ――もし徹先輩を好きになったら、きっと姉様やレイナーレよりも私を選んでほしくなる。

 それは嫌だ。

 姉様も、レイナーレも、好きだ。

 徹先輩も好きだ。

 でも私は、私だけを選んでほしくなる。

 ……私は実は、嫉妬深いのかもしれない。

 

 

 

 =月&日

 

 ロキの一件の後、久しぶりに部活に行った。

 部長たちから心配された。部長たちも、ロスヴァイセさんの事は気になっているようだ。

 ロキという北欧の神ともめ事を起こした後、北欧の戦乙女と同じ家で暮らしているのだから、当然なのかもしれない。

 まぁ、心配されるような事は何も無い。それに、ロスヴァイセさんは優しい。よく気が利く。頭が良い。

 姉様と少し仲が悪いが、そんな関係も悪くないみたいに思える。

 イッセー先輩と白龍皇のような関係。喧嘩するほど仲が良い?

 今日は楽しかった。でも、イッセー先輩は相変わらずだった。

 部長とアーシア先輩達は大変だと思う。

 イッセー先輩を見ていると、徹先輩の周りは随分と穏やかに思える。

 姉様もレイナーレも喧嘩しないし。

 

 ――アザゼル先生が、徹先輩の事を気にしていた。

 姉様たちにも話した。

 やっぱり、徹先輩の周りは少し慌ただしい。

 ……徹先輩は、普通の毎日を過ごしたがっているのに、誰もが先輩を巻き込もうとしてる。

 アザゼル先生にそんなつもりは無くても、堕天使総督が気にすると、部長たちも気にして、きっと部長のお兄様であるルシファー様も気にする。

 悪循環、と言うのはこういう事を言うのかもしれない。

 

 

 

 =月%日

 

 学校で徹先輩と一緒に昼食を食べた。

 よく考えると、同じ家に住んでいて、同じ学園に通っていて、昼食を一緒に食べたのは初めてだ。

 姉様に話すと、嫉妬された。まぁ、羨ましがられた。

 いつも惚気を聞かされるので、今日は事細かに話した。

 これに懲りたら、少しは自重してほしい。

 それにしても、徹先輩は……優しいと言うか、御人好しと言うか。

 姉様とロスヴァイセさんの事を気にしていた。

 2人に笑っていてほしいと言っていた。

 その事も話すと、姉様も流石に困った顔をしていた。

 これで、少しは仲良くしてくれるといいと思う。

 そうすれば、きっと徹先輩も喜んでくれる。

 

 

 

 =月$日

 

 家に帰ると、姉様が徹先輩に甘えていた。

 ……妹の前では自重してほしい。

 いくら好きとはいえ、それを私が理解しているとはいえ、姉が男の人に甘えている姿を見ると、妹としてはどうしていいか反応に困るのだ。

 姉様は、徹先輩が絡むと周りが見えなくなることがあるから困る。

 レイナーレもロスヴァイセさんも、面白そうに見てたけど。

 でも、徹先輩が猫好きだとは知らなかった。動物好きだとは思っていたけど。

 猫の耳と尻尾を出すと、私をずっと見ていた。

 姉様ではなく、私を。少し優越感。

 夕食の後、姉様にからかわれた。

 別に、徹先輩に撫でてほしかったわけじゃない。

 耳と尻尾を見せた理由は――特には無いけど。

 

 

 

 =月#日

 

 徹先輩に、耳を撫でられた。尻尾は流石に自重してもらえた。

 ……そこは流石に恥ずかしい。

 しかし、徹先輩の触り方は……その、なんというか。あれですね。いやらしい。

 姉様が気持ち良いと言っていた理由が、少し判った。少し、だ。

 しかも、私だけでは満足しなかったらしく、姉様の耳も撫でていた。

 姉様は、尻尾もだ。

 ――羨ましいと思った。

 

 

 

 =月”日

 

 ……恥ずかしい。

 昨日の事を見られていたらしく、ロスヴァイセさんからも耳を触られた。

 それは別にいいのだが、撫でられている所を、ずっと徹先輩に見られていた。

 ――そういう時は、気付かないふりをするか、席を外すかするべきだと思います。

 徹先輩、ずっと私を見てた。

 姉様に誘われても断って。

 ……溜息しか出ない。恥ずかしい。

 

 

 

 =月?日

 

 ロスヴァイセさんが、ニート脱出、と喜んでいた。

 美人なだけに、残念な人だな、と思った。徹先輩は一緒になって喜んでいたけど。良い人だと思う。

 姉様は猫の姿で寝てたけど。

 私やレイナーレを鍛えてくれているけど、それでお金を稼いでるわけでもないし。

 姉様は……まぁ、うん。

 その事にはあまり触れないようにしよう。さっき怒られたし。怖かった。

 

 

 

 =月>日

 

 ――溜息しか出ない。

 恥ずかしい? まぁ、それもあると思う。

 先日に続き、耳と尻尾を出したまま家の中を歩いてしまった。

 それはいい。出したままの方が楽だし。

 ただ、それを徹先輩に指摘された。

 その――尻尾がつかえてスカートの中が見える、と。

 ……恥ずかしい。

 しかも、先日からそう間も空いていない。これでは触ってほしいと言っているようなものだ。

 ――私にそんなつもりが無くても、だ。

 

 

 

 =月<日

 

 姉様とレイナーレが一緒にお昼寝をしていた。

 仲が良いと思う。羨ましいくらいに。

 いつか私も、姉様にとってのレイナーレのような友人が出来るだろうか?

 それにしても、私が思っている以上にロスヴァイセさんは姉様の事を気にしているようだった。

 徹先輩も、姉様とロスヴァイセさんが仲良くなれるように、と応援していた。

 それと、私も。

 姉様が多くの人と仲良くなるのは嬉しい。

 徹先輩とレイナーレ。

 姉様に笑顔をくれた人たち。

 姉様に居場所をくれた人たち。

 ――私達姉妹を受け入れてくれた人たち。

 そこにロスヴァイセさんが加わってくれれば、と思う。

 そうすれば、きっと――姉様は、もっと笑えると思うから。

 

 

 

 =月@日

 

 今日からロスヴァイセさんが教員として赴任してきた。

 男子生徒から、凄く人気だった。

 イッセー先輩も、部活で嬉しそうに授業の事を語っていた。部長とアーシア先輩に怒られていた。

 ……それにしても、徹先輩との帰り道。

 

 レイナーレさんや黒歌、ロスヴァイセさん…美人な彼女達と一緒に暮らしてるだけで、俺の女運は尽きてそうだけど。

 徹先輩はそう言っていた。

 ――そこに私が含まれていないのは、少し気になった。

 まぁ、そんな風には私も思っていないのだけれど。

 それでも、色々と複雑だ。

 この事は、さすがに姉様にも相談できない。

 

 

 

 =月:日

 

 今日、白龍皇――ヴァーリさんと美猴さんが遊びに来た。

 それと、ルフェイさんと言う魔女と……先日戦ったフェンリルも。

 今更ながら、凄いメンバーだと思う。

 徹先輩の周りは、本当に……なんというか、凄い。

 そのルフェイさんは「おっぱいドラゴン」が好きらしく、徹先輩に熱く語っていた。

 その近くで、二天龍であるはずのアルビオンさんが啜り泣いていた。

 ロキの一件の際、ヴァーリさん達がこの家に泊まっていた時に見慣れた光景だ。見慣れたけど、いきなり泣かれると怖いものは怖い。実体が無いのにいきなり泣かれると、お化けかと思う。

 あの時は昼間だったけど。

 

 徹先輩は、ヴァーリさんや美猴さんと仲が良い。

 イッセー先輩と祐斗先輩のような感じです。

 フェンリルが来た事で、スコルとハティも喜んでいた。

 姉様も、美猴さんと話して楽しそうだった。

 賑やかで、楽しい一日だった。

 徹先輩の周囲は、少しゴタゴタしてる。

 ……一番穏やかな日が『禍の団』と過ごした一日、と言うのが何とも言えない。

 徹先輩らしい、と言えるのかもしれないけど。

 

 

 

 =月;日

 

 レイナーレと手合わせした。今日も私が勝った。

 ……でも、もう楽に勝てる相手じゃなくなった。

 ロキとの一戦。ほとんど間が空いていないのに、レイナーレはまた強くなった。

 私も、もっと強くならないと。

 まだ、レイナーレに負けたくない。

 『女王』と『戦車』。立場はレイナーレが上だけど、才能は私が上だ。

 ……そんな事を書いている時点で、どうかとも思う。

 でも、負けたくない。

 もっと強くなりたい。

 レイナーレとなら、競い合えると思う。

 だからまだ、負けられない。

 今負けたらきっと――私は……。

 

 

 ……夕食の席で、徹先輩が面白い事を言っていた。

 二天龍の事を気にしていた。

 イッセー先輩とヴァーリさん。

 赤龍帝と白龍皇。

 今の境遇をどうにかできないか、と。

 それは、徹先輩の事でもあるのに。

 今の先輩の立場は微妙だ。凄く。

 だというのに、二天龍の事を考えてる先輩は、やっぱり御人好しだ。

 優しいと思う。

 ――優しい人は、好きだ。でも、それだけ。

 この好きは、姉様とは違うと思う。

 




PCを修理に出したら、ファンの修理…というか、物品交換だけで帰ってきた。
それだけ?
まぁ、調子は良いんだけどさ。
あれなら、年末に買い替えるかもしれません。

昨日書いてた戦乙女日記が消えたから、気分を変えて白猫日記を投下。

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