とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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オーフィスが好きです。何か問題が?
ちなみに、黒猫の日記は4巻分まで残ってます。
黒歌羞恥プレイの始まり


96(無限日記 エピローグ)

 =月A日

 

 退屈だ。

 以前カミシロトオルが言っていた「おっぱいドラゴン」というのを美猴に集めさせたが、何が面白いのか判らない。

 こういうものが好みなのだろうか?

 今代の赤龍帝も、妙なものを作ったものだと思う。

 

 

 =月B日

 

 今日も一日、退屈だった。

 曹操が何か言っていたが、どうでもいい。

 我を永遠の静寂へ誘う準備が出来た訳でもなさそうだ。

 しかし、最近はアルビオンが煩い。どうにかならないものか…。

 

 

 

 =月C日

 

 この「おっぱいドラゴン」なるものの何が面白いのか、ヴァーリへ訪ねた。

 判らないらしい。

 ドライグとアルビオンで、考え方が違うのだろう。

 ヴァーリならば何が良いのか、と聞いたら尻が良いらしい。そういうものか。

 カミシロトオルは何処が良いのだろうか? やはり胸だろうか?

 

 

 

 =月D日

 

 オーディンがカミシロトオルの元へ動いたようだ。

 カミシロトオルを刺激するのだろうか?

 ――アレを刺激されては、また次元の狭間に干渉されるかもしれない。

 それは面白くない。

 

 

 

 =月E日

 

 退屈だったので、以前黒歌が残していった日記を読み直した。

 しかし、日記の中の黒歌は、カミシロトオルと会う事で変わっているようだ。

 よく判らない。

 出会いとは、それほどまでに意味がある事なのだろうか?

 少なくとも、我は今まで何と出会い、何を成しても、変化する事が無かった。

 変化を促したのはカミシロトオルなのだろうか。

 

 

 

 =月I日

 

 黒歌の日記を何度も読み返したが、なぜ黒歌に変化が訪れたのかが判らない。

 どうでも良い事ではあるが、退屈を紛らわすのには丁度良い。

 もう一度読み返そう。

 

 

 

 =月J日

 

 オーディンを追って、北欧の神が日本へ向かったらしい。

 ……困る。カミシロトオルを刺激されては、我の静寂が静寂ではなくなるやもしれん。

 ヴァーリ達が向かう事になった。

 美猴が居なくなると「おっぱいドラゴン」の話をしてくれる者が居なくなるが、この際しょうがない。

 「おっぱいドラゴン」よりもカミシロトオルだ。

 アレに動かれると、我の静寂が危うい。

 

 

 

 =月K日

 

 ヴァーリ達が、カミシロトオルに接触したようだ。

 そして、カミシロトオルもまた、北欧の神々と接触したそうだ。

 以前会った時のような危うさは感じない。

 アレは、どれだけ離れていても感じられる――世界への干渉だ。

 ならばまだ、カミシロトオルはあの時行おうとした事をしようとしていないのだろう。

 ならいい。問題無い。

 それと、一つ気付いた。

 黒歌は、カミシロトオルに触れられる、撫でられる事を喜んでいた。

 なるほどと思う。アレは、触れることで他者へと干渉するのか。

 

 

 

 =月L日

 

 ヴァーリ達は、そのままカミシロトオルと共に行動するようだ。

 ……面白そうだ。我も行きたい。

 ヴァーリ達ではなく、我が向かえば良かった。

 

 

 

 =月M日

 

 黒歌は、カミシロトオルの元で楽しく過ごしているそうだ。

 我はこんなにも退屈だと言うのに。

 本当に楽しいのだろう。

 日記には、カミシロトオルと共に過ごした時間を、こんなにも濃密に綴っているのだから。

 だが、何度読み返しても、黒歌が変わった方法が判らない。

 カミシロトオルに触れてもらい、撫でてもらえば我も変わるのだろうか?

 変わりたいとは思わないが、興味がある。

 アレがどれほどの影響力を持っているのか。

 

 

 

 =月N日

 

 ドライグとアルビオンの共闘は珍しい。

 これも、カミシロトオルの影響なのだろうか?

 黒歌に続き、ヴァーリ達にも変化を与えたのか。

 興味深い。ドラゴンに影響を与える人間は、そう多くない。

 英雄、勇者、救世主――様々な呼び名はあれど、そのどれもが人間ではあった。

 そうだとするならば、黒歌やヴァーリ達に影響を与えた事も頷ける。

 

 

 

 =月P日

 

 美猴が用意していた「おっぱいドラゴン」も見終わった。

 やはり、何が面白いのか判らない。

 退屈だ。退屈ではないヴァーリや美猴、黒歌たちが羨ましい。

 

 

 

 =月R日

 

 カミシロトオルが、北欧の神と事を構えたようだ。

 だが、世界に目立った変化は無い。あの時のように、力を使わなかったのだろう。

 それと、ヴァーリがフェンリルを連れてきた。

 『支配の聖剣』で縛った紛い物とも言える神殺しだが。

 カミシロトオルは、紛い物ではない、本物の神殺しの牙を二本、手に入れたらしい。

 随分と、今夜の戦いは楽しそうだった。羨ましい。

 私もその場へ赴いていたなら、楽しめただろうか?

 退屈だ。

 美猴に今夜の事を語らせたが、面白くない。

 しかし――次元の狭間の先、世界の果ての果て、その先の世界の神か。

 グレートレッドと同等の存在。もしくはそれ以上なのやもしれん。

 ヴァーリ達に影響を与えたのも頷ける。

 

 

 

 =月S日

 

 ヴァーリを撫でてみた。驚かれたが、目立った変化は無い。

 我とカミシロトオル、何が違うのだろうか?

 格、というなら、そう変わらないと思うのだが。

 面白くない。

 

 

 

 =月T日

 

 ヴァーリに逃げられた。

 我に撫でられるのは嫌なようだ。

 何故?

 

 

 

 =月U日

 

 黒歌の日記を読み直した。もう何度目だろうか?

 何度読んでも、カミシロトオルが黒歌に変化を与えたのは、餌を与え、撫でたからだ。

 我に餌を用意する事は出来ない。

 ヴァーリ達が居なくなった今、また退屈になってしまった。

 静寂ではあるが、コレは我が求める静寂ではない。

 何が違うのだろうか?

 ――答えが出ない。

 

 

 

 =月V日

 

 曹操に、我が変わったと言われた。

 何が変わったのだろうか? そう言った曹操も、もう居ない。

 ……静寂だ。我が求めた、だが違う静寂だ。

 なら、我が求める静寂とはなんだ?

 どんな静寂を、我は求めていたのだろうか?

 グレートレッドを倒して得られる静寂と今の静寂の違いはなんなのだろうか?

 

 

 

 =月X日

 

 美猴が帰ってきた。カミシロトオルの事を教えてくれた。

 退屈ではなかった。

 黒歌や堕天使、神殺しの牙。北欧の戦乙女に黒歌の妹。

 静寂とは程遠い。

 だが、退屈ではなさそうだ。

 静寂とは退屈なのだろうか?

 静寂を退屈と思い、カミシロトオルを退屈ではないと思う。

 我が次元の狭間に求めているモノはなんだ?

 ――答えが出ない。

 

 

 

 =月Z日

 

 ヴァーリが笑っていた。

 そんなヴァーリを初めて見た。妙な気分だ。

 カミシロトオルの傍は退屈ではないのだろうか?

 今日は、アレと共に魚を釣ったらしい。

 ソレの何が良いのだろうか? 判らない。

 ヴァーリを撫でたが、やはり目立った変化はなかった。

 

 

 

 =月=日

 

 美猴を撫でてみた。驚かれた。

 それだけだ。黒歌の日記のような変化は無い。

 黒歌の日記を見た事を言うと、変な顔をされた。

 何がいけなかったのか判らない。だが、その変な顔は、退屈ではなかった。面白かった。

 今日は、静寂ではなかった。美猴が笑っていた。

 退屈ではない。静寂ではない。悪くない。

 

 

 

 =月)日

 

 曹操からも言われたが、美猴もまた、我が変わったと言った。

 変化とは何だろうか?

 我が変わる事で、静寂は退屈へと変化したのだろうか?

 判らない。

 今尚我は静寂を求めている。

 それは変わらない。

 なのに、曹操と美猴は我が変わったと言った。

 美猴を撫でた。笑っていた。美猴もまた、変化したのだろうか?

 

 

 

 =月(日

 

 ヴァーリを撫でたが、表情に変化は無い。

 美猴を撫でると、声に出して笑われる。

 この違いはなんなのだろうか?

 我とカミシロトオルの違いと同じなのだろうか?

 

 

 

 =月’日

 

 美猴の手引きで、人間界へ行く事が叶った。

 我が動くと、どうしても気付かれてしまう。以前はそれで、カミシロトオルとは殆ど喋れなかった。

 今回は、美猴に我の気配を薄めてもらった。消す事は無理のようだ。

 カミシロトオルは、相も変わらず我をオーフィスちゃんと呼んだ。

 あいすというのを食べさせてくれた。

 冷たくて甘かった。

 会話も無く歩いただけだが、退屈ではなかった。静寂ではなく静かではあったが、退屈ではなかった。

 カミシロトオルが居れば、静寂でも退屈ではない?

 カミシロトオルが居なければ、静寂は退屈?

 ……この違いはなんなのだろうか?

 

 

 

 =月&日

 

 黒歌の日記を読み直すと、撫でられると幸せらしい。

 幸せ。

 我の幸せ、何?

 静寂だが、退屈ではない事。

 カミシロトオル。

 黒歌の幸せはカミシロトオル。

 我の幸せもカミシロトオル?

 我が撫でると、美猴は笑った。幸せとは何だろうか?

 退屈ではない静寂とは何?

 

 

 

 =月%日

 

 曹操が何か言っていたが覚えていない。

 カミシロトオルに会いたい。

 アレとなら、静寂の中でも退屈ではないのかもしれない。

 グレートレッドから次元の狭間を奪い、カミシロトオルと永遠の静寂の中で過ごす。

 永遠の静寂を、退屈とは違う時間で過ごす。

 それなら、我は幸せ?

 ――判らない。

 無限の『無』から生まれた我には、幸せは無い?

 夢幻の『夢』から生まれたグレートレッドには、幸せはある?

 判らない。

 ……判らない。

 カミシロトオルに会いたい。

 

 

 

 =月”日

 

 英雄を何人か殺してしまった。

 カミシロトオルに会う事を否定された。

 何故?

 美猴を撫でると落ち着く。

 ヴァーリを撫でても変わらない。

 退屈ではない静寂。

 それを求めるのは間違い?

 我が何かを探すのは間違い?

 ――美猴は笑っていた。ヴァーリも笑っていた。

 今日は退屈ではなかった。

 

 

 

 =月!日

 

 ヴァーリが、カミシロトオルの事を話してくれた。

 アルビオンまで、我が変わったと言った。

 判らない。

 変化とは何?

 我は、オーフィスではなく違うものに変わる?

 ――判らない。

 

 

 

 =月<日

 

 黒歌の日記を読み直した。

 黒歌は変わった。

 我も変わった?

 黒歌みたいに変わる? 幸せになる? 我の幸せはなに? オーフィスの幸せはなに? 

 ……カミシロトオルなら判る?

 判らない。誰も教えてくれない。答えてくれない。

 ヴァーリを撫でた。笑ってくれた。

 ――ヴァーリも変わった?

 アルビオンも変わる?

 

 

 

 =月@日

 

 美猴と「おっぱいドラゴン」を見た。ドライグも変わった?

 二天龍をやめて、乳龍帝になる?

 美猴は笑っていた。

 ヴァーリも笑っていた。

 アルビオンは泣いていた。

 判らない。何故泣く? ドラゴンなら哀しいと言っていたが、我は哀しくない。

 我以外が変わっていく。我も変わっていく?

 判らない。

 考えた事が無い。

 永遠の静寂だけを求めていた。それは間違い?

 ……判らない。

 答えが欲しい。

 

 

 

 =月:日

 

 我の疑問、カミシロトオルなら答える事が出来る?

 美猴は笑っていた。

 ヴァーリは笑っていた。

 アルビオンも笑っていた。

 判らないと、笑っていた。

 ……判らない。

 我の疑問はなに?

 カミシロトオルの答えはなに?

 ――カミシロトオルに会いたい。

 

 

 

 =月;日

 

 カミシロトオルに会いたい。

 

 

 

 

 




はやく11巻を書きたいです。
でも、多分11巻にならなくても、ちょくちょく出てきます。
本格的に書くのは11巻からじゃなかったのかって?

誰がそんなことを言いましたっけ? 俺のログには何もないな(キリッ

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