とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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テロリスト株がうなぎ上り。
悪魔株は相変わらず下落中。
悪魔でも、一部は伸びてるけど。


88(七巻開始)

 

 =月A日

 

 紫藤さん達、天界のスタッフさんが晩御飯を集りに来た。

 というよりも、グリゼルダさんが今日は天界の方に行って晩御飯を作ってくれる人が居ないらしい。

 それで良いのか、天界スタッフ。どうやらお隣の家は、晩御飯はグリゼルダさん任せみたいだ。

 ……他人事じゃないから怖い。まぁ、黒歌も塔城さんも料理できるんだけどさ。

 今日の晩御飯は賑やかだった。晩御飯の代金貰ったし。焼肉だった。

 ご近所さんとの関係は大事だと思うしね。

 

 あと、兵藤の事で愚痴られた。

 なんでも、口説かれて堕天しそうになったんだとか。そんな事で堕天するのか、天使って。

 レイナーレさんも誰かに口説かれて堕天したんだろうか?

 あんな美人だしなぁ。そりゃ、付き合った人の一人や二人居るだろうしね。

 

 

 

 =月B日

 

 学園祭の出し物をどうするのか、と支取に聞かれた。

 今日はなんか昼休みにばったり会って、支取と一緒に昼食を食べた。

 やっぱり、男連中で固まって食べるより、女子と食べる方が美味い。

 しかし、学園祭か……全く考えてなかった。

 というか、俺のクラスじゃ話題にすら上がってなかった。

 生徒会は、当日は各クラスや部活の出し物の見回りらしい。大変だな、生徒会。

 帰宅部の俺はクラスの出し物に専念すればいいだけなので、少し心苦しくある。

 そう言うと、私の分まで楽しんでくださいとの事。

 支取は真面目だなぁ。どうしてグレモリーや姫島と支取で、こんなに違いがあるのか。

 悪魔って何だろう? そんな哲学的な事を考えてみた。答え? 出る訳がない。

 

 

 

 =月C日

 

 グレモリーが苛々していた。

 それはいい。別に、俺には関係ないし。

 しかし、どうしてオカ研の連中は何かあると俺の所に来るのだろうか?

 アレか? サーゼクスさんと一緒で友達が……少ないのか。

 あいつらならそんな事は無いと思うんだが。

 とにかく。イライラしたグレモリーが俺の所に来た。

 最近忘れそうになるが、アイツは学園でも二大お姉様とか言われてる有名人だ。

 もうほとんどそんな事なんか忘れてたけど。というか、今日男友達に言われて思い出した。

 アイツの本性見てみろよ。あと姫島。

 お姉様というより、女王様だぞ、ある意味。

 

 んで、何に苛々してたのか聞いたら今度兵藤が姫島と休日に買い物に出かけるんだと。

 デートではないらしい。

 休日に男女で買い物なんてデートだろ。

 言ったら本気でヤられそうだったから言えなかった。ちなみに、殺すと書いてヤるって感じだった。

 そんなに嫌なら止めればいいだろうに。

 夕食の席で言ったら、女心ですよ、とレイナーレさんに言われた。

 どの辺が女心なんだろうか? 兵藤への嫉妬の代わりに、俺を殺しそうな感じで睨んでたところか?

 まぁ、男に女心を理解しろというのが無理だと思う。

 取り敢えず、兵藤爆発しろ。絶対お前が爆発したら、世界の半分は幸せになる。

 少なくとも俺は、幸せになれそうな気がする。

 

 黒歌の呆れたみたいな視線が痛かった……猫に呆れられる俺って…。

 

 

 

 =月D日

 

 今日は久しぶりにギャスパー君が遊びに来た。

 相変わらず女装していた。

 ……彼がいつか彼女になりそうで怖い。

 だって、似合ってるし。女子の制服。本気で。

 そのうち、男子から告白されないか心配でしかない。グレモリーや姫島よりは女らしいよ。ホント。

 

 最近『神器』の扱いがまた上手になったらしく、それを教えに来てくれたらしい。

 んで、時間を停めるなんてチート『神器』を披露してくれた。

 レイナーレさんや黒歌、塔城さんが停まってた。相変わらずチート過ぎるだろ、としか思えない。

 以前は兵藤の血を飲んで制御できてたらしいけど、最近は血が無くてもそこそこ操れるらしい。

 頑張ってるんだなぁ、と言うと照れてた。

 可愛い後輩なんだよ。それだけ。

 その後、黒歌から思いっきり抱きつかれた。色々な意味で苦しかった。

 ……いくら彼女が欲しいからって、後輩の男子を選ぶほど飢えてない。

 黒歌の問い掛けが死ぬほど効いた……。

 

 

 

 =月E日

 

 今日は学園が休みだった。

 黒歌と散歩をしていたら、オーディン様と会った。

 ……何を書いてるか判らないが、俺もいまだに良く理解していない。

 なんで休日、町を散歩してたら北欧の主神様と会えるのか…幸運、と言えるのだろうか?

 多分言えないと思う。

 ちなみに、ロスヴァイセさんは撒いてきたらしいので、一緒ではなかった。

 俺から聞いたわけじゃないけど、オーディン様が教えて下さった。

 その後なんでか、黒歌から足を踏まれたけど。何でかいまだに判らない。聞いても教えてくれないし。

 反抗期? 猫にあるかは知らないけど。

 

 そのあと、なんでか喫茶店に誘われた。メイド喫茶だった。

 なんでも一度行ってみたかったらしい。……北欧でも有名みたいだ、日本のメイド喫茶は。オーディン様は主神って言われるくらい偉いんだから、メイドくらいいないんだろうか? 聞いたら、浪漫が判ってないと言われた。……まぁ、いいや。気にしないようにしよう。

 そのあとアザゼル先生も来たのには驚いた。

 ホント、なんだよあの空間。

 メイド喫茶に体格のいい爺さんと学園の教師と一緒とか…何の罰ゲームだと言いたい。

 その後、バラキエルさんという人とも会った。堕天使らしい。しかも、姫島のお父さん。

 色々説明されたが、よく覚えていない。

 オーディン様と会った。アザゼル先生はあまり仲が良くないみたいだった。バラキエルさんは姫島のお父さん。

 ……俺の脳みそじゃ、そのくらいしか覚えきれなかった。

 ああ、あと…緊張で胃が痛かったのは覚えてる。

 オムライスに俺と黒歌の名前がハートマークで囲まれてたのには驚いた。犯人は晩御飯抜きにした。

 今日は疲れた……早く寝よう。

 

 

 

 =月F日

 

 寝坊した。塔城さんに起こされた。

 なんでか黒歌が朝食の用意をしてくれていた。

 理由はレイナーレさんも寝坊していたから。まぁ、俺の寝坊は自業自得だけど。

 レイナーレさんは頑張ってるから、しょうがない。

 申し訳なさそうにされると、こっちこそ申し訳なくなる。だって、俺って何もしてないし。

 あんまり無理しないように、って言ったけど、大丈夫だろうか?

 

 昼間の家事は休むように言っておいたけど、やっぱり掃除とかしたらしい。

 黒歌が止めてもダメだったと言って呆れていた。

 疲れてるんだろう。毎日家事をしてくれて。

 申し訳なく思う。何か出来る事は無いだろうか?

 

 

 =月G日

 

 黒歌にレイナーレさんの事を相談した。

 でも、黒歌はレイナーレさんの好きにさせる方が良い、と言っていた。

 レイナーレさんは世話を焼くのが好きだから、好きな事をさせてた方が喜ぶ、と。

 そんなものなんだろうか?

 助けてもらってばかりなので、心苦しいばかりだ。

 まぁ、黒歌が後は任せてと言っていたので、任せようと思う。

 男の俺より、女の黒歌の方が色々と話しやすいだろうし。

 ……迷惑がられてたりしないだろうか? 不安だ……。

 

 

 

 =月H日

 

 今日は珍しく、早起きをしてみた。

 というのも、偶にはレイナーレさんの代わりに朝食の用意でも、と思ったんだが……俺より先にレイナーレさんが起きてた。ちなみに、日課の訓練ももう終わらせてたらしい。どれだけ早起きしてるんだろう、レイナーレさん。聞いたら、俺よりも2時間以上早起きだった。今頃その事に気付いた俺は馬鹿かアホだ。

 ……凄いなぁ、と本気で思う。

 この家に来て半年くらいだけど、ずっとそうやって助けられてたかと思うと、ありがとうの言葉じゃ足らない。

 今日は朝から、レイナーレさんとゆっくり話をする事が出来た。

 これからは、もっとレイナーレさんの為に何かしたい、と思う。

 ……まぁ、俺が出来る事なんて掃除の手伝いとか、それくらいしかないんだけど。

 情けない。その掃除もあまり役に立てるレベルじゃないだろうし。

 レイナーレさんは、今日みたいに偶にゆっくり話が出来るだけで十分です、と言ってくれた。

 ホント、良い人過ぎるよな、レイナーレさん。

 美人だし、料理も上手になったし、家事も得意だし…おまけに強いときてる。

 しかも、メイド服が似合う。まぁ、それはあんまり関係ないけど。

 そう言うと少し赤くなって照れていた。おまけに、こうやって可愛い所もある。

 これからもよろしくお願いします、というと、こちらこそ、と言ってくれた。

 ……俺、レイナーレさんが居なくなったら生活できなくなるような気がする。

 

 

 それと、学園での昼休み、屋上で昼寝をしていたら塔城さんとアーシアさんに起こされた。

 なんでも俺を探してたらしい。

 最近は英雄派? 『禍の団』の過激派の人達が町に来ていて物騒らしい。

 ……悪魔の戦争? に巻き込まないでほしい。本当に。

 今日は塔城さんとアーシアさんの三人で帰った。

 レイナーレさんの事を相談したけど、やっぱり返ってきた答えは「レイナーレさんの好きにさせればいい」だった。

 ――それはそうだろうけど、それだと寂しい。

 

 

 

 =月I日

 

 グリゼルダさんにレイナーレさんの事を相談し、甘い手作りお菓子をプレゼント、という流れになった。

 どうしてそうなったかは判らない。

 多分犯人は紫藤さん。試作のケーキのほとんどを食べられたから。太れ。

 取り敢えず、作り方は教えてもらったので、あとは本番だ。

 喜んでもらえるだろうか? 不安しかない。

 

 

 

 =月J日

 

 さっき、オーディン様が家に来た。

 ……最近、俺の周囲がおかしい。

 なんで北欧の神様と会う確率が上がってるんだろう?

 ロスヴァイセさんも一緒だった。

 まぁ、お茶を飲んだら帰っていったけど。

 なんだったんだろう? また変な事に巻き込まれなきゃいいけど……。

 黒歌とか、終始思いっきり睨んでたし。

 やめて欲しい。オーディン様に怒られたら、俺は簡単に死んじゃうから。

 

 

 

 =月K日。

 

 今日はオーディン様とアザゼル先生、バラキエルさんも来た。兵藤達も一緒だった。

 その時点で、嫌な予感はしていた。

 せっかくレイナーレさんの為にケーキを作っていたのに、また今度作り直そう。今日はケーキな気分じゃないし。

 ロスヴァイセさんが不憫だった。

 ずっとオーディン様に小言を言ってたし。上司に小言を言えるって凄いと思う。でも、もっと言っていいと思う。

 その後、なんか用があるからって連れ出されて、変な人に絡まれた。

 ロキさん。裏切りの神様だっけ?

 オーディン様を裏切ってた。……もうどこから突っ込めばいいのか。

 ずっと俺は蚊帳の外だった。だって、話に全くついていけないし。

 なんでも、ロキさんはオーディン様が俺と接触するのが嫌らしい。

 俺なんて、ただの人間なんだけどな……聞いちゃくれなかったけど。どうしてグレモリーが関わる連中は、俺の話を聞いてくれないんだろう?

 まぁ、今回はグレモリーはあんまり関係ないのかもしれないけど。

 馬鹿みたいにデカい犬が黒歌を噛もうとした時は、本気で焦った。兵藤は噛まれてたけど。まぁ、すぐに治ってた……悪魔って凄いよなぁ。俺だったら、多分丸呑みされてると思う。それくらい大きな犬だった。

 その後、ヴァーリ君と美猴さんが助けてくれなかったら、どうなってたか……。

 ロキさんも、ヴァーリ君達を怖がって逃げていった。ホント、一体なんだったんだか。

 俺を巻き込まないでほしい。あの場所に人間って、俺一人だったし。

 巻き添えで死ねるレベルだと思う。

 

 ちなみに、二人は今日は家に泊まっている。

 もう何人か仲間が居るらしいけど、その人たちは兵藤の家に泊まっている。

 黒歌の恩人なんだし、お礼をしたいと言って無理に泊まってもらった。

 この前、アーシアさんも助けてもらったし。

 黒歌の元同僚だし、今晩は色々と話しているようだ。

 それにしても――最近よく、テロリストのはずのヴァーリ君達に助けられてる気がする。

 今回も、この前のレーティングゲームの時はアーシアさんを。

 テロリストって何だろう? そんな哲学的な事を考えてしまいそうだ。

 

 

 




別に、原作が嫌いなわけじゃないんですよ?
多分、別の形でSSを書くことになったら、今度は悪魔中心で書くと思うし。
まぁ、書かないけど。そんな時間がない。

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