というよりも、感想読んでようやく気付いたけど、後半が上手にコピペできてなかったようです
#月O日
上代君が『禁手』に至った。もしくは、以前から『禁手』へ至っていたのかもしれない。
だが、少なくとも今日の一件で上代君の立場はさらに難しいものになった事だろう。
魔王様や堕天使総督すらも対象とする時間操作。
それだけでも厄介極まりなかったと言うのに、今度は体力、魔力――生命力のドレインだ。
今までは大規模な時間操作の後は一週間近く倒れていた。
少なくとも、堕天使コカビエルを老衰させた時、『駒王協定』の場で攻めてきた旧魔王派を巻き込んだ大規模な『巻き戻し』の際は倒れ――昏倒していた。
なら今回は?
――今彼は、自宅のベッドで倒れている。
レーティングゲームの場で、上代君は『禍の団』旧魔王派に襲われた。
本来戦うはずだったディオドラ・アスタロトは旧魔王派の一員で、彼は旧魔王派を誘い出す為の餌にされた。
その事にも……思う所はある。色々と。旧魔王派の事は冥界の問題で、彼は人間だ。
そんな彼を巻き込むのは、どうかと思う。
お姉様たちは上代君を信頼しているから、と言ったが、それは信頼の形としてどうなのだろうか?
確かに上代君は強い。
強すぎる、と言ってもいい。彼の存在は、いつかバランスを崩すかもしれない――そう思えるほどだ。
千の上級悪魔を無力化し、ディオドラ・アスタロト、その他にも旧魔王派に与する『旧72柱』の悪魔すら退けたらしい。
きっと、私に知らされていない情報もあるはずだ。
……彼は今回、目立ち過ぎた。
『女王』レイナーレ、『僧侶』黒歌。
その二人の為に、彼はどうしようもないまでに目立ってしまったのかもしれない…。
これから上代君は、どうなるのだろうか?
冥界、天界、『神の子を見張る者』――そのどれかの陣営に無理矢理置かれるのか、それとも今のままの表面上だけの不可侵で守られるのか…。
はたまた、外の神々の陣営が関わってくるのか……難しい所だ。
匙に相談したところ、難しい顔をしていた。 恐らく私もだろうけど。
――まずは、彼がいつ目覚めるか、だ。
彼の立場をどうこう出来る力は、私には無い。
今出来る事は――彼が一日でも早く目覚めてくれるように、心配するだけだ。
それに、兵藤君。
彼もまた、今回の件でアーシアさんが攫われた後、リアス達と救出へ向かった後何かあったらしい。
今は冥界のグレモリー邸で療養中なのだとか。
今回の一件は、本当に色々と難しい問題ばかりが残ってしまった。
これから一体、世界はどうなるのだろうか?
#月P日
昨日のレーティングゲームの件で冥界は慌ただしいが、体育祭の準備もあるので、冥界の動向を探る時間も少ない。
まぁ、今までの上代君への対応から、そう悪い処遇は無いと思うが。
それにお姉様も、上代君への今回の事は悪いと思っているようだった。
それでも、どうなるかは判らない。
上代君の存在は、いまや魔王一人の一存でどうにかできるほど小さなものではなくなってしまった。
強い力は、それだけで立場が変わってしまうものなのだから。
……普通に生きたいのではないのか?
その為に、力を隠していたのではないのか?
普通に生きるという事がどれだけ難しい事なのか、上代君は知っているはずだ。
だからこそ、この学園で、堕天使に殺されるまで――私達にも力を隠していたはずだ。
そして、最低限の力だけを見せ、今までも普通を演じていたはずだ。
――こうやって力を見せてしまっては、少しずつ……でも確実に、上代君の平穏は無くなっていく。
その結果がどうなるか……。
戦いに駆り出されるのか、それとも怖れられ――封印されるのか。
上代君が倒れているからか、考えがダメな方向へばかり向いてしまっている。
早く目を覚ましてほしい。
……このまま寝たきり、とは考えたくない。
#月Q日
リアスの『戦車』から、上代君が目を覚ましたと言う事を教えてもらった。
まずはこれで、一安心だ。
まだまだ彼を取り巻く周囲は落ち着かないが、まずは目を覚ました事を素直に喜ぼう。
これで体育祭の準備に集中できる。
私の学園生活最後の体育祭だ。必ず成功させたい。
#月R日
今日も、上代君は学園を休んでいた。
一応念のため、という事だ。それもそうだろう。上級悪魔千体と大立ち回りをしたのだ、不調がいつ、どこで現れても不思議ではない。
上代君の処遇は、魔王様方でも決めかねているらしい。
お姉様からも、あれから連絡は無い。
リアスの方も、ルシファー様からなにかする様に、というのは聞いていないようだ。
……取り敢えず、お見舞いの品でも用意するべきだろうか?
そう相談したが、まずは体育祭の準備を、と匙から注意されてしまった。
上代君が目を覚まして、少し浮かれてしまっていたらしい。気を付けよう。
#月S日
体育祭の準備は、滞りなく進んでいる。
この分なら、問題なく準備は終わる事だろう。
これも、有能な配下に恵まれたおかげだ。皆にはどれだけ感謝してもし足りない。
ありがとう。
#月T日
今日、久しぶりに上代君が学園に登校してきた。
結局、彼が『神器』を使って昏倒したのは2日だけだ。
『禁手』の影響か、それとも彼の身体が『神器』に慣れてきたのかは判らないが、今回は大規模な能力を使用したにもかかわらず、2日だけしか倒れていなかった。
これは……世界からは、どう思われるだろうか?
彼が無事だった、と喜びはするだろうが――それ以上に深く考えるはずだ。
上代君が目を覚ました事で、彼の周囲も慌ただしくなるだろう。
久し振りに見た彼は、相変わらず、のんびりとした様子だった。
その変わらない様子に、どうしてか安心してしまった。
もしかしたら――どれだけ周囲が変わっても、上代君は変わらないのでは?
不覚にも、そう思ってしまった。
#月V日
今日、何者かがこの町に侵入した。
結界をあっさりと破られ、その後も存在を隠さないような相手――出鱈目な魔力を持った存在だ。
いったい何者だったのだろうか? リアスも気付いていたが、何者かは判らなかった。
誰が、何の為に来たのか……先日、レーティングゲームの場で『禍の団』が現れた事といい、このタイミングでは無関係という訳ではないだろう。
しばらくは、警戒するべきか――。
#月X日
休日に、お姉様が遊びに来た。
というよりも、上代君の事を気にして様子を聞きにきたようだった。
やはりお姉様は……上代君の事を、悪く思ってないのだろうか?
その行動と服装の所為で、いままで浮いた話一つなかったお姉様だ。素直に喜ばしい。
まぁ、魔王という立場から、上代君の事を気にしているだけかもしれないが。
それにしては、気にし過ぎている気がする。
妹として、応援したい。まぁ、上代君には元堕天使の『女王』や『僧侶』…魅力的な女性が傍に多い。
というよりも、よく考えると彼は年上が好みなのかもしれない。
そうだとすると、お姉様にもまだ勝ち目はあるのか?
……こういう想像は、結構楽しいものだと思った。
まぁ、私には相手が居ないのだが……。
ほとんど何も知らない婚約者――か。溜息しか出ない。
#月Y日
明日は体育祭だ。準備の方も、今日完了した。
あとは当日しだい。明日が楽しみだ。
病み上がりだが、上代君も楽しんでくれたら、と思う。
しかし、兵藤君がまだ療養中なのが気になる。体育祭に間に合うだろうか? ……難しいか。
リアスは悲しむだろうな。あの子は、配下を大切に思っているから。
#月Z日
体育祭は無事に終了した。
これで、肩の荷が一つ降りた気分だ。姉様も来られなかったし。良かった、黙っていて。
次は、修学旅行か? まぁ、あれは2年がメインだから、3年である私にはあまり関係ない。
少し余裕ができた、か。
これからの事を、少しずつでも考えていかなければならない。
私の事、将来の事、これからの事を。
生徒会のメンバーで打ち上げを行った時、匙から将来どうするのか、と聞かれた。
……私の将来は、どうなるのだろう?
レーティングゲームの学校を作りたい。それが私の夢。
私はシトリー家の次期当主だ。将来どうするか、と決められる立場ではない。
いや、決まっている、と言えるのだろう。
学校を作るのは、私のただの我儘なのかもしれない。
それでも、応援してもらっている。配下の皆から。上代君から。
――シトリー家の次期当主としての未来。そこには本来あるはずの無い私の夢。
夢を見てしまうのは、叶うと信じてしまうのは――特別でありながら普通を演じ続ける上代君の影響だろうか?
そう考えると、少し可笑しな気分だ。悪魔が人間に感化されるなど…。
#月!日
上代君の家族関係は、とお姉様から聞かれた。
取り敢えず、いきなり訪ねてくるのはどうにかしてほしい。学園から帰ってきたら普通に家に居たので驚いた。
それにしても、上代君の家族関係か。
依然調べた時には健在で、両親とも海外に出張しているという事だった。
――そう、調べた限りでは。
それにしては、家を離れ過ぎではないだろうか?
私の気にし過ぎだろうか?
お姉様は上代君の御両親に挨拶をしたいと言っていた。
……それはどうかと思う。取り敢えず窘めておいた。
#月”日
今日もまた、何者かが町に侵入した。
現場へ向かうと、何の証拠も残っていなかったが…。
何者だろうか? 前回と同じ人物だろうか?
私達が知らない所で、また何かが起きている――そんな気がする。
それも……その中心は、上代君だ。
彼には、平穏、普通の中で過ごしてほしいと思う。
その方が、彼の為――そして、きっと世界の為だ。
強力過ぎる力は、争いの種。彼は、その種に成り得る。
世界は、彼の存在を知ってしまった。危険性に気付いてしまった。
……それは、きっと不幸だ。
#月$日
今日、ルシファー様から面白い物が届いた。
先日受けたインタビュー。それの編集前の映像だ。
裏切り者であるディオドラ・アスタロトが映っているから、これから破棄されようとしていたところを、ルシファー様が抑え、送って下さったらしい。
各々の戦う理由が映っていた。
リアス、兵藤君をはじめ、リアスの配下が一番多かったのは、彼女が期待されているからだろう。
私と匙の二人だけしかインタビューされていないシトリー眷属とは違う。
現魔王、ルシファーの妹。赤龍帝と聖魔剣、聖剣デュランダルに強力な『神器』を複数有している事からも、注目を浴びるのは当然か。
今はその評価で構わない。
いずれ、今度は私が勝つ。必ずだ。
次、私が戦う相手、シーグヴァイラ・アガレス。リアスの次の相手であるサイラオーグ・バアルのインタビューも映っていた。
そして――最後に上代君。
彼への質問は……言っては悪いが、あまり気分が良い内容ではなかった。
魔王様が直々に『悪魔の駒』を渡した人間への期待。
そして、たかが人間と侮る、見下した侮蔑。
そんな内容の質問だった。
元堕天使、しかも中級程度の実力しかない『女王』。
元テロリスト、今も冥界だけでなく世界を悩ませる『禍の団』だった『僧侶』。
明らかに、二人を見下した質問だった。
しかし、上代君はその悪意に対して、ただただ真摯に応えていた。
黒歌の面倒は、死ぬまで見ると。
レイナーレの事を強いと――尊敬し、信頼していると。
……羨ましいな、と思った。
彼の答えを聞いて。それだけの、全幅の信頼を向けられて――それは、配下として最高の名誉だろう。
そして、それだけの信頼を向けられる配下を得たこともまた……最高の幸せなのかもしれない。
それが、彼の配下。上代徹の眷属。――私がいつか倒さなければならない、友人だ。
昨日は投稿できなかったぜ…連続更新は71でストップか。多分。
よく頑張った、俺。
まぁ、いきなり夜勤が入って、仮眠をとったからだけどね。
これを機に、ちょくちょく休みを入れて、積んでるゲームを消化したいです。