四巻? 書いてたら挫折した。
だって2時間かけて今回の話の半分くらいしか書けなかったから、
とりあえずデータ保存だけして放置
まぁ、上代先輩クンカクンカしてるだけだから、あんまり気にしないで下さい(ぇ
$月A日
明日から夏休みです。三大勢力の会談で、上代先輩の立ち位置は随分と危ういモノになりました。
部長の兄である魔王、サーゼクス・ルシファー様も、上代先輩を警戒しているようです。
警戒、というよりも興味以上の感情を抱いている、が正しい気がしますけど。
最近よく、部長に上代先輩の行動を聞いてきています。そんなの気になるなら、自分で会いに行けばいいのにと思います。でも、魔王が一人の人間に会いに行く、というのも問題なのかもしれません。
こんな事になって、上代先輩にはあまり近寄れなくなりました。
天使、堕天使も、先輩と先輩の周囲の行動に目を光らせているからです。
堕天使は、監視役のようにアザゼル先生が来た。上代先輩の傍に堕天使のメイドが居るので、一番上代先輩に近いと思います。
天使はまだ行動を起こしていませんが、部長の話では、そう遠くないうちに行動を起こすという事でした。私もそう思います。
そして悪魔は……部長率いるグレモリー眷属、そして生徒会のシトリー眷属が上代先輩に近いと言う事で、接触するようにと言う話でした。
……私としても、その話は望ましいモノです。
上代先輩と接触する事が出来れば、姉様の事を知る事が出来るかもしれないから。
姉様の事は、正直あまり好きではない。嫌いではないが、好きでもない。
でも、知りたいとも思ってしまいます。会いたいとも。会って話したいです。
姉様の匂いをさせる上代先輩。先輩と話したい。
$月B日
上代先輩には、やはり接触する隙がありません。
放課後の訓練がキツくて、その余裕がありません。グレモリー眷属の中でも、私は一番微妙な立場だ。
祐斗先輩は聖魔剣に目覚め、ゼノヴィアは伝説の聖剣デュランダル使い。ギャー君は上代先輩と同属性の『停止世界の邪眼』を持ち、アーシア先輩は希少神器『聖母の微笑』を持っている。
私は? 私には、何も無い。
……今の居場所を失くさない為に。私は、強くならなければならない。
$月C日
イッセー先輩に勝てなかった。
負けなかったけど、勝てなかった。
……ドラゴンを宿した先輩は、私を簡単に超えて、強くなってしまった。
『神滅具・赤龍帝の篭手』を使いこなし、長期戦になると私では手も足も出せない。
勝つには短期決戦。イッセー先輩が強くなる前に倒すしかない。
……そんなので勝ったと言えるわけがない。
悔しいとも思えない。ただ、怖い。
私だけが、進む事が出来ずに、立ち止まっている。
臆病で引き篭もりだったギャー君でさえ、自分の恐怖の形とも言える『神器』を受け入れようとしてる。
少しでも目標に近づこうとしてる。
上代先輩……ギャー君が、隠す事無く口にする目標。魔王に認められた人間。
私の目標は――誰だろう?
$月D日
今日、イッセー先輩の家のリフォームが終わったらしい。呼ばれたけど、行く気分じゃなかったので断った。
イッセー先輩の家は、これからオカルト研究部の活動拠点になるらしい。それでいいのだろうか? イッセー先輩の両親は普通の人間だと思っていたけど。
まぁ、ただの『戦車』が気にする事じゃない、と思う。
近いうちにイッセー先輩の家に引っ越すように言われたが、気が向かない。最後のわがままで、せめて夏休みが終わるまで時間を貰った。
今は、イッセー先輩の顔を見たくない。
$月E日
一人での訓練には限界がある。でも、今の私には頼れる人が居ない。
部活の皆には、弱い私を見せたくない。誰かに頼れるほど、私は人付き合いが得意じゃない。
だから、私は弱いのだと思う。
……簡単に強くなる方法ならある。
でも、私は姉様と同じ道を進むのを躊躇っている。
きっと、今強くなったら……私は力に呑まれる。そう、理解している。
$月F日
体中が痛い。自分でしたから、包帯も綺麗に巻けてない。薬の匂いで、鼻が馬鹿になってる。
……私は、何をやっているんだろう。
こんな事をしても、イッセー先輩に勝てるはずなんかないのに。
明日からは、夏休みを利用して、冥界で修行や、色々な行事をグレモリー眷属として過ごす事になる。
冥界に行けば……少しは、強くなれるだろうか?
そんな根拠なんかどこにも無い。
でも、私は部長の『戦車』だから、付いて行かなければならない。
部長とアザゼル先生は上代先輩も誘うつもりらしい。上代先輩がどう応えるかは判らないけど。
……姉様の匂いを持つ先輩。そう言えば、もう随分と会っていない。
$月H日
上代先輩は、冥界行きを断ったらしい。それもそうか、と思う。
冥界は、人間にとっては毒、地獄そのものだ。居るだけで、身を蝕まれる。
……上代先輩にとっては、今更のような気もするけど。
冥界行きの列車の中は、とても賑やかだった。イッセー先輩を取り合う部長とアーシア先輩が主だったけど。
車中では退屈せずに済んだと思う。賑やかな三人を眺めていると、グレモリー領についてたし。
オカルト研究部。私の居場所。居心地の良い場所。
いまのままじゃ、ここに私の居場所は無い。あるけど、多分無くなる。
アザゼル先生は、今日は魔王様達と会談があるらしい。
イッセー先輩と一緒でスケベな先生だけど、真面目な時は真面目だ。
しかし、部長の家は相変わらず大きい。中世のお城のようだ。
そして、部長の御両親の感覚も大きい。というかズレている。
イッセー先輩に、お土産としてお城を渡そうとしていた。上級悪魔というのは、感覚がおかしいと思う。
まぁ、部長の将来の相手として見られているイッセー先輩なら、それくらいは当然なのかもしれないけど。
私ならお城より、美味しいご飯が嬉しい。
午後からは、新人悪魔の会談があった。夏休みの終わりに、レーティングゲームをする相手の集まりだ。
私達はソーナ・シトリー眷属と、二週間後にゲームで戦う事になった。
負ける相手じゃない。赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣使い……私達が負ける要因など無い相手。
でも……それだけでは、駄目だ。
私は、勝ちたい。勝てるくらい、強くなりたい。
勝って……強くなったと、証明したい。白音としてではなく、塔城小猫として。
そうすれば、私は前に進めると思う。前に。
でも、イッセー先輩のスケベはどうにかならないのか、と思う。
女湯に飛んできて、部長とアーシア先輩の三人で盛り上がっていた。
……こんな人に勝てなかったのかと思うと、憂鬱になる。
$月I日
アザゼル先生から、皆が強くなる方法を伝えられた。
……判っていた事だ。でも、それでも複雑だ。
どうすればいいのか、わからない。それが正直な気持ちだ。
私を受け入れろ、と言われた。でも、私は私の何を受け入れればいいのか判らない。
私の力か、私の過去か、それとも姉様か――。
私は、何を受け入れればいいのだろう?
――それでも、その何かを受け入れなければ、私の居場所は無くなってしまう。
$月K日
腕力だけの戦いには限界がある。理解している。
私がこれから使わなければならないのは、その先――仙術による肉体の強化。猫魈の力。
仙術を使いこなせるようになれば、肉体だけじゃなくて気脈……魔力にまでダメージを与えられる。
攻撃と同時に、攻撃を封じる事が出来るようになる。
でも――私は、姉様のようになるのが怖い。力に呑まれ、全部を傷付けた姉様が怖い。
……私が受け入れなければならないのは、猫魈の力? 姉様との過去?
……判らない。
$月P日
修行を一段落させ、部長の家に戻ると、上代先輩が居た。
冥界に居ないはずの上代先輩に、皆が驚いていた。
でも――上代先輩からは、姉様の匂いがしなかった。
……私は、何を期待していたのだろう。
判らない。何を受け入れ、何を目指せばいいのか、わからない。
教えてくれたかもしれなかった匂いは、消えてしまっていた。
$月Q日
アザゼル先生から渡されたトレーニングスケジュールを終えた。
二週間分のトレーニングだったが、七日で終わってしまった。明日からは、自主トレーニングだ。
そうでもしなければ、私は強くなれない。
特別な『神器』なんか持っていない。そんな私が強くなるには、より多くの訓練をするだけだ。
$月R日
体中が痛い。頭も重い。過労だろう。
……それでも、まだ足りない。イッセー先輩には、及ばない。祐斗先輩にも、ゼノヴィア先輩にも。
『神器』を受け入れようとしているギャー君にすら、遠く及ばない。
もっと……もっと、強くならないといけない。
姉様のように、世界の邪気に取り込まれないように。強くなりたい。
そうすれば、私も猫魈の力を使う事が出来る。……その筈だ。
イッセー先輩よりも、祐斗先輩よりも、ゼノヴィア先輩よりも、ギャスパーよりも……強く。
……そうしないと、私はどこに居ればいいのか、判らない。判らなくなる。何処にも居られなくなる。
$月S日
身体が軽い。体力と傷が回復している。でも、身体には力が漲っている。今から、裏山を走り回りたい気分だ。
上代先輩の『神器』の能力は時間操作。巻き戻し、再生、早送りだと聞いていた。
きっと、私の傷を巻き戻してくれたんだろう。
私が眠る前に、上代先輩が来た。倒れた私のお見舞いに、だ。何処で聞いたのか……妙な人だ。私と上代先輩は、そんなに親しい訳でもないと思うのに。
それでも、倒れた私を心配していてくれた。私の傷を治してくれた。……治した、とは少し違うか。
そんな先輩に、私は八つ当たりをしてしまった。最悪だと思う。事実、最悪だ。
心配してくれたのに、何も知らないのに。なのに――。
強くなりたい。
でも、猫魈の力に頼りたくない。
姉様のようになりたくない。
皆を傷付けるかもしれない力が怖い。
――それでも、役に立ちたい。役に立てなくなったら、私の居場所はどこに残るのか……。
そんな、滅茶苦茶な事を上代先輩に言った。答えを求めた。身勝手に、だ。
上代先輩は何も言わないで…ただ黙って、私の言葉を聞いていた。答えを言ってくれなかった。
答えが無い…それがどうしても嫌で、八つ当たりのように言葉を荒げたと思う。良く覚えていない。気付いたら、眠ってしまっていた。そして今起きた。
結局、上代先輩は答えをくれなかった。私の愚痴を聞いて、言葉を受け止めてくれただけだ。
でも、身体は軽くなっていた。傷を――オーバーワークで倒れた身体を治してくれていた。
……優しい人なのか、優しくない人なのか判らない。
…それと……姉様の匂いがした。暖かな匂い。大好きだった匂い。嫌いじゃない匂い。
姉様と、上代先輩の匂い。
まだ……まだ、私は独りじゃないと思う。
私は、何を受け入れるべきなのだろうか。
答えが欲しい。でも、答えは自分で見つけないといけないのだろう。
上代先輩が答えをくれなかったのは、きっとそういう事なのだろう。
今なら、そう思える。少しだけ頭が冷えた今なら。
ツンツンしてる子がデレると可愛い。
しかし、ものの見事にイッセーのフラグが折れてるなぁ、と思う。まぁ、気にしない。
次回は皆さんのヒーローが登場……か?
ああ、主人公はヒーローじゃなくてお助けキャラ的な存在だから。
言うなればロム兄さん。パッと現れて、パッと片づける人。え、違う?
それと、あんまり木城君のこと苛めんなよ
木出君だって頑張ってるんだよ。日記に書いてもらえないだけなんだよ。
あんまり木羽君をいじめると、俺だって怒るんだからね?
だから、これからはあんまり木田君を悪く言わないこと。お兄さんとの約束だ!
……そのうち、木場君のファンから刺されるかもしれないな、俺