とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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一巻では全く気にしてないです。
二巻なんてなかった。書いてたらイッセーの話ばっかりだったし。主人公と絡んでないんだもん。
三巻は匂いフェチ(違
四巻はまた明日

投稿した後に気付いたけど、執筆中に感想が1000件超えてました。
みなさんありがとうございます、これからも頑張りますorz



53(白猫日記)

 ○月Q日

 

 今日、変な先輩と会いました。

 上代徹先輩。3年生。部長が言うには、一度死んだ人間らしいです。

 一度死んだのに生きているという、変わった先輩です。

 顔は普通。性格は……よく判りませんでした。気配が薄いと言うか、存在感が薄いと言うか。妙な先輩です。

 

 

 

 ○月D日

 

 副部長に連れられて、上代先輩が部室に来た。

 部長はオカルト研究部に先輩を誘うつもりだったようだけど、断られてました。まぁ、当たり前ですね。部員の私が言うのもなんですが、名前からして怪しいですし。今時オカルトなんて名前に惹かれるのは、ちょっと頭が変わった人か、私達のような悪魔だと思います。普通の人を誘いたいなら、部の名前を変える必要があると思います。

 というか、副部長が出した火の玉とかに怯えてました。年上だけど、ちょっと可愛いかったです。

 挨拶をすると、その時初めて私に気付いたように挨拶をしてくれました。失礼な先輩です。小さかったからですか? そうなんですか?

 あと、兵藤一誠という2年生の先輩も来た。こっちは入部してました。スケベで有名な先輩です。

 部長と副部長の胸ばかり見てました。やっぱりスケベです。あまり好きになれそうにありません。

 そのあと、部長が副部長にお仕置きをされてました。上代先輩の『神器』を見せてもらうのを忘れていたからです。まぁ、いつもの光景でした。

 

 

 

 ○月I日

 

 副部長が、上代先輩がチラシを使って召喚しない事に不満を漏らしていた。

 あんな怪しいモノを普通っぽい先輩が使うだろうか? ちょっと想像がつかない。

 どうして使わないのだろうか、と副部長が部室でぼやいていた。

 警戒してるだけだと思う。

 

 

 ○月A日

 

 上代先輩が、堕天使に会ったそうです。襲われなかったのでしょうか? 不思議な先輩です。

 まぁ、無事だったのは良かったと思います。親しくはありませんが、知った顔が死ぬとなると、あまり良い気分ではないですし。まぁ、本当に死ぬのかは怪しいですけど。前科がありますし。

 副部長が上代先輩を部室に拉致してきた。連れてきたのではない、拉致だ。手首なんか真っ赤だったし。

 悪魔の力で普通の人間の手を力強く握ったら、赤くなるのも当然だ。きっと痛いと思う。

 そこに気付いていない副部長は、結構残念な性格なのかもしれない。まぁ、教えないけど。そっちが面白そうだし。

 

 

 ○月@日

 

 副部長から、上代先輩の家にチラシを配るように命令された。まぁ、別に良いですけど。暇ですし。

 最近、放課後は部室でお菓子を食べて帰るだけの生活を送ってる気がする。これはいけない。まぁ、夜になったらチラシで呼び出されたりしてるけど。

 運動ついでに、兵藤先輩と一緒に上代先輩の家にチラシを配ってきた。

 兵藤先輩は、スケベだけどいい人だ。途中でジュースを奢ってくれた。

 

 

 

 ○月「日

 

 上代先輩が、悪魔のチラシを捨てたらしい。

 まぁ、そうだろうな、と思う。

 今日は副部長と一緒に上代先輩の家にチラシを配りに行った。

 使ってくれるだろうか? まぁ、私としてはどっちでもいいけど。

 

 

 

 ○月」日

 

 上代先輩に召喚された。

 けど、副部長が召喚に応じていった。物好きだな、と思う。

 上代先輩は、どんな願い事をしようとしたんだろうか? ちょっと気になる。

 明日副部長に聞いてみよう。

 

 

 

 ○月{日

 

 小猫ですが、部室の空気が最悪です。まぁ、割といつもの事ですけど。気にしたら負けです。

 副部長って、落ち着いてるイメージがあったのですが、どうやらそうでもないみたいです。上代先輩に振り回されて、殺気立ってます。間違っても、人間に向けるものではないと思う。

 

 

 

 ○月|日

 

 久しぶりに、上代先輩が部室に遊びに来た。

 副部長が居なかったので、私がお茶を淹れる事になった。部長が呼んだのだから、部長が淹れればいいのにと思う。口に出したら怒られそうなので言わないけど。でも、部長って結構イジメられて悦ぶタイプだと私は思っている。確かめたわけではないけど。

 私の下手な紅茶を美味しそうに飲んでた先輩は、舌が肥えてないと思う。味が薄かったし。

 まぁ、美味しく飲んでもらえて悪い気はしなかったけど。

 それと、部長が副部長の事で上代先輩に相談してた。

 ……まぁ、別に何も言わなかったけど。

 身内の事で、他人に相談するのはどうかと思う。

 

 

 

 ○月$日

 

 兵藤先輩って変わってると思います。

 シスターを庇って怪我をするなんて、悪魔としてどうかと思う。

 まぁ、良い事だとは思いますよ? そういうのは、私は嫌いじゃないです。

 

 

 

 ○月≪日

 

 最近町で堕天使が好き勝手にしてるらしい。教会の見張りを任せられた。

 しかし、どうしてか上代先輩が教会に来た。

 中に入っていったら出てこなかったけど。どうやって帰ったのだろうか?

 

 

 

 ○月:日

 

 イッセー先輩の『神器』が、実は『神滅具』でした。

 転生したての悪魔なのに、中級堕天使を倒してしまいました。

 それと、上代先輩の『神器』。

 部長の『滅びの力』で滅んだ堕天使を復活させてました。規格外も良い所だと思います。

 強力な『神器』……羨ましいです。私も強くなりたいです。今以上に。

 でも、自分の力が嫌い。

 ……強くなりたいのに力が嫌い。自分でも矛盾してると判ってますけど、どうしようもありません。

 それが私の本能ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 □月G日

 

 久しぶりに日記を書く。最近は忙しくて、それどころではなかった。

 フェニックスとのレーティングゲームに、部長の婚約。そして婚約破棄。イッセー先輩の『禁手』。

 たった数ヶ月で、イッセー先輩は私を軽く超えて強くなった。

 ドラゴンの力を宿してるから、という言い訳は使いたくない。

 強くなりたい。私の力を使わないで、強くなりたい。

 

 

 

 □月H日

 

 学園で、何処か、懐かしい匂いがした。上代先輩からだ。

 懐かしいけど思い出せない匂い。この匂いを、私はどこで嗅いだのだろうか?

 ……姉様を思い起こさせる匂いだ。

 思い出したくない。忘れられない。でも、懐かしくて暖かい匂いだ。

 

 

 

 □月I日

 

 最近、祐斗先輩の様子がおかしい。心ここにあらず、と言った感じだ。

 今日の球技大会でも、あまり良い結果を出せていなかった。しかも、その事を気にしてすらいなかった。

 どうしたのだろうか? 不安だ。

 

 それと、今日も上代先輩から不思議な匂いがした。

 なんだろう? とても、懐かしい匂い。思い出の匂い。姉様を思い起こさせる匂い。

 姉様……黒歌姉様。近くに居るのだろうか?

 

 

 

 □月N日

 

 上代先輩が部室に来た。それと、ヴァチカンから聖剣使いも。片方はイッセー先輩の幼馴染らしい。

 今日も、上代先輩は不思議な匂いをさせていた。無意識に嗅いでしまった。はしたない。

 そんな私を副部長が見ていた。気付かれただろうか? でも、いくら悪魔でもこんな微かな匂いまで嗅ぎ分けられるとは思わない。猫の――姉様の匂い。

 上代先輩は、姉様を知ってるのだろうか? 聞きたいが、聞くのが怖い。

 姉様は大罪人だ。上代先輩が姉様を知っているという事は、姉様の協力者なのかもしれないですし。

 そういう雰囲気の人ではないが、信用できるほど親しくも無い。

 

 今日は助けてくれたけど。

 イッセー先輩に服を破壊された時、すぐに時間を巻き戻して治してくれた。

 そう言う所は良い人だと思う。

 ……上代先輩と話したい。けど、その勇気が私には無い。

 

 でも、スケベ根性が強くなるほど、イッセー先輩が強くなるなんて。

 少し和めた。イッセー先輩は、どこでも変わらないな、と思う。

 

 

 

 □月O日

 

 上代先輩を、目で追ってしまっている。

 上代先輩からする姉様の匂いが濃くなっている。姉様は、きっと近くに居る。

 その事を、聞きたいのに聞けない。

 

 それと、イッセー先輩から聖剣を破壊するのに力を貸してくれと頼まれた。

 丁度良かったと思う。

 一旦、上代先輩の事を忘れて別の事をしよう。

 姉様の匂いは、懐かしくて暖かいけど、あまり好きじゃない。

 

 

 

 □月P日

 

 イッセー先輩達と聖剣を探したが、今日も見つからなかった。

 進展しない現状に、少しだけ苛々する。

 ……進展しないのは、どっちの事か。

 祐斗先輩の事か、私の事か。

 どっちかなのかも判らない。集中できていない。こんな状態では、きっと私は何もできない。

 判っているのに、どうしようもない。

 

 

 

 □月Q日

 

 祐斗先輩が居なくなるのは嫌だ。

 聖剣を追いかけていった祐斗先輩は、どうしてか、姉様のように思えた。

 祐斗先輩と姉様は違う。戦う理由も、力を振るう意味も。

 でも、どうしてもどこか似てるように感じてしまった。怖い。祐斗先輩が居なくなるのは嫌だ。

 祐斗先輩まで居なくなるのは……嫌だ。

 姉様みたいに、力に飲まれてるわけじゃない。復讐の為に、自分を見失ってるだけだ。

 でも、このまま進んだら、きっと祐斗先輩は復讐に呑まれてしまう。力を見失ってしまう。

 そんな予感がある。……怖い。

 

 

 

 □月R日

 

 バルパー・ガリレイ。そして、堕天使コカビエル。

 祐斗先輩の人生を狂わせた存在は消えた。バルパー・ガリレイは死に、堕天使コカビエルは上代先輩に壊された。

 壊れた。まさに、その通りだ。

 堕天使が老衰するほどの時間の操作。はっきりと、コカビエルという存在の心が砕ける音を聞いたような気がした。

 あれが、上代徹先輩。魔王ルシファー様に認められた人間。そして、姉様の匂いをさせる存在。

 不思議な気分だ。あれほど――恐ろしいとさえ言えるほどに強力な『神器』なのに怖くない。

 姉様の匂いがした。姉様が傍に居るような気がした。……姉様が守ってくれたように錯覚した。

 そんな事、あるはずがない。

 姉様は、力に呑まれて主人を殺した。多くの追手を殺した。SS級の大罪人。『主人殺し』の黒歌。

 だと言うのに、守ってくれたような気がした。傍に居てくれたような気がした。

 ……上代先輩から、何で姉様の匂いがするのだろう。

 聞きたい。

 

 

 

 □月S日

 

 上代先輩が、学園を休んだ。

 まぁ、あれだけ強力な『神器』を人間が使ったのだから、当たり前と言えば当たり前か。

 ……守ってもらって言うのもなんだが、無茶のし過ぎだと思います。もっと自分の身を大事にするべきだと思います。そんな生き方では、きっといつかどこかで破綻すると思います。

 上代先輩は……変な人だ。

 姉様と同じ匂いがするのに、姉様と真逆のような感じ。姉様は、絶対他人を助けない。絶対に。

 不思議な人だ。

 

 

 

 □月U日

 

 上代先輩が復帰した。見た限り、体調も万全のようだ。雰囲気もいつも通りだ。

 その事を、少しだけ喜んでいる。少しだけ、だ。

 姉様と同じ匂い。今日は、特に強かった。近寄るだけで、姉様を思い出してしまうほどに。

 その事が少しだけ……複雑な気分だった。

 私は、私が判らなくなりそうだ。

 姉様が嫌いなのか、まだ好きなのか、よく判らない。

 

 

 

 □月W日

 

 このままじゃ駄目だと判っている。

 上代先輩が姉様と繋がっているのか、この匂いは別の何かなのか。確かめなければならない。

 私が前に進む為にも。

 

 

 

 □月♪日

 

 ドキドキしてる。身体が火照っているのが自分でも判る。頭が熱い。茹っている。

 私は猫だ。猫の妖怪だ。上代先輩も、多分気づいてるんだと思う。

 ……どうして上代先輩、マタタビなんて持ってたんだろう?

 私の事は風邪だと勘違いしてくれて、助かりましたけど。

 あー……苦しい。姉様の事、聞き損ねてしまいました…。

 

 

 

 □月♯日

 

 上代先輩、私対策なのだろうか? 今日もマタタビを持っていた。

 そんなに姉様の事を聞かれたくないのですか? 判らないです。

 というか、頭が茹って苦しい。

 

 

 

 □月ω日

 

 きっと、マタタビは私対策なんだと思う。あんな匂いをされると、どうしても興奮してしまう。しかも、姉様の匂いも一緒だ。

 そんな状態で、マトモな会話なんかできるはずがない。

 ……上代先輩。姉様の事、知ってるのかな? 最近では、それでも不思議じゃないような気がしてしまってる。

 あの人のデタラメ具合は、少しだけ判った気がしますし。

 姉様と、どんな関係なのだろう? 私に聞かれたくないような関係なんでしょうか?

 

 

 




主人公が気になるというか、主人公の匂いが気になる白猫。
○いフェチ
小猫のキャラが安定してない気がするので、五巻までにどうにかしたい。
……もういっそ、匂○フェチで通すのも悪くないかな、と思ってしまった俺が居る。

木場<主人公の匂い

……この作品の木場君は、そろそろ泣いていい

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