調子が悪いと、三時間くらいかかる。
結果、ゲームをプレイする時間が減る。
閃の軌跡が進まない。
睡眠時間が減る。
テンションが下がる。
感想を読んでテンションが上がる。
URYYY
凸月K日
リアスの『僧侶』の一人であるギャスパー・ヴラディの『神器』の制御を、どうしてもうまく出来ない。
理由は判っている。彼が自身の『神器』を受け入れていないからだ。拒絶していると言っても良い。
仕方なしに、アザゼルからの助言に従い、上代君に彼を任せる事にした。
出来るなら彼にはあまり関わってほしくなかったが、そうも言ってられない。ギャスパー君の『神器』はそれほどまでに危険だからだ。だからこそ、今まで封印されていた。
……その制御の為に他人である上代君に頼るのは、本末転倒と言えるのかもしれないが。
もしかしたら、上代君が関わるのも、魔王様の考えの内なのかもしれないが。
今夜、兵藤君とギャスパー君が上代君の家に行っているはずだ。どうなるだろうか…心配だ。
まぁ、彼がギャスパー君を見捨てるとは思えないが。
凸月L日
報告では、ギャスパー君は、上代君と話した事で随分と落ち着いたらしい。
やはり、同じ時間制御系の『神器』だから、二人にしか感じられない事があるのかもしれない。
そう考えてしまうと、ギャスパー君の事は、上代君にしか任せられない事になってしまうが。そうなると、上代君に頼りっぱなしになってしまうな。それでは駄目だ。
匙からの報告をまとめると、匙の『神器』でも、ギャスパー君の『神器』はいくらか抑えられるらしい。
明日にでも、匙にまたいろいろと話を聞こうと思う。
上代君は確かに万能だが、頼りっぱなしになって良い理由にはならない。……コカビエルの時と同じでは駄目なのだ。悪魔の問題は、悪魔が解決しなければ。
凸月M日
放課後、匙には悪いが生徒会の仕事よりもギャスパー君の事を優先してもらう事になった。
上代君に頼らずに、問題を解決できるようにならないといけない。そういう地盤を作らなければならない。
彼は人間だから、悪魔の問題にかかわるのは最低限にしなければならない。魔王様が関わる事のような、どうしようもない事以外は、あまり関わってほしくない。
それも、何時までだか判らないが。魔王ルシファーは上代君という個人を望んでいる。
魔王様が望むなら、いつか彼も悪魔へと転生するだろう。
だから、せめてそれまでだけでも、普通の生活を送ってもらいたい。
私に出来るのは、それだけだから。
巻き込んでしまった私達が出来る事は、それだけしかないのだから。
せめて、それだけでも成し遂げなければならない。彼に頼らないで問題を解決できるように…。
それにしても、上代君にギャスパー君を任せて数日で、随分とギャスパー君が『神器』へと向ける姿勢が変わった。最初は拒絶しているとすら言えていたのに、今では進んで制御しようと向き合っている。
どういう心変わりがあったのか……上代君という、時間操作の先輩と出会って、ギャスパー君は変わった。リアスも驚くほどに。
彼が『停止世界の邪眼』を制御するのは、今は難しいが、その時はきっとそう遠くない。
……それが、上代君のお蔭というのだけは、素直に喜べないが。
普通に生きようとしてるくせに、悪魔に関わる彼がよく判らなくなる。まぁ、善人、である事だけは確かだろう。
良い人だな。見習いたいくらいに。
凸月N日
休日だったが、今日もギャスパー君の特訓だった。今日は、私も参加した。
匙の『神器』で不要な魔力を奪い、最低限の魔力で『神器』を制御する。そうする事で、暴走した時に、最低限の被害で済ませる。
頭では分かっていたが、必要以上に匙への負担は大きかったようだ。申し訳なく思う。
だが、それでも弱音を吐かない所は、本当に好感が持てる。匙が私の『兵士』である事は、胸を張って良かったと言える。
きっと彼なら、兵藤君にも劣らない『兵士』になれるだろう。『神滅具』持ちに負けない『神器』使いになれるだろう。
その時が楽しみだ。
しかし、兵藤君が上代君と姫島さんが付き合っていると言っていたが本当だろうか? そんな話は聞いていないが…。
それどころか、上代君は彼女をどこか苦手にしてるような気がするのだが。三すくみの会談が落ち着いたら、聞いてみようと思う。
まぁ、上代君の恋愛に、少しばかり興味もあるし。なんとなく、彼とは話しやすいのだ。気が合う、と言えるのか。
凸月O日
今日は、悪魔、天使、堕天使のトップ会談が駒王学園で行われた。
……どうしてか、その場には上代君も呼ばれていたが。しかも、上代君の席は魔王ルシファー様と天使ミカエルの間。つまり、各界のトップたちが座る場所と同じ位置だった。
それがどういう意味かなんて、考えるまでも無い。彼は、魔王や熾天使、堕天使総督と同じ立場だという事。
どうしてそうなったのだろう? 普通に疑問だった。彼は強力な『神器』を有しているが、人間だ。人間が、悪魔や天使、堕天使のトップと同じ立場などと……。
部屋に入ってきた上代君は、私達に気付くと安堵したように息を吐いていた。きっと、彼も現状に困惑していたのかもしれない。
そうしているうちに、会談は始まり、拍子抜けするほどあっさりと終わりを迎えた。
上代君なんて、何も喋らないでずっと用意されていた飲み物を飲んでいるだけだった。後で聞いたら、お酒だったらしい。上代君は酒豪なのか。結構なペースで飲んでいたと記憶している。
しかし、和平。和平だ。
悪魔と天使と堕天使が、そろって平和を望むという、最高の形で会談は終わりへと向かった。
予想だにしていなかった。そして、いつかその日が来るとしても、もっと先の事だろうと思っていた。
けど、素直に今はその事を喜びたく思う。これで、私の夢へ、また一歩近づけた。しかも、とても大きな一歩だ。
……だが、上代君の事だけは気にかかる。
会談の終わり、その時を狙っていたかのように『禍の団』というテロリスト集団が襲ってきた。
先代レヴィアタン、旧魔王派の一人。私達と、浅からぬ縁があるカテレア・レヴィアタンが率いる一団だ。
まぁ、彼女が率いるのも『禍の団』の一部らしかったが。
その一団を、彼は一人で抑え込んだと言っても良い。それほどの働きをした。それほどに、上代君は目立ってしまった。
普通に生きようとしているくせに……どこまでも馬鹿だな、と思う。
あの場には魔王が二人に熾天使、堕天使総督。それ以外にも、名うての戦士が沢山居たのに。それでも彼は、『神器』を使ってしまった。
魔王、熾天使、堕天使総督の目の前で、自分の価値を示してしまった。
新校舎一帯への干渉。干渉の内容は、不死化、とでも言えば良いのか。
一瞬で傷が癒え、魔力が回復し、万全の状態へと巻き戻されるというもの。……私はその時は判らなかったが、お姉様が後から教えてくれた。魔王であるお姉様もその恩恵を受け、無尽蔵といえる魔力で『禍の団』を殲滅したからだ。文字通り、殲滅だった。なにせ、相手は死なないのだ。魔王ルシファーとレヴィアタン、熾天使ミカエル、堕天使総督アザゼルの全力の攻撃を受けて耐えられる存在など、そうそう居ない。それこそ、伝説級のドラゴンだけかもしれない。瞬く間に戦場には気絶者で溢れ返っていた。しかも、抉れたグラウンドや、倒れた木、破壊された校舎まで直る始末だ。遠慮なんてするような殊勝な性格の方など、誰一人居なかった。そして、そんな規格外の存在達の『全力』に耐えきれる者は、この場には居なかった。
地獄。死屍累々。戦場――どれが一番正しいのだろうか? 気付いたら、戦いとも言えない一方的な虐殺は終わっていた。誰一人殺していないが、その表現が一番正しいと思う。
結局カテレアもアザゼルに負け、捕えられた。後日、『地獄の最下層』であるコキュートスにでも封じられるだろう。
死人は一人も出ていない。怪我人も皆無。戦果は無傷で『禍の団』の兵士と、カテレアの捕縛。建物や近隣にも被害は無い。
これらすべてが、上代君の手柄だ。
それが、上代君の力。魔王と並び立ち、魔王が望み、魔王が手に入れようとしている人間の力。
人間が持つには、大きすぎる力だと思う。どうしようもなく。
そんな力を見せてしまっては、きっと誰も放っておかない。魔王様だけじゃない。天使も、堕天使も彼を手に入れようとするだろう。
そうなってしまっては、普通に生きるなど、絶対に無理だ。
本当に、彼は何を考えているのか……。
凸月P日
やはりと言うべきか、上代君が倒れた。
あれだけ『神器』を酷使したのだ、倒れない方がおかしい。
あの使い方では、コカビエルの時以上に疲弊したのではないだろうか? ……心配だ。
このまま逝ってしまう、とは思いたくない。やっとできた友人なのだから。
今は無事を祈ろう。
お姉様は、心配していなかった。上代君はこの程度では死なないと、自信満々だった。羨ましい。私は、心配だ。
しかし、その自信は一体どこから来るのか……。
それはそうと、お姉様から上代君の事をどう思っているのか聞かれた。不謹慎だな、と思う。
まぁ、それはそれとして、良い友人だと思っている、と応えておいた。
上代君は、良い人だ。それに、気も合う。彼が私をどう思っているかは判らないが、私は彼を友人と思っている。
倒れた友人を心配する事は変だろうか? そう聞くと、お姉様がとても深い溜息を吐いていた。何故だろう?
凸月P日
今日も、上代君は休みだ。
どうやら、私は自分で思っている以上に上代君を心配しているらしい。学友や、配下の皆から心配された。
気の合う友人を心配しているだけだが、他の人から見ると、それ以上に心配しているように見えるらしい。
まぁ、心配しているのは本当だから、否定はしなかったが。
匙もいつになく苛々しているようだった。
……私も、少し自分に怒りを覚える。
『禍の団』が来た時、私達がもっとうまく動いていれば、上代君の負担はもっと少なくて済んだのだから。
早く体調を治して、学園に復帰してほしい。
心配だ。
上代君の成り上がり記。
そのうち、神様か魔王か総督になるかもね(ぇ
まぁ、冗談は置いといて、ソーたんは一応ヒロインじゃないです。
でも、出番は増えると思う。書いてて楽しかったから。そんな感じです。
もしこのSSが完結した時は、ifみたいな感じでソーたんヒロインでその後を書きたいなぁ、と思った。
まぁ、まず完結がどこにあるのかが判らないけどw
そのうち、「俺たちの物語はこれからだ!」的な終わりを迎えると思う。
何となくそう思った。意味はない。だって、SS書いてるの楽しいもん。
ヒロインじゃないとか言ってるけど、タグ入れして抜け道を作ってる…そんな自分が好きです(ぉぃ