どっちも鈍感系だし(ぇ
凸月A日
近々、悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談があるのだが、昨日、堕天使総督のアザゼルが赤龍帝である兵藤君に接触したらしい。
彼は堕天使の中でも特に、希少な『神器』に興味を持っているらしい。『神滅具』級となれば、喉から手が出るほど欲しいのではないだろうか?
まぁ、昨日は挨拶だけだったようだが。
学園の生徒に何も無くてよかったと思う。
しかし、アザゼル…か。先日のコカビエルですら私達の手に余ったというのに、堕天使の総督となると勝てる気がしない。
今回は会談の為に来ているのだろうけど……胃が痛くなりそうだ。
駒王学園でアザゼルに対抗できるとすると、上代君くらいだろうか? 彼の実力も未知数だから、何とも言えないが。それに、彼は強力な『神器』を持っているとはいえ人間だ。不用意には頼れない。悪魔の問題は悪魔が解決すべきだ。
リアスの兄であられる魔王ルシファー、サーゼクス様も来られたし、しばらくは気が休まる事はなさそうだ。
今日は、兵藤君の家に泊まられるらしい。いいのだろうか? 魔王ともあろう方が、『神滅具』持ちとはいえ、一介の『兵士』の家に泊まるなど。
……まぁ、あの魔王様ならそういう事は気にしないか。お姉様もそうなのだし。
というか、お姉さまは何をしてるのだろう? 今回の会談、お姉様も出席するはずだが。
凸月B日
サーゼクス様が、町を見て回られていた。
いくら魔王とはいえ、今の町には堕天使、天使が集まってきているし、危険なのではないだろうか……。
まぁ、グレイフィア様もいるし、そうそう問題も起きないとは思うが…。
しかし、サーゼクス様は本当に上代君に興味があるらしい。興味以上、なのかもしれない。
生徒会室に来て、上代君を呼び出してほしいと言われた時は、本当に驚いた。
その後、グレイフィア様に殴られて連れて行かれたが…。
なんでも、上代君に町の案内をしてほしかったらしい。
子供みたいだな、と思うのは失礼だろうか?
凸月C日
上代君に、先日のコカビエルの件のお礼を再度伝えた。
本当に、巻き込んでしまって申し訳なく思う。本来なら、悪魔である私が、そしてこの地を任されているリアスが解決しなければならない問題なのに、上代君を巻き込んでしまった。どれだけお礼を言っても足りないと思う。それに、最後には助けられる形になってしまったし。
そう伝えると、上代君は笑って自分は何もしていないと言ってくれた。本当にいい人だ。善人、というのは彼のような人間の事を言うのかもしれない。悪魔が何を言うか、とも思うが。
しかし、問題が一つできてしまった。
上代君の無断欠席の事だ。コカビエルと戦った後倒れてしまった上代君は、数日だが無断欠席してしまっている。
どうにかして、生徒会で処理できないだろうか……難しいが、何とかしないといけない。
助けてもらったのだから、これくらいはしなければならないだろう。
凸月D日
帰り道、上代君がサーゼクス様と肩を組んで歩いていた。
……いや、自分の目がおかしくなったのかと最初は思った。隣を歩いていた匙も目を剥いていた。
本当に彼には驚かされる。まさか、魔王ルシファーと肩を組む人間が居るなんて、夢にも思わない。
上代君は、これからどうなるのだろう?
これでは、本当に普通になんて過ごせなくなってしまう。
魔王と親しい彼が羨ましくもあるが、可哀相でもある。
凸月F日
上代君には本当に申し訳ない事をしたと思う。何度頭を下げても下げ足りない。
堕天使コカビエルとの戦いで、この町を、命を救われた。だが、その後倒れた上代君は数日だが学園を休んでしまっていた。
本当なら、こちらでどうにか辻褄を合わせて問題が無いようにしたかったが、どうしてもそれが難しかった。
……どうしても、上代君の無断欠席を無い事に出来なかった。素行が悪い訳ではないが、無断欠席を数日続けたとなると、内申書に響くのだ。
一般の大学志望の彼だから、今の時期の無断欠席は厳しい。
だから、学園側と交渉して奉仕作業をしてもらう事で、なんとか目を瞑ってもらう事になった。
本当に、申し訳なく思う。せっかく助けてもらったのにこんな事になるなんて。
まぁ、一人でプール掃除はあまりにも酷なので、リアスにも話を持ちかけて、オカルト研究部にも助けてもらう事にした、
掃除の後は、プールで泳いで良い事になってるので、向こうも二つ返事でオーケーしてくれたから助かった。
本当なら、私も手伝うべきだが、どうしても終わらせなければならない仕事があって、それも出来なかった。
明日にでも、また謝ろうと思う。
匙も、休日に仕事を手伝わせてしまい、申し訳なく思う。
今度、何かお礼をしよう。
凸月G日
プール掃除の件を、再度上代君に謝った。
あまりに謝る私を気遣ってくれたのか、ジュース一本で許してくれた。ありがたかった。
本当にいい人だな、と思う。彼とは、良い友人関係を築けるような気がする。
それと、今日は特に匙の気合が入っていた。生徒会の仕事も、匙のお蔭で速く終わったと言える。
昨日の事も合わせて、ジュースを奢ってあげると、凄く喜んでいた。可愛い。弟が居たら、こんな感じなのかもしれない。
凸月H日
明日は授業参観日だ。
私にとっては、あまり良いイベントではないが、今回はお姉様には内緒にしているし、大丈夫だろう。情報も漏れないよう、細心の注意を払ったのだ。
リアスは家族総出で見学に来るらしい。……かわいそうに。
今日は早く寝よう。
凸月I日
最悪だ。
何処から洩れたのか、お姉様が授業参観に来ていた。あの、奇抜な魔法少女(?)の衣装を纏って。……勘弁してほしい。
匙にも変な目で見られるし、散々な一日だった。逃げたけどすぐに追いつかれたし。元々のスペックが全然違うから当たり前だけど。
……はぁ。恥ずかしくて死んでしまいたい。明日から、どうやって学園に行こう…。
それに、上代君にも変な所を見られてしまった。
お姉様の事は知っているだろうけど、私とお姉様の関係はあまり知られたくなかった。流石にあれは恥ずかしすぎる。死んでしまいたい。
ああ、明日はどうしよう…。
ちなみに、お姉さまは別件の用事ですぐに帰られた。次に来るのは三大勢力の会談の前日らしい。それはそれで寂しい。恥ずかしくはあるが、もう少し話したい事もあった。
……つくづく、自分でも妙な姉妹だと思う。
お姉様の事はあまり好きではないけど、話せないとこうやって拗ねたように寂しがる。
子供だな、私は。
しかし、お姉様が異性に興味を持たれるなんて…なんだか、不思議な気分だ。
しかも相手は、私の友人である上代君だ。今日は色々と聞かれた。
私ではなく上代君の事ばかりを話したのは複雑だったが、それでも友人が姉に良く思われるのは嬉しい。
そう言うと、溜息を吐かれたが。何故だろうか?
凸月J日
上代君に、昨日は大変だったな、と労いの言葉を貰った。
それだけで泣きそうになる。恥ずかしくて、だ。微妙な笑顔だったから、尚更だ。あの時の事を、一部始終見られたと思うと、死にたくなりそうだ。。
忘れてほしい。
それと、どうやらリアスが、一人目の『僧侶』であるハーフヴァンパイアを封印から解くらしい。
先日のコカビエルの一件で、実力が認められたのだろう。
『変異の駒』で配下にした、特殊な『僧侶』。これで、リアスが現状有する全部の駒が揃う。
しかし、どうしてアザゼルはこちらに助言をしたのだろうか?
匙の話では、彼の『神器・黒い龍脈』の説明もしてくれたらしいし。
……何を考えているのか。
それと、上代君もアザゼルから逃げるように、姿を眩ませたらしい。
それも、時間を停めて、と。どれだけ出鱈目なのだろうか、私の友人は。
彼が私の同期なのだと思うと、色々と複雑だ。いずれ、レーティングゲームで競う事になるのだろうか?
……それでも、私は誰にも負けたくない。相手が、魔王に認められた人間、上代君でもだ。
主人公の日記と同じで、明日完結すると思います
まぁ、明日投稿するかはまだわかりませんがねw
匙君は、朱乃さんと同レベルの弄られキャラかもしれない……苛められキャラではないと思いたい
魔王日記と天使日記か……魔王日記は書くと思う。もしくは悪魔日記。
天使日記はどうしよう? ミカエル様のキャラが判らんw