これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします
○月+日
グレモリーの奴が教室まで訪ねてきた。
正直、こいつは学園で有名すぎるから、せめて人目の無い所で話しかけてほしい。
その場はなんとか誤魔化したが、明日から何と言われるか……。
ちなみに、グレモリーは姫島の事で話があるらしい。
この前は兵藤も俺の所に来たが、俺が何をした? むしろ俺が姫島をどうにかしてほしい。
お前は部長なんだろう? 何とかしろよ。
とまぁ、そんな舐めた事を言ったらグレモリーさんに怒られましたよ。
怖いよ、こいつ。別にビビった訳じゃないけど、とりあえずグレモリーさんの話を聞く事にする。
グレモリーさんが言うには、塔城さんの代わりに俺の所に召喚された後から様子がおかしいらしい。
……本気で何をしたか覚えがないので、どうしようもない。
とにかく頑張れと、呪いのチラシを渡される。
もういいよコレ……間に合ってるよ。
とにかくこの後、チラシを使おうと思う。もしかしたらこれが最後の日記になるかもな……。
なんか知らんが、グレモリーを召喚してしまった。俺ってマジでパねぇ。それと空気読めねぇ。
小一時間ほど説教されて解放された……願いを叶えるってなんだろう?
とりあえず説教をして気が済んだのかグレモリーは帰っていった。
いったい何をしに来たんだ、お前は。
○月|日
昼休み、グレモリー直々に旧校舎に拉致され、また説教を喰らった……もう俺のライフは0よ?
木戸君の可哀相な物を見る目が痛い――俺の被害妄想かもしれないけどさ。
塔城さんが淹れてくれた茶が凄い美味かった……だって、昼飯抜きだったし。
とにかく俺は、姫島をどうにかしないと昼飯も喰えなくなるらしい。
グレモリーが「朱乃が最近怖いのよ」とか言ってたが、知らんがな。俺に昼食を食わせろ。
それと、呪いのチラシを渡すのを止めろ。それはもう要らん。ウチに10枚近くあるんだよ。
ちなみに、姫島は俺に「女のプライド」というのを傷付けられたらしい。
あー……初めて召喚した時に、「チェンジ」的な事を言ったような気がしないでもない。
アレかよ。
○月!日
帰宅途中、レイナーレさんとエンカウントする事が出来た!
普通に予想外だったので、素で喜んでしまった自分が恥ずかしい。
レイナーレさんはなんか疲れたような表情だったんで、近くのベンチで缶コーヒーを奢って愚痴を聞くことになった。
どうしてその流れに至ったかは、俺もよく判っていない。まぁ、なんとなくだ。
なんでも、同僚に足を引っ張られるんだとか、同僚がキチ○イで困るんだとか。
気付いたら日が傾く時間になるまで愚痴を聞いていた。色々と溜まってるんだなぁ、この人も。
最後にはお礼を言われながら別れるくらいには、親しくなってた……と思う。
うん、良い日だった……兵藤を召喚してしまうまでは。
ここは間違いなく塔城召喚フラグだろ! なんでここで兵藤なんだよ!!
取り敢えず、部屋の掃除を頼んでおいた。エロ本探すな、ボケ!!
っていうか、なんでお前、チャリで来てんの? 悪魔なら魔法陣から現れるとか、飛んで現れるとかしろよ。
流石にチャリはねーよ。
○月$日
今日は帰宅途中に兵藤とこの前の金髪シスターの密会現場を見付けてしまった。
……ちくしょう、なんであのエロ魔人がモテるんだ? 理解が出来ん。
悪魔とシスターの純愛なんて、所詮物語の中の綺麗事なんだよ、チクショウ。
呪いのチラシを使う気力も湧かなかったので、今晩はパス。
○月≪日
俺は呪われてると思うんだ。
という訳で、教会に悪魔祓いをしてもらいに来た。
や、この前会った金髪シスターをみて、お祓いして貰うのを思い出しただけなんだけど。
教会のドアを開けると、白髪神父が居た。この時点で俺の中では失敗フラグが立ってるわけですが……。
悪魔祓いってどれくらいの費用が掛かるのだろう、と思っていたら、意外にも白髪神父は良い人だったらしく、低額コースを勧めてくれた。
そのままホイホイついて行くと、薄暗い地下のような場所に案内され――気付いたら、家のベッドで寝ていた。
もうどこからが夢で、どこからが現実なのかが判らない。
やはり、神を信じていない俺が教会に行く時点で間違っているのか……今度は神社にしよう。
大体、白髪神父が居る時点でアウトだろ…アレは自称神父で、神父じゃない。
○月;日
意を決して、姫島を召喚する事にした。
どうやらグレモリーの方でも何やらあったらしく、そろそろ姫島をどうにかしろと、また昼休みに拉致――呼び出されたのだ。
もういいよ、どーせ俺が悪いんだよ。
という訳で、ここ最近慣れた呪いのチラシからの召喚を試みる。
―――そして召喚されたのは、またもや兵藤……why? つか、またチャリかよ。姫島はどうした?
しかも、滅茶苦茶落ち込んでて困った。
なんで俺が、願い事を叶えるために呼んだ悪魔に茶を淹れにゃならんのか。
そんなポンコツ悪魔は、どうやらこの前会った金髪シスターの事で悩んでいるらしい。
知るかボケ!! お前の彼女だろうが、お前が何とかしろよ!? と声を大にして叫んだとしても、誰も俺を責めないだろう。
まぁ、悩んでいる後輩にそんな辛辣な言葉は掛けなかったけどさ。
諦めたいなら、諦めろ。諦めたくないなら、諦めるな。
そんなキザったい、砂糖を吐きそうなセリフっぽい事を伝えると、兵藤は何かを決心したようにチャリで帰っていった。
もういいけどさ……ツッコまねぇよ?
というか、せっかく人が淹れた茶も飲まずに帰りやがった……。
窓から外を見ると、夜空を裂く様に一筋の雷が落ちていた。
そういえば、姫島も魔法みたいに雷を出してたなぁ、と思い出し……寝る事にした。
気のせいだ気のせい。
○月:日
姫島の機嫌が、怖いくらいに良かった……俺は話してないけど。
やっぱり昨日の雷は――考えるのは止そう。アイツを怒らせた事のある俺は、その事実に気付きたくも無い。
それと、今度からは姫島には関わらない、近付かない、怒らせない、逆らわない、を心掛けよう。
帰り際に、木戸君に会う。
声を掛けると、名前が間違っていると教えてくれた。すまん、木戸君じゃなくて木場君なんだな。
というか、君の声を、すっごい久し振りに聞いた気がする。
その日の夜、チラシを使うか使わないか悩んでいると、また雷が落ちた。
……嫌な予感しかしない。
俺の精神衛生上宜しくない想像を否定するために、確認に行こうと思う。
雷なんて自然現象だ――。
△月C日
ウチにメイドさんが来た。
名前はレイナーレさん。昨日、姫島が吹っ飛ばしたと思われる教会で運良く生きていた堕天使さんだ。
……どうしてこうなった。